「首置いてけ!なぁ! 大将首だ!!
大将首だろう!? なぁ大将首だろおまえ!」
ーーー………………………え?ーーー
そして侍は惨殺された村の子供を一瞥して
「ようもやってくれたのう。
貴様の首はいらん、命だけ置いてけ!!」
そしてキンパツさん(笑)が誇らしげな顔で剣を抜く…
エルフの一人が侍に向かって何かを叫ぶが、
侍には目前の大将首しか見えていない。
そして侍は、大きく振りかぶって刀を敵に向かってぶん投げた。
ーーーなっ…なにやってんだあいつ!?ーーー
つーかどんな身体してんだよ!?
投げられた刀は風を切りながらまっすぐに飛んでいき、キンパツさんの剣に弾かれた。
直後、侍はキンパツの目の前にいた。
「なッ…」
「どっこいしょ」
そしてキンパツに飛び乗り、背中から地面に落とした。
「はン、他愛なか」と言い腰から投げた刀の鞘を取り出した。
そして鞘で、キンパツの顔を数回叩き割った。
「ッ!?」
侍の外道さにあっけにとられていたら、背後から口を塞がれた。
そして耳の近くで何かを言われた。
たぶん「動くな」とか「騒ぐな」と言ったんだろう。
ーーーこれはやばい…俺死ぬ、殺されるーーー
後ろのヤツは何かを聞いてきた。
言葉はわからない。絶体絶命だ。
口を塞いでいた手が避けられたので、勇気を出して「…わからない…」と(震えた声で)言ってみた。
そしたら、「…え?」
ーーーえ?ーーー
「えーっと、僕の言葉わかる?」
「…はい」
………………沈黙
なんかすげぇ気まずい…
「あのぅ…そっち見ていいですかね?」
「あ、…うん。いいよ」
後ろを見たら青い着物を着て、長い黒髪を後ろで縛り片目が髪で隠れている美少年がいた。
(いや、美少女かもしれない)
普段の俺なら可愛いヤツと出会って喜ぶが、
血がついた弓矢を持っているのが残念だった。
「お前、あそこの侍の仲間?」
「うん、そんなところ」
「お前、俺の敵?」
「君が抵抗しなければ…ね」
ーーー笑顔がコワイッ…!!ーーー
「君、もしかして通路の男に会った?」
「!…お前もか?」
「やっぱり、僕達も同じなんだ。だからそんなに警戒しなくてもいいよ」
ーーー僕達?ーーー
「…………仲間ってことでいいのか?」
「うん」
「…わかった。よろしくな」
手を出した。もちろん握手をするためだ。
胸があるか確かめようとしたわけじゃない。
「よろしく!」
握手をした。
手のひらは硬かった。
鍛えてるのかな?力も強い。
そんな事を思っていると…
「今から仲間の所に合流するんだけど、一緒に行かない?」
と聞かれた。
もちろん答えは
「おう、行こうぜ」
「あ、そうだ。お前の事は何て呼べばいい?」
「与一でいいよ」
ーーーーー
「ふむふむ…で、そこに転がってんのも俺達と同じだっていうのか?与一」
「ええ、そうですよ」
「つーか体力ねーなぁ~おまえ」
「ハァ…ハァ…うっせーよ、ヒゲオヤジ」
「ヒヒヒヒッ!悪態をつく元気があんなら大丈夫だな!」
改めて自分の体力のなさを思い知った。
与一と森の中を走って村まで行くのは案外キツかった。
肉体的にもそうだが、精神的にもそうだった。
侍が切った兵士の死体がそこら中に転がっているのだ。吐かなかった事を評価して貰いたい。
「おッ、終わったみたいだな。おいおまえ、ちょっとここで待ってろ」
「おう…」
「ついでにそこら辺の死体から鎧とか剣を取って集めておいてくれ、ヨロシクな」
「マジか…」
「頑張ってね~」
「じゃあな~」
…上司の人使いが荒い…
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