バイオハザード リターンズ   作:GZL

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登場人物多めです。



第3話 アンブレラの秘密

「いてて‼折れる折れる‼もう抵抗しねえからやめろよ‼」

 

男性は腕を捻られて痛そうにしていた。同情してやったのか、兵士は腕の力を緩ませ、手錠をかけるだけにしてやった。

ヘルメットを被り、様々な武器を持った兵士は全部で7名。その中で最も体格が大きい兵士が壁で震えている玲奈の方に近付いてきた。

 

「状況は?」

 

ヘルメット越しの声に玲奈は聞き覚えはなかった。けど男性だということは分かった。

 

「状況?な……何のこと?」

 

玲奈には()()とはどういう意味なのか、全く分からなかった。

 

「…覚えていないのか?」

 

玲奈は素直に頷いた。

それを見た男性兵士は自身のヘルメットを取った。

ヘルメットの下からは豪傑という言葉がよく似合いそうな顔が現れた。いくつもの戦争を乗り越えてきた雰囲気が自然と醸し出されていた。

 

「葉子!そいつは何者だ?」

 

葉子と呼ばれた兵士もヘルメットを外した。あの男性を拘束している兵士は驚いたことに女性だったのだ。とてもあの男性を意図も簡単に抑えられる程の腕力を持っているようには見えなかった。

軽いウェーブがかかった黒髪を靡(なび)かせる葉子は男性のズボンから財布と手帳を抜き取った。だが手帳に関しては、一般人が持つようなものではなく、よく刑事ドラマなどで出てくる警察手帳だった。

 

「…名前は佐々木竜也(ささきりゅうや)。見ての通り警察官のようね」

「本当か?警視庁のデータベースで調べろ」

 

葉子は手帳を持ちながら、自らの服の胸ポケットからスマホを取り出し、何やら検索を開始する。数秒後、彼女の顔は納得いってないような表情になる。

 

「…データベースに佐々木竜也なんて警察官はいないようだけど、どういうことかしら?」

 

竜也…と呼ばれる男は少し焦った口調で反論する。

 

「明日から警視庁勤務だからだよ!」

 

葉子は怪しい目で竜也を嘗め回したが、これ以上竜也に構っている時間も無かったのか、大柄の男性にアイコンタクトし、問題無いことを伝えた。

 

「玲奈とそこの男も連れていく!憲之(のりゆき)!」

 

30代にも満たしていないであろう憲之は黒いリュックを降ろし、中からタブレット端末を取り出し、何かを入力し始める。

すると、あの大理石で出来たマリア像が真っ二つに割れ、秘密の通路が現れた。

 

「ついてこい」

 

大柄の男は玲奈に指図する。竜也は葉子に捕まっていて拒否権はない。玲奈もこの部隊が放つ圧や一人一人が握る銃火器に恐怖を感じてしまい、抵抗する気も起きなかった。

長い長い階段を下っていき、開けた場所に一行は到着した。

そこはまるで地下鉄のホームみたいだった。実際に列車が停まり、その他に山積みになった物資や武器が置かれていた。7人の兵士はそれぞれ、色々な荷物を列車に積んでいく。黒い鞄が主だった。

憲之は列車の先頭車両に乗り込み、動かそうとするが、トラブルが発生する。

 

「隊長!この列車、タイヤが線路から外れています!」

「どうにか直せ。時間がない」

「私がやるわ。こいつをお願い」

 

名乗りを上げたのは葉子だ。竜也を純輝に引き渡し、ライフルを列車の床に置き、ペンライトを口に咥えて列車の一車両の真下に向かう。ライトでタイヤを照らすと確かに外れていたが、大きく時間を消費する程に酷いものではなかった。

 

「憲之、器具ある?」

「ああ、待ってろ」

 

不意に葉子は奥に目を向けた。ライトで照らした先には何かに破られた通気口の網だった。その網戸は…自然に朽ちたと言うよりも、何かによって突き破られたかのような形状だった。

 

「ほら」

 

憲之が器具を渡すために手を伸ばした。葉子はあの場所が気になったが、大したことではないだろうと決めつけ、渡された器具を使い、修理に精を尽くすのだった。

 

「OK。行けるよ」

「分かった。発車させます」

憲之は列車のエンジンを作動させた。見た目の古さとは裏腹に相当なスピードに玲奈と竜也は転びそうになる。

数分の間…誰も口を開かなかった。だが、不意に静寂は破られた。

 

ガタン…!

 

と近くの扉から音が響いた。突然の大きな音に兵士たちの緊張感は極限にまで上がる。兵士だけではなく、玲奈と竜也も訝し気な目を扉に向ける。その扉を大柄の男が銃を構えながら、バッと一気に開けた。そこからはなんと一人の男性が倒れてきた。

男性の意識は虚ろだった。

 

「こいつは…!」

(つよし)!」

 

何人かの兵士はこの男性…毅に見覚えがあるらしい。

だが、すぐに玲奈も気付いた。毅は…玲奈と共に新郎新婦の姿で写っていた男性だということに…。

 

「様子が変だな…。春奈、検査してくれ」

 

春奈はすぐに倒れた毅の傍に近寄った。胸ポケットからペンを取り出し、毅の目の前に出した。

 

「これを目で追って」

 

そう言うと、毅は言われた通りに動かされるペンを目で追う。

そして春奈にはすぐに毅の症状が分かった。

 

「記憶障害を起こしていますが、問題はありません」

「そうか…ご苦労」

 

玲奈はというと、この毅が自分の結婚相手なのかと…感慨に耽った。

それからは何も起きなかった。退屈な時間が20分近く続いた辺りで列車は別のホームに到着した。

降りてすぐ目の前に巨大で頑丈そうな扉が一行を塞いだ。憲之、純輝は黒い鞄からまた新たな機械を取り出し、この鉄の扉を切断作業にとりかかった。すると、大柄な男は玲奈、竜也、毅に顔を向け、唐突に話し出した。

 

「切断まで時間がかかるだろうから、その間に説明しよう」

 

彼は憲之が持っていたタブレットを取り、玲奈たちに見えるように地図を表示した。

 

「今、我々が入ってきたのはこの施設に入るための秘密の通路だ。緊急事態にしか使えない使用となっている」

 

緊急事態?と玲奈は首を傾げた。

 

「ここはアンブレラ社の極秘研究所、通称:ハイブだ。ここでは主に非合法的な新薬の開発、研究が行われている。しかし、その事を一般人や関係しない者に知られてもいけないし、侵入されても大変だ。だからそこのお二人…玲奈と毅だが、あの通路の警備担当で、それを悟られないために君たちは結婚している」

 

大柄の男から出てくる事実に三人は唖然とする。特に玲奈と毅に至ってはそんな馬鹿な話があるのかと、お互いに顔を合わせてしまった。しかし、それなら気になることがある。玲奈が口を開こうとした時、

 

「じゃあ、何故君たちはここにいるんだ?この通路は緊急事態専用なんだろ?」

 

先に言われた…と玲奈は思った。

玲奈も同じように考えていた。大柄の男は言いにくそうだったが、今更隠し通せないと思ったのか、重い口を開いた。

 

「……三時間前、このハイブにいた全社員500名近くが死亡した。だから、我々が送り込まれた。」

「…!そん…な…」

 

それを聞いた竜也は目を大きく見開いた。そんな馬鹿なと言いたげな表情に変わっていく。玲奈はその変化に気付いたが、敢えて何も見なかった振る舞いを取った。

 

「原因は何なの?」

「詳しくは不明だ。だが、この施設を支配する人工知能“レッドクイーン”が何らかの原因で暴走したと考えられる。ただ、それが偶発的な事故なのか、意図的に仕組まれたものなのか…全くもって不明だ」

 

玲奈は息を飲んだ。そんな恐ろしいことが地面の下で起きていたとは思いもしなかった。

 

「そして、我々の任務はその人工知能の破壊だ」

 

そう告げた途端、惨劇が起きた研究所に通じる剛鉄の扉が音を立てて開かれた。

玲奈たちはここで…今まで感じたことも、経験したこともない恐怖を体感するとは、この時思ってもいなかった。




遂に研究所に入ります。

……途中展開が変わりすぎて、分かりにくかったらすいません。
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