バイオハザード リターンズ   作:GZL

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題名が思いつかなかった…。
しかも、マグマじゃないし…。


第66話 マグマよりも熱く…

ジョッシュと紗枝は囮となってくれた玲奈たちのためにも早く脱出しようと急いでいた。

変異を遂げたカーラによる体当たりなどの攻撃で、海底油田は水圧に耐えきれなくなっていた。そんな状況下で2人はとある広い空間に降り立った。

そこはまるで活火山の中にいるのではないかと言いたい程の灼熱の空間だった。プロミネンスのように時折、ドロドロに融けた金属が噴き出て、2人の汗を加速させる。

 

「あれかな?」

 

溶鉱炉に張り巡らされた無数の通路の先に脱出出来そうな扉が唯一残っていた。

しかしその時、その脱出を阻む者がゆっくりと開いた後ろの扉から現れた。

そいつはジョッシュと紗枝には因縁がある相手で、気配を感じた2人が振り向き、奴の姿を改めて見た。

 

「……またお前か…」

 

いつものように不気味な表情をした捕縛者は2人をじっと見詰める。ジョッシュも半年ぶりの奴との再会を待ち遠しく思っていた。あの時の借りを返すなら、今だと…。

だが、奴の機械の腕は掴む系のものではなかった。それを確認していると、捕縛者はすぐに行動に出た。球体の形をした武器は奴の腕から離れ…いや、鎖で繋がれたハンマーのようなものになり、遠心力を乗せて2人に当ててこようとしてきた。ジョッシュは咄嗟に紗枝の身体を後ろに押してどうにか避ける。

ガキーンと金属と金属がぶつかった嫌な音が耳に入る。ハンマーは融けた金属を流すパイプにめり込んでいて、それを捕縛者が引き抜く。その反動でハンマーは後方のパイプにも当たり、そこから融けた金属が流れ出た。その異様な姿…そして、とんでもない威圧感にジョッシュは笑みを浮かべた。

 

「お前にはウンザリしていたんだよ…。あの時の借りも返してやるぜ…。ここで決着を着けようじゃねえか!」

 

2人は拳銃を構える。そして、ジョッシュは更に挑発する。

 

「殺してみろよ‼このクソ野郎‼」

 

ジョッシュの挑発に乗ったのか、捕縛者は2人に向け、激しく咆哮した。

 

「ここじゃ場所が悪い!移動するぞ!」

 

二人は共に狭い通路を走り出す。走るだけで更なる汗が生成されていく。

前方に障害物があったが、それをどうにか溶鉱炉の中へと落として先へ進む。

そして、迷路みたいなかなり入り組んだ通路に辿り着いた。

 

「ここならやれるな!」

 

捕縛者は高い天井にハンマーを刺し、ぶら下がった状態で突撃してきたのだ。

それをどうにか避けた2人だが、以前戦った時よりも俊敏性が増している感じがした。

捕縛者は自らの突進を避けられたことで、今度は新たな攻撃に出た。奴は金属のハンマーを融けた金属の中に入れて、その融けた金属が付着したまま振り回してきたのだ。その鎚はジョッシュの真上を通過する。鎚から流れ落ちる融けた金属はジョッシュの目にはゆっくりになって見えていた。だが、ハンマーはジョッシュの後ろにあった金属の柱にぶつかり、そのまま鎖は捕縛者を引っ張り、ジョッシュの身体にその太い足をぶつけてきた。

 

「ぐうぅ!」

「ジョッシュ‼」

 

腹にいきなり入った蹴りのせいで息が一瞬出来なくなるが、ジョッシュは意識をはっきりと持たせた。奴の蹴ってきた足を掴んで、捕縛者の頭に弾丸を撃ち込むが、怯みもしない。それどころかそのまま足を掴んだままなのを利用して、地面に叩きつけようとする。それに気付いたジョッシュはすぐに離れたが、着地に失敗し、バランスを崩して通路に落ちそうになる。

 

「やべっ!」

 

ジョッシュは間一髪で通路に手を付けて、融けた金属の中に入らずに済んだ。だが、捕縛者はそれでジョッシュが死んだと思ったのか、ターゲットを紗枝に変えた。

 

「!あいつ…!」

 

鎖を解き放ったハンマーをぶんぶん振り回して紗枝に命中させようとしていた。ジョッシュは腕に力を込めて、急いで通路に戻ると…自然と声を漏らした。

 

「させるかぁ‼」

 

ジョッシュは反撃を食らうことを考慮しても、捕縛者に体当たりした。そこで怯んだ隙に紗枝も彼と同じように体当たりして、捕縛者を融けた金属の中に落とした。が…鎖付きのハンマーを天井に刺し、軽快に再び通路に足を立った。やはり、身体の大きさと比にならないくらいのスピードだった。

そこで捕縛者はハンマーを通路に叩きつけ、2人を下に落とした。二2はヤバイと思ったが、幸いなことに落ちた先にそこは金属が冷えて固まって場所だった。

 

「ここなら思いっ切りたれるな…」

 

ジョッシュはそう言って残りの弾が僅かのエレファントキラーを取り出した。

そして、小声で紗枝に言う。

 

「奴が膝を付いたら……」

 

紗枝はジョッシュの考えを聞き、しっかり頷いた。

捕縛者は早速ハンマーを2人のいる辺りの地面に向かって叩きつけようとする。紗枝はそれを捕縛者の股の間を通って回避する。ジョッシュも横に避けて、攻撃を免れた。しかし、その叩きつけたハンマーを地面から引き抜くと、中からまだ固まりきっていない金属が溢れ出した。

 

「ちくしょう!」

 

奴はこのマグマのような地形をフルに活用している。やはり、頭だけはいいようだ。だが…今の叩きつける攻撃…隙を作りまくっていることに奴は気付いていない。

ジョッシュは紗枝とアイコンタクトする。

次の攻撃で…潰す…と。

捕縛者は再び腕を振り上げた。そのハンマーが地面を叩きつけた瞬間、紗枝が素早く動いた。奴の身体が低くなった瞬間を狙っていた紗枝は捕縛者の首にスタンロッドを当てて電気を流した。突然の急襲に捕縛者は対応しきれず、電気を無防備のまま食らい続けてしまう。その間にジョッシュは奴の金属のハンマーを掴んだ。金属であるため、ジョッシュにも電気は流れるだろうが、そんな痛みは彼の範疇に入っていない。ジョッシュはそんあ電気を流されつつも、ハンマーと鎖を分断しようと必死になる。紗枝のスタンロッドの電撃で痺れさせ続けるのにも長くは続かない。

ジョッシュはギリッと歯を噛み締めて、ハンマーを掴む腕に渾身の力を込めた。

 

「うおおおおおおおおおおおぉっ‼」

 

彼が大声を上げたことにより、漸く散々苦しめられたハンマーと鎖を引き千切った。

そのハンマーを分断させた瞬間に紗枝は捕縛者に吹き飛ばされた。

 

「きゃあ!」

 

ジョッシュからかなり離れてしまった紗枝は通路を転がり、拳銃を融けた金属の中に落としてしまう。

ジョッシュは捕縛者に首を掴まれて、紗枝とはまた別の通路に飛ばされる。拳銃は捕縛者の前に転がるが、奴はそれを蹴って、赤熱した液体の中に落とした。

ジョッシュは笑いながら、肩をぐるぐる回した。

 

「いいねぇ…。最後は殴り合いと行こうじゃねえか!」

 

ジョッシュは構えてから一気に走り出す。

まず、膝蹴り、顔面にパンチ、蹴りを繰り出す。だが、捕縛者は飛んでくる彼の拳を掴み、動きを止めた後にジョッシュの額に頭突きし、そのままハンマーを失った機械の腕で彼の顔面を殴った。

 

「う!」

 

ジョッシュは思わず顔を抑えて、少し足を後退させた。抑えた(てのひら)にはどこかから血が出ているのか、真っ赤に染まっていた。それを見たジョッシュは突然、独り言の言い始める。

 

「………俺は元々…道具として産まされた…。それも…母親を裏切り、冷酷非情な最低のクズ野郎の父親を知って…自分が生きてる意味を失いかけていた…。でも、そんな俺でも生きてる意味を教えてくれた“奴”がいた…」

 

それを遠くから聞いていた紗枝はジョッシュの後ろ姿に目を奪われた。

 

「“彼女”のためにも……俺は……」

 

捕縛者をキッと睨むジョッシュ。

 

「お前なんかに…負けていられないんだ!」

 

ジョッシュはそう言った途端に捕縛者の間合いに入り、そこから腹にパンチを3連発、回し蹴りを顎に直撃させ、軽く跳躍して膝蹴りを奴の鼻にぶち込んだ。それを食らった捕縛者は遂に膝を着いた。

ジョッシュはそこで畳みかけた。頭が低い姿勢にあるので、パンチが当てやすくなった。

最初はパンチを七連発…。

 

「どうした‼」

 

更に5連発…。

 

「そんな程度か⁈」

 

更に更に蹴りとパンチを合わせて10連発…。

そして…ジョッシュは最後に右腕に力を込める。一気に跳躍して、ジョッシュの渾身のパンチが奴の顔面を捉えた。捕縛者の口や鼻からは血と涎が垂れ流れ、身体を吹き飛ばしていった。その先は融けた金属だ。

落ちた捕縛者はあまりの熱さに苦しみながらも、ジョッシュたちから視線を外さずにいた。

だが…悪い時に悪いことが重なった。突如、上から何かのタンクが落ちてきて、捕縛者の頭に命中して、融けた金属の中に姿を消した。

ジョッシュは紗枝に向けてガッツポーズを作り、そんなジョッシュに紗枝は優しい笑顔を見せた。

しかし、施設はまたぐらぐら揺れ始めて、天井からは瓦礫が落ちてきて、ここも長くは持ちそうになかった。

 

「行くぞ!」

 

ジョッシュは紗枝に指示を出して、例の扉に向かっていくのだった。




次回、個々の章完結
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