バイオハザード リターンズ   作:GZL

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第13話 村長との接触

イカれた村民が教会の鐘の音に反応して、誰1人としていなくなった村の中でただ1人残っていた。居なくなったはいいのだが、これから何をしたらいいのか全く分からず、どうしようか考えていると、丁度隣の家からガタガタと音が聞こえた。

まだ村民が残っているのかもと思った竜馬は、拳銃を構えて中に入る。

中の様子は最悪だった。

食事をしていたと思われる鍋の中は腐った食材ばかりで、そこら中にハエが飛び交い、更には蜘蛛の巣、ノミや(しらみ)までもが家中をうろついていた。

 

「ったく…あの住民はどうやって生きているんだ?」

 

見た目だけは人間なので、そういう考えをしてしまう竜馬。

すると、ガタガタと近くのクローゼットが小刻みに揺れた。竜馬はゆっくりと近付き、クローゼットの取っ手に手をかけた竜馬は、一気に開いた。

バタンと音を立てて出てきたのは、1人の男性だった。

口にはガムテープ、両手両足にはロープで縛られて、ドタバタと動く奴だった。

見た限り、男性はアメリカ人ではなくヨーロッパ系の者に見えた。

竜馬は拳銃をしまい、その男の口を塞ぐガムテープをビリッと取った。

 

「……痛えな…。もうちょっと紳士的にやれよな…」

「そんな暢気なことを言ってる場合でもないんでな…」

「そうだな…。そういや…俺を助けてくれたが、あんたはここの奴らとは違うんだよな?」

「…まあな」

 

そう話しながら、竜馬は男のロープを解いていく。

男は痛そうに縛られていた腕を摩った。

 

「とにかくありがとよ。早くここから……⁈」

 

男が驚愕の目を竜馬の後ろに向けている。

その理由は、2人の村民にその村民の背より1.5倍程の巨体を誇る男を見たからだった。竜馬も振り向いて見たが、その大きさには驚嘆せざるを得なかった。

 

「気をつけろ。ここのボス…村長だ」

「こいつが…⁈」

 

古びたコートを身に纏った村長は静かに2人を見下ろしていた。

竜馬はこの距離で拳銃を出して撃っても、勝てるか怪しいと考え、体術で挑みにかかった。

自身でも近接戦は強いと思っている竜馬は、得意の蹴りを村長の腹のど真ん中にぶち込んだ。だが、竜馬の足には完璧な当たりは感じなかった。

村長はゴツゴツした手で竜馬の足を掴んでいたのだ。

 

「⁈」

 

村長はそのまま腕を動かすと竜馬は空中に浮き上がり、先程助けた男の上に背中から落ちていった。後頭部を勢いよくぶつけてしまった竜馬は、意識を手放してしまうのだった。

 

 

 

 

竜馬はとある椅子の上で縛られたまま、白い小さな卵のようなものが入った注射器を首に当てられる。そのまま注射器の針は竜馬の身体の中に入り、そこで留まる。

紫色のローブを羽織り、不気味な杖を携えた男は部下に合図して、竜馬にその卵を注入させた。

 

「くくく……、君もいずれこの力を魅力的に感じる時が来るだろう…。そして…我々の力にひれ伏すがいい…」

 

注入された卵は自らの意志で動くかのように…竜馬の中に入っていくのだった。

 

 

 

 

「おい‼︎さっさと起きろ!寝坊助!」

 

怒鳴りつける何者かの声で竜馬は漸く目を覚ました。

首を動かし、どこなのか確認しようとしたが、後ろ手で手錠をかけられている。しかもさっき助けた男と一緒だ。

 

「どんくらい寝てた?俺は」

「さあな。俺も起きたばかりだ」

 

どちらともなく、静かな時間が流れると、男は竜馬に聞く。

 

「なあ、あんた何者だ?この村に観光に来たイかれたバカではなさそうだな…」

「そういうお前こそ、この村の住民には見えないな…」

「ああ。俺はルイス・セラ。元警官だよ。この村の調査に来たんだ?」

「調査?何をしに?」

「言わなくても分かるだろ?」

「……なるほど」

「そっちのジャパニーズはどうなんだ?」

「仕事の関係上教えられない」

「当ててやろうか?」

 

そう言って暫く考え込むふりをしていると、ルイスは竜馬の核心を突く言葉を言った。

 

「大統領の娘だろ?」

「!どうして知ってる?」

「超能力を使ったのさ…」

「冗談もほどほどにな。本当のことを言え」

「怖い奴だなあ。教会の奴らがアメリカ大統領の娘を誘拐してどうのこうのって言ってたのを聞いてたんだよ」

「そうか…」

 

なら、彼女は教会にいるのかもしれないと竜馬は思った。

これで彼女の居場所は突き止めたも同然だ。あとはこの手錠を外すだけなのだが、それは鍵でもないと無理だろう。

退屈なため、竜馬はこのルイスという男と話し始めた。

 

「ところであんたはどうして警官を辞めたんだ?」

「……簡単な話さ。正義の味方ごっこに飽きたのさ。助けたくても助けることの出来ない命があるし、この事件を解きたくても解けないって事件も起きる。それが嫌になったんだ」

「……その気持ち…分かるよ…。俺も交番勤務を終えて、1日で警官を辞めた」

「ほう?何をしでかしたんだ?」

「何にも。東京事件で職を失ったんだ……」

 

そう口に出すと、今でもあの時の光景が脳裏に蘇った。

死者が練り歩く都会で必死に脱出する様子が…。

それを聞いていたルイスは同情するかのように言う。

 

「そいつは気の毒だ。というかよく生き残ってるな?」

「ギリギリのところで助かったんだよ…。その分…失ったものは多かったが…」

 

失ったもの……竜馬の兄と妹、そして玲奈の心の一部…。

 

「そういや……その東京事件でアンブレラが秘密裏にウィルスを作っていた……」

 

その時、カラカラとものを引き摺る音がこちらに聞こえてきた。

それは大きな斧を引き摺ってやって来た村民だった。その顔や服にはまだ真新しい血痕が付着していて、つい先程誰かを殺していたんだと匂わせてしまう。

2人は共にこいつから離れようとするが、後ろ手に手錠をされているため、中々距離を取ることが出来なかった。

 

「おい!あんた元警官だろ⁈どうにかしろよ‼︎」

「その台詞、お前だけは絶対に言うな‼︎」

 

村民が斧を竜馬とルイスに振り上げた。

竜馬は一か八かでこの時のタイミングを見計らって、ルイスに叫んだ。

 

「今だ‼︎」

 

竜馬とルイスは同時に別方向に身体を動かし、手錠の部分に斧を落とさせて拘束を解いた。お互い左右に転がり、斧を持った村民から距離を取ろうとするが、運が悪いのか竜馬の方に標的を絞られてしまい、もう一度斧が振り上げられる。

竜馬はその斧が落ちてくる前に村民の腹に足を乗せて、そのまま蹴り上げた。村民はクルリと空中で弧を描くと、後頭部を強打並びに自身が持っていた斧が顔面に刺さるという悲惨な状態になった。

ふうと一息吐く竜馬だが、その頃にはルイスの姿はなかった。

 

「あの野郎…先に逃げやがったな……」

 

ルイスが先に逃げたことにちょっとした苛つきを覚えたが、それより先に玲奈に現在状況を伝えるのが無難だと思い、無線機を手に取るが、その無線はうんともすんとも言わない状態であった。

 

「はあ…マジついてねえ…」

 

竜馬はそう言って、再び溜息を吐くのであった。

 

 

 

 

朝のアラームが鳴って、紗枝はベッドから起き上がった。

だが隣で寝てるであろう玲奈の姿がなく、部屋中を探し、ホテルを探し、挙句に果てにはその周辺も歩き回ったが、彼女の目撃情報を見つけることは出来なかった。

しかし、ここで玲奈がしそうなことが1つ頭の中に思い浮かんだ。

 

「あのお転婆娘…!」

 

そう呟いて空港に電話して、連絡を取る。

予約を取り、紗枝も後を追う。

こうして結局…3人ともその村へと行くことになってしまうのだった。

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