クリスマスイブの居候   作:ポーター

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映画のアレをアレしてアレしようと思ったらアレだったのでアレしました。
ついでにアレをアレしたため遅れました。


お出かけのち災難

「ふあぁ...うーん・・・うぁ...」

 

(超よく寝ました... にしてもやっぱり朝は超冷えますね...)

 

起床とともに自然と声をあげながらそんなことを考えた。

目が覚めたのならこんなところでうだうだやっても時間の無駄だ、と私はベッドから降りて着替えを始めた。

 

(うーん昨日は大分遅くまで超起きてたんですけど・・・彼と生活し始めてからだんだん規則正しいリズムに超なってきたような気がしますね)

 

まあ悪いことではないか、と着替えを終えてリビングへと向かった。

 

「あ!おはようございますー 今、朝ごはんの準備しますねー」

 

と彼は今日も元気にその顔を見せてくれた。

 

「ええ おはようございます」

 

と私は短くいってソファにかけてある毛布にくるまりながらソファの上に横になった。

最近仕事のない日はいつもこうして彼が朝食を作るのを待つ。

暖房でこの部屋は暖かくなってはいるが、自室は夜中の間寝苦しさを防ぐために暖房をつけていないから起きた時に寒いのだ。

冷えた体は心地よさのある毛布によって温められていく。

 

(こうしてるともう眠くないのに眠ってしまいそうです...)

 

といつものように温まっていると、またいつものように彼が

 

「もうできるのでー、いろいろ準備してください―」

 

と声をかけてきた。

 

のそりのそりとソファから這い出して洗面台で顔を洗い髪を整えたりとしてリビングに戻ると今日も、美味しそうな朝食と彼の笑顔が私を待っていた。

 

今日の朝食は二枚の食パンの間に二枚のレタス、1枚のハムと1個の目玉焼きを入れたサンドイッチのようなものだ。

それを食べながら適当な雑談をしていたところに今日の予定について私から切り出した。

 

「昨日は朝食の時間に急に仕事が入りましたが、今日は無事入ってません・・・なので・・・ね?」

 

私がそういうと彼は照れ臭そうに笑いながら前々から決めていた予定を口にした。

 

「わかってますよ 今日は一日デート・・・ですよね!いっぱい楽しませるので任せてください!」

 

これまで何度も一緒に出掛ける・・・デートする、ことはしてきたけれど、どの日も私がリードしていた。

この日はたまには最上にリードしてほしい、と今日のこの日は特別だから、という勢いに任せていつもなら言わないようなわがままを言ったことでやっと彼主導のデートが実現した。

 

(あの日の夜はかなり後悔しました... いつも彼を弄ってるような私が超あんなことを言ったのも、なにより言われた最上がすごく嬉しそうで、それでいて意外そうな、生暖かいものを見るような目で見られたせいで超恥ずかしかったです...)

 

おかげでその日は2時間ほどベッドの上で悶えることに時間を費やしたが、そこまでしたくなるほどに今日という日は特別だった。

だって今日は、

 

(最上と会ってからちょうど1か月が経った日なんです...! 普段どれだけ超起伏の少ない日常を送っていようとも、こういった日に超一歩ずつ違ったことをしていかなければ、1年たっても10年たってもこの関係のまま変わらなくなってしまいます... それだけは超避けなければなりません... ・・・別に最上と超何かしたい、とか恋人になってほしいとかそういったものでは絶対にありません 絶対に)

 

誰に言うわけでもないのに自分の中で言い訳しながら楽しませると断言した彼に期待の目と言葉を送った。

 

 

 

「まあ、最初は超映画ですよね これで最初に別の場所に連れて行こうとしたら超私の何を見てきたのか問い詰めることになってましたよ」

 

そうは口で言いながらも、私は大事なところを抑えてくれている彼に友人などに向けるそれとは確実に違うものを彼に向けながら、彼主導のデートにさらなる期待を寄せた。

 

「あははは... やっぱり絹旗さんが一番喜ぶのは映画だっていうのはさすがにわかってますよ 伊達に1ヶ月一緒にいませんよ?」

 

そういいながら彼はこれから見る映画のチケットを渡してきた。

 

「それと、今回見る映画は恋愛映画になるんですけど、普通のそれとは確実に毛色が違うのが映画の紹介や評価なんかからわかったので、これにしました 映画自体の面白さも評価から保証できるので楽しみにしててください」

 

彼の観察眼はなかなかのもので、単に試行回数の問題かもしれないが今のところ大きな外れはひいていない。

 

「恋愛映画ですか... 私も超映画を探すうえで偏見はないようにしてるんですが、恋愛映画ははずれが多くて... 超詳しく調べることもあまりしないんですよね... まあ、最上の選んだものですから、超期待してますよ?」

 

それだけではなく、彼と一緒ならどんなクソ映画でも楽しく愚痴を言い合って楽しむことができるだろう。

そういう意味でも私は彼に期待している。

 

シアター内部に定番のポップコーンとジュースを持ちながら入ると、やはりともいうべきかカップルが多かった。

 

「やっぱり超カップルが多いですね まあ、クリスマスイブほどではないですけど あの時は当日にチケットが取れたのが不思議なほど人が多かったですから。」

 

今来ている映画館はちょうどあの時、やかましいカップルの熱量に押されてやむを得ず退場したあの映画館だった。

・・・自分たちもあの時見たようなカップルに見えていたりするのだろうか?

私たちは迷惑がかかるのはイヤだから(そこから何かの問題に発展したら面倒だから)、めったに上映中は話したりしないが。

そう考えるとなんだか感慨深い、などと思っていると

 

「へー、そうなんですか?イブのときはどんなものを見ようとしてたんです?」

 

と彼が質問してきた。

さて、何を見ようとしていたんだったか...

 

「・・・正直、覚えてませんね・・・半ば、憂さ晴らしのようなものだったので、適当に選んだ記憶があります まあ、クリスマスイブでも埋まらない程度にはつまらないものだったんじゃないかとは思いますよ?逃げ回る誰かさんを何の目的があるのかを考えながら追いかけて、疲れた頭で選んだから覚えてないんだと思いますけど」

 

私はカップルがうるさくて集中できなかったことは隠しながら、そう皮肉気に答えた。

 

「あー... あの時はほんとにすいません... 絹旗さんの名前なんて、問い詰められても理由がうまく答えられないようなことが口から思わず出ちゃって・・・もう逃げるしかないって感じで・・・実際は絹旗さんがとても優しかったのでこうして生きてますけど 本当に申し訳ないです」

 

彼はからかう程度に発したその言葉に真面目に答えたので、私は

 

「それはもう超構いませんよ むしろそれがあったから二回目に話した時に最上を家に入れようと考えた、みたいなところが超ありますから 私はあの時最上と会えて超幸運でした」

 

と普段伝えられていない喜びをそれとなく伝えながら微笑んだ。

そうして二人話しているとシアター内は暗くなり他映画の宣伝が始まった。

 

 

 

「今回の映画もかなり良かったです 特に最初はいろいろな場所でのシーンがあったのに後半に行くにつれて自宅オンリーになったり、主人公の男子高校生の夢が宇宙飛行士で女子のほうもそれについていこうとして主人公の部屋で口論を交わした後、すぐ廊下で話し合っていたのとか超ポイント高いです 場面転換入れたかったけど予算がなかった感があふれ出てましたね」

 

とお昼も近くなったので映画館の近くにあるファーストフード店で感想を言い合っていた。

 

「ストーリー性がしっかりあったのもなかなか良かったですねー 本当に宇宙に行って二人で告白しあったところなんか、宇宙服来てるのにそれが全く気になりませんでしたよ」

 

本当にそうだ。

逆に言えば、告白も終わって熱も冷めたころに、

 

(ああ、ここは宇宙だったんだ...)

 

と微妙にテンションを下げられたということでもあるが。

 

「あとただ予算がないからと言って諦めるのではなく、おそらくスタジオで撮ったんでしょうけど、超微妙に解像度の低い宇宙を背景に、エフェクトを使って代り映えのない風景をごまかした後、そのエフェクトが実は超伏線で、乗ってきた機体がバラバラになりながら、それでも互いに愛してるといって二人が別れたシーンは思わず超涙が出そうになりました 超名作です」

 

と私は締めくくりながらもちょっとした考えを共有するためにもう一度口を開いた。

 

「ただ、確実に宇宙要素は後付けでしょうね 微妙に詳しく宇宙飛行士になる手順が説明されていたのでおそらく宇宙飛行士オタクか何かが製作メンバーに紛れ込んでいて、宇宙なら漂って話をすればどこか盛大に見えますし、背景を超妥協できますから仕方がなくそっちに行った、というところでしょうか」

 

私がそういうと彼はうなづきながら

 

「あと、宇宙船の乗組員が主人公と女の子の二人しか出てこなかったところなんかもそう思わせる原因ですよね... 主人公が宇宙飛行士の夢を語ったあたりからだんだんと登場人物の量が減りましたし・・・時間に困ったのかどこか主人公の部屋の面影のある場所で最初のほうに出てきた登場人物達と主人公がテレビ電話始めて宇宙で恋愛相談してましたし、映画そのものには関係ないですけど、微妙な空気を感じ取ったのかたまに小声で話してた二人が話し合ってから帰ったのを皮切りに、四分の一ぐらいの人が帰っちゃってましたね...」

 

微妙な思いというのは共有してしまえばトンネルの中で出す声のようにさらに増大していくものだ。

どれだけつまらない雰囲気が漂ってもそれを共有してはいけない。

見ているものがとてもつまらないものに見えてしまうから。

 

「まあ仕方ありませんね 一応きれいに終わったような感じですけど、主人公たちがその後どうなったのか、とか唐突に起きたエフェクトをごまかすためであろう事故の原因は何か、とか超色々疑問が残りますからね それを自由気ままに考えるのが私たちが求める面白みの一部でもあるので私たちは楽しめましたけどそれが目的じゃない方々は超疑問でいっぱいでしょうね。」

 

と私はいまいち楽しめなかったであろう映画館のカップル達に憐れみを向けながら、最後の二口ほどになっていたハンバーガーをササッと片づけた。

最後にジュースを飲んで口を拭いていると、いつも通り私より早く食べ終わって、私の話を聞きながら氷だけになったジュースを飲んでいた彼は

 

「楽しんでもらえたようで何よりです そろそろ行きましょうか?」

 

と私に投げかけ、私が微妙に口の中に残っているハンバーガーを気にして頷きだけで返すと、にっこりと笑って私に次の行き先を伝えた。

 

 

 

「アクセサリー、選んでもらってありがとうございます つけ外しのしやすいタイプなのでケータイにもバッグにもつけられそうですね」

 

私はそういいながら、先程アクセサリーショップで選んだアクセサリーを薄いピンクのケータイに取り付けた。

ひし形で薄紅色をした宝石に何かしらの金属で回りを縁取った小さなアクセサリーだ。

一応色違いで水色のものがあったので彼にも買わせた。

 

(まあ、買わせた、といっても私が超週に一回ほどの頻度で渡す生活費からですけどね それに彼には携帯を買わないようにさせてますし、基本バッグを持ち歩かないので、つけるところに超困るでしょうけど)

 

案の定となりを歩く彼はそれのつけ場所に困っているようだった。

 

「どこかにつける必要はありませんよ 持っているだけでいいんです 別に肌身離さず持っておけという話でもありませんから」

 

そう私が言うと

 

「じゃあ、とりあえずポケットにでも入れておきます」

 

といって彼はアクセサリーを包んでいた包装紙に入れなおしてからそれをポケットへと仕舞った。

 

そうはいったものの私は彼ならば何らかの形で活用してくれるのだろう。

私は彼がこの二つ合わせて5000円程度の安物でも、もらったものを粗末にしないことを充分に理解していた。

 

「何にしてもそれも喜んでもらえてよかったです 持ち歩きやすい小物があればいいんですけどねー ボールペンあたりでも持ち歩きますかね」

 

「ボールペンなんて持ち歩いて何になるんですか... 使わないでしょう、最上は」

 

その言葉に情けなさそうに笑う彼を見ながら彼の持ち歩くものについて言葉をつづけた。

 

「とはいえ、何がいいんでしょうね あなたにケータイは持たせられませんし」

 

彼はまた少し視線を外した後に彼は元気に言った。

 

「うーん... 後で考えておきます それはともかく、まだまだ次の場所へ向かいましょう!」

 

ずっと楽しさでいっぱいだが、私もまだまだ足りない。

彼が次の場所を私に告げた。

太陽はまだ下がり始めたばかりだ。

 

 

 

アクセサリーショップの次に来た、大きなショッピングモール内の服屋で問題は起こった。

 

こんな感じの帽子がいいです、この色なんか絹旗さんに合いますよ、なんて楽しく服を選んでいると、ケータイに電話がかかってきた。

楽しい時間が終わりを告げた。

一応反論なんかもしてみたが、

 

「このままじゃホントに危険なの、お願い!」

 

とかいう言葉でかき消された。

 

私はそのクソったれなな電話を返事もせずに切ってから

 

「・・・超申し訳ないですけど仕事が入りました... いまいちかかる時間もわかりませんが行ってきます ・・・本当なら行きたくないですが、取り消せないので超申し訳ないです」

 

と不満たらたらな声で彼に告げると彼はとても残念そうな顔をした後に、笑って

 

「・・・そうですか... なら!今日のデートは何点ぐらいでしたか?」

 

と明るい声で返してくれた。

私のわがままで彼に先導してもらって、しかも一ヶ月の記念日にこんなことになってしまったのに恨み節一つ吐かずに最後まで楽しくしようとしている彼に私は、愛おしさすら感じながら、彼にならって明るい声で

 

「100点満点です!超これからもよろしくお願いしますね?最上!」

 

と言葉を返し、その場を後にしようとした。

 

しかし彼が私の腕を引いて彼自身の胸の中に私は引き込まれた。

上を見て彼の顔を見る前に、私を力強く抱きしめている彼ははっきりとした声で言った。

 

「差し出がましいことしてすみません... それでも自分からも言いたいことがあります これからもよろしくお願いします、絹旗さん」

 

一歩進むという私の目的は見事に実を結んだようだった。

 

 

 

「うまくできたかな...」

 

そんなことを口に出しながら絹旗と一緒に回る予定だった店の一つのCDショップで最上は時間をつぶしていた。

 

(何でもできるわけじゃないけど、求められたのにやらないで終わり、なんていいはずがないから思い切ってあそこで抱きしめたけど、絹旗さんに満足してもらえただろうか... むしろ嫌われてたらどうしよう...)

 

最上は急に終わってしまったデートのこともあって、思考を暗くしながら、彼の趣味の一つである音楽を聴いていて、心を落ち着かせた。

 

(絹旗さんが帰ってきて、彼女にもう一度聞いて、答えてもらえなかったらまた考えよう いつまでも暗いこと考えてたってしょうがないな!)

 

最上はそう考え、ヘッドフォンを外して、知っているアーティスト達のCDを二枚買ってから店を出た。

 

 

 

気晴らし程度にモールの中のゲームセンターに向かう途中、最上は泣いている少女を見つけた。

 

(ありゃ... 迷子?・・・な訳ないか ここ学園都市だし 何かあったんだろうな)

 

と最上は考えながら、泣いている小学校に入ったばかり、ぐらいの少女に声をかけた。

 

「大丈夫ー?何があったの?」

 

と最上は優しい声色で声をかけながらハンカチを差し出し、少女を観察した。

 

(んー?こういう感じの小さい子ならバッグとか持ってるだろうし、なくしちゃったかな? 座り込んでてあまり見えないけど、膝を下に向けてるから転んだから、からとかじゃないのは確かだな)

 

とあたりをつけて涙をぬぐったハンカチをポケットにしまってから話しかけようとしたその時に二人に近づいてきた二人組がいた。

 

最上は足音から誰かが来たのを認識しそちらに顔を向けると2人の少女がいて、片方の少女が最上と泣いている少女に声をかけた。

 

「この子のお知合いですの?わたくしたちも、丁度その子が一人で泣いているのを先程見つけたのですけれど、こちらのこの子が荷物をぶちまけたせいで来るのが遅くなってしまいまして...」

 

とピンク髪にツインテールの少女が少し息を切らしている頭に花を乗せたもう一人の少女にジトっとした目を向けながら最上に質問した。

 

最上は多少動揺しながらも、

 

「あー・・・っと、知り合いじゃないんですけど、一人で泣いていたので何かなーと思って もしかして風紀委員の方だったりします?多分、何かなくしたのに気付いて泣いてるんだと思うんで、風紀委員の方なら簡単に話がすむのでいいんですけど」

 

とわかりきったことを二人に聞きながら、少女に向き直った。

 

「もしかしてさ?バッグなくしちゃったりした?」

 

「・・・うん」

 

今にも泣きだしそうな少女は優しく丁寧に聞いてくる最上に赤くなった目を向けながら、

 

「お兄さんが探してくれるの?」

 

と間の言葉も待たずにそう言った。

 

 

 

最上と少女、それに風紀委員だから、と二人の横を歩く少女二人組、名前を白井黒子、初春飾利という、彼女達で少女のなくしたバッグを探しあてた。

 

どうにも少女は丁度二年生に上がる準備をしていたため、文房具を買いに来たらしい。

そこで財布の中身を確認するためにいったんバッグを商品棚の上に置いてバッグから財布を取り出し、中身を確認した後、気に入って買おうとしたノートの余りの高さに驚き、財布をバッグに入れたまま置いてきてしまったらしい。

 

心優しい店の人がたまたま置いてあったバッグだけを見つけて店で保管してくれていたようだ。

 

「これがそのノートなんですね!とってもカワイイです!・・・値段とあってませんけど...」

 

初春は野次馬根性のようなもので彼女の言っていたノートを見てそう言った。

 

(言えませんわ・・・わたくしがこれから通うことになる学舎の園ではもっとも一般的なものであるらしいことなど...)

 

黒子は堂々と書かれた、少女には見えない高さにあった商品推薦のプレートを初春から隠しながらそう思った。

 

「ほしいなら買いましょうか?多少余ってますし、三人分買っても大丈夫なんで、お二方のお礼もかねて」

 

最上は少女がバッグを捜索中にどこに行ったのかあまり覚えていない、という言葉に困り果てて一個一個回ろうかと考えていた時に、このぐらいの子ならこういうところに行く、という二人の助言を受けてなんとか探し出せたのでお礼をしようと考え、その言葉を発した。

 

「ほんとに!?わたしにも買ってくれるの!?」

 

少女は優しくしてくれた最上の更なるプレゼントに心の底から喜んだ。

 

 

 

「もうバッグなくさないようにね?それじゃあ、さようなら!」

 

と悲しそうにしながらも門限が近づいているらしい少女は帰っていった。

 

「あの子が無事にバッグ見つけられたのも二人のおかげですよ 先程も言いましたけど、本当にありがとうございます」

 

「いえ、わたし達はもうこれをもらったので大満足です!ねっ!白井さん!」

 

「うぇっ!?そ、そうですわねとっても可愛らしくっていいと思いますわ」

 

最初は遠慮しながらも、最終的には買ってもらったノートを大切そうに抱える初春と、どことなく申し訳なさそうにも見える黒子とが最上の目に映り、最上はクスリと笑った。

 

「それはそれとしてわたくしからも風紀委員としてお礼を申し上げますの 貴方のように立派な方がいればこの町はもっと良くなっていくに違いありません 貴方のような方にこそ風紀委員になってほしいものですわ」

 

と黒子は偽りのない本心を最上に告げた。

 

最上は感動すら覚えながら、

 

「自分も、白井さんや初春さんのように意志に満ち溢れた人たちに守られてここにいることがわかりました どうかこれからも、この町の平和をよろしくお願いします」

 

と最上もまた偽りのない本心で黒子たちに告げた。

 

黒子と最上が二人で固い握手をしてから、別れの挨拶をしようとしたその時、モール内が少し騒がしくなり始めた。

 

「?なんですの・・・?初春!なにか情報はありますの?」

 

「ちょっと待ってくださいね・・・非番の日にここまで仕事することになるとは... さすが風紀委員、て感じです・・・」

 

初春がそういいながらキーボードをたたくとすぐに情報が出た。

 

「出ました!この付近で無能力者一名による暴力事件との通報です!」

 

初春がそういうと、先ほどまではつけていなかった腕章をつけて、白井は最上にむけて

 

「申し訳ありませんが事件発生ですの!人手が必要かもしれませんので今すぐ向かいますの!またいつかゆっくりとお話いたしましょう」

 

そういって走り出した黒子と初春に向けて、最上は

 

「何か手伝えることは!」

 

と簡潔に聞いた。

避難のみを、と思ったが、すぐに風紀委員や警備員(アンチスキル)が到着できない可能性があること、最上が時間をかけて失せもの探しをするほどの善良な人間だということを考慮して、白井は言った。

 

「避難誘導をお願いしますの!このモールの北方面で行われていますので南から北に行くことのないようにしていただけると幸いですの!それが終わったのであればあなた御自身も非難を!」

 

おそらく必要か必要でないかは最上自身が判断できることだろう、と細かいことはあまり言わずにそれだけを伝えて白井は走り出した。




映画のアレを理解してからアレしようと思ったら時間がかかりすぎたので断念しました。
ついでに映画の内容をアレしたため遅れました。(OPで黒い影に色がついていくヤツ)(自分で考えて書いてなかったから埋まらなかった)
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