白い死神   作:フラット床

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メンタル破壊チキンレース中

初版↓
《最期の…本編です…伝わって…下さい…受け取って下さい…
活動報告に事情(?)があげてあります。》


8話

「フェイトちゃんが見つかったんですか!?」

 

拡散が予想される陸地をほとんど探し終え、残りは海上に散っているのだろうと詳細な反応の探査を行う方針に切り換えて数日。探索に追われて取れなかった落ち着いた時間を使ってユーノと身の上話をしているところにもたらされた情報を聞き、思わずなのはは艦橋へとかけ込んだ。

「あぁ、少し前に海上に現れてね。どうやら海に沈んだジュエルシードを強制発動する気らしい」

「なら、早く――」

「いや、もう少し様子を見よう。彼女が封印するか…失敗するにしても消耗させたところを狙った方が効率的だ」

クロノの言った言葉に耳を疑う。それはつまり、フェイトが思念体と戦って双方が消耗する(潰し合う)のを黙って見ていると言うことだ。

「だ…だって、それじゃあフェイトちゃんが…」

「…僕たちが優先すべきなのはロストロギアによる災害を食い止め、不要な犠牲を出さないこと…今出ていくよりも、このまま放っておいてどちらも弱ってからの方が回収も確保もしやすい」

そう固い声で言い渡される。積極的にそういう判断を下したい訳ではないようだが、その意志は固そうだ。そこへリンディからも声がかけられる。

「私達は最善の選択をしなくてはならないの。残酷かもしれないけれど、それが現実なのよ」

そうこうしているうちモニターの中で繰り広げられているフェイトと思念体の戦いは佳境に入ってきていた。同時に六つものジュエルシードが励起したらしく、それらが一斉に襲いかかってくる現状ではフェイトが押されているのも当然だろう。さらには強制発動に使った魔力も馬鹿にならないため確かに自滅するのは時間の問題だ。

だが、それを黙って見ていたいかと言われればそうではない。

(行って、なのは!)

(!ユーノ君!?)

(僕が転移ゲートを開くから、なのははあの子の所へ!)

思わぬ助け船に戸惑う。ユーノの目的と直接関わりの無い事なのに何故手助けをしてくれるのか?

(僕の事情とは関係ない。けど、なのはが困ってるなら助けになりたいんだ。僕にそうしてくれたように)

(わかった、ありがとう!)

返すと同時にすぐさまゲートへと走る。クロノの制止を無視して転移魔法陣へ飛び込んだ。

 

*

 

海上、その上空へと転移したなのはは落下しながらバリアジャケットを展開する。眼下の戦場に向けて砲撃形態のデバイスを構えて、撃ち込む。これまで(局員との協力中)もそうだが斬撃()は封印だ。落ちながら放った砲撃はかわされたが水の竜(思念体)の動きはそれほど素早いものではない。あちらの射程距離に入る前に二体を吹き飛ばす。しかし周囲に暴走したジュエルシードが有る以上、個別に封印しても再び暴走を始めてしまう。だが時間稼ぎにはなったため一旦無視して満身創痍といった風体のフェイトの元へ近寄る。

「どうして…?」

フェイトは何故わざわざ介入してきたのかわからない、という様子だ。当人も自分がどんなことをしているかの自覚はあったのだろう。

「こんなやり方じゃあ一歩間違えれば死ぬかもしれない…そんなのを見過ごすのは嫌だったから」

しかし、だからこそなのはは助けに来た。管理局(リンディ達)の指示に背いてまで出張ってきたのは見殺しにはできないというただ一点の為だ。

「それに私たち、敵同士だったとしても別に命の取り合いまではしてないでしょう?」

その言葉に驚いたような顔をするフェイト。確かにジュエルシード回収において致命的な攻撃を行うことは避けてきたが、それもできる限りというものだ。互いに譲れないものが有る以上、それこそ何かの拍子に取り返しのつかない傷を負う可能性だってあったのに、それをただの権利を手にするための勝負(喧嘩)だったと言うのだ。

それは結果としては間違ってはいないがしかし万人がそうと判断するものでもないだろう。それが原因で生涯禍根を残すような事例だって有るだろう。だが、だからこそ問題無いと言ってのけるなのはに、こんな状況だというのに若干の畏怖と憧憬を感じた。

そんな、意識が状況に追い付いていないフェイトにデバイスを通じて魔力を受け渡すなのは。

「丁度半分ずつ。まだ決着は着いてないけど…こんな時だもん、一緒にやろう?ひとりよりふたり、だよ!」

それを聞いてフェイトは少しの間逡巡したが、しっかりと頷いた。

 

 

即席ではあるが上手く連携して封印は済んだ。しかしいざ事態が終息すればどうすれば良いのかわからず気まずい空気が流れた。なのはも目の前の戦いを収める事しか考えていなかったのでジュエルシードの扱いは特に決めていなかった。そもそも管理局が居る以上ロストロギアの所有を勝手に決めることはできなかっただろうが。

しかし今気にするのはそこではない。フェイトとは幾度か交戦してきたが何も争いを目的としていたわけではないのだ。あくまでも望んでいたのは対話で。決裂してからもなお話し合いを求めていたのはジュエルシードだけが理由ではなかった。

「…私ね、あなたと友達になりたい―」

 

閃光が迸る。

 

フェイト達の動向に気をとられていたなのはは唐突に撃ち込まれた(いなづま)に反応できず、意識を落とした。

 

*

 

気付けばベッドの上だった。

海上での戦いから記憶がないので、どうやらあの時の光によって気を失っていたようだ。あの閃光は外部…おそらくはフェイトの関係者からの攻撃であり、未回収のジュエルシードが無いことから介入してきたのだろうとのことだ。それは同時にアースラをも襲い、追跡は難航中。フェイトは巻き添え…というよりはなのはが巻き込まれたようなものでこちらも攻撃をうけてアルフに助けられ、すぐさま転移したクロノの妨害を受けつつも3つのジュエルシードを奪って逃げたようだ。

 

ということをリンディから多少の説教と共に教えて貰った。命令違反に関しては最終的に新たな手掛かりが手に入ったので不問らしい。だがそれはそれとして、ジュエルシードの回収が済んでしまった以上あちらの動きがなければ直接事態を動かせないため、しばらくの間待機を言い渡された。




まだやれるので初投稿です。

初版↓
《続きは皆の心の中に―――
活動報告に事情があげてあります。》
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