比企谷八幡のあり得ない六花生活   作:生焼け肉

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透明な犯人

 

 

シルヴィアside

 

 

八幡君がクインヴェール女学園に訪問した事は、既に六花中の噂になっていた。それもその筈、普段からクインヴェールは男性の訪問を許可していない。学園祭シーズンは別だとしても、それ以外は特例や緊急事態で無い限りは校内への進入は許されていないから。

 

八幡君は今回、ライブに向けての練習という名目でクインヴェール女学園に来てた。これはさっき言った特例に基づいて許可されたもの。だから別に公開していたとしても、八幡君やクインヴェールには何らダメージは無い。でも、ダメージが無いだけで、問題が無いというわけじゃないんだ。その問題は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「比企谷八幡が入れたんなら、俺にも入れろよ!」

 

「そーだそーだ!なんかするわけでもねぇんだから、入れてくれたって良いだろ!」

 

「ふんっ、たかだか校風の写真を撮りたいだけなのに、何故男はダメなのか理解に苦しむね。今回の事もあるのだから、入れてはもらえないのかね?」

 

 

そう、こう言った人たちがクインヴェールの校門をうろつくようになってしまったの。八幡君が入れたのなら、僕達俺達も入れるだろうっていう人達が日に日に増えていっているの。力ずくで追い返すわけにもいかないから、凄く困っているの。

 

でも、そんな私達のヒーローが、彼だった。

 

 

八幡「………お前等も本当に懲りねぇな。」

 

「「「っ!!?ば、【万有天羅】っ!!」」」

 

八幡「昨日も今日もニュースや記事でやってただろうが。俺がこの学園に入っている理由も分かってるよな?俺は此処の理事長にちゃんと許可もらって入ってるんだよ。許可がなければ俺も入れない。いい加減に自分達の立場を弁えろ。」

 

「く、くそっ!行くぞ!」

 

「お、おう!」

 

「ま、まぁ君みたいなのも許可が降りたんだ。僕にもじきに降りるさ………じゃあ失礼するよ。」

 

八幡「………はぁ。」

 

 

そう、いつもいつも八幡君が練習の時間になったら追い払ってくれるから、その間だけはとても自由に過ごせている。今のクインヴェールはなんだか鎖国されているような感じになっている。

 

 

八幡「比企谷です、本当にすみません。」

 

受付嬢「いえ、良いんです。寧ろお礼を言うのはこちら側なんですから。悪いのは全て、デマを流した犯人なんですから。」

 

八幡「………そうっすね。」

 

 

八幡くんは手続きを済ませて中へと入ってきた。皆も八幡君が校内に入って来たら、凄く安心したように溜息をつく。

 

 

シルヴィア「八幡君、今日もありがとう。」

 

八幡「いや、気にするな。お前等も買い物とかがあるなら今の内に行っておいた方が良い。また奴等が現れて面倒な事になるとも限らない。ただし、もし学園外に行く時はなるべく序列上位の奴と一緒にな。」

 

 

八幡君は今、クインヴェールに厳戒態勢を取らせている。理由の1つとしては、クインヴェールの生徒に対する強制決闘や拉致の阻止。前例は無いけど、この状況下だったらあり得るかもしれないからだって八幡君が言ってたから。

 

もう1つが校内への進入禁止だった。今までは女子だったら手続きをすれば入れる事にはなっていたけど、今はそれもやめている。入れる権利はその日の制限時間までで、それを過ぎると校内に入れない時間になるから。一応記録表は作ってるんだけど、1日限りだから人数を集計したら、誰が入ったか記入した紙は破棄しているの。

 

 

だから誰が何の為にこんな事をしたのか分からないけど、今は六花の全女子生徒が容疑者にかけられているってわけ。特にクインヴェールの生徒に………勿論私も生徒全員に質問や質疑応答をしたけど誰もそんな事はしてなかったし、端末データを見ても記事に載ってた八幡君の写真は無かった。

 

 

つまり、犯人はクインヴェール以外の生徒という事になるんだけど、特定が難し過ぎるから、犯人探しは時間がかかり過ぎちゃう………

 

 

八幡「シルヴィ、検査はどうだった?」

 

シルヴィア「ダメだった。少なくともクインヴェールの生徒じゃないと思う。」

 

八幡「まぁそうだろうな。お前が生徒会長やってるところの学園の生徒がやるとは考えづらい。かといって無作為に他学園に乗り込むのもな………」

 

シルヴィア「じゃあ単純な探し方だけど、八幡君を恨んでる人……とか?」

 

八幡「………たとえ六花に居たとしても、俺に明確な敵意を持っている奴なんて、俺には2人しか知らない。レヴォルフのディルクと星導館の由比ヶ浜くらいだ。由比ヶ浜なら可能性は無くはないが、こんな事をしても奴にはメリットなんてこれっぽっちも無いぞ?」

 

シルヴィア「そうだよね………」

 

八幡「……このままじゃ時間が勿体無い。シルヴィ、とりあえず今はライブの事に集中だ。他人任せにするのも申し訳ないが、ペトラさんに任せるしかない。俺達は今出来る事をしていくしかない。」

 

シルヴィア「………うん、そうだね。ライブまで時間も無いからね、じゃあ会場に行こっか。」

 

 

誰がやったかは分からないし、予想もつかない。でもこれだけは言える。私達の学園をこんな酷い事にした落とし前はつけさせて貰うからねっ!

 

 

 

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