問題児が日常を過ごしたかったようですよ   作:たこ焼き屋さん

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リアスは結婚をしたくない

 

 

 朱乃の言った面白い事。それはリアスから見れば面白い事ではない。

 

 とある忌むべき男の来訪。

 

 あちらから見れば歓迎するような事だがリアスからすれば溜まったものでは無い。

 

 

 

 

 

「どうぞ粗茶です」

 

「んんありがとうマドモアゼル。ところで今晩」

 

「お茶請けを持って参りますね」

 

「残念・・・フラれてしまったよハッハハハハ!」

 

「いい加減にしてライザー。例え何度伝えられても結婚なんて嫌」

 

 

 

 リアスが嫌悪する理由それは親同士が定めた政略結婚だと言うこと。

 

 

 

 相手の金髪の黒のタキシード姿の男──ライザー・フェニックスは焦れったいなとソファーに両手を広げながら座っている。

 

 

 

 フェニックスは七二柱の一つであり数少ない純血悪魔の一家系。悪魔の中でも異端の”不死”の力を持つ悪魔である。

 

 数が少ない純血悪魔(リアス・グレモリー)純血悪魔(ライザー・フェニックス)が結婚しその間に純血悪魔の子供をもうけるのは悪魔社会にしてみれば当然の結露。

 

 人間社会では日本の天皇、イギリスにしてみれば法皇などに位置するほど純血悪魔とは強い権力を持っている。

 

 そこに個人の感情が挟めるわけもないのだが、リアスはワガママを続け一向に首を縦に振らずにいた。

 

 

 

 

 

「諦めろよリアス。確かに俺だって嫌だよ、こんな青臭い女・・・まだ熟した果実を食べた方がマシだとすら思うね。けどな、これは悪魔社会の今後のためだ。そこに個人の感情はいらない、所詮俺達は親の遊び道具に過ぎないんだからな」

 

 

 

 ライザーの語ることば全て正しい。正論だからこそリアスは真っ向から否定出来ずのらりくらり躱してきた、だが何故か本腰を入れたライザーによってその逃げは許されない。

 

 

 

 

 

「けど」

 

「けども嫌もない、これは上からの命令だ。それに逆らうことは魔王ですら不可能だ」

 

 

 

 リアスの兄たるサーゼクスも今回の婚約には反対派ではあるがその強制力はない。なぜならそれが正しい事だからだ。

 

 絶対数の少ない純血悪魔を残すのは必然の事、なのに魔王が無下にしたとあればそれこそ魔王の座剥奪もありえてしまう。だからこそ全てにおいて放任しているのだ。

 

 

 

 

 

「だが俺もお前も嫌と意見は一致している。であれば力で白黒付けよう。弱肉強食、それこそが冥界の悪魔の掟だ」

 

 

 

 と、ライザーの後ろに魔法陣が展開され一人のメイドが現れる。

 

 黒を基調に白のフリルや腰掛け、市販のメイド服を改造した彼女だけのオリジナルメイド服。

 

 さらに、透き通るような銀髪がメイド服と相俟り美しさをより際立ている。

 

 

 

 その女性はリアスのよく知る人物であった。

 

 

 

 

 

「グレイフィア」

 

「お久しぶりですリアス様。先月以来でしょうか」

 

 

 

 魔王サーゼクス・ルシファーの妻にしてリアスの義理の姉、グレイフィア・ルキフグスであった。

 

 

 

 なぜ?と思ったが事の全容を彼女の口から教えてくれる。

 

 

 

 

 

「今回私がこの場にいるのは御二方のご意向を汲み取り、レーティングゲームにて決着をつけると決められたからです」

 

「レーティングゲームですって!」

 

「お前も知っているだろ、今回はそれで白黒はっきりさせる。勝者にはリアスの所有権と言うわけだ、俺が勝てば婚約、お前が勝てば晴れて自由の身とな」

 

 

 

 嘲笑うかの如く笑いながら両手を広げる。

 

 

 

 レーティングゲームは悪魔が死ぬ事の無い安全な戦争を行う事が出来る。

 

 知力、武力、戦術、戦いにおいて重要な全てを一気に試す戦いでありながら、娯楽へと繋げたゲームである。

 

 そのため悪魔の殆どがこのゲームに参加をしていて、ランキングのトップ十〇位以内は魔境とすら言われている。

 

 

 

 リアスも例に漏れず将来的には参加する予定ではあった。なのでレーティングゲームの詳細な情報も集まっているのでやる分には問題がない。ただ、ある一点ライザーの実力を除いてだ。

 

 

 

 

 

「けど、ライザーはランキング十一位!私達とは圧倒的に地力が違うわ」

 

「知ってるさだからこちらからは一週間の猶予、そしてレーティングゲームには俺と四人の眷属だけしか参加はさせない。プラスでお前らには援軍を一人入れることを許可している

 

 そうすれば頭数は同じ。囮や自爆特攻などをしても問題ないだろ。かなりの高待遇だがまだ何かを求めるか?」

 

「・・・・・・分かったわ、なら援軍は」

 

 

 

 現状リアスの知り合いでまともに悪魔とやり会えるのは、同級生にして生徒会長のソーナだけ。なので援軍は彼女に決めようとした瞬間、応接室の扉が蹴り飛ばされて突風が侵入する。

 

 

 

 ライザーは飛んできたドアを人差し指で触れただけで燃やし尽くし無傷。視界を完全に覆っていたドアが消えると、一人の男がそこに膝を突き出しながらいた。

 

 

 

 

 

「オラッ!」

 

 

 

 話を盗み聞きしていた問題児の蹴り。

 

 それは堕天使を殺した拳と同じ第三宇宙速度だが、威力は桁違いに高い。リアス程度の悪魔であれば一瞬で消せる威力。

 

 だが、ライザーは目を瞑ることなく逆に笑みを浮かべて避けなかった。

 

 

 

 ドゴン!!!!

 

 

 

 一誠の蹴りはライザーの頭を消し去り、衝撃に伴って残った身体ごと背後へ吹き飛ばし壁を破壊する。

 

 普通ならこれで終わる、だがライザーはこの程度では死ぬ事は許されない。

 

 

 

 

 

「随分と温いな・・・もっと死んでもおかしくないと思っていたんだがな・・・・・・これじゃあ肩こりも取れないぞ」

 

 

 

 再生した頭から発せられる第一声。その声に痛みや苦痛の色は一切ない。

 

 

 

 

 

「おいおい、軽い挨拶で死なれちゃこっちが困るっての。それじゃあ俺が楽しめねぇよ。どうした挨拶でビビったか?悪魔さんよぉ」

 

 

 

 出会い頭に殺人キックを御見舞した上にかける言葉はあまりにも非情だ。

 

 挨拶で死んだらどうするだと心の中で思ったものは数少なくない。

 

 

 

 

 

「ここでの争いごとはおやめ下さい」

 

「だがよぉあっちが仕掛けたんだこちとら黙ってらんねぇよな」

 

「ヤハハハ!黙る?鳥頭のアンタがよくそんな事覚えてるよな」

 

「あ゛っ?」

 

 

 

 一触即発。正しく導火線に火のついた二つの爆弾。

 

 少しで衝撃が加わればこの場で爆発して甚大な被害を蒙る事になってしまうだろう。だからこそそれを唯一静止できるグレイフィアが二人の間に割って入る。

 

 

 

 

 

「でしたらこうしましょう。今回のレーティングゲー厶にてリアス様の援軍は兵藤一誠という事で。この勝負後日本番にて付けると言うのは」

 

「いいぜそっちの方が面白そうだ」

 

「いいだろう。この俺を侮辱したその男を合法的に痛めつけられるなら拒否はせん」

 

 

 

 二人の賛成を得てリアスの預かり知らぬ所で援軍は決まった。

 

 一誠のあの力を見ているリアスにしてみれば逆に願ってもない程のチャンス。ライザーに勝てる可能性があるのは一誠だけの可能性すらある。

 

 

 

 勝利を確信したリアスをよそに、予め予測してあった通りに事が運んだとライザーは笑みを抑えて俯く。

 

 

 

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