ブレイブヴェスペリアが行く   作:だしィー

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サマンガン海停へ

ハ・ミルの村を出た、一行は新しく仲間に入ったリタとエリーゼに自己紹介などをしながらイラート海停に向かった。

 

「あの、イル・ファンに行く船はいつ出ますか?」

 

イラート海停に着いた一行は船着場の連絡小屋に行き、船の予定を聞いた。

 

「すいません。首都圏全域に封鎖令が出たおかげで前便欠航なんです」

 

小屋の連絡員は申し訳なさそうに欠航の説明した。

 

「他の便は?」

 

「サマンガン海停行きしか出ませんね。他の海停に向かう船は、しばらくありませんよ」

 

ミラが他の船の事を聞くと、連絡員はそう答えた。

 

「どうすんだ? 船が出られない以上、船以外で行く方法を探さなきゃなんねー訳だが」

 

「ふむ。困ったな。……そうだ、アルヴィン。君なら何か別の道を知っていないか?」

 

ユーリが連絡員の話を聞いて、困ったふうに言うと、ミラも同じような表情になり、アルヴィンに話を振った。すると

 

「ああ、知ってるぞ。直接船で行けないんなら、少し遠回りになるがサマンガン海停から陸路でいける道がある。丁度サマンガン海停行きの船があるみたいだし、こいつで行くしかないだろ」

 

と、アルヴィンが説明してくれた。

 

「へぇ~。アルヴィンすごいね」

 

「だてに傭兵家業で稼いでるわけじゃないからな。これくらいとーぜんよ」

 

カロルがアルヴィンの知識に感心していると、アルヴィンもまんざらではない感じでドヤ顔をした。

 

「サマンガン海停行きの船に乗りますか? であれば、乗船してお待ちください」

 

連絡員がミラたちの話を聞いてそう言ってきたので、ミラたちはサマンガン海停行きの船に乗船し始めた。

 

「手紙? 珍しいね。鳥でやりとりしてるんだ」

 

「ん、まあな」

 

乗船途中にジュードはアルヴィンが手紙のやり取りをしているアルヴィンを見て声を掛けた。

 

「遠い異国の愛する人にさ。素敵な女性が目の前に現れたってな」

 

「へぇ。奥さんいたんだ」

 

アルヴィンの茶化すような言葉を、ジュードは真に受けてそんなことを呟いた。

 

「はは。優等生の発想だな。結婚してるように見える?」

 

「え、違うの?」

 

「さて、な」

 

二人が話していると船から出港の合図の汽笛が鳴り

 

「あ、もう出るみたいだね」

 

「ああ」

 

二人は乗船しに歩き出した。そして、その様子をユーリは船の上から眺めていた。

 

「わぁ……!」

 

船が出港して、しばらくした後、エリーゼは海を眺めなが嬉しそうに声を上げた。

 

「どうしたの?」

 

そんなエリーゼの様子にカロルが声を掛けると、エリーゼは

 

「海……初めてなの……」

 

と、少し俯いて頬を赤らめながら言った。

 

「へぇ、そうなんだ。それじゃあ海見れてよかったね」

 

「……うん」

 

カロルとエリーゼは海を見ながら楽しそうに話をした。

 

「あの子、あの村で何してたんだ」

 

「監禁されていたのだろう?」

 

そんな二人を見ながらアルヴィンとミラが会話をしていた。

 

「逆かも。匿われてたって可能性もあるんじゃないかな」

 

「それにしちゃあ、匿い方が雑すぎねーか?」

 

二人会話を聞いていたジュードがそう言うと、ユーリがそれに疑問を言う。そんなふうにエリーゼのことを話していたら

 

「きゃーーー!」

 

「どうした!?」

 

悲鳴が上がり、咄嗟にエリーゼの方を向くと

 

「あははは。ティポ見て」

 

「海すごーい。落ちたらしんじゃうところだったよー」

 

「分かってるなら、身を乗り出さないでよ。もう、ビックリしたんだから」

 

「それはこっちのセリフよ。ったく、ちゃんと面倒見てなさいよね」

 

楽しそうに笑っているエリーゼとティポ。それに疲れた様子のカロルとリタがいた。どうやらエリーゼが海に落ちそうになっていたらしく、カロルとリタが落ちるのを止めたみたいだ。

 

「悪い子じゃないよ」

 

「そうみたいだな」

 

そんな様子を見て、ジュードがそう言い、アルヴィンが同意した。

 

「引き取ってくれるいい人が見つかるかな?」

 

「それは連れ出した君らが探すしかない。それが責任というものだろう?」

 

ミラはジュードの呟きに対してそう厳しく言うと歩いて離れて行ってしまった。

 

「やっぱり怒ってるのかな……」

 

「んー、いつもあんな調子じゃないか? ミラは」

 

「俺も同感。むしろ、エリーゼのことはもっと拒否すると思った」

 

ジュードの呟きに、アルヴィンとユーリがそれぞれ思っていることを言う。

 

「どうして?」

 

と、ユーリの言葉にジュードは聞き返すと

 

「ん、ああ。なんつーかミラのやつって、こうと決めたら一直線て感じ出し」

 

「俺もなんとなくわかるぜ。目的の邪魔になることには、もっと一方的かと思ってたよ」

 

と、ユーリとアルヴィンがそれぞれ意見を言い返した。

 

「ミラは、そんなに冷たくないよ」

 

「そうかな……」

 

アルヴィンはジュードの言葉にミラを見ながら呟いた。が

 

「そういや聞いたぜ。イル・ファンの研究所じゃ大変だったらしいな」

 

アルヴィンは急にチャラけた感じでジュードの肩に手を回しながらそう言ってきた。

 

「ミラから聞いたのか?」

 

「あいつ、あそこから何か奪ったんだって? 国の研究所じゃ、そりゃ、軍も出動するって」

 

「え? なんだろ、僕は知らない」

 

「ふーん。おたくは知ってるか?」

 

「いんや、しらねーな」

 

アルヴィンの急な質問にジュードは戸惑いながら答え、ユーリはとぼけながら答えた。

 

「本当かあ? 隠してもすぐわかるぜ」

 

「そんなに気になるんだったら、直接ミラに聞いてくりゃあいいだろ?」

 

アルヴィンがしつこく聞いてくるのでユーリはそう提案を出すが

 

「教えてくれると思うか?」

 

「いいや」

 

アルヴィンもその提案が冗談であるとわかっていたのか、軽く流した。

 

「……あいつはやっぱ、俺たちを信用してないのかね」

 

「さあな。ま、会ってからほんの数日程度しか一緒にいないんだから、しょがねーと思うけどな。で、どうするんだ?」

 

「んー、おたくらでも知らないなら、いいや」

 

アルヴィンは、もう興味ないという感じで話を切った。

 

「いいの?」

 

「俺が聞き出そうとしてたら、あいつが怒るかもしれないからだよ。だからさ、俺が聞いたってことも黙っててくれよ」

 

「うん……わかったよ」

 

ジュードの問に、アルヴィンは別にと答えて、ついでに黙っとくようにと言い、ジュードは頷き、ユーリもいぶしかみながらも了承と手を振った。

一方、ユーリたちと離れたミラは

 

(……『カギ』は手の内にあるが……いつまで時間が稼げるものか……)

 

海を眺めながらクルスニクの槍のことを考えていた。そうしていたら

 

「……ミラ……?」

 

「何か見えるのー?」

 

「いや、少し考えごとをしていただけだ」

 

エリーゼとティポが話しかけてきたので、ミラはそう答えた。

 

「エリーゼ。これからどうするつもりなんだ?」

 

「え……わたし……わかりません」

 

ミラはエリーゼを見ながら質問したがエリーゼはうまく答えられなかったので

 

「ふむ……わかることはないのか?」

 

と、簡単な質問をするも

 

「カロル君やリタ君、他のみんなも友達ー!」

 

「たぶんそういうこと聞いてんじゃないと思うわよ」

 

ティポの見当違いの答えにリタが呆れた表情でツッコミを入れた。

 

「ふむ、その通りだ。そもそも、このティポはなんだ? 何故ぬいぐるみがしゃべっている?」

 

「ティポはティポだよ。そんでエリーの友達ー!」

 

「お前と話すのはなかなか難しいな。何故か論点がずれる」

 

さらに、ミラはとりあえず別の話をするが、やっぱり微妙に会話にならないでいた。

そんなふうに話していたら、船の汽笛が鳴り

 

「おーい。そろそろ到着みたいだぜ」

 

ユーリが声を掛けてきた。

 

「ああ。わかった」

 

「さて、ラ・シュガルの警戒がどれほどのものか、な」

 

ミラは頷き、アルヴィンは軍のことを気に掛けていた。

 

「ミラ君は友達、友達ーっ♪」

 

「…………」

 

「仲良くなったみたいだな」

 

ティポがミラの周りをぐるぐる回りながらの言葉にミラは嘆息し、ユーリはからかうように言った。

そして、船はサマンガン海停に着き、一行は船から降りた。

 

「思ったほど厳重じゃないが……」

 

「それなりに兵士がいるな」

 

サマンガン海停の様子を見て、アルヴィンとユーリがそれぞれ思ってること言う。

 

「妙だな……。一時はア・ジュールにまで兵を出していたというのに」

 

「君らを追うよりも重要なことができたか、な」

 

ミラは海停の様子に少々違和感を感じたがアルヴィンの推測に思うところがあるのか

 

「好都合だ。気づかれぬうちにイル・ファンへ向かおう」

 

と言い、海停の出入り口に歩いていった。他の皆もミラの後に続いて歩き出した。

 

「……ごめんね、エリーゼ。大きな街に着くまで、もう少し待っててね。そしたら、きっと引き取ってくれるいい人がいると思うんだ」

 

そんな中、ジュードがエリーゼに対して、そう言うと

 

「……え、でも……わたし……」

 

「ジュード君、それなんのことー!」

 

「えっ、なにそれ?」

 

ジュードの言葉にエリーゼ、ティポ、カロルが驚きの声を上げた。

 

「ねえ。あいつって、バカなの?」

 

「まあ、いきなり引き取ってくれる人がどうとかお譲ちゃんに言ってもね。聞かされてない本人は、そりゃ、驚くよな」

 

「気遣い、が足りないな。ふふ」

 

と、そんなジュードの様子を見ていた、リタ、アルヴィン、ミラの三人はそれぞれ思ったことを言った。

 

「なんつーか、責任を取ろうとしてんのはわかるが、独断過ぎだな」

 

「そうだな。どんなに頑張ってても、やっぱりガキだよ……」

 

三人の言葉に続くようにユーリも言い、それにアルヴィンが声を落としながら呟いた。

そして、ジュードたちも出入り口に集まり、一行はサマンガン海停から出発した。

 

 

 

 

~チャット会話~

 

『手配書』

 

エ「この手配書……ユーリとミラとジュード!?」

 

ティポ「わー、さんにんともキョーアクー!」

 

ミ「これが私たちか?」

 

ユ「ひでぇ絵だな」

 

カ「なんていうか、手配書ってどこも同じ様なもんなんだね」

 

ア「これなら捕まる心配はなさそうだ」

 

ジュ「……よくないよ」

 

 

『手配書2』

 

リ「にしても、コレそっくりじゃない(笑)」

 

ユ「どこがだよ」

 

ミ「ふむ。全く似ておらんぞ」

 

ジュ「そうだよ」

 

リ「だって、ユーリは黒くてロンゲののところがそっくり。ミラはこの髪がぐるぐるしてる所。ジュードはなんかヘタレっぽい感じかね」

 

ユ・ミ・ジュ『似てない!!』

 

 

 

『予定は未定』

 

エ「わたし……みんなと……さよなら……ですか」

 

ティポ「そんなのやだー!」

 

カ「別にそう決まったわけじゃないって」

 

エ「でも……」

 

カ「そんな思い詰めなくてもいいよ。エリーが納得できるまでに待つからさ」

 

エ「……えっと。その……」

 

ティポ「カロル君! ありがとー!(カプッ)」

 

カ「のぉっ! ちょっ、ティポ!」

 

 

 

 

 

 

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