転生者が見る人理修復(更新停止)   作:完詰岩志

17 / 20
前回の半場の工作について説明が期待されたので、急遽既存の設定に合わせました。
なので、出来とか今後の使い道については期待しないでください。


視線誘導

『ちょ、ちょっと何よこの威力! 危うくわたしたちまで吹き飛ぶところだったじゃない!』

「すみません。ファヴニールの出力をちょいと甘く見積もりすぎました」

 

 半場が神様よりかけられた制限。『特典がある場合、例外を除き魔術を使用不可とする』。

 かつてこの制限を知った半場は、実験して、使用したらどうなるかを確認した。そして死にかけた。

 

 しかし半場はめげずにこの制限を利用することを思いついた。それがさっきの魔力暴走である。

 魔術回路を切り離し、スイッチ式で魔術を発動させる仕組みにした。そして対象の魔力が最大限にまで高まったところでスイッチオン。相手は爆発する。

 しかしこれは普通なら、小規模の爆発を起こす程度なのだが……

 

「(ファヴニールの魔力が大きすぎたなぁ。装甲を考えれば怯む程度だと思ってたんだが……、まぁいいか。これはこれで好都合だし。爆発オチにはちょうどいい)」

「半場さん。この後は打ち合わせ通りに?」

「ん、おう。ロマン、サーヴァント反応は?」

『まだ全員消滅してないよ。ただ相当ダメージを負ってるだろうね』

 

 ファヴニールの大爆発をもってしても。というよりギャグ補正が威力を減衰させたようである。

 

「それじゃ打ち合わせ通り、ジャンヌさんとゲオルギウスさんは回り込んで。マシュとジークフリートさんはここで待機」

(アタシ)たちは勝手にやるわ」

「頑張って」

 

 こうしてエリザベート、清姫、そしてマリーとアマデウスが離れる。向かう先は、自分と縁のあるサーヴァント。マリーとアマデウスには特筆する程の戦闘力はないが、それはクーフーリンがカバーするので何の問題もない。なお清姫だけはフリー。

 

「よし、俺たちは全員で残ったやつらを───」

 

 ぶっ飛ばそう───と、言おうとした直後。

 

 半場たちの前方に、魔力で強化された弾丸がぶっ飛んできた。

 

「「マスター!」」

「うわっ!?」「来たか!」

 

 

「Gaaaaaaaaa!!」

 

 

 バーサーク・バーサーカー。半場がもっとも脅威とした、サーヴァント。

 その能力は、持った物を低ランクの宝具と化すという代物である。当然、それは放たれる弾丸にさえ適応される。

 

 優に人を抹殺することができるそれ。故に防ぐのがこの2騎であるのは当然だ。

 

「お任せくださいマスター! マシュ・キリエライト、防ぎます!」

「うん、任せる!」

 

「大丈夫か」

「助かった、ありがと」

「何、先程役に立てなかったからな。これくらいはさせてくれ」

 

 マシュと───ジークフリート。この2騎であるのは。

 盾を持つマシュは当然。そしてジークフリートは、逸話から背中以外は強靭な肉体を持つ。その上、鎧まで付けているのだから、感覚器官に撃ち込まれでもしない限り倒れることはない。

 

 ───しかし、この場合。

 

「Arrrthurrrrrr!!」

 

「……ジリ貧、だな」

「ええ。ワイバーンに乗っていないのが救いかしら」

『さっきファヴニールを無力化したからね。しかしあれ、弾丸尽きないのかなぁ』

「そもそも弾丸が尽きるのを待てるかよ。あっち聖杯持ちだぞ」

 

 現在、ジャンヌオルタは痙攣する体を必死に動かしながら、高みの見物をしている。

 ちぃ、と噛みしめる半場。あまり期待してはいなかったが、ファヴニールの爆発から誘爆してほしいと望んでいたのだ。しかしそれは、バーサーカーがワイバーンに乗っていたことと、バーサーカーが察知して避けられたことにより叶わなかった。

 

「あっはっはっは!! いいわやりなさいバーサーカー! 魔力はまだまだあるのだから、そのまま押し切るのよ!」

 

「くっそー、美少女の顔芸も、度が過ぎると腹立つな。……しょうがねぇ。ここは誰か囮にして数的有利で倒───」

「うぉーい! 貴様らー!」

 

 えっ? と思わず全員声の方に振り向いた。

 

 そこでは、信長とバーサーク・ライダーが戦っていた。

 

「ふん! やぁ!」

「なんじゃこのライダー! やたら杖で殴ってくるんじゃが!? それに回し蹴りしてくるし! ホントに聖女か!?」

「聖女です。ですので、貴方たちに説教します! 先に逝ったアーチャーとランサーの分まで! 破ァ!」

「絶対に聖女じゃない! 『世』紀末『女』性、略して『世女』じゃろ!」

 

「……」

「あの、半場さんどうするんですか?」

「放置する。まず目先の脅威を叩く」

 

 『え、ちょっと待ってマジで!? 今のわし騎乗特攻ないんじゃけど!?』、そんな必死の叫びが聞こえたが、半場は無視した。ぶっちゃけライダーよりバーサーカーの方が脅威なので是非もない。

 

 しかし信長が危ういことには変わりないので、すぐに策を講じる。弾丸の嵐の中、声を張り上げて。

 

「そっちで壊れた幻想を撃ってくれ!」

「ジークフリートさんの宝具を使った方がいいんじゃないですか!?」

「本来ならそうするけど、微妙に距離が近すぎる! これじゃあっちが踏み込んでくるのが速い!」

「分かりました、エミヤ!」

「了解した!」

 

 ───トレース、オン。

 

 直後、10を越える剣がバーサーカーに殺到する。

 投影という魔術を得意とするエミヤ故に、それらは全て使い捨てである。

 防がなければ、奪わなければ、ガトリングは破壊されるだろう。

 

『させませぬゥ!』

 

 ならば、こちらも使い捨てればいい。

 

 そう考えたのだろうか。城から援護しているジルは、海魔たちを射線上に配置した。

 その数は投影剣を上回っており、当然全て防がれる。

 

『さぁジャンヌよ! 気にすることなく攻撃するのです!』

「えぇ、ジル。こちらには聖杯があるのだから!」

 

『ちょっ、防がれたわよどうするの!?』

「一周回って冷静になったかあいつら。んじゃゴリ押ししかねーな。両儀式。どうだ?」

「一息。それだけあれば、両断するわ」

「オーケー」

 

 それさえ分かればいい、と言って、半場は立香たちに指示を出す。内容は『ノッブの援護に行け』。

 そうして場にジークフリートと半場と両儀式が残ったところで、彼は最後の確認をした。

 

「時間稼ぎのつもりかしら」

「それもいいがな。なんとかしないとな」

 

 言って半場は、バーサーカーの観察を始める。

 ガトリングの間隔を覚え、味方の位置を確認し、これまでの言動を振り返り、半場は───

 

 ここで、賭けに出た。

 

「Gaaaaaa……」

 

「ここだッ」

 

「えっ」

「はっ?」

 

 半場はなんと、射線上に躍り出た。それも丸腰で。

 ジークフリートが駆け寄ろうとする。それは他ならぬ半場により止められた。

 聖杯が弾丸の分を補給する刹那、だから弾丸は当たらない。だがそれだけだ。再び嵐が襲えば、半場は蜂の巣と化す。

 

 それでも、出なくてはならないのだ。

 

 この作戦は、バーサーカーが半場を見ていなければならないのだから。

 

 

「バーサーカーァァァ!」

 

 

 半場は叫んだ。狂化した耳にも届くように。

 そのおかげか、バーサーカーは面を被った顔を半場に向けた。

 

 頭の上のオルガマリーが泣き叫んでいるのを、無視する。ジークフリートが駆け寄ってくるのを、無視する。ジャンヌオルタが撃てと叫んでいるのを、無視する。

 ただ、両儀式が自分を信じて構えていることだけを、頭に浮かべる。

 

 

 そうして半場は、()()()()()()()()()()()()()()()言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ!! あそこにアーサー王が!!!」

 

その直後、銃口の先はジャンヌに向けられた。

 

 

 

 

 

「Arrrthurrrrrr!!!!」

 

「なんでよおおおォォォ!!!!」

 

 

 ジャンヌオルタの理不尽を糾弾する叫びも、虚しく。

 

 体の向きを急に変えたバーサーカーは、スタンバッてた両儀式に両断された。




両儀式「ステンバ-イ…ステンバ-イ…」


前半の制限に関しては、今後有効活用する予定はないので、頭の外にでも置いといてください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。