問題児が日常を過ごしたかったようですよ   作:たこ焼き屋さん

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エンドゲーム楽しみ


最後の晩餐のようなもの

「ちょっと朱乃取らないでよ」

 

「残念早い者勝ちよ」

 

「はむ・・・一誠先輩は嫌いですけど、料理は好きです」

 

「お褒めに預かり光栄ですよと、さっき作った炒飯だ食べるだ──まだ渡してないのに完食しやがった」

 

 

 

 一つの机を囲んでリアス眷属達と一誠は食事をしていた。

 

 和気あいあいとしているがこれからの一週間は地獄の特訓が待ち構えている眷属たちからすれば、最後の晩餐のようだ。

 

 一人関係ないやと構えている一誠は戦前の激励に意味を込めて手料理を振舞っているのだ。

 

 

 

 

 

「けど、ホントにいいのかい一誠くん?僕達と特訓しなくて」

 

「はっ、今更特訓したところでたかが知れてるしな。俺はテスト前の一週間はゆっくりする派だから、のんびり待つぜ。それに俺はお前らの転移使えないから別の生行き方をしなきゃいけねぇしな」

 

 

 

 兵頭一誠がレーティングゲームに参加する上で最大で最難の課題がそれだ。

 

 初めてあった時もそうだが、なぜか一誠には転移魔法陣が通用しない。そうなると別世界の冥界に行く手段が全くない。

 

 どうにか行けるようにとリアスは試行錯誤するもまだ幾許も生きていない人生──いや悪生か、それでは知識が足らず改良は出来なかった。

 

 

 

 

 

「転移する方法に関してはお兄様がなんとかすると言ってたから問題は無いと思うわよ」

 

「お兄様ね・・・そいつ魔王なんだろ?随分とトンデモネーミングじゃないかよ、俺としてはそっちと殺り合いたいだけどな」

 

「ダメに決まってるでしょ!それにケンカを売ったのは貴方よ、もう私がいくら言葉をかけても出場は決定事項よ」

 

 

 

 口いっぱいに回鍋肉を詰め込む様は正にハムスター。

 

 その隣の白髪幼女に至っては体型が微動だにしてないのに、すでに六人前は平らげている。

 

 

 

 

 

「ん、ほれ動くな」

 

「くすぐったいです・・・ロリコン先輩」

 

「ロリコン?自分の体型を認めたか白髪ロリ」

 

「ぐっぐぐぐ」

 

 

 

 口周りを中華料理特有のソースで汚したままなので、ハンカチで拭き取る。少しくすぐったそうに顔を背けるも、無理やり拭き取り食事へと戻す。

 

 

 

 

 

「ほんとに面倒見良いわよね貴方」

 

「そうか?こんなんだろ」

 

「僕はてっきり子供とか嫌い──痛ッ」

 

 

 

 子供と呼ばれ反応したロリは対面にいる美形の男のスネを蹴り飛ばす。

 

 とはいえ、椅子の高さから空中に浮いている状態で蹴ったので威力はそこまでない。せいぜいハリセンで殴られた程度の威力だろう。

 

 

 

 と、一誠に昔から触れてこなかった者達は口を揃えて「面倒見がいいんだな」と言うがそれは正確ではない。

 

 一誠としては、面倒見がいいのではなく手が出てしまうのだ。

 

 

 

 例えば目の前で転びそうな子供がいれば地面を砕いて抱きとめるし、事件に巻き込まれそうなら総じて犯人を半殺しにして助ける。

 

 結論としては簡単だ、子供に弱いのが兵頭一誠だった。

 

 

 

 

 

「これが普通だと思うけどな・・・まぁいいや。おい、リアスアイスはまだ食うな、後でワッフル作るからそれがデザートだ」

 

「えっ、ワッフル?よし!早く食べましょ」

 

「待て待て、俺としてはそれより先にレーティングゲームの詳細や相手の情報が知りたい。そっちが済めば作ってやる」

 

「ワッフル絶対に作ってよね」

 

「はいはい」

 

 

 

 うんん。一度を間を空けてからリアスは空間に穴を開けてその中からよく見なれた物を取り出す。

 

 透き通るような紅の兵士の駒(ポーン)だ。

 

 

 

 

 

「これが何か分かるわよね」

 

「チェスの駒だな」

 

「そう、私達悪魔はこれで仲間を増やしているのよ。ここにいる私の眷属たち全員にそれぞれチェスの駒が割り当てられていて、それで他の種族から悪魔へと転生したわ」

 

 

 

 リアス・グレモリーが王の駒(キング)

 

 姫島朱乃が女王の駒(クィーン)

 

 木場祐斗が騎士の駒(ナイト)

 

 塔城小猫が戦車の駒(ルーク)

 

 他に僧侶の駒(ビショップ)がいる。

 

 

 

 

 

「この駒一つ一つにそれぞれ効果があるの、騎士は速度、戦車は防御力と攻撃力、僧侶は魔力、女王は三つ全てを。これらの戦力を上手く使って戦うのがレーティングゲームよ」

 

「なるほどね、擬似的な戦争ってわけか。確かにそりゃゲームになるわな」

 

 

 

 レーティングゲームについての説明に納得がいったようで次へと移る。

 

 

 

 

 

「今回の敵、ライザーね。アイツは悪魔の中でも種族で言えばトップクラス。なにせ」

 

「不死身か、不死鳥ことフェニックスには数々の不死伝説がある。死ぬ間際になると灰の中から蘇るだとか、死を感じると自身を燃やして産まれ直すとかな。それから推測するに不死身が能力って推測はついた」

 

 

 

 語る必要なんてないじゃかいと満点の回答をした一誠に呆れる。なんでわざわざ聞くのかと。

 

 

 

 

 

「俺が知ってるのはそこまでだ。推測に憶測を重ねる最悪の思考だが、弱点の一つや二つはあるだろ?そうしなけりゃリアスの発言に辻褄が合わなくなる。トップクラス、それが意味するのはトップではなく、他に同率の強さがのやつが居ることを指してる。

 

 だが普通に考えれば不死であれば負ける事が無いんだからトップになるはずだ。となれば、何かしらの弱点で倒せる可能性はあるわけだ。俺はそれが聞きたい」

 

「はぁ・・・それを今のちょっとした時間で推測したと言うんだからホントに人間か分からなくなるわね。貴方の質問に答えるのならばYESよ」

 

 

 

 

 

 そう言って一枚の紙を取り出した。

 

 それはどこにでもある平凡な紙、詳しく言えばこの家にあった折り紙だ。

 

 

 

 

 

「簡単に説明するならばこういう事」

 

 

 

 

 

 綺麗な折り跡一つ無かった折り紙をぐちゃぐちゃにしてからまた広げ直す。そしてまたぐちゃぐちゃにして広げ直す。

 

 これを繰り返すこと数十回。紙に蓄積されていったダメージにより一部の折り目に亀裂が走る。

 

 

 

「確かに不死身よ。けどそれは何回も再生できるわけではないの。数は個人差があるから明確には分からないけど、何度も殺していればいずれ再生が出来なくなる。そこまで追い詰めれば勝ちよ」

 

 

 

 

 

 折り紙を握りつぶして強く宣言した。

 

 

 

 リアスの唯一の勝ち筋だ。

 

 フェニックス家はその不死性故に攻撃を避けようとしない。どうせ死なぬのだからと、ある意味で悪魔でありながら生への欲が薄いと言ったところだろうか。

 

 それは、ライザーも例外ではなく全ての攻撃を被弾しながらカウンターでトドメを指すパターンをよく行っている。だからこそ勝つにはその慢心を突き倒す他にない。

 

 

 

 とは言えその勝利の希望はあまりにも細い糸だ。

 

 ちょっと何かしらのアクシデントが起これば切れてしまうほど危うい糸。それをどうにか手繰り寄せて勝つしかない。

 

 

 

 

 

「ふーーん。なんか思ったより呆気ない弱点だな、結局倒れるまで殴り続けるだけだからな・・・・・・当初の予定と変わんないな」

 

「随分と簡単に言うわね・・・はぁ、この一週間でできる限りの事しないとね」

 

「まぁ頑張れや、俺はその時が来るまで待つだけだからな。おっとワッフルそろそろ焼くか」

 

 

 

 

 

 作戦会議と言うか情報交換も程々に最後の晩餐たる食事へと戻る。

 

 リアスに取ってみれば負ければ人生が全てライザーの物になり自由がなくなる。

 

 本当の最後の晩餐になってしまう可能性すらありえるのだ。なので味わうようによく噛み締めながら食事をして行った。

 

 

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