暗闇の玉がこの世界に訪れてから15年の月日が流れていた。この頃、秘密結社バダンが計画していた時空破断システムの発動を阻止すべく、仮面ライダー1号からZXまでの10人ライダーはバダンと戦っていた。
阿修羅谷が決戦地となり、暗闇大使をはじめとするバダン怪人との死闘が繰り広げられ、やがて10人ライダーは勝利したのだった。
その裏で暗闇の玉は着実に力をつけ、ショッカーからバダンまで続く秘密組織を影から操る存在に成長していた。
それは遙か宇宙から地球征服を狙って、やってきたB26暗黒星雲の宇宙人をも操る存在となっていたのだった。
「偉大なる大首領!たった今、仮面ライダー達により、バダンが壊滅しました!」
腕に部分的に赤く染まった包帯をつけた白服姿の男が暗闇のいる部屋にやってきた。
暗闇の玉がいる部屋には玉座があり、壁には仮面ライダー達とバダンの死闘が映し出されている。
暗闇の玉は、玉座に座っているようだった。その姿もはっきりと視認が出来ない状態が続いていた。
暗闇の玉の言う助言には、はっきりとした目的があり、時に組織同士を争わせたり、組織を見捨て壊滅させたりとあったものの、誰一人として逆らう者はいなかっ
た。
『…知っている。だが、予定調和だ。代わりにロシアを征服できたのだから、良いではないか』
彼らは意図的に武器や人員を敵味方問わず送り込み、わざと戦争を長引かせ、世界を混沌へ陥れる存在として成長していた。
『さて、バダンは終わった。次は…【ゴルゴム】か? この先の未来を知るというの
も難儀なものだ。しかも、この世界は我が知る世界と違い、様々な世界が入り交じった世界のようだしな。本来ありえないタイミングで復活する組織もあったか。そうだ、この機会に組織名を改めておくとしようか。…そう名前は、【財団X】とでもしておこうか。フフフ、門矢士よ、早くこの世界に来い。おまえを取り込めば我は…』
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-5-
「う…」
浜辺で仰向けに倒れていた門矢士が目を覚ました。
「ここは…」
見覚えの無い場所。目をこらすと、向こう岸に港が見える。
周囲を見渡すと、どうやらこの場所は小さな孤島だという事がわかった。
試しに周辺を歩いてみる。十分程度で元の場所へ戻ってきた。
(何かの罠という訳ではないようだな。それにしても、これは誰の世界なんだ?)
考え事をしても仕方がない。こういうときは行動するだけだ。
「ひとまず対岸へ渡って、情報収集といこうか」
対岸の街へ着いた士が情報収集をしたところ、今は2012年。街頭のテレビには長期化する戦争のニュースが流れていた。
戦争を先導しているであろう独裁者の会見映像が映る中で、士は妙な違和感を覚えた。
(なんだ、あれは…あそこにいるのは俺か?)
独裁者の後ろにいる人物。それは紛れもなく自分の顔が映し出されていた。
「…なるほどな、大体わかった」
士には、この世界に来る直前に欠落した違和感があった。あれはいつだったか自分がショッカー大首領としての記憶を思い出した時だったか。おそらくその時の自分が今の自分と別れ、この世界を裏から操っているのだと確信した。
(この世界での俺の役割は、アイツを止めるためか。だが、今の俺だけでは限界があるな。ならば…)