バイオハザード リターンズ   作:GZL

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第41話 因縁

2人の玲奈は走りながら、尽きることなくやって来る傭兵たちを相手にしていた。アンブレラ…いやジョンはクローンの玲奈たちに対して数で圧倒する気だと分かった。

だが、ほぼ無駄に近かった。

玲奈たち一人一人の戦闘能力が異常と言える程高いため、精鋭をいくら呼んでも集めても彼女らを抑えきれずにいた。

玲奈たちは柱に隠れると、奴らの攻撃と攻撃の隙を探す。二人で顔を合わせて、息を合わせて柱から身体を乗り出して奴らにマシンガンを撃つ。約数人が玲奈たちの撃った弾に倒れるが、再び柱に隠れた。更に扉から傭兵たちが増員され、早くここから逃げ出さなければ身を隠すために使っている柱自体が壊れてしまいそうだった。

そこで一人の玲奈は腰から手榴弾を一つ取り出した。それに応じてもう一人の玲奈も手榴弾を握った。

再び息を合わせ、玲奈たちは手榴弾を彼らに投げた。傭兵たちが撃ったライフルの空薬莢に手榴弾がカラカラと当たり、それに気を取られてしまう傭兵たち。その瞬間に二人は窓ガラスに向かってマシンガンを撃ち、ガラスを突き破って縦穴の上部から落下を開始する。背中から飛び降り、天井にワイヤーを固定して、高速で下へ下へと降りていく。

最下層のオペレーションルームにいるジョンと複数のアンブレラ職員も頭上からはガラス、しかも爆発時の火花が噴いているのが見えていた。更に玲奈が二人こちらに高速で急降下して向かってきていた。所々で別の通路からも傭兵が出てきて、玲奈たちに弾を浴びせようとするが、それは玲奈たちの格好の的にしかなっていなかった。

ジョンも懐からもう一つ拳銃を抜き、上空に向けて銃口を向けた途端に全員の職員も拳銃を抜いて発砲を開始した。玲奈たちも真下に向けてマシンガンを撃っていき、オペレーションルームにいる職員をハチの巣にしていく。だが、ジョンだけはきちんと玲奈を狙い、一人の玲奈の脳幹を貫いた。

だがもう一人は途中でワイヤーを外し、オペレーションルームに足を踏み入れた。ジョンよりも高い位置に立った玲奈は更にマシンガンを撃ち、目の前にいた人間を一人残らず殺した。更に傭兵が動員され、玲奈に向けて弾丸が飛んでくるが、玲奈はそれをバック転して避け、それからあっという間に殺してしまい、動員の意味は為さなかった。

だが…玲奈はこれでこの場にいる人間を全員思い込んでしまっていた。

死角から現れたジョンが放った弾丸が玲奈の腹部に直撃した。

 

「っ⁈ぐふっ…」

 

吐血して、玲奈は血の海に倒れた。だが、それでも銃声が止むことはない。どうやらまだクローンの玲奈はこの施設内に残っているようだ。ジョンは先程殺した玲奈を仰向けにさせる。

すると、カチンと金属音がジョンの耳に聞こえた。その両手に握られていた手榴弾のピンが外れる音で、ジョンは舌打ちして逃げようとしたが、瞬時に爆発し、縦穴全体に爆発の炎が広がっていった。

 

 

 

 

 

「ちっ…。あの女…」

 

ジョンは爆発の炎で顔に傷を負ったが、死に至る程ではなかった。

そして、この施設は捨てるべきだと判断したジョンはまず、地上へと繋がるルーフを開け、アンブレラがアメリカ軍から買い取った最新式オスプレイのドアを開けた。ジョンはすぐにハンドルを握ってオスプレイの離陸を始める。

するとそのローター音を聞きつけた何人ものクローン玲奈が逃さないと言わんばかりに大量の弾丸を撃ち込んでいく。だが、オスプレイは当たり前だが防弾性で生半可な弾では撃ち落とすどころか、傷を付けることすら不可能だ。玲奈たちはそう分かっていても、諦めることはなく、引き金を引き続けた。

ジョンはそのままオスプレイを施設から抜け出すと、先程設定したシステムをスマートフォンで起動する。スマホにタイマーが表示され、すぐに不敵に笑みを浮かべた。

 

 

 

 

玲奈たちは自身の後ろから何かのタイマーがピッ、ピッとした音が聞こえてきた。そこには球状の何かが置かれていて、『CAUTION』と表示されている。時間は止まることなく、時を刻んでおり、残り数秒で何かが起きるのだと分かった玲奈は全員に叫んだ。

 

「まずい…!皆出て‼皆で………」

 

その瞬間、眩い光と共に広大な爆発を起こした。爆発範囲はとんでもなく、爆心地を中心に球状に爆発していき、地下も焼き尽くしていく。そして、半径はおよそ2kmの半球状の穴が大阪の土地がくり抜いたように焼け落ち、街も地面も全てが熱で焼け消えてしまっていた。ジョンが乗ったオスプレイもその爆発の乱気流に巻き込まれ、大きく揺れたが問題はない。『乱気流、乱気流』と鳴るコンピューターの電源を落とし、操縦に集中する。

 

 

しかし、その背後に“彼女”の気配を感じた。

今までのクローンとは比べ物にならない程の殺気…。

恐らく…本物の玲奈。ジョンはそう思った。

玲奈は、片手に拳銃を持ち、足音一つさせずに忍び寄る。あの爆発で死んでしまった全てのクローンには申し訳ないと玲奈は思っている。だからなおさら…その犠牲を無駄にしてはならないとも思っていた。

目の前にいるジョンを、殺さなくては思う玲奈は更に近付く。

そして、銃口をジョンのこめかみに当てる。

すると、ジョンは口を開いた。

 

「まさか……そこに潜り込んでいたとはな…」

「どう?驚いた?」

「そうだな…。何か用か?」

「遺言はあるかしら、ジョン?」

「………ないね」

 

ジョンは突如、身体を左に反転させて玲奈の腕を掴んで拳銃を弾いた。それから椅子から立ち上がると、腕を掴んだまま逃さないでいると、腹に膝蹴りをぶち込んだ。

 

「あがっ……!」

 

想定以上のジョンの攻撃力に玲奈は驚くが、諦めない。玲奈は急いで立ち上がり、飛び蹴りをジョンの顔面にヒットさせる。そこから反転して胸から小型銃を取ると、ジョンの頭に撃つ。だが、ジョンはその弾を歯で挟んで、悠然としていた。

 

「…ん?」

「そんな…あんた、何故…」

「さあ……」

 

ジョンは目で追いきれない速度で玲奈の間合いに入り、腹を殴り瞬時に後方に移動して膝を蹴って、態勢を崩した。

 

「うあっ‼」

 

玲奈は何度も反撃しようとしたが、全くと言っていい程隙を与えてくれなかった。しかも、ジョンの攻撃は一撃一撃が重くて、何発も耐えることは出来なかった。遂には身体を地面に伏せられた玲奈は、ジョンを見上げる。すると、ジョンは最後に止めと言わんばかりに渾身の蹴りを食らわせた。

 

「ぐふっ……」

 

口から血を吐き出し、玲奈は身体を動かせなくなってしまう。

 

「玲奈、俺もお前と同じ身体になったんだよ…。それもより強力に…な」

 

ジョンは腰から拳銃を抜き、玲奈に向けた。今度は逆の立場になってしまう玲奈。

 

「オリジナルの玲奈に会えて嬉しかったが、君は我が社にとっては欠陥品…。『上』からの命令もあってね。リコールされることになったんだよ」

 

玲奈は重たくなった身体を必死に動かして、ジョンに命乞いをする。

 

「お願い…待って…」

「ん?遺言でもあるのかな?」

 

時間を稼ごうと何かしらの言葉を繕うとした時、オスプレイの操縦席の窓から見えた景色に口角を上げた。

 

「どうした?何も言わないならさっさとあの世に…」

「さよなら!」

 

玲奈は立ち上がり様にジョンの拳銃を弾いて、オスプレイの後ろのハッチを開いて飛び出した。

何事かとジョンが前方を向くと、オスプレイはいつの間にか富士山に激突しようとしていることに気付いた。さっきコンピューターを切ってしまったので、その警報音が発せられなかったのだ。玲奈と同じく脱出しようとしたが…時既に遅し。オスプレイは富士山の山肌を削りながら衝突し、爆発したのだった。

 

 

 

 

それから数十分後、ヘリのローター音が富士山に響いてくる。安全な場所にヘリを着地させた竜馬は急いで降りて玲奈の名を叫んだ。

 

「玲奈ぁ‼」

 

すると、小火に照らされたオスプレイの残骸がガタガタと動き、そこから一本の腕が伸びていた。

 

「玲奈!」

 

竜馬はすぐに瓦礫を退けて、玲奈をそこから助け出す。玲奈の身体は汚れきっていて、かなり衰弱していた。

玲奈を担いで、ヘリに乗せ、アンデッドが来る前にこの場から離れる。

そして、玲奈はジョンが死んだと分かり、薄ら笑いを浮かべるのだった。




なんか前半、同じ言い回しを何度も使用してしまった…。
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