真・恋姫†無双 秋の夜長の夢   作:shizuru_H

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3話 道のりは長く、夢は近くに

「…ちゃん。え…ゃん。…淵ちゃん!」

「ん」

何やら周りがうるさい。

ゆっくり瞼を開けると、赤い顔をした霞が目の前にいた。

「しゅ~ら~ん」

隣には泣き顔の姉者の姿もある。

「これは。。」

「何寝ぼけてんねん、宴会の真っ最中に」

宴会。。あぁそういえばそうだ。

今日は非番だったから、街に出て、そしたら昔に何度か買い物をした商人に会って。

今は蜀から来たので~。というので立ち話ついてでに酒を買ったんだ。

そしたらそんな珍しい酒のにおいに誘われて霞が来て、

姉者が来て、つまみを取りに行った霞に拉致られた凪が来て。

その最中に寝てしまったようだ。

「はぁ~、淵ちゃん最近ちゃんと寝とる?」

「あぁ、睡眠時間は問題ないと思うが」

「ほんまに?」

「あぁ」

そんなに疲れてみえるのだろうか?

「最近の秋蘭さまは、とてもお疲れのように見えます」

見えているらしい。

凪にまで言われるとは、気を付けよう。

「しゅ~らんは、ちゃん、、ねれるのらぁ~」

姉者も相当酔っているらしい。

「ほんまかいな」

「ほんとうら~ちゃんと寝てぇ~、ときどき、かずとぉって言ってるのら~」

ピシッ

一瞬で世界が凍ったのがわかった。

…姉者以外

「まぁ、それは、その…まぁ淵ちゃんにもいろいろあるわな!」

霞が無理やり空気を換えようとして

「秋蘭様もそうなのですね。。」

凪が少し落ち込んだので

「しゅ~ら~ん、なんれ私の頭をたたくのらぁ~」

元凶の姉は折檻しつつも

「はぁ~、まぁ疲れているのは本当だが、北郷は関係ない。。」

「それは嘘です!」

凪が反論してきたのは意外だった。

しかも自信を持ってそこまで言うとは。

「だって、自分も同じだから…」

「凪、あんた、」

霞が何か言おうとするが言葉にならない。

霞も分かっているのだろう。

なぜならきっと皆同じなのだから。

「ふふっ、そうだな。凪の言うとおりだよ」

皆同じなら隠す必要もないだろう。

隠していた気もないのだが。

「秋蘭様…」

「凪は特に慕っていたからな、北郷を」

「…っ、はぃ」

俯きつつも、しっかりと返事をした凪を見て、

思ってしまった。

「会いたいな、北郷に…」

 

思えばこれが始まりだったのだろうか?

外史とは夢のようなもの、思いが集まって形作られたもの、ならば夢の中で見た夢も世界になるのかもしれない。。。

 

 

 

 

「これは、人の国なのか…?」

あの夏侯淵様が慄いてらっしゃる!

まぁ、こうなるとは思ってたけどね。

昨日は暗かったし、家には俺が連れていったから周りは見てないだろうし。

一歩外に出れば、千年以上の未来でした!って言ったらこうなるよね。

…引き出しから猫型ロボットが出てくるぐらいの驚愕と同じかな?

 

まぁそれはともかく、未来から理由があってやってきた猫型ロボットとは違い、

何も知らずに目が覚めたら未来だった三国志の武将様は、

こちらの世界に来た理由が分からない以上、しばらく帰れない可能性があると見て間違いないだろう。

自分の時みたいに…

衣食住のうち、バイトと仕送りで食と住はなんとかなるだろうけど、さすがに女性物の衣はなかった。

家に華琳様人形とかある人なら別だろうけど。。。

と言う訳でとりあえず洋服を買いに行くことになり、外に出た訳だけど。。

 

「…」

本当に、珍しいことに、あの、秋蘭が固まっている。

まだ玄関出て10分も経ってないんだけどね。

バスに乗って近くのショッピングモールに行ってショッピングをして…の、バス停にたどり着く前でこうなるとはさすがに思ってなかった。

当たり前だけど、あの時代とでは住居やインフラの質も普及率も違う。

街を発展させるために石畳路を整備する。なんて文官としての仕事もやっていた秋蘭だ、

あの時代にはなかった凹凸の少ない地面。あの時代の平民ではありえないような家。

そして車。。。

こうなるのも仕方ないか

 

「いや、すまない、さすがに驚いた」

「まぁそうだよね」

ようやく平静を取り戻した秋蘭と、歩きながら話す。

「なんとなく北郷から聞いてはいたが、こんなに発展しているとは」

人の世とは思えんよ。

そう言って秋蘭は微笑んだ。

「とりあえず今日の目的は洋服を買うことだから、その目的を果たすまでは出来るだけ固まらないでほしい」

「あぁ、努力はしてみるが、」

そう言いながらも落ち着かない様子だが、我慢してもらうしかないよね。

このまま一つずつ説明してたら、目的地にたどり着かないし。

色々と聞きたそうなのを何とかバス停まで引っ張っていき、バスとは公共交通機関とは何かを説明し、

ようやく目的値に向かって進むことができた。

 

 

…耳障りな騒音を聞きながら、未知の速さで流れていく景色を見て

あぁ、本当に知らない場所に来たのだな。

と、なぜか改めて感じてしまった。

しかしこんな状況なのに頭の片隅では、城下ではこれぐらい道が整備されていればもっと人が増えるだろうか、や、さっき聞いた「こうきょうこうつうきかん」という移動手段の適用など

文官としての仕事を考えている自分がいる事実が面白かった。

いや、これはきっと隣にいる男のせいだな。

警備隊として街に治安をもたらし、体長として率先して危機に立ち向かった。

バカと言えるぐらいのお人好し。きっとこの男が今私の隣にいるから、

この男が愛し私が愛したあの国をより良きものにしたいと、改めて今思ったのだろう。

 

「どうかした?」

なぜかこちらを見て微笑んでいる秋蘭。

「いや、なんでもないよ」

「そう?」

「あぁ、ただ華琳様の街での困りごとに何か役立たないかと思ってね」

「困りごと?」

「街の拡大や交通網の整備、それに伴う仕事と食糧の確保。北郷がいた時と変わらないかな」

土の香り漂う城下町、歩くのも疲れる街道。。

「まぁ、、この国の技術を使えば間違いなく良くなるね」

「あぁ、だろう?華琳様もお喜びになるはずだ」

くすっ

こんな時でも華琳様第一らしい。

「ん?何かおかしな事を言ったか?」

「いや、なんでもないよ。でも」

「でも?」

「ゆっくり進むのも悪くないよ」

現代の技術を使えば確かに良くはなるだろう。でもそしたらあの時代の良さを一気に損なうと思う。

時代は勝手に先に進む。人はそれとの歩幅がズレた時、きっと何かしらの歪みが生じるのだろう。

自分のように…

それにゆっくり進むことが悪いことだけではない。

「相変わらず変な男だな、ほんごうは」

「そうかな?」

「あぁ、変わらず変だ」

「酷いなぁ~」

くすっ、

秋蘭が微笑む。

「でも変わらないことも良いことだよ、こうやって秋蘭を愛してる気持ちが変わらないように」

ふっ

一瞬ぽかんとした表情だったが、

「ならば私はこの時代に来たように、気持ちを急変させて、他の男でも見つけてみようか」

と言って挑発的にこっちを見る夏侯淵将軍に、

「かなわないなぁ~」

かなわないので、一兵である北郷一刀は、ゆっくり手を繋ぐのだった。

繋がりが変わらない事を祈って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




更新遅れてしまい申し訳ありません。
駄文ですが、待っていてくれた方が一人でもいてくれれば幸いです。
2020年は月一ペースであげられるように頑張ります

追記
感想いただけた皆様、本当にありがとうございます

ギャグの方も書き始めましたのでよろしければお読みください
真・恋姫無双~耳篭絡伝~
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