ブレイブヴェスペリアが行く   作:だしィー

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逃走

夜光の王都イル・ファン、その街を流れる川から三人の人影と一匹の犬が上がってきた。

 

「はぁ・・・はぁ・・・。ほらよっと・・・、大丈夫か?」

 

「はぁ、はぁ、ああ、すまなかった」

 

ユーリは川から出た後ミラを引き上げ安否を聞き、ミラはそれに息を整えながら答える。

 

「お前等も怪我ないか?」

 

「はぁ、うん。はぁ、はぁ、大丈夫だよ」

 

「ブルゥゥゥゥ・・・ワン!」

 

ユーリはさらにジュードとラピードのも聞き、それぞれ返事を返す。

 

「それにしてもミラ、泳げなかったんだな。此処まで来るのに一苦労だったぜ」

 

「ウンディーネのようには行かないものだな」

 

ユーリはそう言いながら体を伸ばし、ミラは少し驚きながらそう言い返す。それを聞いたジュードは

 

「やっぱり、四大精霊の力がなくなったんだ・・・」

 

そう呟てからミラに話しかける。

 

「ねえ、これからどうするつもり?・・・精霊の力がないとあの装置はきっと壊せないよ」

 

「あいつらの力、か・・・」

 

ミラはジュードの言葉に暗い表情で悩むがすぐに表情を明るくし

 

「ニ・アケリアに戻れば、あるいは・・・・・・世話をかけたな、二人とも。ありがとう」

 

打開策を見つけたらしく、ユーリ達に明るい声でお礼を言う。そしてミラは

 

「君等は家に帰るといい」

 

最後にそう言ってスタスタと歩いていってしまった。

 

「・・・どうすんだ? あいつ、行っちまったぞ」

 

「どうするって言ったって・・・」

 

ユーリはジュードに言うが、ジュードはオロオロして悩んでしまい、ユーリはそんな姿を見て肩をすくめて、

 

「とりあえず、こんな所にてもしょうがねぇ。行くぞ」

 

そう言って、ジュードの背を軽く叩き、階段を上って行きジュードとラピードもその後について行く。

 

「ガウッ!」

 

「っ! ミラ!」

 

階段をのぼり橋の上に行くとそこに兵士に襲われているミラがいた。

 

「不用意だな。無関係を装えばよいものを」

 

ミラは襲われているのにも関わらずそんなことを言い、兵士は声を掛けたジュード達を見て

 

「貴様等も仲間か!!」

 

と大声を出し睨みつけるた。

 

「・・・・・・・・」

 

「だったら何だってんだ?」

 

兵士の叫びにジュードは俯き目を逸らし、ユーリは戦闘態勢になる。そうして意識がユーリ達にいってる隙にミラが兵士に攻撃を仕掛けるが、ミラの攻撃は剣に振り回されるようなヘロヘロな感じになっておりまったく当たらず、それを見て

 

「ちょ! なにやってんだよミラ、お前剣使った事ないのか!?」

 

ユーリは目を見開き驚愕する。それを聞いたミラは

 

「うむ。今までは四大の力に頼って振っていたからな。あいつらの力がないとこうも違うとは・・・」

 

と、戸惑いがちに答える。

 

「覚悟しろ!」

 

そうしてるうちに兵士が叫び、攻撃を仕掛けてきた。

 

「ったく。ミラお前は一旦退れ!ラピード行くぞ」

 

「ウォーン!」

 

ユーリはラピードに声を掛け、兵士を倒しに行く。

 

「・・・・ッ、僕も戦う!」

 

俯いていたジュードもユーリが戦い始めたのを見て援護に入った。勝負は兵士の数が少なかった事もありすぐにユーリ達の勝利で終わった。

 

「はぁ、はぁ、何やってんるんだろ。僕は・・・」

 

ジュードは衝動的にとはいえユーリ達と兵士を倒してしまった事に肩を落とす。

 

「重ね重ねすまない。ユーリ、助かった」

 

「別にどうってことねぇよ。そんなことより、急いでこの街出た方がいいんじゃねぇか?」

 

ミラがユーリ達にお礼を言い、ユーリは手を振りながらそれに返してから町を出る事を提案する。

 

「そうだな。ではな」

 

ミラはそう言って、また一人で歩いて行ってしまうが

 

「街の入り口は、警備員がチェックしていることが多いんだ。海停の方が安全だと思うよ」

 

そう言ってジュードがミラを引き止める。

 

「む、そうか」

 

ミラもそれを聞いて足を止め、海停の場所を探して辺りを見回すが分からず。

 

「・・・海停、知らないんだね。・・・こっち」

 

それを見たジュードは呆れながらミラを海停に案内し始める。

 

「すまない。恩にきる」

 

「別にいいよ。色々助けてもらったし」

 

ミラはジュードにお礼を言い、ジュードは何でもないとゆう風にミラに返す。

 

「なぁ、海停ってなんだ?」

 

ユーリとラピードもジュードの後をついて行きながら質問をする。

 

「え、ユーリ知らないの?!海停ってのは船の乗継場のことだよ」

 

ジュードはユーリの質問に驚きながらも答える。

 

「ああ、港の事か」

 

「港? ユーリの所では海停の事をそう呼ぶの?」

 

「あ、あー、そうそう」

 

ユーリはジュードの答えに海停が港と同じと納得して、ジュードはジュードでユーリの質問に納得をする。そうこうしてるうちに一行は海停に到着する。

 

「そこの3人、待て!」

 

ユーリ達は船に乗るために進んでいると後ろから威圧的な声で兵士達に呼び止められた。

 

「え、・・・何?」

 

ジュードがそう言って振り返ると5、6人の兵士がユーリ達に武器を向けていた。

 

「先生? タリム医院のジュード先生?」

 

そして兵士達の隊長らしき人物がジュードの事を戸惑った様子で呼んだ。

 

「あなた・・・エデさん? ・・・なにがどうなってるんですか?」

 

ジュードにエデと呼ばれた兵士は俯き戸惑いながら

 

「先生が要逮捕者だなんて・・・」

 

と呟き、そして顔を上げ兵士としての顔でさらに、

 

「・・・ジュード・マティス。逮捕状が出ている。そっちの二人もだ。軍特法により応戦許可も出ている。抵抗しないで欲しい」

 

と、言ってきた。それを聞いてジュードは驚き、戸惑いながら

 

「ま、待ってください! た、確かに迷惑をかけるようなことはしたけど、それだけで重罪だなんて・・・!」

 

と、エデに言い返したが、兵士達は無言で武器を構る。

 

「問答無用ということのようだ」

 

「エデさんっ!」

 

ミラは兵士達の様子にそう言い、ジュードは止めてくれるように叫ぶが

 

「悪いが。それが俺の仕事だ」

 

エデはジュードの願いを却下する。

 

「悪いがジュード、・・・私は捕まるわけにはいかない。すまないが抵抗するぞ」

 

「俺も捕まりたくないんでね、協力するぜ。ミラ」

 

ミラが剣を抜き構えると、今まで様子を見ていたユーリも武器を取り構える。

 

「・・・抵抗意思を確認。応戦しろ!」

 

エデがそう言うと部下の兵士が術を放つ。ミラとユーリはそれを避け、術はそのまま奥の受付小屋に当たり爆発する。戦闘が始まると周りに居た野次馬達も悲鳴を上げて逃げ始め、さらに偶然なのか巻き込まれたくなかったのか泊まっていた船も出港し始めてしまった。それを見たミラとユーリは

 

「さらばだジュード、迷惑をかけた」

 

「ジュード、ここまでサンキューな。お前も上手く逃げろよ。ラピードいくぞ!」

 

「バウッ!」

 

ジュードに一声かけて、船に向かって走り出した。

 

「さぁ、先生。抵抗したら、その分罪は重くなりますよ」

 

「僕は・・・僕はただ・・・」

 

エデがジュードに抵抗しないように声をかけ、戸惑っているジュードに兵士が捕まえようとしたその時、

 

「がはっ!」「ぐふっ!?」「うわぁっ!!」

 

と、横から一人の男性が兵士達を殴り倒した。

 

「軍はお堅いねぇ。女子供相手に大人げないったら」

 

と、男性は首のスカーフを直しながら言った。

 

「あ、あなたは・・・?」

 

「おっと、話はあとな。連れの奴等がいっちまうよ?」

 

「でも僕は・・・!」

 

「軍に逮捕状が出て、特法まで適用されるってことは、だ。君はSランク犯罪人扱い。捕まったら待っているのは・・・極刑だな」

 

「そんな!」

 

ジュードは突然出てきた男性に疑問を聞こうとするが、男性はジュードの肩に手を回しながら話をはぐらかしジュードを連れ、船の方へ走り出す。後ろから応援の兵士達が追ってきて男性は、

 

「よっと」

 

ジュードを抱きかかえて積荷に飛び上がり、

 

「しゃべるなよ。舌を噛む」

 

そう言って加速し、端まで行くと跳躍した。二人は盛大な音を立てて船の甲板に突っ込むような形で乗り込み、船員は二人に対して

 

「ちょっと、あんたたち!?」

 

と睨みながら問い詰めようとしたが

 

「まったく参ったよ。なんか重罪人を軍が追ってるようでさ」

 

ジュードを助けた男性が立ち上がりながら陽気な声で喋り始めて

 

「おいおい。こんなイイ男と女、ペットを連れた兄ちゃんと子どもが重罪人に見える?」

 

さらにそう言って、ミラとユーリに手をふった。ミラはそれに首を傾げ、ユーリは胡散臭そうに苦笑した。

 

「あの・・・」

 

「アルヴィンだ」

 

「え?」

 

ジュードが何か言おうとしたら男性、アルヴィンが自己紹介してきた。

 

「名前だよ。君はジュードっつったかな?」

 

「う、うん。こっちはミラ。それでこっちはユーリ。そしてこの子はラピード」

 

ジュードは近づいてきたユーリ達をアルヴィンに紹介していった。

 

 

 

 

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