書き途中のがあったのでそれをキリのいいところ(?)までなんとかして完成させてみました。
続きの方は・・・・まあ書けたら書いていきます。
ミラたち峡谷の頂上へと行くとそこにはポッカリと穴が開いており、その穴から紫色の光が勢いよく噴出していた。
「くッ……。コアが作動している! けど、この高さ……」
「どうするよ?」
ジュードとアルヴィンが穴の中を覗きこみ地上までの高さに困惑していると、
「時間がありません。吹き上がる精霊力に対して魔法陣を展開します。それに乗ってバランスをとれば、無事に降下できるかもしれません」
「つまり飛び降りると?」
「ってことは、コアを狙うチャンスは一度か」
ローエンが今の状況を分析し、皆に案を提示する。ミラとアルヴィンはその内容に穴の中を覗き込みそれぞれ呟き、
「他に案がねぇなら、行くしかねーよな」
「行こう。みんなを助けなきゃ」
「ふふふ。なかなか度胸がおありだ」
ユーリとジュードは行く気満々で穴を覗き込こむ。そしてそんなみんなの様子を見てローエンは微笑んだのだった。
「………」
「エリー大丈夫? ここで待ってる?」
そんな中、エリーゼは穴の中を覗き込んで不安そうにしており、カロルが声をかける。声をかけられたエリーゼはカロルの言葉に首を振り、大丈夫と意思を示した。
「わかった。じゃあ行こう」
カロルは笑顔でエリーゼに手を差し伸べるとエリーゼは一瞬キョトンとしたがすぐにその手を握り返した。
「ではまいりますよ」
ローエンが周りの様子を伺い、言うと空中に向かって3本のナイフを放ち魔法陣を展開させるとミラたちは魔法陣の上に飛び乗り、穴の中へと降りていった。中へ入ると精霊力の噴出に合わせて魔法陣のバランスをとりながら巧みに突き出している岩を避けて下降していき、
「あれか! アルヴィン頼んだ!」
ユーリが叫ぶと同時にアルヴィンが銃を構えて狙いを絞ろうとするが
「こう揺れちゃ……」
精霊力の揺れに上手く狙いが付けられず苦闘していたら
「これなら!」
「少しは安定するよね!」
「…ッ! 気が利くな」
と、ジュードとカロルがアルヴィンの身体を固定するために支えた。アルヴィンは一言お礼を言うと再度狙いを定めて、コアに近づく中アルヴィンはトリガーを引いた。
ガシャン! と、銃口から放たれた弾丸は見事に中央に浮いていたコアを砕き装置を停止させた。装置が停止すると、それと連動して洞窟内の各所にある人々を閉じ込めていた小部屋の機能も停止し、ロックも外れ閉じ込められていた人たちが逃げられるようになった。
「旦那様!」
コアを破壊し、地上へと降り立ったローエンたちはフラフラとよろけながら出口へ向かう人の中、膝をつき倒れそうになっていたクレインを見つけて駆け寄る。
「……うう」
「おい、大丈夫か?」
「すまない。忠告を聞かず突っ走った結果が、これだ……」
「ご無事でなによりです」
倒れかかっているクレインに肩を貸しながらユーリが声を掛けるとクレインは顔色が悪いものの、はっきりと答え返し、それを聞いてローエンは胸をなでおろした。
「ナハティガルは、ここに着ているのか?」
「僕も、あの男を問い詰める気で来たのですが、親衛隊に捕らえられてしまって……」
「そうか」
ミラはクレインの安否もそこそこにナハティガルの事を問うが、残念ながら良い情報を手に入れられることが出来なかった。
「もーこんなとこ、早く外に出よーよー!」
「だな。長居は無用だ」
洞窟内で少々話し込んでいたらティポが騒ぎ出し、アルヴィンもティポの言葉に同意した。そしてユーリが歩くこともままならないクレインを背負い出口へと移動し始めたその時、広間の上にあった繭のような岩が光り出した。
「危ない! 下がれ」
ミラが叫ぶと、それぞれが光っている岩から距離をとり各々臨戦態勢になる。光る岩からは、まるでサナギから脱皮する蝶のように巨大な虫型の
「うわー! む、虫!」
「な、なにこいつ……」
「くるぞ! 構えろ!」
カロルは虫型の魔物に対し即座に鞄からスプレーを取り出し、ジュードとミラも武器を構えて魔物の攻撃に対処し始めた。
「クソッ! とにかく捕まってた奴ら逃がさねーとまともに戦えねぇ」
「あんたも下がりなさい! そんな状態じゃ戦えないでしょ」
「ユーリさん。クレイン様をよろしくお願いします」
リタ、ローエンはクレインを背負って戦闘に参加できないユーリを背に庇いつつ魔術を放ち、魔物を遠ざける。
「すまねぇ! ラピードも手間かけさせて悪いな」
「バウッ!」
と、ラピードは逃げ遅れている人々を魔物の攻撃から守り、ユーリもクレインを外へと運び出すと逃げ遅れている人達へと魔物の意識が向かないように囮になりながら逃げ回る。
「ティポサライブッ!」
「ワイドショット!」
エリーゼとアルヴィンも空中を飛び回る魔物が人々に近づかないように魔力弾や銃撃を浴びせて遠ざける。
「この魔物、強力な精霊術を纏っています!」
ローエン、リタ、エリーゼの三人がそれぞれ魔術を発動させ当てるも魔物が纏っている精霊術により威力が弱らせられてしまっていた。
「こいつを産み出すのがやつらの目的か!?」
「でもなんだが、この感じどこかで……」
「分析は倒してからにしてくれ!」
攻防の中、なかなか頑丈な魔物にミラとジュードはその正体について考えるがアルヴィンによって一旦遮られた。
「ウォーーン!!」
「今だ! カルロウXビーム!」
ラピードの
「覚悟!」
ミラによる渾身の一撃が入り、魔物は地に伏して動かなくなった。
「はあああああ!」
「ダメだよ!」
そしてミラが完全にトドメを刺そうと再度剣を構えて魔物に切りかかろうとした時、突如横からジュードが止めに入りミラはたたらを踏んだ。
「なんのつもりだ!」
「よく、感じてみてよ」
ジュードの行動にミラ以外にもどうしたんだ?と言う雰囲気になるが、ジュードは魔物に目をやる。その行動に他のメンバーも倒れて動かなくなっている魔物に顔をを向けると、
「……何、これ」
「微精霊だよ」
リタが呟きにジュードが言い返した。倒れていた魔物は突如として発光し、その光は粒子のようになって魔物の身体からあふれ出し始めた。
「おお、これは」
「すごい、すごーい」
「ホント、すっごく綺麗!」
ローエンはしみじみとその光景をみて感動し、ティポとカロルは目を輝かせながら驚いていた。次第に魔物の身体が砂のように崩れて行き、そして身体の半分程が崩壊した辺りでパッと弾けるように光の粒子を弾けさせ消えていった。
「……ありがとう」
「え?」
「我を忘れ、危うく微精霊を滅するところだった」
「あ……うん……」
ミラは過ちを犯そうとしてしまう前に止めてくれたジュードにお礼を言うと、ジュードは頬を染めて恥ずかしそうにしていた。
「さあ、カラハ・シャールに戻りましょう。皆、大量にマナを吸い取られて相当弱っています」
これ以上危険が無い事を確認したローエンがそう締めくくるとユーリ達は洞窟の外に居る人々の所へと移動し、皆を引き連れてカラハ・シャールへと帰るため歩を進めた。
攫われた人々をモンスターから守りながらクラマ間道を越え、ユーリ達はカラハ・シャールへと辿り着くと警備隊の人達によって病院へと運ばれていった。マナの消耗が軽微で症状の軽い人達は軽い健診程度だが、重度の人達は数日間の入院をすることになった。
「街の人達はこれで安心です」
「そんじゃあ、早く屋敷に戻ろうぜ」
「そうだね。はやくドロッセルさんを安心させてあげようよ」
ローエンが警備隊への指示だしを終え、ユーリ達の所へ戻り街の人たちの事は問題ない事を伝えた。それを聞いたユーリはクレインに肩を貸し屋敷へ行こうと言う。それにカロルが返答しユーリ達は屋敷へと歩き出した。
「お兄様!」
屋敷に前の広場まで行くとドロッセルがずっと待っていたのか、門扉の前で立っていた。ドロッセルはユーリ達の姿を見ると一目散に近寄ってくる。
「すまない。心配をかけてしまったね」
クレインはユーリから離れるとドロッセルへ弱々しいながらも笑顔を向けて言った。そして話もそこそこにユーリ達は屋敷へと入った。
「徴収された民も皆、命に別状はないようです」
「皆さん、本当にありがとうございました」
「私からも、お礼を申し上げます。ありがとうございました」
屋敷の応接間でユーリ達はそれぞれ休んでいると、ある程度回復したクレインとローエン、ドロッセルが今回のことの礼を言ってきた。
「みんな無事でよかったです」
「では、私たちは行くとしよう」
3人の言葉にジュードはよかったと胸をなでおろし、ミラはもう用は済んだとばかりに出発しようと皆をうながした。
「え! もういくのー?」
ミラの行動にティポが驚いて言うもミラは耳を貸さずに玄関へと向かって歩いて行った。
「こっからだとガンダラ要塞を抜ける必要があるな」
「ガンダラ要塞って?」
「ん? ああ、ここからタラス街道を抜けた場所にある要塞だ。元々交易路の安全を守るためって名目で作られた関所みたいなもんだったんだが、ナハティガルが王位をついでからは軍事要塞としての役割が強くなっちまってる」
リタがガンダラ要塞について聞き返すとアルヴィンは要塞の事を簡単にだが説明をした。
「ガンダラ要塞ということは……。皆さんの目的地はイル・ファンですか」
「そうだ。あそこには、やり残したことがある」
ローエンが目的地を推測してミラに聞くとミラは頷き肯定した。
「ガンダラ要塞をどう抜けるつもりなんですか?」
ミラの返答にクレインは経路の途中にある要塞をどうするのかを困惑しながら聞く。
「押しとおるしかないかもしれないな」
「はぁ!? あんた本気ッ?」
「そのつもりだか?」
と、ミラの行き当たりばったりで無茶苦茶な指針にリタは頭を抱え、他の皆も流石に驚いたり困惑した表情になった。
「さすがにそれは難しいでしょう。そうですね…、僕の手のものを潜ませて通り抜けられるよう手配してみます」
「あの、僕たちに協力して大丈夫なんですか? 僕たち、軍に追われている身ですし……」
「元々、我がシャール家はナハティガルに従順ではありません。それに先ほど軍に抗議し、兵をカラハ・シャールから退かせるよう手配したところです」
クレインの好意にジュードは心配そうに聞くとクレインは少しおどけた口調で心配は無いと返答した。
「これ以上は軍との関係は悪化しようがない、と言うことか」
「え、それってマズイ事なんじゃ……」
「今更の事です」
ミラの言葉にカロルが動揺し、クレインは苦笑いして言い返した。
「……んじゃ、お言葉に甘えさせてもらおうぜ。無策で要塞に突っ込むより何倍もマシだからな」
「…だな。他にいい考えがある訳でもねぇし」
「そうだな……。では頼んでいいだろうか?」
クレインの提案にアルヴィンとユーリ賛成し、ミラも無策で行くことは無謀と思っていたようでクレインの好意を受け取った。
「任せてください、色々お世話になったお礼です。ただ手配は上手くいってもしばらく準備がかかるでしょう。それまで滞在なさるといい。ローエン、君は彼らと共にいてくれ。彼らものお世話もその方がしやすいだろう」
「承知いたしました」
話をまとめたクレインからユーリたちの世話を仰せつかったローエンは頷いた。
「ありがとうございます」
「ありがとう!」
「わーい。まだドロッセル君といっぱいお話しできるねー」
ジュードとカロルがお礼を言い、ティポは嬉しそうにエリーゼの周りを飛び回っていた。
「今日はもうお疲れでしょう。部屋を準備させておきます。休まれるのなら、おっしゃってください」
クレインは最後にそう言うと自室へと戻っていった。その後は皆がそれぞれお茶をしたり散歩に出かけたりと好きに過ごしていった。