『魔王』の弟は『勇者』でした。   作:光車

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いまはまだ無き魔王の弟

僕は南雲 オワリ。

名前はハジメ兄さんが『ハジメ』だから、反対の『オワリ』って言う単純な理由。

二人兄弟で、僕は今は中学生。

中学二年生です。

 

そして、今ハジメ兄さんは行方不明になってる。

学校でクラスメイトごと居なくなったそうだ。

異世界召喚じゃないかってのが今の世の中で囁かれてるけど、やっぱりそうだと思う。

 

そんな事を今更ながら考えながら、僕は学校に登校する。

 

***

 

「さようなら〜」

 

放課後。

僕は鞄を片付けて帰ろうとして、ドアを開ける。

僕の席は一番後ろでドアに一番近い。

だから一番最初に出れるんだけど……。

 

開かなかった。

 

「え?」

 

鍵がかかってるかもしれないと確認。

掛かってた。

 

今度こそ開ける。

開いた。

……ふう、何事も無かったなぁ。

安堵と少しの残念さが入り混じる。

 

その時。

 

バタン!

 

ドアがいきなり閉まる。

 

「「「「なっ!」」」」

 

僕たちは混乱して、直後。

足元が光り輝き、その場から消えた。

(この間僅か1秒です)

 

***

 

「ようこそ、勇者様方。私はカナリエ=リュア=エルキシアンと申します。此度は私達の召喚に応じて頂き誠にありがとうございます」

 

光が収まり、目を開けて、その直後に言われた言葉がこれ。

 

……なに、ここって異世界って事?

 

「貴方方勇者様には、この世界、《ガリオス》を救って頂きたいのです」

 

異世界確定。

 

異世界召喚、かぁ。

ハジメ兄さんもこれを体験したのかな?

 

「……え?」

 

ここで気づく、この場にいるのは僕だけではないことに。

周囲を見渡せば、クラスメイト全員がここに来ていた。

先生は今日は欠席でいないし、代理の先生もいち早く出て行ってしまったから生徒のみ。

………これはヤバいかもね。

 

ここだけの話………って言うほどのことでもないけど、僕は結構人望がある。

だからこう言う場合は僕が大体仕切っている。

予想外の事態になった事は沢山ある。

例えば文化祭。

去年、少し早めに行われた文化祭は、至って普通だった。

けど、最後がいけなかった。

ラーメンとかそう言うものを作ろうとしてる最中、クラスメイトが油を飛ばしてしまい、火が教室に飛び移ってしまったのだ。

その場で消し止めたけど、その時みんなパニックに陥っていた。

僕がそれを止めて、換気と水の用意を直ぐにさせた。

そしてすぐに騒ぎは収まった。

 

あとは、修学旅行。

帰る途中、大雪に襲われて帰れなくなってしまった時があった。

その時はみんな心配してたけど、なんとか押し留めた。

一部の人が、外に出そうになってたから。

その時はそれだけだったけど。

その影響か、クラス委員は僕じゃないのに僕が基本学級を仕切ってる。

 

だから、僕が動かなきゃみんな混乱してまともに動けない。

実際はそう言うほどではないけど、マトモに動く事は出来ないだろうから。

 

「みんな、落ち着いて。先ずは話を聞こ?ほら、話が進まないから」

 

そして、みんながある程度落ち着きを取り戻した事を見計らって、

 

「では、宜しくお願いします。カナリエさん」

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