あのキャラの口調とか設定とか大丈夫かな?
Chapter Ⅰ【005】再誕
〔Ⅰ〕
私が新たな世界に転生して、早くも6年と4ヵ月が経った。 私は前世で学んだことをフル活用し、義務教育をほったらかしにするかのような勢いで、高校生となった。 私の両親は政府との契約で、形だけの義務教育として、私を教育施設に通わせることを取り決めたのだ。
...えっ? なんでそんなことが可能なのかって? ...我が家の権力です。
私の家...エインズワース家は、かの有名なウィリアム征服王(別名、イングランド王)の子女の1人(女性)と、当時は地方を治めている貴族でしかなかったアイザック・エインズワース(男性)が結婚し、誕生した家(世間的には皇爵家と呼ばれている)で、一時期は王室の末端として数えられていた家なのです。
まぁ、つい最近王族から除籍されてしまいましたが...。
それはともかく、私は今、とても興奮しています。 その理由は......
「遂に来た...日本に!」
そう、転生する前から、ずっと日本に行きたいと思っていたのです!
あくまで、今回の来日は大学受験が目的なのですが...。
うん、今日はおもいっきり楽しもう!
「シャルちゃんは日本とフランスをこよなく愛してるからね。 興奮する気持ちも分かるけど、受験生として恥じない行動をとらないとダメでしょ?」
「アリスの言うとおりよ? シャーロットちゃんはまだ6歳だけど、もう立派な高校生なんだから。 しっかりしないとね?」
おっと、忘れてた。 少し前まで社会人だったためか、ついバカンス気分になっていた。 気を付けないと。
「はい...申し訳ございません...御母様...御姉様...」
オリヴァー先輩は私の予想通り、アリス・エインズワースという名前で、私の姉として転生していました。 私が誕生した瞬間、歓喜のあまり、絶叫したとかしなかったとか...。 それでいいのか、先輩よ...。
「シャーロットちゃん、今回の貴女の大学受験は特例中の特例なの。 だからこそ、気を引き締めて挑まないよダメよ?」
私の母、エレン・エインズワースは私に今回の受験の重要性を再確認させる。 無論、そのことについては人一倍私が理解している。
「勿論です! ...というか、貴女、ではなく貴方、なのですが...」
そう、今の私は男。 一応、男性なのです。 けれど...。
「どうしてボクの容姿は女の子っぽいんだろう...」
平均より少し低い身長。 腰まで伸びた金のストレートヘアー。 透き通った白い肌。 燃え盛るような紅い瞳(本来の虹彩の色は緑なのだが、魔力を持っているが故に紅色に見えている)。 非常に整った女顔。 細く長い手足。 ほとんどの部分が女性的な骨格。 極めつけは女子生徒用の制服。
元女性の私からすれば、前の容姿に近い、というのはとても嬉しい。 けれど、残念なことに私の恋愛対象は前世でも今でも女性。 それ故に、逆に距離を置かれる可能性が上がるのです。
まぁ、今はそんなことを考える必要はない。 今は大学受験のことについて考えないと!
「ふふっ。 今日のシャルちゃん、気合いが入ってるわね」
気合いの入った私の様子を見て、アリス姉様が微笑んだ。
「シャーロットちゃんはこうして学問の道に進むことが確定していたのかもしれないわね」
エレン母様は私の人生を見透かしているかのような発言をしながら、相変わらずニコニコしている。
「よし、今回の受験...頑張ろう!」
〔Ⅱ〕
「これにて、受験番号177876番から177880番までの面接を終了します。 皆さん、お疲れ様でした。 それでは、受験番号順に退室してください」
『有難う御座いました』
私は日本流のマナーに則って、面接をこなした。 これで、私の大学受験は終わった。 結果として、筆記試験は結構良かった気がする。 理系科目とフランス語は95%以上の得点を取った気がする。 一応、国語も85%以上は確実...だと思う。 面接でも、緊張せずにちゃんとした受け答えが出来た...はずだ。 ...うん、後は合格発表を待つだけのはずだ。
Side the Examiner
彼女...じゃなかった。 彼は規格外過ぎるな...。 私は今回の受験生の筆記試験の採点をしていた。 私は、中でも受験番号177878番の総合結果に驚愕していた。
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受験番号: 177878
名前: Charlotte Ainsworth
受験学科: 理学部
[筆記試験結果]
国語(日本語): 92/100
数学(数Ⅲ迄): 150/150
理科Ⅰ(化学): 150/150
理科Ⅱ(物理): 150/150
外国語(仏語): 148/150
合計: 690/700
一次試験成績: 882/900 → 294.00/300.00
二次試験成績: 690/700
総合成績: 984.00/1000.00
順位: 1位/8768人中
成績評価: S
[面接試験結果]
主張の矛盾: 優
聞き取り易い会話: 優
質疑応答: 優
身だしなみ: 優
緊張: 良
志望動機: 優
入退室: 優
総合評価: A+
[合否判定]
受験結果: 合格
特待生評価: S
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この成績...どう考えても
「おや? その子...例の彼についてですかな?」
「学校長...」
どこからともなく学校長がこちらに来た。
「最早、学校中の噂となってますよ、彼。 理系の星だとか、学会に煌めく黄金だとか。 既に学生の7割以上が彼の入学を希望しているみたいですよ?」
そこまで期待されているのか...彼は。 しかし...。
「私は少し不安です...。 このまま彼を入学させても良いのでしょうか?」
しかし、いくら成績が良くても、いくら面接で好評だったとしても、彼は非常に幼い。 故に、不安で仕方がない。 自己形成が中途半端な状態の人間を、社会人の卵となる者達の巣窟に入れることは、あまりにも危険ではないのか。 もし入学させたとしても、彼を助ける人間が現れるのか。 今までとは比べ物にならないレベルのストレスに耐えられるのだろうか。 こういった懸念材料が大量に存在しているというのに...。
「とりあえず様子見するのが一番でしょう。 私達が彼を全面的にサポートするのがベストじゃないでしょうか」
......不安だなぁ......。
Side Out
〔Ⅲ〕
今日は合格者発表の日だ。 私は、半年ほど前に卒業した高校の制服の袖に再び手を通し、母様と姉様と共に大学に赴いた。
「えっと...理学部は...っと」
この大学の学部は結構多く、全ての学部の合格発表を一ヵ所で行っているため、なかなか目的の理学部の合格発表が見つからない。
「理学部は...あっ、あった。 ここからだ」
私は理学部の合格発表を見つけ、すぐさま
えぇっと...177512...。 この辺りから探してみよう。
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177512 177524 177638 177639 177700
177777 177784 177814 177839 177880
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............えっ?
「見つかった~?」
...いや、そんなはずがない。 もう一度確認すれば...。
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177512 177524 177638 177639 177700
177777 177784 177814 177839 177880
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............。
「シャルちゃーん、見つかっ...た...?」
...う、嘘だ...有り得ない...。 私が...不合格...?
「シャルちゃん......」
もうダメだ...。 来世での私の生き甲斐が...。
「そこ......
......紛らわしいなぁ!?
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177555 177634 177711 177855 177878
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「あっ、良かった! 受かってた!」
私は、一般入試での合格発表ではなく、
「ふえぇぇ...よがっだよぉ...うがっでだよぉ...」
安心したせいか、私は膝をつき、大粒の涙を流していた。
「あらら...ふふっ。 シャーロットちゃんがこんなに喜んでいるのを見たのはいつぶりかしらねぇ?」
「半年ほど前、高校を卒業したとき以来です、御母様」
あぁ...良かったぁ...。
「さて、合格したことも分かったことだし、そろそろ帰りましょうか」
「そうですね。 取り敢えず、合格祝いも兼ねてレストランにでも行きましょう」
「はい!」
私達は手を繋ぎ、大学の門を潜った。
「今日は何を食べましょうか...」
「じゃあ、私SUSHI食べてみたい! 日本の魚は美味しいと聞きますし...。 シャルちゃんはどう?」
「ボクも食べてみたいと思っていました。 どんな味なんだろう...」
他愛もない会話をする私たち家族。 平和で、普遍的で、何も変わらない。 我々にとって、それらは当たり前であり、無価値に思えるのかもしれない。 しかし、それ故に、それらはとても素晴らしいものだ。 素晴らしくて、とても美しくて、何物にも代え難いほどの価値を持つ、人類が価値を見いだした希望。 この希望は、決して潰えてはいけない。 それは、人類が生み出した希望なのだから......。
「それでね? あの有象無象共がウザいの何の...」
「全くお前という奴は...」
私が思考の海に潜っていると、ランドセルを背負った2人の女子(小学生かな?)と男児1人と女児2人(こっちは幼稚園生?)の会話が聞こえ始めた。 まぁ、前世の頃の記憶を引き継いでいる私にとっては女子と言えるが、今世のボクにとっては年上のお姉さんと言えるだろう。
「お前はもう少し他人に興味を持ったらどうだ...
「もう...本当に
......ん? タバネ? ちーちゃん? ......何処かで聞いたことのあるような呼称だけど......。 ......ダメだ、思い出せない......。
「チフユお姉ちゃん、束さんにそんなこと言っても無駄な気がする」
「私もそう思うよ、お兄ちゃん」
「いっくん、まーちゃん、2人共なんかいつも以上に辛辣だねぇ!?」
「イチカとマドカの言うとうりかもな...」
「ちーちゃんまで!?」
「姉さん...」
「やめて、ホウキちゃん! そんな哀れむような視線をタバネさんに向けないで!」
......チフユ、イチカ、マドカ、ホウキ、タバネ? ......あっ、まさか!
「IS〈インフィニット・ストラトス〉......!?」
「えっ!?」
「束?」
「「「「「......?」」」」」
そうか......どうりで
この世界は........................ISの世界だったんだ。
...こんな感じで良いのかなぁ...。
本作品では、Mことマドカが例の組織とは関係を持ち合わせていません。
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