バイオハザード リターンズ   作:GZL

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明けましておめでとうございます!
新年早々ですが、主人公たちの戦闘をお楽しみください!
では、どうぞ!


第8話 地下通路での戦い

一行は拳銃を持つ葉子と憲之が先頭と後尾に着き、狭くて水が滴り落ちる通路を一列になって進んでいた。しかし地図も何もない。

憲之も…。

 

「この通路…普段は使っていないらしい。俺のデータにも載っていないから地図は作れない」

 

と愚痴を溢してた。要するに一行は道も勝手も分からない暗い通路をただ道なりに進んでいくしかないのだ。

だが、脱出出来るタイムリミットが刻一刻と迫るせいで、冷静さを失う者も現れ始める始末だった。

 

「ここ通ったろ?」

「通ってない」

「通っただろ⁈」

「うるさい!」

 

憲之は毅に怒鳴る。だが毅は食い下がらない。

 

「足跡がある!」

 

結局、憲之と毅は口論を始めてしまう。

しかしその口論を瞬時に止めたのが先頭に立っていた葉子だった。毅の胸ぐらを掴み上げ、銃口を彼の首に押し当てた。

 

「だとしても私たちは進むしかないんだよ‼少し黙ってな!!」

 

葉子が怒鳴り上げたことで、毅は漸く冷静さを少し取り戻した。

こくんと小さく頷くと、葉子は掴んでいた腕を放した。が、軽い放心状態になっていた毅に魔の手が迫る。背中を預けていた網戸の隙間から無数の腕が伸びてきたのだ。

それは間違いなく、アンデッドのもので毅は叫び声を上げる。

 

「うわああぁ!?は、離せ‼」

 

アンデッドから引き剥がそうとする3人だが、実は前方からも列を成して奴らは迫ってきていた。そのことに気付いた玲奈は1番前にいたアンデッドの顎を殴り怯ませた後に頭を掴み壁に叩きつけた。

ブシャッと血が玲奈の服に飛び散るが気にする暇などない。

 

「押せ!押し返せ‼」

「くそっ!無理だ!このままじゃ長くは持たないぞ!」

 

竜也が叫ぶと、網戸の部分だけ外れて後ろの通路を塞いでしまう形になり、玲奈たちは挟み撃ちされてしまった。

それでも玲奈は出来る限り、アンデッドを叩いていく。幾何にも張り巡らされたパイプを掴んで身体を浮かせ、アンデッドの頭を両足で挟んで首の骨を折る。更に玲奈の腕を掴んできたアンデッドは背負い投げをし、地面に伏せた後に同じく首を掴んでゴキッと折った。

だが、数が多すぎてこのままでは殺られると思った玲奈を辺りを見回した。そして、大人数人が乗ったとしても簡単に壊れなさそうな太いパイプを見つけた。

玲奈はすぐに網戸を抑えている四人に耳打ちする。

 

「あそこに登って‼早く!」

 

玲奈に言われて、竜也はどこに登ったらいいのか瞬時に判断した。

一番最初に登らせたのは毅だ。彼は一般人だし、何より彼らからしたら一番足手まといだと思ったからだ。毅が急いで登った後に、竜也自身もパイプをよじ登る。

 

「玲奈!急げ‼」

 

玲奈はアンデッドを蹴り倒してから、竜也の伸ばしてくれた手を掴んだ。竜也は渾身の力を振り絞って玲奈を引き上げた。

その頃、まだ葉子と憲之は網戸を抑えていたが、いつ突破されてもおかしくはなかった。

 

「私が抑えるから先行きな!」

 

憲之は葉子の言葉に甘えて、パイプによじ登ろうとする。

だが、もう少しでパイプに登れるところでアンデッドの一体が憲之のふくらはぎに歯を立てたのだ。憲之は間もなく、途轍もない痛みに襲われ悲鳴を上げた。

 

「ぎゃあああああ‼」

 

肉を抉られているのではないかと思うくらいに強烈な痛みに気絶しそうになる憲之。そこに葉子がアンデッドの額に鉛弾を撃ち込んだ。

だが、側面から来たアンデッドに気付けず、葉子は3度目の噛みつきを許してしまう。

 

「ぐうぅ……!」

「葉子!上がって!」

 

噛まれた痛みから拳銃を地面に落としてしまった葉子は、流石に拳銃を捨てて行くことは出来なかった。アンデッドに囲まれながらも、震える手で拳銃を拾い、アンデッドを掻き分けてパイプを登ろうとしたところに…()がやって来たのだ。

つい数時間前まで共に任務を行っていた同僚が…。

 

「…純輝……」

 

さっきのあのアンデッドの大群に埋め尽くされても生きているなど思っていない。それに今葉子の目の前にいる純輝は全身血塗れで脳は露出している。

彼もアンデッドだ…。

そう思っても、彼は生きているように見えてしまった。純輝は自分の意志を無視して、葉子に赤い歯を見せ、葉子の肩に噛みついた。

 

「……!純、輝…!」

 

葉子はアンデッド化した純輝を引き剥がす。その際に葉子の肩の肉が千切れ、肉が飛び散る。

離してもなお迫ってくる純輝に葉子は拳銃を向け、引き金を引いた。

 

 

 

 

葉子は命辛々パイプの上に登った。

だが、精神的にも肉体的にも崩壊寸前だった。

左手からは止め処なく血が流れ、指先を伝って、アンデッドたちに自身の血が降り注ぐのを茫然と見ていた。

 

「葉子…」

 

そこに心配してきた玲奈が近付いてきた。

 

「……何だよ」

「腕……」

「平気だよ…!」

 

玲奈に当たっても仕方ないと分かっていながらも、葉子は強い言葉しか出せなかった。葉子は既にこれからの自分の運命に絶望していた。

 

「ほうら…旨いんだろ…?…血の味が…」

 

竜也、毅はそんな台詞を今言うなんて、気が知れてると思った。

そして憲之だが、彼は噛まれたふくらはぎの部分を凝視していた。

誰が見ても分かるくらいに歯型がくっきりと残っていた。

 

「行きましょう…」

「俺が先導する」

 

竜也が先導して、太いパイプの上を歩く。歩く度にパイプは揺れ、恐怖を引き立たせる。しかも一歩間違えれば、アンデッドたちが(ひし)めくデスゾーンへ真っ逆さまとなるだろう。玲奈たちは細心の注意を払って、このパイプを渡らなければならなかった。

パイプは意外にも安定していて、上で走ったり暴れたりしなければ崩れることはなさそうだった。毅は葉子を支え、玲奈は足を負傷した憲之を支えた。アンデッドも玲奈たちを目視しているのか、臭いを追っているのか分からないがペットの犬のように後ろから引っ付いてくる。すると、竜也は前方に網戸が張られていることに気付く。しかも高さは今玲奈たちが歩くパイプの位置とほぼ同じだ。竜也は2、3回蹴って網戸を破り、そこに毅と葉子を避難させる。

だがそこに追い打ちをかけるをようにアンデッドが群がり、パイプを無造作に掴んで揺らした。それにより、パイプを支えるネジやワイヤーが緩み、(きし)み始めた。

 

「憲之、あと少しよ」

 

上手に歩けない憲之は玲奈に支えられて漸く歩けるような状態だ。

今ここで焦って走り出したら、間違いなくパイプは崩壊し、玲奈たちはアンデッドの餌となるだろう。

 

「玲奈、焦るな。ゆっくり行こう」

 

玲奈を落ち着かせるように竜也は言うが無理な相談だった。

アンデッドにパイプを揺らされ、崩壊寸前の状態で焦らない方が無理だ。そして…最悪の瞬間が訪れる。パイプは突然支えを失い、滑り台のように倒れたいったのだ。

 

「!くそ!玲奈…‼」

 

憲之は玲奈の身体を抱いて、力任せに竜也たちが待機している場所に飛ばした。それにより、玲奈は宙を舞った。

 

「きゃあ…!」

「玲奈‼」

 

竜也は飛ばされた玲奈が地面に落下する寸前で、彼女の腕を掴んでどうにかダクトに避難させた。一方、憲之は…。

 

「来るなっ!来るなああぁぁ‼」

 

憲之は身体を暴れさせて、アンデッドにこれ以上噛まれないように精一杯の抵抗をする。しかし、そんな無に等しい抵抗ではいずれ殺される。玲奈は唯一拳銃を持つ葉子に叫んだ。

 

「葉子!撃って‼」

 

だが、いつまで経っても銃声は響かない。

玲奈は葉子の方を振り返った。

葉子は拳銃を構えているが、引き金を引こうとしない。

 

「早く!」

「…見えない…。何で…」

「急いで‼」

 

憲之はアンデッドに押し倒されて、今にも首元を食い千切られてもおかしくない様子だった。

 

「照準が合わないんだよ!」

 

見かねた玲奈は葉子の手から拳銃を奪い取り、憲之に跨っているアンデッドのこめかみ辺りに弾丸をぶち込んだ。

 

「登って!早く!」

 

憲之は崩れたパイプをよじ登り、アンデッドの襲撃から逃れる。乱れた息を憲之が落ち着かせようとしている間に玲奈は彼を助けようと試みる。

 

「竜也、そこのワイヤーを、パイプに引っ掛けて…」

「…行ってくれ…」

 

玲奈が竜也に指示を出している途中で憲之はそう言った。

 

「ダメよ。置いてなんか…」

「俺まで助かったら…奴らはまたお前たちを襲う…。誰かが…ここに残るべきだ…」

「ダメ…」

「玲奈…」

 

竜也は玲奈の肩に手を置き、首を横に振った。

 

「頼む…。行ってくれ‼」

 

憲之の必死の願いに玲奈たちは折れた。後ろめたさはあったが、玲奈たちは憲之を置いてダクトの中を進んでいった。

 

 

 

 

崩れたパイプの上にいる憲之は拳銃のグリップを抜き、残弾を確認する。中には弾が一発だけ残っていた。

 

「…ついてるぜ…」

 

一発だけ残ったグリップを拳銃に再装填し、憲之は銃口をこめかみに当てた。目を瞑り、憲之は引き金にかけた指に力を込めたのだった。




最初、登場人物は10人いたのに、もう四人です。
どこまで減っていってしまうんでしょうか…





因みにこんな時間に投稿するのは最初で最後だと思います。
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