正義の味方   作:深き森のペンギン

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第6話 初めてのバイト探し

俺はバイトを始めようと思う!

 

何故なら、いつまでも氷川家の人達に頼っているようではダメだと思ったからだ。

 

だから俺はバイトを始める。

 

それで求人雑誌を見ていても、何かピンと来ないんだよな~。

 

まあ今日帰ってから探すか。

 

自分の足で。

 

「おーい、紗夜!早く行こーぜ。」

 

「分かったわ。正義さん。」

 

いつも通り紗夜と二人で学校に行く。

 

心なしか昨日の事件以降紗夜が積極的にスキンシップを取ってくるようになった。

 

例えばこれまで隣に並んで歩いていても肩を寄せてくる事は無かったのに今は肩を寄せてくるようになった。

 

「おいおい、やっぱりあの二人って付き合ってんじゃないのか?」

 

周りからの噂が絶えない。

 

こうして、始業のベルが鳴る。

 

授業中、紗夜に起こされるせいで全く寝れない。

 

ようやく午前の授業が終わった。

 

「ふぅ~。紗夜、ペンで起こすな。チクチクする。」

 

「嫌よ。正義さんが寝るのが悪いわ。」

 

「ごもっともです。」

 

「あ、ここにいたんですか!師匠!」

 

俺の事を師匠と言うのはなんと昨日瞬殺した不良だった。

 

「俺はアンタの師匠になった覚えは無いんだけど?」

 

「じゃあ今師匠にしてください!」

 

更には土下座までしてきた。

 

「だが、断る!」

 

人生で一度は言ってみたいセリフを今使うことができた。

 

こいつにはその事だけ感謝だな。

 

「そこを何とか!いいバイト教えますから!」

 

え?

 

「え?今バイト教えてくれるって?よろしい。弟子にしてやる。」

 

「まじすか?アザ~っす。」

 

「で、どんなバイトなんだ?」

 

「Pastel*Palettesって言うアイドルバンドの握手会の警備員っす。」

 

何故かPastel*Palettesって言う名前に紗夜が反応したように見えた。

 

まあ気のせいだろう。

 

「で?いくらぐらいなんだ?」

 

「大体3万っすね。」

 

めちゃくちゃいいじゃねえか。

 

「よし。いつなんだ?」

 

「明日の放課後ですけど、」

 

「オーケー、行こう。師匠ってなにするんだ?」

 

「俺に、強くなる方法を教えてください!」

 

「旨い飯と適度な運動。これを毎日続けるだけだ。」

 

「そうなんすか?アザ~っす!」

 

そういうと、不良は何処かに行った。

 

「紗夜~。あいつ何だったんだろうな?」

 

「何だったんでしょう?」

 

「まあ、悪い奴じゃあ無さそうだったな。」

 

「そうね。お昼まだ食べてないけど、もう時間ないわよ。」

 

「前言撤回!あいつめちゃくちゃ悪い奴だ!俺の至福の時間を~!」

 

「正義さん。貴方、バイトするの?」

 

「ああ、バイトした方がいいかな~って思って。」

 

「戻りましょうか。」

 

俺達は教室に戻った。

 

午後の授業中腹が減りすぎて死にそうだった。

 

早く帰ってカップラーメンでも作ろう。

 

家に到着した。

 

ちなみに紗夜は一緒ではない。

 

委員会の集まりが有るとか。

 

俺はカップラーメンを食べた。

 

カップラーメンって何か味がもの足りないんだよな~。

 

と思いながらも完食した。

 

まだ時間も早いので何処か行くか。と思い商店街に繰り出した。

 

やまぶきベーカリーでパンでも買って行くか、と思い店に入ると、俺と同年代の女の子が店番をしていた。

 

「メロンパン3つで330円になります。」

 

こうして買い物を終えて帰ろうと思いきやとあるお店に興味を惹かれた。

 

羽沢珈琲店という喫茶店である。

 

そう言えば土曜日に美少女(名前知らない)との待ち合わせ場所だ。

 

そうおもいドアを開けるといらっしゃいませ~何握りやしょうか~と寿司屋のような感じの掛け声が聞こえた。

 

それとあわてて寿司屋じゃないから!とツッコミを入れる女の子もいた。

 

「コーヒーとケーキ一つ」

 

俺はコーヒーとケーキを注文し、それを待つ。

 

コーヒーとケーキがやって来た。

 

どちらも中々に旨そうだ。

 

少しコーヒーを飲んでみる。

 

旨い。中々良い香りがして淹れた人の熟練の腕が感じられる。

 

続いてケーキだ。

 

うん。これも旨い。甘すぎないホイップクリームにフルーツの甘味、スポンジケーキともマッチしてちょうどいい。

 

俺は中々良い喫茶店を発見してしまったみたいだ。

 

その後会計を済ませ家に帰った。


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