比企谷八幡のあり得ない六花生活   作:生焼け肉

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不当選のあの人に

 

 

シルヴィアside

 

ライブも無事に終わって、私たちの生活は普段通りのとても楽しい日々に戻った。ライブの練習期間が嫌だったわけじゃないけど、八幡君と過ごせる時間が減るのはちょっと嫌だったから………え?一緒に居るじゃんって?違うのっ!空間は一緒でも普段と同じように話せないのが嫌なのっ!

 

まぁちょっと理由がお子様っぽいけど、今はとても楽しい日々を送れているから問題ありません!そして今、私は八幡君と一緒に界龍に来ているんだ。その理由はこの前のライブで八幡君から聞いたんだけど、ライブ終わった後の虎峰君が本当に抜け殻みたいになっていたみたいなの。何でか聞いてみたら、『界龍でライブに当選されなかったのは僕だけ………』………みたいなの。流石にこれは哀れだよ。けど界龍にライブを観にくるような人は居ないと思うんだけどなぁ〜。

 

それで取り敢えず、サイン入りのアルバム(新作じゃないけどね。)を持って界龍に来たってわけ!けどまだ虎峰君が部屋から出てこないから、私は個人で界龍の校内を見て回ってるんだ〜。

 

 

でもさ、最近思っている事があるの。なんでもない事かもしれないんだけどね。

 

 

シルヴィア「私って界龍にこんなに当たり前のように顔パスみたいに入ってるけど、大丈夫なの?やっぱりパスポートを発行した方が………」

 

玉緑「いえ、貴方様は我らが宗師の妻になるお方。そのようなお方に、お手間を取らせるなどという行為は一切出来ません。なので、お気になさらないでください。これまで通りでお願いします。」

 

帆季「玉緑(ユーシェン)の言う通りでございます。奥方様が宗師とのご関係を公表した時から、師父……いえ、先代様から『そのまま通しても良い。』とのお達しが来ておりましたので。」

 

シルヴィア「そうだったんだ〜。今まで疑問に思わなかったけど、それなら合点がいくね。わざわざ教えてくれてありがとう。」

 

2人「いえ、とんでもございませんっ!!」

 

 

星露がそんな事を言っていたなんて……でもそのおかげで私はこうやって自由に出入りできてるんだもんね。そこは感謝しないとダメだよね。

 

 

pipipi…pipipi…

 

 

あっ、八幡君からだっ!

 

 

シルヴィア「はい、もしも〜し♪八幡君どうしたの?やっと虎峰君が出てきたの?」

 

八幡『あぁ、ようやく出て来たわ。今飯誘って食堂に行くところだからお前も来てくれ。多分俺たちの方が早く着くから、シルヴィはそのまま入ってきてくれれば良いから。入ったら虎峰に『例のブツだ。』みたいな感じでいえば大丈夫だ。』

 

シルヴィア「私のアルバムは麻薬取引の現場に使われるのかな?」

 

八幡『大丈夫だ。シルヴィのアルバムは麻薬じゃなくて、1人の人間を救う秘薬だから。』

 

 

もう、八幡君ってば!

 

 

シルヴィア「ふふっ♪とりあえず了解!私は少しゆっくりしながら行くね。」

 

八幡『おう、頼むぞ。』

 

 

……よしっ!じゃあ食堂に向かおうか。

 

 

帆季「やはり宗師はイタズラ好きのようですね。師兄もからかわれてお気の毒ですが、これも界龍の日常のようなものですから、慣れてしまいました。」

 

シルヴィア「八幡君が居るといつもこんな感じ?」

 

帆季「えぇ、皆それはもう楽しそうにしておられます。あの方が来ると自然と皆の気が和らぐのです。とても偉大なお方です、宗師は。」

 

 

崇められ過ぎかもしれないけど、これも八幡君の1つの魅力だよね。

 

 

ーーー食堂ーーー

 

 

……よしっ、作戦開始!!

 

 

ガチャッ

 

 

八幡「………」パチパチ

 

 

?アイコンタクト?えっと……『虎峰の隣に座ってアルバムを渡せ。』だね。オッケーっと。

 

私はそのまま2人の居る席に進んで虎峰くんの隣の席に座った。虎峰君、この距離なのに気付いてないよ……ライブに行けなかったの、そんなにショックだったのかな?

 

 

……取り敢えずそれは置いておこう。今はこのアルバムを横に滑らせながら虎峰君に渡せば良いんだもんね。よし、やろう!

 

 

シルヴィア「………例のブツだよ。」

 

虎峰「……………………………………?」ハイライトオフ

 

シルヴィア「確かに渡したからね。」

 

虎峰「………………っ!!!こ、これはシルヴィアさんの現時点での最新アルバムッ!!しかも限定版ッ!!!何故貴女がこれ…………………え?」

 

シルヴィア「ハロー♪」

 

虎峰「………………………………………」

 

シルヴィア「ねぇどうしよう八幡君、石になっちゃった。」

 

八幡「マジかよ……ちょっと予想外だな。てっきり人間が理解出来ない言語を喋り出すと思っていたんだが……まさか石になるなんてな。」

 

シルヴィア「おーい、虎峰く〜ん。起きてー。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「………返事が無い。ただの石像のようだ。」

 

シルヴィア「じゃなくて。どうするの?」

 

八幡「う〜ん………取り敢えずアルバムは俺が貰っておくわ。石が持ってても仕方ないだろう。」

 

虎峰「絶対にあげませんっ!!!これはもう僕のものですっ!!!シルヴィアさんから頂いた貴重なアルバムなんですからっ!!!」

 

八幡「分かった分かった。分かったからまずは飯食うぞ。折角シルヴィが来てくれてんのに、客人を待たせる気か?」

 

虎峰「っ!!そ、そうでした!!シルヴィアさんを待たせるわけにはいきません!!急いで食事を済ませなくては!!」

 

シルヴィア「い、急がなくても良いよ〜……」

 

 

 

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