バイオハザード リターンズ   作:GZL

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この章…そんなに長く書けない…。
だって、アンブレラクロニクルズを改めて見たら、短いストーリーを単発的にやっていくだけだったので。
というわけで、最悪これと次の話で終わる可能性が…。
投票してくれた方々に申し訳ないです。


第49話 終点

「ケホッ‼︎ケホッ‼︎はあ…何なのよ、今の…」

 

突如飛んできたロケットにそう愚痴る玲奈。

煙と僅かに残る炎を跡目にさっさと先頭の列車に急ぐ玲奈。

だが、その途中…テラスに黒い装備を身に付けた傭兵たちがヒルに蝕まれているのを見つけた。

その装備の中に残っていた拳銃を取って、機関車に飛び乗る。

もちろん機関車を操縦する者はおらず、勝手に蒸気だけが上がっている。

止めようにもブレーキは壊され。エンジンは更に火を噴き続けている。

 

「これじゃあ…止めるのには車両と車両を切り離すしかないわね…」

 

そう呟きながら、前の車両に戻ると、ドーンと大きな震動と音が轟いた。玲奈は拳銃を構えて、自身の周囲を警戒する。

すると、玲奈の前の車両が大きな衝撃音を立てて、切り離されてしまったのだ。要するに、今この列車は機関車と一両の列車だけで動いているのだ。

上で何かが動いているのは分かるのだが、拳銃一丁しか持っていない玲奈にはどうしようもない。そして、金属製の天井を突き破って列車内に入って来たのは巨大なサソリだった。

色は黒金、とにかくデカいサソリなだけだと思えば楽勝だったが、尾からは毒々しい色の液体が垂れている。

 

「この狭い空間でやり合うなんて無理…」

 

そう言って、もう逃げ出すしかないと思った途端、今度は反対側からも何かが突っ込んで来た。しかも、このスピードの列車に追いつく速度で迫って来たのである。

そいつは玲奈を視認すると、大きな口を開いて玲奈の左腕に食らいついた。

 

「ぐあああああああああ‼︎‼︎」

 

漸く相手を見たと思いきや、すぐさまこれだ。

因みに玲奈に食らいついて離さないのは巨大な蛇だ。黄色の目を忙しく動かして、周囲の状況を伺っている。

 

「くぅ……この…!」

 

頭を叩いても、こいつは口を開けない。むしろどんどん噛む力が強くなっている気がした。

実際、左腕には幾つかの牙が食い込んでいて、そこから麻痺毒が染み込んでいた。それを知らない玲奈は徐々に力が抜けて、膝をガクッと崩してしまう。

 

「何…この動悸…。それに力が入らな……」

 

そんな状態で、なんとあのサソリまで玲奈を狙おうと足を進める。

玲奈との距離を縮めて、その巨大な尾を振り上げて玲奈の顔目掛けて突き刺そうとする。

しかし、玲奈は意識が曖昧にも関わらず、それを避ける。

しかも玲奈の後ろは例の蛇でそのまま尾は蛇の右目に突き刺さった。

これには堪らず蛇も玲奈を解放して、頭を振り回して苦しみ悶える。

そして…蛇はターゲットをあのサソリに変更する。

怒り狂った蛇はサソリに襲いかかり、互いに自らの身体を傷つけていく。

そんな状況を玲奈は横の方でジッと見ているが、いずれ2体のうちどちらかが倒され、自分を標的にすると容易に想像出来た。

だから、近くに落ちていた酒瓶を取る。アルコール度数は92%。

めちゃくちゃキツい酒だ。

玲奈はそれをサソリに向かって投げて、共に酒をぶっかけた。

取っ組み合っていた2体は玲奈の方を見て、戦いを止める。

 

「…仲良く焼けな!」

 

拳銃を1発、サソリの身体に当てる。

途端に2体は激しく燃え上がった。玲奈を殺そうにも、炎の苦しみは計り知れない。十数秒、車両内で暴れ回った後、力なく2体とも崩れ落ちた。

玲奈は息を荒くして、燃え上がる2体を横目に背中を壁に預けた。

焼けるような痛みが続く左腕を抑えながら…。

 

「…はあ」

 

溜め息を吐くしかなかった。

だが、ここで居座ったままでいるわけにはいかない。

早く車両を切り離して、終点駅での衝突を防がなくては…。

そう思いながらノロノロと立ち上がって、ふと前方を見ると…。

 

「…え?」

 

もう数百メートルにまで駅?なのか、建物が迫っていた。

今連結器を外しても衝突は免れない。

 

「…くそっ!」

 

玲奈は今いる車両で小さく蹲って衝撃に備えた。

その数秒後、列車はスピードを緩めることなく、駅のホームに乗り上がった。レール外でも列車は走り続け、漸く止まったのはホームの先端から約200m程離れた場所だった。

玲奈にもとんでもない衝撃が伝わり、列車内で転がり回る。そして完全に列車が止まったのは数分が経った頃だった。

 

 

その頃、海翔たちがレナと一緒に家で寛いでいる時、一本の電話が入って来た。もう既に夜の10時を回っているのに、誰だろうと思いながら出てみる。

 

「もしもし、誰だ?」

『…俺だよ、海翔』

 

その声の主に海翔の身体が瞬間、硬直する。

 

「お前……竜馬…か?」

『聞いて分かるだろ?まあ要件だけ言うぞ?あんたの所の玲奈がロシアで危ない目に遭っている…。それだけだ』

 

それだけ告げたれた後に電話が切れてしまう。

 

「おい!竜馬‼︎」

 

ツー、ツーが何度も耳に入ってくる。

あの竜馬がこんな連絡をしてくるなんて…しかも…玲奈が危ないと言われれば行くしかない。

 

「パパ?」

 

後ろで心配そうに見詰めるレナと薺。

海翔は掛けてあった服を取って、着替えを始める。

 

「ちょ…どこに行くの兄さん?」

「仕事だ。寒いところに行ってくるからな。薺、レナを任せた」

「パパ…帰って来てよね?」

 

心配そうに見るレナに少し胸が締め付けられた。

以前よりも大切なものが増えてしまったからだろう。

 

「大丈夫だ。必ず戻る」

 

そう言って、海翔は家を飛び出すのだった。

 

 

携帯の電源を切り、携帯自体を握り潰す竜馬。

どうにも釈然としなかった。何故…これはあいつを貶めるためにやっているだけなのに、竜馬の心の中ではどこかこれを喜んでいない自分がいる。

画面の中で倒れて、動かないままの玲奈を助けに向かいたい…助けてやりたい…そんな自分が居る。

 

「違う!俺は…あいつのことなんか…玲奈のことなんか…!」

 

その時、竜馬の腹に苦しみは走る。

内臓を握り締められたような感覚に数秒悶えたが、やがてそれは治まり、さっきのような想いもどこかへと消えていた。

 

「誰と電話してたんだ?」

 

不意にあの男が扉を背に話しかけてきた。

 

「あの人さ。上手く行ってるってな」

「ほお…」

 

男は血塗れのナイフをブンブンと振り回しながら竜馬に近づいて来る。そして、画面を玲奈から別のものに切り替えた。

 

「では…その上手く行っているを完璧に上手く行ってるに変えようか…」

 

男はそう言って、『彼』を再び作動させる。

失われたはずの…『彼』を…。




微妙だなあ。
この章はやっぱり書くの難しい!
一応、次がこの章の最後の話にしようと思います。

キャラ人気投票。IF Story編終了まで実施。

  • 玲奈
  • 竜馬
  • 紗枝
  • 海翔

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