比企谷八幡のあり得ない六花生活   作:生焼け肉

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小苑編
肯定と自己紹介


 

 

八幡side

 

 

………俺は何を間違ってきたのだろう?あの依頼は問題があったとはいえ、遂行させた筈だ。なのに何故?何故俺は攻められなければならないんだ?やり方だって任せると言われた。お前等の事だからやり方はどうであれ、認めてくれると思っていた。なのに何故だ?なぜ俺だけこんなにも咎められなければならないんだ!

 

………はぁ、もう学校に行く意味すら分からない。罵倒罵声を浴びせられる毎日の学校にどうして行こうと思える?家に帰っても妹がうるさい。どこにも行き場なんて、居場所なんて無いじゃないか。

 

 

八幡「………はぁ、此処で寝るか。」

 

 

別に誰も居ねぇからいいだろ。今の季節に外で寝たら風邪は確定だろうが、家に帰るよりはマシだ。

 

 

???「何をしているのです?」

 

八幡「………え?」

 

 

ベンチの上で眠ろうとした矢先に声を掛けられた。薄鈍色の髪に黒のコートを着ている。だが下を見ると青い布が見えた。恐らくはチャイナドレスだろう。20代前半だろうか、ドレスから覗く足はスラリと綺麗な形をしていて顔も整っていた。容姿端麗という奴だ。

 

 

???「此処で何をしているのです?」

 

 

あっ、そういや質問されていたんだった。でも、別に答える必要なんて無い。答える意味も無いしな。言ったところでどうにもならない。

 

 

八幡「………」

 

???「何か一言仰ってください。そうでなければ分かりません。」

 

八幡「……答える意味が無いので。」

 

???「……成る程、そう来ましたか。なら私も此処で待たせていただきます。」

 

 

この人は何を言ってるんだ?まぁ5分もすれば居なくなるだろう。

 

 

ーーー5分ーーー

 

 

八幡「………」

 

???「………」

 

 

ーーー10分後ーーー

 

 

八幡「………」

 

???「………」

 

 

ーーー30分後ーーー

 

 

八幡「………」

 

???「………」

 

 

この人、本当に此処に居るつもりか?

 

 

八幡「あの……」

 

???「はい、何ですか?」

 

八幡「帰らないんですか?」

 

???「そんな状態の貴方を放って帰れと言うのですか?私にはそのような事は出来ません。」

 

八幡「見ず知らずの俺をなんでそこまで………」

 

???「……何故でしょうか?一目見て放っておけないと思ったんです。よろしければ、何があったのか教えてはくれませんか?」

 

 

………この人に奉仕部の依頼の顛末を教える義理なんて無い。けど、自分が楽になれるんなら、口を滑らせてもいいよな。

 

 

八幡「………今から言うのは俺の単なる独り言です。聞きたければ聞いてください。」

 

 

それから俺は奉仕部で起きた出来事を独り言という程で説明した。彼女は徐々に頭を下げて俯くような姿勢になった。まぁ興味の無い話をされたんじゃあこうなるか。

 

 

???「そんな事があったのですね。」

 

八幡「なんか、自分自身が何をやってきたんだろうって思えて……なんかもうバカらしくて。」

 

 

ベンチに座っていた女の人はその後は何も言わなくなってしまったが、再び口を開くとなぜかこんな事を言い出した。

 

 

???「身体を起こしてはくれませんか?」

 

 

意味が分からなかったが、起こしちゃいけないなんて事は別に無かったので、素直に言う事を聞いた。

 

その瞬間、頭を優しく掴まれて引き寄せられた。引き寄せられた先には女の人の胸があった。それだけならまだ良かったが、女の人が着ているチャイナドレスは胸元が開いているデザインだった。

 

 

八幡「っ!!?」

 

???「大丈夫です。今この場所に貴方を軽蔑する人は誰1人としていません。貴方はよく頑張りました。褒められたやり方ではありませんが、依頼を遂行させる過程には入っていました。私は、貴方が褒められる事はあれど、侮蔑され屈辱を受ける事は絶対にありえないと思っております。ですが、言わせて下さい。今日までよく頑張りましたね。貴方は立派です。今はその力の入った身体から力を抜いて、楽にしていても大丈夫ですよ。」

 

 

俺は言われた通りな、身体から力を抜いた。正直に言うと初対面の人にこれだけ心を許したのは初めてだ。俺は久しぶりに人肌というものに触れたと思う。それが顔に押し付けられた胸というのはあまり触れないでほしいが、女の人の鼓動が聞こえてくるので、俺は何だか余計に安心できた。この人なら大丈夫だ。理屈や理由は無いが、確信があった。

 

 

八幡「………」

 

???「………」ナデナデ

 

 

頭を撫でられたのも久しぶりだ。というより、俺って頭を撫でられた時ってあったっけ?

 

俺は力を抜き過ぎたのか、その場で眠ってしまった。

 

 

???「……眠ってくれましたね。今の貴方を家に返すわけにはいきませんので、私の家まで運ばせて頂きます。」

 

 

ーーー???ーーー

 

 

八幡「………ん、んん?」

 

 

あれ?何処だ此処………中華風な内装だな。

 

 

???「お目覚めになりましたか?」

 

八幡「あっ……さっきの。」

 

???「そういえば私達はまだお互いの自己紹介をしておりませんでしたね。では、改めまして。汪小苑と申します。」

 

八幡「……比企谷八幡です、よろしくお願いします。」

 

 

こうして奇妙な形ではあるが、俺と小苑さんはであった。

 

 

 





というわけで……小苑編でした!!

学生から離れて大人も入れてみました!

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