バイオハザード リターンズ   作:GZL

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今回は少し短いです。


第13話 完全封鎖

竜馬と強制的に別れさせられてしまった紗枝は竜馬の願いを尊重して、先に進んでいた。すると前方に人だかりが出来ている。

彼らは間違いなく一般市民だ。高く聳え立つゲートらしきところに彼らは怒声をぶつけていた。その内容は…。

 

「開けろよ‼」

「開けて!早く開けてよ!」

「助けろ‼」

 

と様々だが、紗枝にはこの市民の怒りようから、このゲートは封鎖されてしまっているようだ。

なので、市民はゲートの上に立つ兵士…アンブレラ社の傭兵に怒鳴るが、全く耳を貸していない。もはや無視のレベルだった。

 

「紗枝?紗枝じゃないか!」

「あれは…一輝!」

 

人だかりに飲まれそうになりながらも、紗枝に向かってきたのは、同じくSATのメンバーで元パートナーの一輝(かずき)だった。紗枝はこのゲートが閉じている理由を聞く。

 

「何で開かないの?」

「アンブレラが開けないようにしてるんだ。もしかしたら、俺たちの中にあいつらがいるかもしれない可能性があるからだと!」

 

紗枝はその事に激しい怒りを覚えた。今はそんなことを言ってる場合ではないのに…。みんなで協力して、ここから脱出するのが賢明なのに…と思った。そうこうしてる内に市民たちの怒りの抗議はますますヒートアップしていく。

が、その中で突然人が倒れるのが紗枝には見えた。

 

「一輝、あれ…!」

 

紗枝の指差す先を見た一輝も気付いた。すぐに2人は人を掻き分けてその人物を抱き起した。

 

「…脈がない!」

「そんな…!」

 

一輝は地面に寝かせて、心臓マッサージを試み始める。だが、始めて間もない程でその人物は目を開けた。

一輝を一瞬驚いたが、すぐに安堵した。

 

「良かった、無事み……」

 

 

しかし、その人物は生き返ってなどいなかった。目を覚ましたのは、ウィルスの影響で蘇っただけ…。アンデッドとなった彼は一輝の足を掴むと、噛みついた。

 

「ぐあっ!何すんだ⁈」

 

一輝に噛みついたアンデッドを紗枝は素早く引き剥がし、首を270度曲げて絶命させた。

 

「一輝、大丈夫?」

「あ、あぁ…。…っ…」

 

口では『大丈夫』と言っても、一輝は痛くて堪らなかった。

そして、今の様子をゲートの上から見ていたアンブレラの傭兵が何か指示を出す。すると、ゲートの上にマシンガンを持った傭兵が何人も並んだ。そして中央にいた傭兵がマイクを通して市民に伝える。

 

『我々には、銃を使用する許可が下りています!今から10秒数える!このゲートから立ち退きなさい‼10!』

 

そう告げると、ゲートの上に並んでいる傭兵たちがマシンガンの銃口を市民に向けた。市民たちは吃驚(びっくり)しながらも、こんなのハッタリだと思い、誰も逃げようとしない。傭兵のカウントダウンが続いていることに気付いた紗枝は、この警告は本気のものであると分かり、大声を上げた。

 

「まずい…!逃げて‼離れて‼みんな逃げて‼奴ら本気よっ‼」

 

市民に叫ぶ紗枝の声に漸く我を取り戻した市民は恐怖に戦き、我先へと逃げ始める。だが、カウントダウンは既に…『2』にまで迫っていて、逃げ遅れた者は…。

 

『撃てぇ‼』

 

カウントダウンが終わり、本当に銃撃が始まった。次々に市民は銃弾に倒れていった。紗枝は逃げながら、ゲートを見たが、奴らは…笑っていた。

歯軋りして、口から血が流れるくらいに、紗枝は傭兵たちに、アンブレラに激しい怒りを感じた。

 

 

 

 

一方、兄を探しに来たという薺と行動を共にしている竜馬も、紗枝たちとは別のゲートに到着していた。が、明らかに様子がおかしかったため、二人は建物の陰から窺っていると、ゲートに立っている傭兵が市民を射殺するシーンを目撃してしまった。薺は身体を震えさせる。

 

「あいつら…!」

 

薺はハーレーを急発進させようとするが、竜馬はそれを慌てて止める。

 

「待て…!今行ったら狙い撃ちだ!殺されるぞ⁈」

「でも…!」

「とにかく今は落ち着くんだ!今は、我慢しろ…」

「っ〜〜〜‼︎」

 

薺は竜馬に宥められ、どうにか無闇に突っ込まないで済んだ。

しかし、実際は竜馬自身が突っ込んで奴らを皆殺しにしてやりたかった。竜馬は再び、ゲートを見る。すると、殺され、死んだはずの市民が突然立ち上がったのだ。それが何なのか…今まで散々な程見た竜馬は分かった。アンデッドだ。

 

「嘘だろ⁈どうして…!」

「何でもいいから!逃げるわよ!」

 

後ろには既に何百とアンデッドが群がっていた。今のを見た限り、死んだ人間は全てアンデッドになるということが予想出来る。

何が原因かなんて分からない。だけど…何が原因でもこんな状況じゃ…生き残るのは不可能だと、竜馬は思ってしまった。

 

 

 

 

「感染はどのくらい広がっている?」

「現在、東京二十三区のほぼ全地域に広がっています」

 

今回、アンブレラ社の重役、佳祐は自ら現地調査という名目でここにきていた。だが、本当はあの女…玲奈の実力を見たくて来たのだが…彼女は逃げ出してしまい、未だに見つからず…。

まさか、カードキーのロックを壊すなど誰も予想していなかったのだ。玲奈は探して見つけなければならないが、先にこの東京に残っている生き残りを先に始末しなければならない。

佳祐は新たな指示をする。

 

「よし。ネメシスを始動しろ」

 

社員は頷き、パソコンから伝達し、最強の生物兵器…ネメシスを始動させたのだった。

 

 

 

 

病院のとある一室で眠っている者がいた。

しかし、それは人間ではない。身長は2mを超え、身体付きは筋骨隆々で豪傑。目の片方は肥大化した皮膚で隠れてしまい、隻眼状態になっている。そいつに投与されていた鎮静剤は、アンブレラ社員により、途絶され、奴は目を覚ました。脳にはアンブレラ特製のマイクロチップが内臓されており、どんな命令だろうと、確実に遂行出来るようにしている。

これこそ、アンブレラが開発した究極の生物兵器…ネメシスが起動した瞬間だった。




次回、ネメシスと“奴”を同時に出します。
ついでに薺の兄も登場予定です。⇦多分
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