バイオハザード リターンズ   作:GZL

134 / 157
これと次でIF Story4は終了…かな?


第37話 巨人とのリターンマッチ

ハシゴを登り切った2人は大統領府の外に出る。

だが、そこに男の叫び声とも悲鳴とも呼べる声が轟いた。

2人の視界には頭を掴まれて持ち上げられている兵士の姿があった。

敵味方関係ないのはBOWでは日常茶飯事だ。

イリーナはタイラントを殺して、兵士を助けようとリッカーを動かそうと思ったがそれは紗枝に止められる。今、動いてもどうせ手遅れだからだ。

案の定、すぐに兵士の頭は卵のようにグシャリと潰されて殺された。

そして、タイラントの目の前を走る紗枝を見て標的を変えた。

左手に持っていたリッカーの死体を投げ捨て、ゆっくりと紗枝が走っていった方向に足を進める。そこは柱が何本も聳えているところで、タイラントは一本一本きちんと注視しながら通っていく。

しかし、もう既に紗枝のいる場所は通り過ぎており、紗枝は飛び出して奴の背後から銃弾を浴びせる。顔を腕で防いだタイラントはアッパーを繰り出すが、それは空を切った。

そして逃げる紗枝を追っていくが、1発の銃声がタイラントの左目を潰した。怯んだ隙に更に銃弾を浴びせるが、中々頭には当たらない。

ライフルを1発撃つだけでもイリーナにはかなりの負担だが、ここで攻撃を緩めるわけにはいかない。

イリーナの背後には5体のリッカーが控えており、すぐ様2体がタイラントに向かって走る。

左目を潰されてもタイラントは全く物怖じせず、同じくリッカーに向かう。だが、リッカーは舌を伸ばしてタイラントの両腕をきっちりロックすると、更にやって来たもう一体がタイラントの頭にへばり付いて、傷付いた左目に鉤爪を食い込ませた。

タイラントは苦しそうにもがいていたが、すぐに反撃が始まった。

4体目のリッカーを残っている右目で確認すると、拘束された片腕に力を入れて、舌を出した状態のままリッカーを宙に浮かせて地面に叩きつけて顔面を潰すと、そのまま鞭のように他のリッカーにぶつけて殺した。

そして頭に付いているリッカーは首を掴んで、その骨を折った。

そして最後に残ったリッカーだが、流石に一体だけでは勝てないと思ったのか、背を向けて逃げ出す。

タイラントはそんな奴を凄まじい速度で追っていく。

車の間を抜け、タンクローリーの上に乗って再びタイラントを確認しようとした時には、リッカーの頭上にはワゴン車が迫っていた。

タイラント自慢の腕力で2トン近いワゴン車は軽々と持ち上げられ、リッカーはタンクローリーとワゴン車の間で潰された。

その様子を伺っていた紗枝は弾を込めたライフルを構えて、スコープでタイラントを狙う。

 

「良い仕事だったわ」

 

バースト式で銃弾は放たれた。

たったの10発ほどしか放たれず、タイラントの服や腕に当たるだけかと思われたが、最後の1発はタンクローリーから漏れ出たガソリンに引火し、ワゴン車のガソリンとも相まって、激しい爆発を引き起こした。

黒煙はもうもうと上がり、爆風は50m離れている紗枝やイリーナのところでもそれなりに強かった。

それを眺めていると、再びイリーナの心臓が人の手によって握りしめられるような感覚に陥る。立つこともままならず、地面に膝を付いて何度も嘔吐する。

しかし…その間に、タイラントは本気を出す準備を始めていた。

燃え上がる炎の中で、防護のために着ていた服を脱ぎ、灰褐色の肌を露わにする。しかも、あの時と同じように右腕は異常とも呼べる程に肥大化している。

そして、ターゲットを定めたタイラントは一気に走り出す。

それを防ごうとリッカーたちが立ち向かっていくが、ただ腕を振るだけでリッカーの脳は裂かれ、殺された。

このまま向かえばイリーナに渾身の拳が直撃するだろうと思われた時、側方からロケットが飛んで来た。それを見たイリーナはすぐにその場を離れ、タイラントもギリギリで目視して、それを避けた。

丁度タイラントとイリーナの間で着弾したロケットはタイラントを怯ませ、イリーナを吹っ飛ばす。

撃ったのはもちろん紗枝だ。

紗枝は更にもう1発ロケットを込めて、容赦することなく撃った。

だが、タイラントの視力は凄まじく、初速でマッハに達するロケットを意図も簡単に掴んで紗枝に向かって逆に投げ返した。

 

「嘘でしょ⁈」

 

紗枝はロケットランチャーを捨てて、すぐ様横に避けた。

が、後ろにあった車にロケットが当たって爆発を起こし、紗枝を吹き飛ばした。それでも態勢をすぐに戻した紗枝であったが、タイラントはすぐ傍にまで迫っていた。

避ける間も、受け止めることも出来なかった。

タイラントは紗枝の身体を掴んで宙に一回浮かせると、再び掴んで地面に叩きつけた。

 

「がはっ…!」

 

ほんの一瞬、紗枝の身体全体に酸素が行き渡らなかった。

それに背中から肋骨がボキボキッと折れる音が身体の中で響く。

更にそこから壁に向かって投げ飛ばした。

このたったの2発で紗枝の身体はもう悲鳴を上げていた。

身体を起こそうにも全ての部位に力が入らない。ただ仰向けになって空を見上げていると、タイラントが悠然と紗枝の方に歩み寄ってくる。

荒い息を零しながら、紗枝はあの時どうしてこいつに勝てたのか…漸く分かった。

 

「あなたがいなきゃ……結局は勝てないのかしら…竜也…」

 

化け物になった竜也のお陰で勝てたタイラントも…紗枝とイリーナ、それに多数のリッカーが居たとしても勝てるはずがないのは明白だった。

なのに…どうして戦うのか…。

玲奈が苦しむ理由が分かった気がした。

そんなことを考えていると、紗枝のところだけ暗くなる。

奴が足を上げて、彼女の頭を潰そうとしているのだ。

もう身体は動かないし、このまま死ぬんだと思った時には、足は落下を開始していた。

だが、直前でリッカー3体がタイラントに飛びついて、足の落ちる場所をズラした。ボヤける意識で横を向くと、イリーナが目を赤くして指示を出していた。

 

「…あなた……」

「何…してんのよ……。あんたは世界を守るBSAAでしょ⁈こんなところで……倒れてる…場合じゃ…ない、でしょ…!」

 

イリーナの言葉で紗枝は意識をはっきりさせた。

そうだ。戦う理由なんていつも同じだ。

世界を守るため……それだけで十分だ。

 

「くっ……くぅぅ…!」

 

悲鳴上げる身体に鞭打って、紗枝は身体を必死に動かす。

匍匐(ほふく)前進でタイラントからどうにか離れて、落としたライフルを拾う。

その間にもタイラントはリッカー3体を八つ裂きにして殺している。

紗枝は倒れながらもライフルを連射して、一矢報いてやるつもりで撃ち続ける。こんなことで殺せるだとか、倒せるだとか思っていない。

だけど…紗枝には諦めることが出来なかった。

弾が切れ、本格的に死が近付きあるところで…タイラントの様子が変わった。

紗枝もそっちを向くと、猛スピードでこちらに向かってくる戦車が炎の中から姿を現した。

そこには…イリーナ座っていて、彼女が運転していた。

 

「これならどう⁈」

 

タイラントと戦車は激しくぶつかり、タイラントが押される形になる。だがすぐにタイラントも力を振り絞って、戦車のキャタピラを空回りさせる。

 

「…くそっ!」

 

するとイリーナは戦車のエンジンを切ることなく、何かを紗枝に向かって投げた。

それは手榴弾で、紗枝にはどうしろと聞きたかった。

 

「それを戦車の中に投げて!そうすれば、砲弾と共に爆発して奴を吹き飛ばせる‼︎」

「そんなことしたら…あなたが…」

「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ‼︎」

 

それもそうだった。

イリーナが操縦する戦車の片方のキャタピラは既に地面に付いていなかった。今言い争っても、死を待つだけだった。

紗枝はどうにか上体を起こし、手榴弾のピンに指をかけた。

 

「……っ」

 

紗枝はピンを抜き、戦車の中に入れた。

そして…運転席にいるイリーナを悲鳴を上げている身体で引っ張った。

 

「あんた…!」

「イリーナ…あなたを…死なせるわけにはいかないのよ‼︎」

 

戦車の上から一気に飛び、爆発から逃れようとする2人。

その頃、戦車を横転させる寸前で…手榴弾は爆発し、中にあった砲弾の爆破と共に爆発するのだった。




終わらせ方が雑な気がする…。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。