比企谷八幡のあり得ない六花生活   作:生焼け肉

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掟破り

 

 

八幡side

 

 

……なんか今日は里の雰囲気が少しだけ違う。なんていうか、いつもより殺気立ってるというか、緊張が隠せていないというか、そんな感じである。今日は幹部の5家だけで幹部会議がある日だけど、ただそれだけだ。別に里全体が恐れるような事は何も無いと思うんだが……

 

八幡「父上、何だか里の様子がおかしいように思えるのですが……」

 

梅堂父「さぁな、俺にも分からない。けど確かに里の様子が変だな。こんな風になったのは俺も初めてだ。」

 

八幡「……母上はどう感じますか?」

 

梅堂母「私も初めてよ、こんなにピリピリした里は。」

 

 

やっぱり父上と母上も今までに里がこんな風に雰囲気が変わった事は無いみたいだ。何かあるのか?

 

 

梅堂父「さて、そろそろ総会だな。あぁ、お前達もな。今回は一族総出で出席せよとのお達しだからな。」

 

梅堂母「今までそんな事は無かったのにどうしてかしら?」

 

梅堂父「分からない。だが重大な何かがあるのかもしれない。心の準備だけでもしておけよ、八幡。」

 

八幡「はい。」

 

 

俺がなんか準備をしても意味は無いと思うが、まぁ俺も関係あるかもしれないしな。父上が言っていた通り、心の準備は整えておくか。

 

 

ーーー梅小路家・玄関ーーー

 

 

俺たち梅堂家は会議になると早く着く事が多い。俺も暇だから偶について行く事があるのだが、その時は決まって他の家は誰も来ていない。父上が早く行き過ぎるからだろうか?

 

 

冬香「お兄様っ!ようこそおいで下さいました!おじ様とおば様もようこそ!」

 

梅堂父「お出迎えありがとうね、冬香ちゃん。」

 

梅堂母「お父様は居らっしゃる?挨拶に伺いたいのだけど……」

 

冬香「はい、いつもの場所で時間になるのを待っています。」

 

冬香「そう。八幡、私たちは梅小路殿に挨拶に行くから、冬香ちゃんと時間になるまで一緒に居てあげなさい。その方が退屈にならずに済むでしょう?」

 

八幡「分かりました。」

 

 

そう言って俺の両親はおじさんとおばさんの所に挨拶しに行った。

 

 

冬香「お兄様、今日はなんだか里の雰囲気が……」

 

八幡「あぁ、落ち着かないくらい殺気立ってる。こんな事初めてだって父上と母上も言ってた。」

 

冬香「……何が起こるというのでしょう?」

 

八幡「分からない。だから余計に恐ろしくも感じる。なんなのか分からないからな。」

 

 

そしてその後、他の幹部の家も到着してようやく幹部総会が開かれる事になった。

 

 

ーーー梅小路家・大広間ーーー

 

 

梅小路父「……では、会議を始めよう。まずは各家の報告から頼む。最初は梅堂。」

 

梅堂「はっ。今月は特に動きはございませんでした。梅小路に関する秘術も模索中ですが、未熟さもあり難航しています。息子の八幡も星辰力を覚えてきたので、少し手伝いをさせています。以上でごさいます。」

 

梅小路父「うむ、では次に梅宮。」

 

梅宮「はっ。当家も特に動きはございませんが、当主様、お1つお聞きしてもよろしいでしょうか?」

 

梅小路父「何だ?」

 

梅宮「何故に里はこのような殺気で溢れているのでしょう?私を含め娘達も大変不安に感じております。」

 

 

きっと誰もが聞きたくてしょうがなかった事だろう。当主様もなんか苦虫を噛んだような顔をしているし。

 

 

梅小路父「それについては後程説明しよう。今は報告会が先だ。」

 

梅宮「はっ、かしこまりました。では、報告の続きを致します。」

 

 

その後も他の家の当主の報告が続いて、当主様が各家に指示を出して会議の半分が終了した。

 

 

梅小路父「さて、皆も気になっているであろう、この里の殺気についてだ。この現象は先祖代々から梅小路家にしか伝われていない。故に他の家はこの現象を知らないというのが当たり前。この現象はこの里で住める者が里の掟を破った時に起きる現象だ。」

 

 

っ!!?

 

 

俺だけでなく、各当主も騒然としていた。それもそうである。この里では掟が絶対、今まで破った者なんて誰1人として存在しない。そう、()()()()

 

冬香は俺の事を心配そうに見ている。そうだ、この里の掟を破ったのは俺だ。あの時、村のすぐ近くに倒れていた男を治療した。その時に男の身体に触ったからだ。

 

 

梅小路父「此処に参列している者の中で里の掟破りに心当たりのある者は居るか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「はい、ご当主様。」

 

冬香「っ!!」

 

梅堂母「は、八幡っ!?」

 

梅小路父「ほう、梅堂の息子か……いつも娘が世話になっている。」

 

八幡「勿体なきお言葉です。」

 

梅小路父「それで?心当たりがあるのか?」

 

八幡「いえ、掟破りは私が致しました。」

 

 

また騒然と騒ぎ出した。

 

 

梅小路父「静まれ。それで、理由を聞こう。」

 

八幡「はい、実は当主様の御息女様である冬香様と遊びに行った時に………」

 

 

俺はあの時にあった出来事を包み隠さず正直に話した。あの時はバレなければいいと思っていたが、まさか掟破りをするとこんな事になるなんてな。これは正直に話すしかない。

 

 

八幡「……というのが、今回私が行った事の顛末です。その男の身体に触ったのは私だけ。冬香様は一切触れてはおりません。」

 

梅小路父「………」

 

梅堂父「と、当主様……」

 

梅小路父「事情は理解した。お主がした行為が善行である事も認める。だが、掟は掟だ。この事態を早々になんとかしなければならない。」

 

大梅「何か方法は無いのですか?」

 

梅小路父「方法ならばある……だが、それをたった7歳にさせるというのは私には出来ん。」

 

大梅「一体、何だと言うのです?その方法とは?」

 

 

全員が当主様の方を向いている。そりゃそうだ、誰だって気になっている事だ。

 

 

梅小路父「此処より北にある崖から飛び降り、自らを浄化すると共にこの村から出て行く事だ。あの崖は外の世界と繋がっている川と通じている。そしてその高さは1000m程だ。とても子供が生きていられる程の高さではない。」

 

梅小路父「もう1つが掟を破った者が山の祠へと行き、そこに祭られている神の生贄となる事だ。先祖からはこの方法しか教えられてはおらぬ。どちらも子供にさせるような事では無い。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「当主様、自分は掟を破った身です。ご決断ください。このままにしておくとこの後この現象がどうなるか分かりません。」

 

梅小路父「しかしだ、お主は才気溢れる若者だ。未来ある若者を手にかけるなど、俺には………」

 

八幡「ならば俺自らが勝手に判断させて頂きます。私は崖から飛び降り、この里から出て行く事を宣言します!これ以上、俺なんかの為に当主様を困らせるわけにはいきません。」

 

梅堂父「お、おい八幡っ!」

 

八幡「今まで、お世話になりました!」ダッ!!

 

 

俺は周りを無視して当主様に挨拶をしてから、梅小路家の屋敷を飛び出した。

 

 

 

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