バイオハザード リターンズ   作:GZL

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はい、If story 3です。
皆さんは「マルハワデザイア」は聞いたことありますか?
原作は漫画だから知らない人が多いかも…。
初めて聞くという人のためにも、頑張って執筆していきます!
ではどうぞ!


IF Story3 樹海の高校
第18話 元恋人からの依頼


深い樹海に囲まれた学校……。

雨季になるとその地は幾度となくゲリラ豪雨以上のスコールに襲われる。その雨の中、黒いフードを被った何者かがアタッシュケースを片手に校内を歩いている。

そして、無線機で現在状況を伝える。

 

「準備は終わった。これからPhase(フェーズ)2へ移行する」

 

そう言って…奴は(そび)え立つ巨大な校舎や大聖堂を見てから、樹海の中へと消えて行くのだった。

 

 

 

 

ー翌日ー

雨上がりで夕焼けが綺麗な日だった。1人の女子高生が急いで校舎の中を駆けていく。友達との約束の時間を遅れたのだ。

随分長い時間待たせてしまったなあと思いつつ、彼女はガララと教室のドアを開けた。教室の中にポツンと1人…彼女の友達が座って本を読んでいる。しかし、ドアが開いた音が聞こえなかったのか、遅れてきた彼女の方を振り向くことはなかった。

 

「ごめん!遅れて…」

 

彼女は弁明しようとするが、友達は全く反応しない。

 

「遅れてごめんってば!…ラナ?聞こえてる?」

 

彼女はラナの肩に手を置き、どうしてしまったのか聞こうとする。

その時、ラナは振り向いた。

……まるで悪魔のように(ただ)れた顔を見せつけて…。

顔の至る所から血が流れ、口は裂けている。目も白目を向いたままでとても生きてるようには見えなかった。その狂気の姿に彼女がガタンと机にぶつかってしまう。それに反応したラナは……口から血を垂らしながら彼女に襲いかかった。

逃げようとした彼女だったが、制服の襟を掴まれ…首に食らい付かれた。悲鳴を上げることも出来ず、彼女は1匹の悪魔に命を奪われてしまった…。

夕焼けが当たる教室は、ほんの一瞬で…地獄絵図と化すのだった。

 

 

 

 

シンガポールのベネット大学の1番広い講義室で、細菌学の講義が行われていた。教壇に立つのはダグ・ライト教授。細菌学に関してはスペシャリストだ。

 

「このように…炭疽菌はバイオテロの要因になるとも考えられる…」

 

そんな講義を詰まらなそうに見ている男子学生にダグは講義中にも関わらず、溜め息を吐きたくなった。

講義を終えて、ダグはその彼の元へと足を運んだ。友達と駄弁って、分かれた後を狙って声をかけた。

 

「リッキー、もっと講義は真面目に受けんか!」

「げっ⁈叔父さん!いやいや、ちゃんと聞いてたよ。聞いてなくても叔父さんの細菌ウンチクは散々聞かされてるから嫌でも覚えてるけどね」

 

彼はリッキー・トザワ。ダグとは親戚関係にある。

 

「校内で『叔父さん』はやめなさいと言っているだろう?公私を弁えるくらいは出来るだろう、リッキー」

「はいはい、面倒いなあ。そんなんだからいつまで経っても、良い嫁が来ないんだよ」

「ほう……20歳(はたち)を迎えて彼女もいない者に言われたくはないなあ」

 

ダグがそう言うと、彼は赤面して「うっせー‼︎」とだけ言って、次の講義室へと走っていった。

 

 

 

 

ダグは残りの講義を終え、大学に設えられた自らの自室で特製コーヒーを啜って疲れを癒していた。先程は久々にリッキーとあんな風に話したな…と思った。

リッキーが孤児になってからはダグは育ててきたから、実際は彼が自分の息子なのではとも思う時がある。

あの時、彼女とあのままの関係であったらどうなっていたか……と今考えても仕方ないことにも耽ってしまう。すると、ガチャと扉が開くとそこから秘書が1つの手紙を持ってきた。

 

「失礼します。ダグ教授宛の手紙です」

「手紙?今時珍しいな」

 

この時代、手紙を送る人はダグの周りではほとんど見なかった。恐らく、やるとしても年を取った高齢の人たちだろう。そんな知り合いがいたかと思いつつ、ダグはその手紙の送り主を確認する。

表紙には綺麗な字で『グラシア・デレニカス』と書かれていた。

 

「グラシア……懐かしいな…」

 

懐かしい人からの手紙に少し嬉しさを覚えつつ、その手紙の内容を読む。だがそこに書かれていたことは途轍もなく重大なことだった。

 

「‼︎」

 

ダグは目を丸くし、何度となく読み返した。

見間違いでも幻覚でもない。信じたくないことだったが、そういうことなら行くしかないとダグは思った。

 

「私はこれから3日間の休暇を取る!」

 

そう秘書に告げて、部屋を飛び出すとすぐ目の前にはリッキーがおり、彼とぶつかる。

 

「おわっ⁈お、叔父さん、どうしたんだよ⁈そんな切羽詰まって…」

 

呆然とするリッキーを見て、ダグは1つの案を思いついた。一学生でしかないリッキーには辛いかもしれないが、彼がいた方が楽だろうと思い、こう言った。

 

「…どうしたんだ?リッキー」

「い、いやあ…単位のことで話したくて…」

「そうだな…。人手がいるかもしれん。単位が欲しいなら、私の助手として付いてくるか?」

 

リッキーはポカンとしたままであった。

 

 

 

 

その頃、部屋に引きこもりがちになっていた玲奈の家に1本の電話がかかった。暗い部屋の中に点灯する携帯を取り、玲奈は出た。

 

「…もしもし」

『玲奈?良かった。出てくれて…、最近玲奈が来なくて心配だったのよ?』

「…要件は何?ただのお喋りなら切るわよ?」

『待って待って‼︎あなたにはやってもらいたいことがあるの!今からシンガポールに向かって欲しいの!』

「シンガポール?どうして?」

『BSAAのアドバイザーのダグ・ライト教授から1人隊員を寄越してくれって来たの。今空いているの玲奈しかいないから行って』

「…でも、私は……」

『いつまで竜馬のことを引き摺ってるの?』

 

彼の名前を聞いた途端、玲奈は目頭を熱くした。

そう…彼が死んでもう半年なる。未だに遺体は見つかっていないが。

 

『貴方もいい加減働いて。いい?行かなかったら、私が貴方を無理矢理にでも連れて行くからね⁈ダグ教授の顔写真は送っておくから自分で探して』

 

紗枝からの一方的な任務を伝えられ、通話は終了した。

玲奈ははあと息を吐きながらも、クローゼットを開き、いつもの装備を身に付ける。その時の拳銃やナイフは…いつも以上に重かった気がした。何せ、半年以上何もしないでいたから当然だろうが、こんな状態で自分はこれから生きていけるのだろうかと…自身に問う玲奈。

それでも玲奈は、拳銃を腰に付け、適当に服などをバッグに詰めて部屋から久方ぶりに出て行くのだった。

 

 

 

 

リッキーは退屈に空港で待っていた。ダグは搭乗口で誰が来るのか期待しながら待っていた。一応、紗枝隊員からは今は抜け殻みたいな感じだけど、やる時はやる奴…と聞かされている。

そうやって日本から来た飛行機を降りて来た観光客の中に紛れて出てきた1人の女性にダグの目は止まった。写真で見た女性と同じだ。

 

「やあ、君が玲奈隊員ですか?」

「そうですが…あなたがダグ教授ですか?」

「そうです。遠路はるばるすみません」

「…いえ」

 

紗枝から聞かされている通りだった。確かに今の玲奈の目に光は見えない。抜け殻……という程深刻ではないが、まだ何かしらのショックから抜け出せずにいるのはすぐに分かった。

 

「リッキー!行くぞ」

「いつまで待たせるんだよ、叔父さ……ん⁈」

 

リッキーは振り向いて初めて玲奈を見たが…固まってしまう。

彼女いない歴20年の彼にとって、玲奈の美貌は凄まじいものだった。汚れが全くない透き通った肌、(つや)めく焦げ茶の髪…。そして、この少し離れたここからでも分かる程の美しい体型。

リッキーは全てに圧倒されていた。

 

「彼は?」

「私の(おい)だよ。名前は……」

 

ダグが紹介する前にリッキーは瞬時に彼女の手を取り、目を輝かせて自己紹介を開始する。

 

「リッキー・トザワです!20歳です!彼女いません!」

「………」

 

玲奈は無反応でリッキーを見ていた。あまりの無反応さ故にリッキーは心の中で「あれ?」と呟いてしまっている。

ダグはそんなリッキーを見て、はあと大きく溜息を吐くのだった。

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