俺は今日1日、紗夜に監視されている。
例えば授業中。運が悪い事に俺の後ろの席が紗夜なのである。
そのせいで授業中寝ようとしたら、紗夜にペンでめちゃくちゃつつかれる。
さらにそれを無視すると椅子の足を蹴って来る。
ようやく午前の授業が終わった。
昼休みには屋上でお昼を食べるのが俺のスタイルだ。
よって俺は屋上に向かうのだ。いつもは一人だが今日は違う。
紗夜がいる。彼女は俺を監視すると言って屋上にまで着いてきた。
「紗夜、俺とお昼食べても面白く無いぞ?」
「そんな問題では無いわ。貴方が午後の授業に遅れないようにするためについていくの。分かった?」
「へいへい。」
俺は屋上のドアを開けた。
「あっ桐生君!今日も来ちゃった。」
「丸山さん!今日も一緒にお昼食べてもいい?」
丸山さんがいた。これは嬉しい。
「丸山さん今日もハンバーグ入ってるじゃん。ホントにハンバーグ好きなんだね?」
「うん。」
「あの~正義さん?私を忘れて無いかしら?」
しまった。紗夜の事忘れてた。
「いやいや、忘れて無いから。マジで」
「正義さん酷い…意図的に放置するなんて。今朝あれほど好きと言ってくれたのに。」
まーた爆弾を投下しやがって!
「今朝の事は忘れてくれ!あれは事故だから!事故!」
「桐生君って紗夜ちゃんと付き合ってたの?」
お前もかよ。お前も爆弾発言すんのかよ。
しかも紗夜の方を見ると真っ赤になって機能停止してるし。
「い、いや~付き合って無いけど。」
「そうなんだ。すごく仲がいいと思って。」
「それほどか?」
「うん。だって今日ずっと一緒にいるよね?」
「ああ、これは俺の学校生活を監視する、って紗夜が言っててさぁ。」
「そうなんだ…桐生君も変な事しちゃダメだよ?」
「へいへい。」
こうしてお昼を食べ終えた丸山さんは教室に戻っていった。
さて、昼寝でもするか。
「紗夜、俺は今から昼寝するから教室戻ってもいいぞ?」
「やめとくわ。昼寝するのなら…」
紗夜は自分の太ももをポンポンと叩いた。
「ここで昼寝して?」
拒否する筈が無いだろう!昨日の幸せな感覚をもう一度味わえるのだから。
「じゃあ遠慮なく。」
紗夜の太ももの感覚が幸せ過ぎて一瞬で寝てしまった。
「ウフフ。正義さんってやっぱりかわいいわね。今朝の返事だけど、私も好きよ。正義さんの事。まあ今朝の正義さんの発言は事故だって分かってるけど。」
このまま昼休みは終わりへと近づいた。
「―――さ―――さん!――正義さん!起きなさい!」
「ああ、おはよう。もう昼休みは終わりか?」
「教室に戻りましょう。正義さん。」
「オーケー。」
こうして俺達は教室に戻った。
午後の授業を何度も紗夜に起こされながら、乗りきった。
「紗夜、俺今日委員会なんだが、帰り遅くなるけどいいかな?」
「もちろん。玄関で待ってるわ。」
こうして俺は紗夜と別れ図書室に向かった。
俺が扉を開けると、白金さんが先に来ていた。
「やあ、白金さん。遅くなった。ごめん。」
「桐生君…こんにちは。ううん。私も今きたところだから。」
「あの…桐生君って、氷川さんと付き合ってたの?」
「いや。紗夜とは付き合って無いけど。」
「すごく…仲良さそうだったから。」
「でも、これまで名字呼びだったよね?なんか急に…名前呼びに変わったから。」
「ああ。それか。事情があってな。」
「事情?言いづらい事?」
「いや。別にいいけど。数日前に父さんが死んでな。父さんの親友に引き取られたんだ。それが紗夜の父さんで、みんな氷川で分かりづらいから名前呼びになったんだ。」
「そう…だったんだね。(安心した。)」
俺は仕事を終えて玄関に向かった。俺が靴を履き替え外に向かおうとしたとき、紗夜の悲鳴が聞こえた。
~正義が図書室にいた頃~
紗夜が下駄箱を開けると、中から手紙が出てきた。所謂ラブレターと言う奴だ。
「こういう人達ははっきり断らないとあとからしつこいので、行きましょうか。」
紗夜は手紙の指定通り校舎裏に向かった。
相手は上級生だった。
「貴女の事が好きです。付き合って下さい!」
「ごめんなさい。貴方の事が好きじゃないの。」
「フザケルナァ!ボクハ、コンナニモスキナノニ!」
男は紗夜に襲いかかった。
「きゃあ!誰か、助けて!正義さん!助けて!」
果たして正義は来るのだろうか。