最近毎日6時間ぐらいApexに時間を使ってんだけど
時は少し遡る。
ゼノヴィア達と別れコカビエルとその場に残された二人は、攻撃の体制を解かず口を開く。
まだリアス達が産まれる前にに起きた三種族間の大戦争によって多数の死者を出し、両陣営共に悲惨な終末を迎えた。そのためすぐさま和平条約が結ばれ、互いに干渉しないようにとなっているにも関わらず今回なぜ干渉してきたのか、その真意を問いただす。
「お兄様に聞いていた貴方の印象とかなり違うのだけど、どうしてかしら?」
「はっ、印象など所詮他人が勝手にイメージしたものに過ぎん。私は生まれた時から貴様らを滅ぼしたいと思っていたさ」
(確かに戦闘狂なのは事実だけど、それ以上に仲間を思っていると聞いてるわ。なにせ和平条約に最初に乗り出したのがコカビエルからと・・・)
互いに意固地になり中々終戦に向かわなかったのだが、コカビエルが最初に声を上げ堕天使陣営が賛同。悪魔、天使も賛同し和平条約へと続いていく。
戦争を止めたコカビエルの印象と今の闘争を望む暴力の権化のコカビエルとでは、あまりにも齟齬があった。
(まさか操られている?でも私じゃ解け・・・いやいけるかも)
「ソーナ少し時間を稼いでくれる?私に考えがあるの」
「相手は聖書に名が載るコカビエルです。そこまで時間は稼げないでしょうが、一誠に比べればまだやりやすい」
掛けていたメガネを外し魔力操作で擬似コンタクトを作り出し目に装着する。
激しい戦闘によりメガネが割れ視界を奪われたりせず、広範囲をしっかりと視認でき魔力コントロールをより高める本気のソーナの姿がそこにある。
一誠宅から持ってきていた水筒を開け中の水を手のひらの上に凝縮させていく。
「シトリー家は水を操るのを得意としているが、そんな少量で私に勝てるとでも?その一○○倍は持ってこなければ話にならんな」
「えぇでしょうね。ですから大量の水を持ってくるまで」
凝縮した水を地面に向け高速で水弾を射出して地面に穴を開ける。
カン、という鉄製の何かが壊れる音が鳴った瞬間地面からけたたましい爆音が響き渡る。
何か小細工をしたのだと察しコカビエルはすぐさま攻撃に移る。
右手に光の槍を生み出しおおきく振り被りソーナに向けたたき落とす。大きな巨体が生み出す破壊力は素手で岩を粉々にする程で、それが槍を投げる事に移されればマッハに近い速度が出る。
槍も先に到達するソニックウェーブはまだ接触していないにも関わらず地面を砕き、ソーナの足場を不安定にする。
「悪手ですよそれは」
ソーナに槍が当たる前にコカビエルが壊した地面から大量の水が脇だし瞬時に支配下にして、槍を水で包み込み完全に無力化した。
「どこからその量の水を・・・」
「ここは学校です。水道管の一つや二つ校庭にもあるのは知っています。なにせ生徒会長ですから」
「ちょこざいな!だが所詮水が増えただけ」
「自分で仰ったことをもうお忘れで?私は水さえあれば貴方を抑えるのは容易なんですよ」
噴水のように湧き上がる水がみるみる形を安定させていき、短い手足に胴が蛇のように長い一匹の長蛇な竜へ変貌する。
コカビエルを食い殺すため大きな口を開口し無限に続く水流地獄を味合わせる。
防御の姿勢をとるが激流の渦を防ぎきれるはずが無い。
四方八方全てから攻撃を与えているため回避は不能。捕食される前に動かなければいけない絶大な一撃をかます。
さすがのコカビエルも悶絶の声を上げソーナは計算も何も無い初手からの大技に冷や汗を流す。
(魔力消費が凄まじく本来は弱りきった段階で使うのがセオリー、なのでできればこれで終わって欲しい所なのに耐久力はさすがと言うことですね)
この技は最後の決めて相打ち覚悟の必殺技として使わなければ初手でソーナは全魔力を使い果たし戦闘を続行出来なくなる。
リアスが決め手を成功させる集中の時間を用意するには並大抵の技では時間を稼げない、だからこそ必殺技を使い時間を稼ごうとしたが
「煩わしい!!」
全方位に光の障壁を展開し一気に弾けさせることで水竜を簡単に元の水に戻した。
羽が二本折れ曲がり左腕もかなりの深手を負わせ使えなくしているが、それでも魔力のほとんどないソーナでは今のコカビエルにすら勝てるイメージが湧かない。
水で湿った髪を左手でかきあげてかなりの深手を負わせた悪魔へと視線を落とし鋭く睨む。
「油断したよまさかここまでやるとはな」
「今のでやられてくれれば楽なのですが」
「お遊びにしては良くやった方だ、礼に一時だけ本気を見せてやる」
左手を天にかざし慢心を全て捨て去り周囲に光の槍を展開する。数は一○○、二○○本超え正確にはもはや数えられない。
光の波とでも呼べばいいのか、ソーナに対して過剰な戦力を投入し圧倒的な力の差を見せつける。ここから逆転する手だてはソーナにはない。
前へ伸ばしていた手を下げ光の大群を見上げる。
「もう私ではどうする事も出来そうにないですね」
「そうかそうか、諦めるというのならば遺言を聞いてやろう。私をここまで負傷させ全力を出させた褒美だ、忘れずに記憶しておいてやる」
「・・・確かに私は諦めます。そこに間違いはありませんが、まだ諦めていない者がいる!リアス今です!!」
「薄く広範囲に喰らいなさい!!」
入れ替わり前に立ち塞がるのは赤髪をたなびかせるリアス・グレモリーであった。
今までの滅びの魔力を球体にして射出ではなく薄く霧状にした滅びの魔力をコカビエルに向けて撒く。薄くした事で人体を直接消滅させることはできない。
霧に触れたコカビエルはコケ脅しかと鼻で笑い槍を撃ち出す指示を飛ばすが、槍が射出されることは無い。なぜなら霧に触れ一つ残らず消滅したからだ。
最大展開の技を小娘に邪魔をされ今日だけで二回も格下から予想外の攻撃を受けていた。
「貴様ら・・・確実にころッッ──」
「やっぱりそうだったのね」
「リアスもしかして今のは」
聡明なソーナだからこそ今の攻撃の意味について理解出来た。
滅びの魔力は質量全てを無視して問答無用で消滅させる恐ろしい魔力だが、完全な制御下に置けば消滅するものとしないものを選ぶ事ができる。始まりのバアルは自身で選択をして消滅させていたと語られている。
魔王サーゼクスは初代とは違い完全制御下ではなく完全放出の方に特化していて、自分の周囲全てを消滅させる技を持っている。リアスも兄の姿を見ていることから力をそのまま使う事に専念していたが、あまり才能があるとは言えなかった。
だがとある少年と出会い兄を超える意志を強固にした事で別側面の力を得る事にしていた。まさに初代と同じ完全制御をするという道だ。
今まで成功した事が無かったが土壇場で成功させ、コカビエルを消滅させるのではなくコカビエルを操っている異能の方を飛ばした。
光の槍が消滅したのはその巻き添えを喰らったからで、狙いは既に攻撃を放った時点で決まっていた。
空から地へ二度目の墜落を余儀なくされたコカビエルはクレーターの中心から上半身だけを起こす。
「やってくれたな・・・まさかサーゼクスの妹がここまで力をつけているとは。いや、セラフォルーの妹のお前もだな」
「その声色から考えるに本物のコカビエルでいいのかしら?」
「あぁお前のおかげで洗脳から開放されたよ。全身はボロボロだがな」
先程と口調自体はそこまで変わっていないが大分優しい声色に変化していて、孫娘に接するような温かさを感じていた。
落下の拍子で外れた右肩を掴んで無理やりはめ直して、軽く回転させて調子を確かめつつ起き上がる。
視線は自分がしでかしたあたりの惨状に向けてだった。
「慢心していたとはいえこれだけの被害で収まって良かった」
「アレで慢心・・・はぁ、私もまだまだね」
「そうでもないさ。もしサシでやるなら嫌な相手に変わりない。さてとすまない幼いのに怪我を負わせてしまった」
地面を砕いた時に瓦礫がソーナの肌を掠め無数のかすり傷を作っていた。血が流れている箇所もあるが全体的に深い傷はない。
懐からハンカチを取り出しソーナへと差し出す。
「戦いですのでこれぐらいはもん──」
「問題ないわけがなかろう。その年なら色恋に胸を躍らせる時期、こんなボロボロの身体では男にフラれてしまうよ」
「なっ!やっぱり傷があるとダメなのでしょうか」
「うーむ人によるが大半の男が傷ありは許容できないだろう」
帰ったらしっかりと治療しなければと忠告を素直に受け取り内心強く心に決めていた。
渡された白いハンカチで傷口の血を拭っていき血まみれのハンカチを返す訳にもいかないので、一度持ち帰り洗ってから返す事をその場で約束した。
未だ激しい戦闘を繰り広げているフリードの方に熱い視線をコカビエルは向けていて、その目は息子の成長した姿を喜ぶ父のようにリアスは感じる。見つめ続けていたコカビエルはハッとした表情で見続けてはダメな事に気づく。
「フリードは洗脳を施されていないはずだから、私が声をかければ戦闘も終わる」
「さすがにこれ以上の戦闘は私たち含め限界だから助かったわ」
「私の処罰は軽くて監禁、悪ければ死刑だな。はてどうなるか楽しみにしておくと・・・し・・・・・・クソがッ!」
温厚な顔だったコカビエルは突然声を張り上げ二人の傍から一気に離れていく。
「どうし」
「私に近づくな!!やられたよ、まさか洗脳がフェイクだとは!!既に身体の支配権の半分が奪われた!!どうにか避けてくれぇぇ!!」
勝手に動く右手の上に生成されたのは槍ではなく魔力を極限まで圧縮させた光球である。槍への形状維持に回す力すら破壊力にシフトしたコカビエルの本気の一撃。
慌ててリアスが防ごうと滅びの魔力を展開するがそれよりも早く光が駆ける。
第三宇宙速度で放たれたそれを視認出来るはずもなくリアスは防御する前に身体へ──
接触するかに思えたが攻撃は停止する。フリードの方ではイリナに向けて剣を振り下ろそうとしているタイミングだった。
さらに止まっているのは攻撃だけではなくリアス達の呼吸、風、それこそ時間が停止したのか全て灰色と黒の二色しかない寂しい世界に移り変わっていた。
そんな孤独の世界を一人虚しそうに歩む姿がある。
人工的に染めた髪のような不自然感が一切ない正真正銘の綺麗な黄金に、人の血を想起させる鮮やかな赫色の双眼。背格好はどこか子供じみていて小学三年生と言われても通用しそうだが、着ているのは駒王学園の女子制服だ。
小さな一歩積み重ねてたどり着いたのはリアスの目の前。それでも彼女やその他の人物達は反応を示さない、いや示せない。
「僕は静かに寝ていたのにこんな間近くでドンパチしないでください。援軍のあの人達がくれば問題なく片付くとは思いますが、その前に部長が死んでは後ろ盾が消えて後が面倒なので助けます」
病的なまでに白い肌の手を光球に伸ばして小さな手で鷲掴みにした。
「ついでにあっちも助けますね」
不敵に笑みを浮かべた口元には二本の鋭い八重歯が見えた。
彼女──彼こそはリアス・グレモリーの最終兵器。本来悪魔に転生させるために使う駒の数は一個、強力な力があったりしても三個や四個がいい所だろう。だが彼を転生させるのに用いた駒は『
リアスが他の眷属を中々増やせない原因となった最強の眷属、ギャスパー・ヴラディが戦場に姿を表した。