クリスマスイブの居候   作:ポーター

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なんか終わった後にお気に入りがいくらか増えてくれたので書きましたです

そして今は2月14日26時30分です

バレンタインです

嘘です

一日で書くの無理です

間に合わなくて誰にってわけではないけど申し訳ないです

あとこれは“新作”ではないです


特別編 バレンタイン

ある日、私はとある用事のために、とある店へと足を運んだ。

 

その店とは・・・

 

「あっ、いらっしゃいませー」

 

「・・・どうも チョコを作ってくれると聞いたのですが、今からでバレンタインに間に合いますか?」

 

そう、チョコの店だ。

彼に手作りのものを渡すとしたら、作るタイミング、渡すタイミング、彼がそれを食べるタイミング、とそれなりに考えなければいけない事が増えてくることを予想した私は、それらを幾分か減らすために、そしてそれなりに気持ちのこもったものであることを伝えるために、わざわざバレンタイン二日前のこの日に彼が家にいるのにも関わらず出てきたわけだ。

 

・・・まあ、三日前になったのはそもそも忙しくて、そんな中息抜きで見た映画関係の雑誌に「バレンタインにオススメ!」と大きく書かれていた映画を見つけたからだ。

その映画は“普通”の恋愛映画で、当日も仕事でそこまで時間がないことからおそらく二度と見ることはないと思うが。

 

「はい! 全然間に合いますよー ただ受け取りの方はバレンタイン当日の午後からとなってしまいますが・・・よろしいですか?」

 

どことなくせわしない店員はそう言った。この店を見つけたときにあった情報には、「店員2人とアルバイト一人で頑張ってます!」などという、いわゆるブラック企業というヤツではないかと思うほどの文章があったので、おそらくそのアルバイトなのだろう。

 

店自体はこじんまりとしていて、今でこそ私のほかに客はいないが、どうもそれなりの人気があるらしい。

実際、店員・・・彼女が店の奥に「まだいけますかー?」という声を出した後、「まだあるのー!?・・・いけるよ!」という、おそらくこの店のウリであるオーダーメイドのチョコを作り続けているのであろう、その声に疲れの見える女性の声が聞こえた。

 

「ええ、超構いませんよ それならおそらく当日の午後になると思います それで、こんな感じですけど・・・大丈夫ですか?」

 

その言葉は本当に大丈夫かを問うわけではなく、ただの確認レベルの質問だった。なぜなら、ハート型・・・は気恥ずかしくてやめたが、四隅の丸い四角形に、最上へ ハッピーバレンタイン 絹旗より と英語で書かれただけの単純なものだったからだ。

 

しかし、彼女は折りたたまれて渡されたその紙を見ることもなく顔を曇らせた後、「少々お待ちください」と、先程の、チョコを作っているのであろう店員のところへと向かっていった。

 

(もしやこの時間帯というのはやはり問題があったのでしょうか いや、でも大丈夫とは言われましたし... 中身・・・も見てないはずで・・・「透視能力」だったら・・・でもそもそも中身自体も超大したことないわけですし...)

 

と、誰もいない店内で商品を見回しながら考えていると彼女らの声が聞こえてきた。

 

「あのー・・・注文なんですけど・・・その、紙で来たので...」

 

「へ?ああ、どれどれ・・・確かに追加料金の計算とか面倒だけどさ・・・そろそろわかるように・・・ってオイ!めっちゃシンプルなんですけどこれ!さては見ないで持ってきたなーこのポンコツー!」

 

「ひえー!すいません、すいません!だって、紙で持ってくる人いつもすっごい量のトッピング頼んでくるんですもん!今回もそんな感じだと思ってついー!」

 

・・・どうやらあのアルバイトらしき店員は料金の計算が苦手で、紙で来るものは大抵追加料金が発生するレベルの複雑さを伴ったものばかりだったから私のもそうだと考えたようだ。私もたまたま店の情報を見たときに、「紙に詳しく書いた注文も受け付けます!」と書かれた文字と、「紙があると楽になります!」と小さく書かれているのを見つけなければ、わざわざ紙に書かずにただ伝えて、何事もなく終わったのだろう。

 

お叱りの声・・・といったほどのものではないが、その内容がこちらにだだ漏れだが大丈夫なのだろうか。

「後できっちりお説教だからね!という声とともに、大して時間もかからずにそのお叱りは終わったようだった。

 

「そんなんじゃ噂の最上くん見つけたときに大変だよー」

 

「もー!うるさいなあー!大丈夫ですー!」

 

(・・・はあ 最上・・・ですか まさか彼のことじゃありませんよね まさか)

 

「最上・・・ってなんです?会話的に・・・彼氏とかですか」

 

何気ない世間話程度に、戻ってきた彼女に飛ばしたそれを聞くと、彼女は顔をほんの少し赤くさせて答えた。

 

「彼氏・・・じゃないんだけどね いちおう!一緒に寝たけどね、うん えーっと・・・助けてくれた人?みたいな感じです、はい」

 

それが終わるのと同時に店の奥から変な声が聞こえてきた。手でも切ったのだろうか。

さて、どうだろう。いや、まだ情報不足か。・・・正直助けて一緒に寝て、なんていう突拍子がない行動をしてるような人間など彼しかいない気もするが。一応数か月前までは学園都市内を転々としていたらしいし。

 

「一緒に寝た・・・?のに彼氏じゃないんですか どんな方なんです?乱暴だけど優しいみたいなかっこいい系ですか?」

 

その質問に彼女ははっきりと答えた。もしかしたら話したがりなのかもしれない。

 

「いや!全然!こう・・・なんだろう・・・カワイイ・・・?心が安らぐ感じ!その時いろいろ悩んでた時期だったんだけど・・・ってすいません!お客さんなのに...」

 

敬語が抜けきっていた彼女はそこまで言ってから私に謝罪をした。別にこのまま話していても良かったが、これ以上聞こうとすると不信感を抱かれるだろう、と私は質問をやめることにした。

これは彼で決定でいいだろう。わずかな情報ではあるが、勘がそう言っている。

 

(超不明瞭な最上の過去が分かったと思ったらこれですか やはり彼にあまり自由に外出させなくて超よかったです いつかのショッピングモールでも私のいない間女子小学生三人と仲良くなったと最上自身からも聞きましたし・・・ というか、この人・・・高校生ぐらいでしょうか、彼女もそれなりに押しが強そうですし、というか、押しが強ければ誰にでもついていってしまうのでは・・・? まあ、高校生でいろいろ成長してて頼りになりそうなこの人より私のほうを超選んだ、ということで素直に喜んでおくことにしましょう)

 

彼には・・・まあ聞かなくてもいいだろう。必要になったら話すだろうし、と考えながら会計を済ませ、後2時間近くあれば日が沈みそうな空の下に、手袋をつけてから歩き出した。

 

 

 

そして、バレンタイン当日。

 

残念ながら朝から一緒にいることは仕事によって叶わず、さらに体調・・・というかなにかマズそうな彼を家へと残して、朝食を食べたらすぐに仕事へ行くことになったが、その落ち込みをいくらか必要経費として考えられるだけの情報を手に入れることができそうだ。

 

「・・・って感じでね、最上君がいなくなってから本当に大変だったのよ 偶然の連続っていうか、予測不可能なことの連続だったっていうか・・・その結果当時の研究員はほぼバラバラで、ここにはワタシと、そこで今は寝てるけど、いつも経費のやりくりを考えてくれている彼のことしかその後の消息がつかめてないのよね・・・実験のほうは大失敗だと聞いているけど・・・死んじゃったのかしらね、あの子たち」

 

彼がいたという、研究所に偽装したような形の孤児院のようなものに所属していた人間に接触をすることができた。なにも彼女は今日あったばかりの私に事情を話すほどのバカというわけではなく、私のそれなりの対応に信頼感を持った上で、色々と話してくれている。

私も流石にそこそこクリーンで、誠実で、安定感のある対応を見せてくれるこの人たちにただ高額の報酬をもらうために仕事をするのも少し罪悪感があったのだ。

話し合いをした今ではそれなりにこちらに利益もあるしここにいる人間にとっても利益があるといった、いい関係になれたと思う。

 

ちなみに彼女らに最上のことは言っていない。一応そんな人間を知っている、という体でそこそこに深い情報も聞くことができている。 もしかしたら暗部の何らかの問題に巻き込まれるかもしれないからだ。

・・・彼女たちも私のことを知っているがあえてそこまで話さない、というスタンスをとっている、というのはあり得るが。なにしろこの学園都市でそれなりの期間レベル2の混じった子供たちをまもった人間たちだ。そこら辺の立ち回りも心得ている可能性は十分にある。

ちなみに彼は大雑把な機械で測ったものの、レベル0だそうだ。そして彼に一番懐いていたのは一番の能力者にして、いわゆる良い研究者と子供たちが、悪い研究者に目をつけられた原因であると推測されるレベル2の液体を操作する女子小学生だ。またか。

 

(まあ、最上の女性関係は超置いておきましょう。幸い恋人に値するものになった人間はいないようですし)

 

と思いながら、半分最上の武勇伝となっている語りに耳を傾けた。

 

「・・・それでね~・・・っと起きたのね 寝坊助ね、貴方は もうお昼時よ」

 

話していた彼女がそう言って視線を向けた先を見ると目を覚ましたらしい男の研究員があくびをしていた。

そこにすかさず女性の研究員は赤い包み・・・おそらくバレンタインチョコだろうものを差し出した。

 

「・・・んあ・・・なんこれ」

 

「バレンタインチョコに決まってるでしょ、もう・・・何年の付き合いだと思ってるの?それとも、今日が何の日かもわからないの?」

 

彼は「マジ!?」といって体を跳ね起こして、包装紙に包まれたそれをゆっくりと眺めた後、「サンキュ」とだけ言って、そのボサボサとした髪と薄汚れた白衣といった、粗暴そうな見た目に似合わず、丁寧に包装を剥がしていった。

別に渡すのはいいのだがもう少しムードというものを考えたほうが良いような気もするが、幼馴染といえるほどに共に歳を重ねた彼女らはこれが一番心地いいらしい。実際私もこんな風な仲になってみたいと思う。

 

「バレンタインかあ・・・そういや、最上君はどうかなー」

 

彼はそう言ってから、取り出したハート型のチョコをかじり始めた。

どう、とはどういう事だろう。バレンタインにいっぱいチョコもらってるかー、とかそういう事だろうか。

 

「そうねー・・・でも、案外バレンタインのことド忘れするぐらい幸せな生活贈ってるかもしれないわよ?」

 

「はあ・・・超いまいち掴めないんですけど、どういう事なんです?」

 

「ああ、そうだなー・・・うーん・・・説明が面倒なんだが・・・彼、バレンタインの日を少し怖がってな・・・よくわからんが、最後の日・・・みたいなことを言ってたな まあ、バレンタインってことを忘れるくらい一生懸命に何かやってると恐怖も大分少なくなるみたいで・・・無くなるわけじゃない様だったから気付かずに「今日は特別寒いですね」とか言うんだよ」

 

「はあ~...」と声の様な溜息のようなものを吐き出すと、女性の研究員から補足が入った。

 

「私たちも、その日になると怯えたようになる彼のことを考えて数日の間カレンダーとかを見せないようにして、研究所内でもチョコの類をなるべく出さないようにしたりするのよ だからほとんど一日遅れでバレンタインデーをやったりしてたわね、懐かしいわ」

 

そう言い終えると、彼女は思い出すような仕草をし始めた。

・・・しかしそうだったか?彼は怯える、というのもあったがそれ以上に吐き気をもよおしていたように見えたが・・・それに私がそれを言及した時初めて気づいたように周りを見渡して、頬を触って自分の状態を確かめるような・・・そんな風に見えた。

 

(もしや、あの時の最上はもっと危険な何かを感じ取っていたのでは・・・? もしそうなら今すぐ彼のもとに・・・ダメですね 多少円満な関係を築けているとはいえ、これは仕事です 放り出してしまえば何らかの制裁が加えられる可能性もなくはありません 彼が買い物に行く時間は伝えられていますし、そこにどうにか調整を・・・)

 

そう考えていると男性の研究員から声がかけられた。

 

「実はな・・・今日呼んだのはただのここの防衛のためじゃないんだ 確かに危ない状態ではあるが最初よりは大分マシになったからな 実はな・・・最上君らしきヤツ・・・それに雫・・・件のレベル2のヤツが見つかった そいつらを助けてほしい」

 

そう言う彼の目は真剣そのものだった。真剣にこちらを見つめ返答を待っていた。

彼らの話では雫、という少女は研究の要に近いものになっていて、助かったとしたら実験が成功したときのみ・・・失敗すれば死んでいるはずだ、という話だった。彼ら自身の見立てでは他に要とされるであろう二人は成功率が低い、という話でもあった。

つまり成功したのだろう・・・おそらく他二人は失敗で。

 

「・・・はあ、超具体的には?」

 

「・・・そうだな、雫のほうは・・・おそらく実験における影響を受けているはずで、聞くところによると新しい研究所の人間を十人近く殺したらしい・・・なるべく危険な目に合わないように、回収してくれ もちろん生きてだ 最上のほうは・・・話せばわかると思うから、ともかく保護をしてやってくれ 二人の救助隊はこちらで手配できる」

 

そこまで言うと、彼は言葉を切ってから、真剣なままに私に向かって頭を下げた。

 

「頼む!二人を救ってくれ!」

 

さすがにしっかりと私と最上との関係を理解していたわけではないらしい。そうでなければわざわざこんなことは言わないだろう。だからこそ言わなければならないことがある。

 

「それは超無理な話ですね」

 

その言葉に彼は苦しそうな顔をした後にこちらを見て何かを言おうとした。おそらく報酬の追加なんかの話だろう。だがそうではない。

 

「だって、最上はもう救われてますから」

 

 

 

私はそう言った後、彼の言う救助隊を借りて雫という少女が川に流れていたところを救助した。こうなった理由は把握している。彼が自ら少女と一緒に川に飛び込んだのだ。そのしっかりと見ていた。これに理由がなければ多少怒ることもできたのだが、少女は人を何人も殺したという割には随分理知的な印象を私に残した。つまりそれなりに意味があったのだろう。

ともかく、後は依頼主である彼らに任せた。私はこのまま退場することにしよう。

 

私は注文したチョコを受け取り、「三角関係ってマジですか・・・?」と、見たことのない店員、おそらくあの時裏でチョコを作っていた人間にそう言われ、「超よくわかりませんね」と答えた後に自宅へと帰った。

 

 

 

「ただいまですー 最上ー超いますかー」

 

彼は川に落ちてあの青年に助けられていたが、その後の動向がいまいち掴めていなかった。前々から彼から伝えられていた時間としては、3時前という話だったが今はまだ2時だ。こちらの仕事も早めに終わったこともあって彼がいない可能性もある。

そうして確認しようとしたが、何かが聞こえてきたり、見えたりする前に、特有の甘い匂いで彼の存在を知ることになった。

 

「あ、お疲れ様ですー 色々話すことがあるんですけど、とりあえず」

 

彼の言うことをこの甘い匂いが漂う状況からいち早く察した私は、彼の言葉をさえぎって声を出した。

 

「ハッピーバレンタインです!・・・女の子より先に渡そうとしないでください 全くもう・・・」

 

私がいじけたような声を出しながら彼に不服そうな顔を見せてチョコの入った箱を取り出すと

 

「あっ・・・あははは・・・えーっと、ありがとうございます!絹旗さん!」

 

彼は曖昧に笑ってからそれを手に取り、曇りのない笑顔を見せてくれた。

そんな彼に私は

 

「それ、確かに既製品ではないですけど私の作ったものってわけではないので超早めに食べてくださいね あなたは超遠慮して食べるタイミング失いそうですし」

 

としっかりと忠告をしておいた。

その言葉に彼はまた顔を綻ばせながら、彼はいつのまにか手に持っていたチョコの入っているであろう箱を私に差し出して言った。

 

「ええ、わかりました!じゃあ、これ、ハッピーバレンタイン!です!」

 

(・・・こうしてもらうと、なんだかんだ私も大事にしまってしまいそうですね・・・もういっそ、一気にここで食べることにしましょう!)

 

そう考え、リボンのみで閉じられた、ほぼ形式的ともいえる箱を開けようとして、その前に言うべきことがあるのを思い出した。

 

「最上」

 

自分でももう一度出せるのかわからないほどの優しい声で彼に呼び掛け、彼が首をかしげたのを見てから言った。

 

「大好きですよ」




7000文字行けなかったって言うね

ある程度ごちゃごちゃにしたものをまた拾いました

どういう設定したか忘れたから前回までを見直そうとしたら身悶えしました。5分

最上君はなんか神様的な人に「お前こんな感じの力上げるから会う人全員救ってね」って感じの能力を押し付けられた人って感じです。前世からずっと。

バレンタインの恐怖感はただのトラウマも混ざってます。

そんな感じでこんどこそ終了

あとこれは“新作”ではないです(確固たる意志)
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