バイオハザード リターンズ   作:GZL

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原作ではデカくて黒いリッカーが出ていますが、リッカーばかりも飽きたので、ここでは別の奴を出そうと思います。
何かはお楽しみください。



第75話 モスクワシーケンス

ルーサーは椅子を投げて窓ガラスを割り、別の通路に出た。竜馬たちはあのジュアヴォの軍団に勝てないと判断したため、別のルートで郊外エリアに向かうことにしたのだ。

ジョッシュが先に出て、辺りを警戒して、安全なことを確認した。

 

「いいぞ!」

「よし、周りを迂回して行くぞ」

 

ジョッシュが先に進もうとした時、カラカラとこの建物の屋根からレンガの破片が落ちてきた。ジョッシュがそこに目を向けると、驚きの生物が彼らを視界に捉えていた。

そいつは四足歩行の生物で口は身体の3分の1にも肥大して、牙は螺旋状になり、四肢の他にも新たな腕が伸びていた。そして身体中に赤く血走った巨大な眼球がいくつもあり、彼らを見ていた。奴は咆哮を上げると、ジョッシュに向かって、その巨大になり、鋭くなった爪を振りかざして飛んできた。

 

「!ジョッシュ!」

 

紗枝は自らがその攻撃を避けるのも構わず、ジョッシュと共に避けた。

奴の爪は軽く地面を抉り、頭が地面に派手にぶつかる。それでも奴は螺旋状になった口を大きく広げて、威嚇する。再び腕を振り上げて、鋭い爪で紗枝とジョッシュを切り裂こうとする。竜馬は彼らを助けようと思ったが、今から何をしても間に合いそうになかった。

だが…突然曲がり角から1台の車が飛び出してきて、奴の側面から車で追突して、建物の中に吹き飛ばした。青いライトが車外から漏れ、タイヤも車体もスマートな車で、運転席の扉が開き、運転手は言う。

 

「私を助けに来たんじゃなくて?」

 

ルーサーと竜馬は顔を見合わせて、苦笑いするのだった。

5人は狭い車の中にぎゅうぎゅう詰めになって車に乗り込んだ。

 

「高級車だな、玲奈」

「そりゃあ…こんなに広いし、早い車の方がいいでしょ?銃声をあんだけバカスカ撃っていたけど…何かに手間取っていたわけ?」

「まあね…」

「…ねえ、エイダはどうしたの?」

 

薺の質問に玲奈は少し戸惑った。

 

「……多分、()られた…」

 

ジョッシュは念を押すように効いてくる。

 

「死ぬところを見たのか?」

「いいえ」

「なら……切り抜けてる可能性も…」

 

しかし、安心しているのも束の間、突然後ろのガラスが割れたのだ。

割れた原因は車を追ってやって来るバイクや車に乗っているジュアヴォの軍団がマシンガンを撃ってきたからだった。

玲奈はハンドルを切り、奴らを振り切ろうとする。だが、ジュアヴォはそれなりに知性が残っている。スロープになった段差を利用してバイクを飛び上がらせ、装甲が脆くなっている車の真上から発砲してきた。もちろん、車の中に銃弾は飛んでくる。

 

「うおっ!マジかよ!」

「竜馬たちが苦戦してたのはあいつら?」

「ああ、そうだよ!」

 

玲奈はここで車を左に旋回させ、ほんの数秒そこに留まってから車を発進させた。真後ろで走っていたバイクはブレーキを踏んでも止められず、そのまま玲奈たちの車の横に追突して転倒した。しかし、これだけでは奴ら全員を倒すことは出来ない。

 

「後ろの方々!いつまで休憩してるの?いい加減に働いて!」

「…お嬢さんに言われたら仕方ねえなぁ!」

 

ジョッシュは車のドアを開けて、そこで掴まって拳銃を撃つ。

 

「薺!私たちもやるわよ!」

「ええ!」

 

紗枝と薺も壊された後方のガラスから腕を突き出して拳銃を発砲する。

2人が放った弾はバイクや車を運転するジュアヴォの頭を貫き、横転させていく。ジョッシュも撃っていくが、車が揺れるせいで中々照準を合わせれずにいた。その時、横から迫ってきたジュアヴォに掴まれてしまう。

 

「なっ!」

 

ジョッシュはそのまま車から無理矢理落とされてしまう。

 

「ジョッシュ!」

 

紗枝もジョッシュを追って飛び出そうとしたが、それは薺が必死に抑え込んだ。

玲奈は車を急旋回させて、ジョッシュが振り落とされた場所に急いで向かう。

その間にもジョッシュはジュアヴォが出したナイフで首を裂かれないように必死に抵抗していた。と、ここで玲奈は竜馬とルーサーに言う。

 

「竜馬、ハンドル。ルーサー、ちゃんと引っ張ってよ」

「引っ張る?何を…」

 

玲奈は運転席のシートベルトを壊して、最大限にまで伸ばすと、それを左手に巻き付けた。そして、ハンドルを右に切ってから自らも外に出ていった。

 

「玲奈⁈何してるの⁈」

 

薺の焦った声が耳に入ったが、玲奈はそれよりもジョッシュの救出に専念していた。

車を右に切ったため、遠心力が発生して、玲奈自身の速度が上がり、彼女はジョッシュに覆い被さったジュアヴォの顔面に蹴りを加えながらも、右手でジョッシュの服の襟首を掴んだ。

 

「おいおい!苦しい!それにケツが痛え‼」

「死ぬよりかはマシでしょ?大人しくしてて」

 

ルーサーは玲奈がジョッシュを助け出したのを見てから、シートベルトを引っ張る。

無事に車に戻ってきたジョッシュに玲奈はこう聞いた。

 

「大丈夫?」

「それはこっちに台詞(セリフ)だよ…」

 

玲奈は運転席に戻り、運転を竜馬と交代する。車内ミラーを覗くと、紗枝は半泣きの状態でジョッシュに抱きついていて、彼は少し戸惑っている様子だった。玲奈、竜馬、薺、ルーサーはやれやれといった表情を作る。

……と、ここで何か火を吹いたものが車に向かって飛んできた。玲奈はそれが何なのか分かり、急いでハンドルを右に切った。車の横を通過したロケットランチャーはその先にあった車の後部が炎上し、爆発した。その爆発した反動でか、その車は玲奈たちが走る道を塞いでしまう。

 

「うおおっ⁈」

 

玲奈は構わずその車のど真ん中に突っ込んだ。炎上した車は大破して、玲奈たちの車のボンネットにも多少火が付いてしまった。ルーサーは胸を撫で下ろしながら、玲奈に忠告した。

 

「次やる時は先に言え!心臓が縮こまったよ、今のは……」

 

玲奈はサイドミラーを見る。

車に乗り込んでいるジュアヴォ2体がロケットランチャーを構えている。

 

「来るわよ!」

「1発は任せろ!」

 

2発同時に飛んできたロケットの内、1発はジョッシュの放った弾丸により、粉々に吹き飛んだ。だが、その煙の中からもう1発が飛んで来て、それは玲奈たちの車の左側の建物に穴を開けた。車にも衝撃波が来て、多少揺れた。

それから玲奈たちの乗る車は有名な赤の広場に出た。すると、前方から大きなマシンガン…いや、あれはミニガンだ。それを片手だけで持っているジュアヴォがバイクに跨ってこちらに向かってくる。

そして、真正面からミニガンは連射を開始する。弾はボンネットを吹き飛ばし、前のフロントガラスに蜘蛛の巣状の(ひび)を入らせた。

玲奈はミニガンを撃ってくるジュアヴォに対して、運転席の扉を開き、車を120度回転させた。バイクはそのまま向かってきたため、運転席の扉にぶつかってジュアヴォはバイクと共に宙を舞い、バイクは地面にぶつかった衝撃でか爆発した。

玲奈は構わず車を発進させるが、バイクに乗っていたジュアヴォが立ち上がると、さっき車にぶつけてやった怪物が踏みつけて殺してしまうところを見た。

 

「さっきの奴も来たぞ!」

「おいおい……」

 

ジョッシュは思わず声を漏らした。

怪物はジュアヴォたちの乗る車を横転させながらも玲奈たちを追って来ている。敵も味方の判別すらない。

 

「…もう少しよ…。掴まって!」

「ちょっ……!玲奈⁈」

 

突然叫ばれた5人は玲奈の無茶苦茶な行動に驚く。車はモスクワ駅の入り口にすっぽり入っていき、そのまま猛スピードで走り抜けていく。奴はすぐそこまでに迫って来ている。だが、玲奈は奴を撒く自身があった。

玲奈は車を斜めにしながら走行させて、建築中の足場を崩していく。それにより、天井のレンガはこの足場を支えにしていたために、崩落を開始する。あの怪物も耐えることが出来ず、瓦礫の山に埋もれていった。

玲奈たちの乗る車は崩落直前に脱出して、難を逃れた。

 

「はぁ…はぁ……。玲奈…無茶すぎ……」

 

紗枝はあまりいい顔をしていなかった。ましてや、薺は車から出て、胃の中身を全て吐いてしまっていた。

車も無理をしすぎたか、ボンネットから白い煙が上がり、これ以上は使えそうになかった。竜馬もルーサーも吐きそうな表情に対し、ジョッシュは何事もなかったかのような表情だった。

 

「おいおい…。玲奈の姉ちゃん、こいつら全員ダメみたいだぜ?」

「…姉ちゃんって呼ぶのやめて」

「へいへい」

「お前ら…怪物かよ……」

「うえっ…。マジ吐きそうだった…」

 

玲奈は溜め息を吐きながら、みんなを促す。

 

「じゃあ行こう」

 

4人は、あの気持ち悪い気分をどうにか抑えて、2人の後を追うのだった。




ちょっと何出すか迷いましたが、折角RE:2も発売されたので、Gウィルス変異の第三形態を出しました。描写するのがかなり大変でした…。
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