七色ヶ丘
ある日の登校時の事だった。
なお「ねえ、昨日のニュースを見た?」
あかね「見た見た。ウチらの戦いが中継されとったのは驚いたで」
れいか「あの時は誰もバッドエンドにならずに済みましたけど、それが裏目に出ましたね」
やよい「でも、私達がスーパーヒーローって認識されるのは時間の問題になると思うよ」
みゆき「スーパーヒーローかぁ…」
この時のみゆきは頭で自分達がヒーローとして崇められている姿を思い浮かんでいた。
キャンディ「存在が知られたらマズイクル!何があっても正体は絶対秘密クル!」
みゆき「じゃあ、キャンディは正体がバレなければ他の人はバッドエンドになってもいいの?」
キャンディ「それも嫌クル。でも、キャンディもみゆき達がプリキュアとして頑張る姿に人々が喜ぶのも見たいクル。人々にプリキュアの存在が知られるのはとても複雑クル」
それから下校時、生徒達はある話題で話していた。
女子生徒「えっ?明日、転校生が来るの?」
男子生徒「それも相当金持ちのお嬢様が来るらしいぜ」
その話題をみゆき達は聞いていた。
みゆき「転校生が来るってホント?」
やよい「そうみたいだよ」
あかね「みゆきが来てそう間が経たん内にまた転校生が来るなんて珍しいケースやな」
みゆき「それでどんな子なの?」
なお「まだよくはわからないけど、実家が相当お金持ちなんだって」
みゆき「お金持ち……?」
『お金持ち』という言葉を聞いたみゆきの脳裏には幼稚園の時の友達だったしおんの姿が思い浮かんだ。
なお「どうしたの?その子と面識があるの?」
みゆき「あ、いやいや、どんなお嬢様なのかな~って思ってね」
転校生がどんなお嬢様なのか盛り上がる中、れいかは考え事をしていた。
あかね「れいかは転校生はどんなお嬢様だと思うとる?」
れいか「あ、私としては生徒の模範になれるような人じゃないかと思っています」
やよい「とりあえず明日は楽しみだね」
そのままみゆき達は下校したが、れいかは一旦立ち止まった。
れいか「(まさか、あの人がこの学校に転校するとは思ってませんでした。鬼の風紀委員長という噂のあの人が……)」
七色ヶ丘中学校
そして翌日。
みゆき「(あ~緊張する~~、どんな子だろう…。ひょっとして…)」
あかね「みゆき、別に自己紹介する訳やあらへんからそんなに緊張せんでええ」
みゆき「だけど…だけど…」
そんな中、転校生が入ってきた。その転校生の姿に男子生徒と一部女子生徒は見とれていた。
しおん「(みゆきちゃん!)」
みゆき「(やっぱり転校生はしおんちゃんだったんだ…)」
なみえ「転校生を紹介します」
しおん「始めまして、紫東しおんです。よろしくお願いします」
すんなり自己紹介ができたしおんにみゆき達は視線が集中した。
みゆき「(嘘!私はとっても緊張したのにあんなにあっさりできたなんて!!)」
なお「し、紫東!?」
あかね「どないした?なお」
なお「紫東さんのお母さんはあの有数の大企業シトーコーポレーションの社長さんよ!紫東さんは絵に描いたようなお嬢様じゃない!」
その回答にクラスのほぼ全員に衝撃が走った。
なみえ「静かにしてください。紫東さんの席は」
みゆき「私の隣でどうかな?」
なみえ「星空さんが勧めているけど、そうする?」
しおん「はい、そうさせていただきます」
みゆきに勧められてしおんはみゆきの隣の席に来た。
みゆき「まさかしおんちゃんにまた会えるなんて思ってなかったよ!」
しおん「私も同じ考えよ」
あかね「みゆき、紫東って子と知り合いなんか?」
みゆき「だって、しおんちゃんは幼稚園の時の1番の友達だったから」
なお「ええ~~~っ!大企業の令嬢と友達だったの~~っ!?」
やよい「私もびっくりしちゃった!」
れいか「(紫東さんは噂と違ってとても物静かで優しげな人ですね…。噂自体が間違いだったのでしょうか…?)」
それから、英語の授業に入った。
あかね「うーん、どうしたらええのかわからへんなぁ…」
みゆき「わからないよ~~」
問題の解き方を全員が考え、わからない人もいる中、しおんはあっさりと解いてしまった。
れいか「あの人、学力は私を超えているかも知れませんわ」
次は体育の授業になり、バレーボールをやる事になった。試合では、しおんは強烈なアタックを決めてしおんのいるチームが勝った。
あかね「すげえな、ウチの部のエースより強烈なアタックを決めとるで」
なお「それだけじゃないよ。紫東さんは足の速さもかなりのものだよ」
そして、下校になった。
女子生徒A「紫東さんは青木さん以上の頭脳を持ちながら日野さんや緑川さんにも引けを取らない運動神経も持っている、それに料理もできる、全く非の打ち所がないわ」
女子生徒B「ねえ、紫東さん、バレーボール部に入らない?」
男子生徒A「いやいや、緑川と同じぐらい足も速いから陸上部に入ってくれよ」
しおん「結構です。私は部活動に入るつもりはありません」
部活動への勧誘をしおんは不機嫌そうに断って下校した。
しおん「(やっぱり、この学校でも私を特別な人としか見てくれない…)」
みゆき「ねえ、しおんちゃん」
しおん「どうしたの?みゆきちゃん」
みゆき「この学校に転校してからできた私の友達を紹介するよ」
あかね「ウチは日野あかねや」
やよい「黄瀬やよいよ」
なお「私は緑川なお」
れいか「青木れいかです」
みゆき「ところでしおんちゃん、今度、あかねちゃん達と一緒に遊びに来てもいい?」
しおん「いいよ。私もまたみゆきちゃんに遊びに来てほしいと7年間ずっと思ってたから」
なお「ちょっと待った、紫東さんの家はどこにあるのかわからないのよ」
しおん「それでしたら、遊びに来る日にみゆきちゃんの家の前に集合してください。待ち合わせの場所に行くように運転手に頼んでおきます」
ちょうどいいタイミングで迎えに来た高級車にしおんは乗り込んでそのまま帰っていった。
やよい「しおんちゃん、何だか不思議な子だね」
あかね「不思議過ぎて近寄りがたいなぁ」
みゆき「そんな事ないよ。しおんちゃんはとっても物静かで優しいよ」
なお「なんか、私とれいかよりもみゆきちゃんと紫東さんの方が幼馴染やってるなぁ…」
れいか「ところでみゆきさん、紫東さんはみゆきさんとは一緒に幼稚園に通っていたそうですけど、幼稚園生の時はどんな人でしたか?」
みゆき「今とほとんど変わらない物静かで優しい子だったよ」
れいか「噂とは違いますね」
みゆき「噂?どうしたの?」
れいか「いえ、紫東さんと同じ小学校に通っていた私の知り合いからの話なんですけど、紫東さんについては小学生時代はよくない噂が流れていたそうです」
みゆき「よくない噂?」
れいか「紫東さんは小学生だった時、自分がいじめられたり、他人がいじめられているのを目撃すると、容赦なくいじめっ子を痛めつける鬼の風紀委員長だと言われていたんです」
みゆき「そんな事をしおんちゃんがするわけないよ!しおんちゃんは他人に暴力をふるって傷つけるのはとっても嫌いだから私はそんな噂は信じないよ!」
れいか「……そうですね。私としてもあの噂が嘘だと信じたいです…」
約束の日になった。みゆきの家の前にあかね達が来て待っていると、紫東家の高級車が来た。
運転手「お嬢様のお友達のみゆきさんとそのお友達ですね」
みゆき「はい」
運転手「車にお乗りください。お嬢様の家にお送りします」
みゆき達が車に乗り込んだ後、運転手は車を発車させた。
やよい「すごくきれい!まさにお金持ち御用達の高級車ね!」
なお「掃除する人も相当なプロでしょうね」
れいか「きれいなのはわかりますが、燃費などはどうですか?」
運転手「燃費の方もエコカー並にいいですよ」
れいか「どうやらそこも抜かりがなかったようですね」
景色を見てはしゃいでいると、紫東家の屋敷に到着してみゆき達は車から降りた。
黒金「みゆき様とお友達ですね。紫東家に遊びに来て下さってありがとうございます。私は黒金と言います。今からお嬢様がお待ちしている部屋へ案内します」
紫東家の屋敷
黒金に案内されてみゆき達はしおんのいる部屋に来た。そこでは、しおんは勉強していた。
みゆき「あっ、しおんちゃん!」
しおん「みゆきちゃん、私の家に来るのも7年ぶりね」
みゆき「あの時はしおんちゃんの家がどこにあるのかよくわからなかったけど、まさか七色ヶ丘にあったとはね!」
しおん「驚いた?」
みゆき「うん、驚いたよ」
あかね「なぁ、2人いい雰囲気になっとるけど、ウチらも混ぜてほしいわ」
やよい「ねえ、私達も普通にしおんちゃんって言っていい?」
しおん「いいよ。ところで、あなた達は他の人と違って私を普通の人と見てくれる?」
れいか「誰でも変わったところはあります。学校に馴染めば他の人も普通に見てくれると思いますよ」
そう言っていると、大人の男性と女性が来た。
しおん「お父さん、お母さん」
なお「この2人がしおんのお父さんとお母さんなの?」
みゆき「そうだよ。しおんちゃんのお父さんの名前は紫東綾人、お母さんは紫東遥だよ」
綾人「紹介をありがとう、みゆき」
なお「遥さんは社長をしてますけど、綾人さんは何をしてるんですか?」
遥「綾人は美術館のオーナーよ。美術品の取り扱いや鑑定はなかなかのものだわ」
あかね「ウチの両親よりめっちゃ若い印象あるで」
綾人「だって、僕は16歳の時に同い年の遥と結婚して遥が18歳の時にしおんが生まれたんだ」
あかね「じゅ、16歳で結婚やて~~!?結婚は二十歳からやないのか!?」
しおん「日本の法律では男子は14歳から、女子は16歳から親の同意があれば結婚できますよ」
やよい「しおんちゃんってれいかちゃんより勉強もできるね」
黒金「これもお嬢様の努力と英才教育の賜物です」
なお「気になってたんだけど、どうしてお金持ちのお嬢様のしおんがみゆきちゃんと友達になったの?」
黒金「あれは、だいぶ前の事になります」
回想
黒金『私が紫東家の使用人の見習いになったばかりの時でした。みゆき様と友達になる前のお嬢様は勉強嫌いで幼稚園でも友達はおらず、見習いの使用人だった頃の私は初めの頃はお嬢様の気持ちも考えずにただ勉強しろとばかり言っていたのです』
黒金「お嬢様、お勉強をしなさい!」
しおん「嫌!なんで私がこんなつまらない事ばかりしなきゃならないの!?」
黒金「将来、お嬢様が立派な人になるために必要な事です。わかったなら早く勉強しなさい!」
しおん「私だって他の子達と同じように絵本を読んだりしたい!させてよ!」
黒金『私が厳しく言い過ぎた上に強制的に勉強させたせいでお嬢様は不満ばかり言うようになり、ある日、私が幼稚園の近くの文房具店で文房具を買っている最中に脱走して家出をしてしまったのでした。その事に私は先輩の執事に怒られてしまいました』
執事「黒金、君はしおんお嬢様の気持ちを考えずに勉強を強制させていたのか!?」
黒金「で、ですがお嬢様の将来のため」
執事「例え将来のためでもお嬢様の気持ちを汲まない独りよがりな行動はお嬢様のためにならない!私も協力するので、お嬢様を探しましょう!」
その頃、しおんは夜の町で震えていた。
しおん「お腹すいたよ…、寒いよ…、でも、家に帰りたくない……」
1人寒さと空腹で震えていると、親に連れられたみゆきが通りかかった。
みゆき「しおんちゃん、どうして1人で震えているの?」
しおん「だって……だって家にいると勉強しろ勉強しろと言われてばかりで嫌になって家出してきたの…」
みゆき「そうだったの…。ねえ、お父さん、しおんちゃんを家に泊まらせていい?」
博司「ああ、いいとも」
みゆきの父、博司の許可をもらったみゆきは喜んだ。
みゆき「しおんちゃん、泊まっていいって」
しおん「ありがとう…」
みゆきの家に来たしおんはみゆきと一緒に絵本を読んでいた。その頃、黒金は目撃情報を元にしおんを探しており、最終的にみゆきの家に来た。
黒金「すみません、家の人はいますか?」
育代「はーい!」
呼ばれてみゆきの母、育代が来た。
育代「どちら様ですか?」
黒金「紫東家の使用人見習いの黒金です。そちらにしおんという女の子はおられますか?」
育代「ええ。今、みゆきの部屋にいますが…」
しおんがいると聞いた黒金はみゆきの部屋に来た。黒金を見たしおんはみゆきの後ろに隠れた。
黒金「お嬢様……、お嬢様の気持ちを考えずに勉強ばかりさせて申し訳ありませんでした!」
しおん「えっ?」
黒金「私は未熟でした!ですので、今後はお嬢様の気持ちを考慮した上で尽くしていきます!」
しおん「あ、ありがとう…。それと私の頼みを聞いていい?」
黒金「何ですか?」
しおん「みゆきちゃんと友達になっていい?家出した時にみゆきちゃんの家に泊めてもらったから…」
黒金「勿論いいですよ。友達はかけがえのない大切な存在です。」
しおん「みゆきちゃん、私達、友達だよ!」
みゆき「うん!」
黒金「それから、お嬢様にとってみゆき様は最初の友達になったのです」
あかね「ほんま泣けるで~」
キャンディ「キャンディも泣けるクル」
みゆきとしおんの過去に一同とバックに隠れているキャンディは泣いていた。そんな最中、なおはしおんの部屋にある飼育ケースに何か動くものがいる事に気付いた。
なお「しおん、家で何を飼っているの?」
しおん「飼っているのはニジイロクワガタです」
あかね「ニジイロクワガタ?」
れいか「しおんさんが虫を飼っていたなんて以外です」
しおん「流石の私もハチやムカデといった虫は苦手よ。でも、蝶やカブトムシとかトンボとかなら大丈夫よ」
ニジイロクワガタを飼っているケースをしおんは持って来た。
なお「(げえっ……!)」
やよい「すごい、とってもかわいいし綺麗!」
あかね「まさに動く宝石やん」
みゆき「他にもしおんちゃんのお父さんはヘラクレスオオカブトやコーカサスオオカブトといった世界のカブトムシやクワガタムシを飼っているよ」
れいか「虫好きはお父様似ですね」
しおん「よかったら、よく私が行っている世界の植物がある植物園へ行ってみる?」
みゆき「行く行く!」
バッドエンド王国
一方、バッドエンド王国ではアカオーニは気持ちよく昼寝をしていた。
アカオーニ「ふあ~~っ、よく寝たオニ」
ジョーカー「ちょうどいい所で起きましたね。出撃しますか?」
アカオーニ「もちろんだオニ」
ジョーカー「今日はこの黄色っ鼻を使ってください。この黄色っ鼻はデータ収集用のもので今後のプリキュアへの対策を練るためのデータ収集をお願いします」
アカオーニ「データ収集?よくわからないけど、バッドエンドにしてくるオニ」
黄色っ鼻を受け取ったアカオーニは出撃した。
植物園
みゆき達は世界の植物がある植物園に来ていた。
みゆき「うわぁっ、奇抜だったり色とりどりな花や木がいっぱいあるよ!」
しおん「どう?和むでしょ?」
楽しそうに植物観賞を楽しむみゆき達だったが、アカオーニはちょうど植物園に来た。
職員「な、何なのですか、あなたは?入場料金は払いましたか?」
アカオーニ「入場料金?それってなんだオニ?よし、今日はここをバッドエンドにしてやるオニ。世界よ、最悪の結末、バッドエンドに染まるオニ!白紙の未来を黒く塗りつぶすオニ!」
いつものように闇の絵本に黒い絵の具を塗りつけると、夕焼けの空に変化し、植物園の職員や見に来ていた人達はバッドエンドになった。
やよい「こ、これって…」
植物園にいる人がバッドエンドにされた事に気付いたみゆき達だったが、しおんには何の異常もなかった。
しおん「ちょっとみゆきちゃん達以外の人が落ち込んでいるけど、どうしちゃったの?」
あかね「しおん、平気なんか?」
しおん「平気も何も一体、何が起こっているの?」
れいか「(どういう事なのですか?みゆきさん以外はプリキュアになる前の私達でさえバッドエンドになったのに、しおんさんはバッドエンドにならないなんて…)」
なお「しおん、危ない!」
突然、巨大な植物の蔓が襲ってきて、しおんは薙ぎ払われてしまった。
しおん「うっ…!」
しおんは何とか立とうとしたが、足の痛みで立てなかった。
みゆき「しおんちゃん、ひょっとして足を挫いたの?」
やよい「そうみたいだよ」
なお「これじゃあ変身が…」
みゆき「もうこの際、そんな事は言ってられないよ」
れいか「その通りです」
そのまま5人はスマイルパクトを構えた。
音声『レディ!』
みゆき達「プリキュア、スマイルチャージ!」
音声『ゴーゴー、レッツゴー』
5人はプリキュアに変身した後、降り立った。
ハッピー「キラキラ輝く、未来の光、キュアハッピー!」
サニー「太陽サンサン、熱血パワー、キュアサニー!」
ピース「ピカピカぴかりん、じゃんけんぽん、キュアピース!」
マーチ「勇気りんりん、直球勝負、キュアマーチ!」
ビューティ「しんしんと降り積もる清き心、キュアビューティ!」
ハッピー達「5つの光が導く未来。輝け、スマイルプリキュア!」
プリキュアに変身したみゆき達の姿にしおんは見とれていた。
しおん「スマイル…、プリキュア?」
ちょうどその時、蔓を振り回していた張本人のウツボカズラのアカンベェが姿を現した。
マーチ「関係ない人に危害を加えるなんて許さない!」
そのままマーチはピースと共にアカンベェに突っ込んでいったが、アカンベェが壺みたいな葉っぱのふたを開けると甘い香りがした。
マーチ「どこからするんだろう…甘い香り…。何だかお腹が空いてきた…」
アカオーニ「おいしそうなものがありそうオニ…」
香りに引かれてマーチとピースとアカオーニはどんどんアカンベェの捕虫器に近づいていった。
しおん「なおちゃん、やよいちゃん、近づいちゃダメ!ウツボカズラは甘い香りで獲物を壺みたいな葉っぱに引き寄せて溶かして食べてしまうのよ!」
捕虫器に入る直前、しおんの言葉を聞いて我に帰ったマーチはピースを引っ張ってギリギリで回避した。アカオーニも我に帰った。
マーチ「あ~危なかった~!」
ピース「でも、あの甘い香りがあると攻撃に集中できないよ」
ハッピー「しおんちゃん、ウツボカズラって何に弱いの?」
しおん「ウツボカズラは品種によっても異なるけど、元々は熱帯の植物だから低温に弱いはずよ」
ビューティ「それなら私の出番ですね。プリキュア、ビューティブリザード!」
しおんの言葉を聞いたビューティはビューティブリザードでウツボカズラアカンベェを凍らせた。
ビューティ「今の内にあの壺みたいな葉っぱを!」
凍った捕虫器をハッピーはパンチで砕いた。捕虫器を砕いてからすぐアカンベェは氷を割ったが、低温に晒されたせいで萎びた。
サニー「植物は炎に弱いから、とどめはウチがやるで!プリキュア、サニーファイヤー!」
萎びて動きが鈍くなったアカンベェはサニーファイヤーを受けて炎で苦しんでそのまま浄化された。だが、デコルは出てこなかった。
マーチ「あのアカンベェ、デコルを出さなかったね」
アカオーニ「悔しいオニ!覚えていろオニ!!」
悔しがってアカオーニが撤収すると、植物園は元に戻った。
ハッピー「しおんちゃん、戦いに巻き込んじゃってごめん」
しおん「別に気にしてないわ。逆にみゆきちゃん達が大変なのに何も知らずにいる方が嫌よ。だってみゆきちゃんは…私の友達だもん」
ハッピー「しおんちゃん…」
サニー「ちょっとウチらも忘れたらあかへんで」
ピース「私達もしおんちゃんと友達だよ」
マーチ「困った事があったら力になるよ」
ビューティ「悩みがあったらいつでも相談に乗ります」
しおん「うん!」
そうしていると、黒金が来た。
黒金「しおんお嬢様、大丈夫ですか?急に人々が落ち込んで私も落ち込みそうになった時に急にウツボカズラの化け物が出てきたものですから」
しおん「私は足を挫いただけで済みました」
足を挫いたものの、しおんが命に関わる怪我を追わずに済んだ事にほっとした黒金だったが、プリキュアの存在に気付いた。
黒金「あなた達ですか?お嬢様を助けてくださったのは」
しおん「みゆきちゃん達が助けてくれたんです」
黒金「お嬢様、あのお方がみゆき様とそのお友達だとおっしゃるのですか!?」
しおん「はい」
黒金「わ、わかりました!」
キャンディ「キャンディも忘れてもらったらダメクル!」
黒金「今度は羊みたいなぬいぐるみまで出ましたよ!」
ハッピー「この子はキャンディっていう妖精さんなんだ」
キャンディ「よろしくクル。それと、みゆき達がプリキュアだという事とキャンディの事は秘密にしてほしいクル」
黒金「承知しました」
しおん「その代わり、シトーコーポレーションがプリキュアの活動をバックアップしていい?私は戦えないけど、できる限りみゆきちゃん達の戦いを手伝うから」
ハッピー「ありがとう。しおんちゃんが仲間になってくれてウルトラハッピーだよ!」
黒金「それと、屋敷を秘密基地として使ってもよろしいですよ」
ハッピー達「ありがとうございます、黒金さん!」
その翌日、学校ではしおんは次第にクラスに馴染んでいった。
あかね「しおんも馴染んでくれてよかったなぁ」
みゆき「うん。だってしおんちゃんはとっても優しい私の1番の友達なんだから!」
なお「しおんちゃんは早速このクラスの人気者になったね」
みゆき達の視線の先にはクラスの人と普通に接するしおんの姿があった。
これで3話は終わりです。
今回はしおんが七色ヶ丘中学校に転校してみゆきと再会する話でした。
前の話で説明し忘れましたが、しおんの外見はセーラームーンの土萠ほたるをモデルにしており、しおんの両親の綾人(イメージCV:下野紘)と遥(イメージCV:坂本真綾)はラーゼフォンの神名綾人と紫東遥を元ネタにしています。
協力者になったしおんですが、れいかが知り合いから聞いた噂はある伏線になっております。
次の話は9話のエイプリルフール回の内容をやります。