比企谷八幡のあり得ない六花生活   作:生焼け肉

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忘れていた涙

 

 

オーフェリアside

 

 

………今日は変な夢を見たわ。昔リーゼルタニアで会った男の子の夢を見たわ。名前は……覚えてないけど、私はあの人の事を『お兄さん』と呼んでいたわ。それだけは覚えてる。でもそれだけ。後は全く分からない。

 

………今日も私は触る事の出来ない花の前に居る。私が近付けば、花たちはどんどん死んでいく。こんな事望んでないのにどうしてこうなってしまったのだろう?でもこう思うだけ無駄ね。もう運命は覆せないもの。

 

 

八幡「………また会ったな。」

 

 

………昨日のナンパ男がまた来たわ、懲りないのね。

 

 

オーフェリア「………何をしに来たの?」

 

八幡「いや、別に。ただ、本当に俺の事を覚えていないのかな〜って思ってさ。」

 

オーフェリア「………貴方の事は知らないと昨日言った筈よ。」

 

八幡「………そうか。」

 

オーフェリア「………私からも聞いていいかしら?」

 

八幡「何だ?」

 

オーフェリア「………貴方は私の近くに居て平気なの?何ともないのかしら?」

 

八幡「言ってる意味がよく分からないんだが?」

 

オーフェリア「………私の周りには毒がまき散らかっていてその周囲の人や植物に悪影響を及ぼすわ。この花を見てくれれば分かるわ。」

 

 

………あまり見せたくはないけど、そうした方が分かりやすいものね。

 

 

八幡「………辛いよな、大好きな花にも触れなくなっちまったなんて……辛いなんてもんじゃないか。」

 

 

っ………この男、どうして私が花好きだって知ってるの?

 

 

八幡「まぁ何でかは知らないが俺は平気だ。何とも無い。けど、お前が覚えてないんならもうそれでいい。会えただけで俺はもう満足だ。」

 

オーフェリア「………なんの話をしてるの?」

 

八幡「いや、独り言だ。気にしないでくれ。居なくなる前に1つお願いがあるんだが、いいか?」

 

オーフェリア「………何?」

 

八幡「少しだけでいいから頭を撫でさせてはくれないか?」

 

 

………この男は何を言ってるの?

 

 

オーフェリア「………本気?」

 

八幡「あぁ。本気と書いてマジと読む。」

 

オーフェリア「………好きになさい。」

 

八幡「んじゃ、お言葉に甘えて。」

 

 

………そういうと彼は私の方に近づいて頭を撫でてきた……?何故?何故こんなにも心が暖かいのかしら?

 

 

八幡「お前は俺の事を忘れているから、改めて自己紹介な。俺は比企谷八幡だ。まぁよろしくな。」ナデナデ

 

 

ドクンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡(幼少期)『え、えぇ〜っと……僕は比企谷八幡。今日から1週間お世話になるんだ。君は?』

 

 

オーフェリア「っ!!」

 

 

……………え………本当に?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………お兄さん?

 

 

八幡「………じゃあな。」

 

オーフェリア「っ!!待って!」

 

八幡「ん?何だ?」

 

 

聞きたい……本当にお兄さんなのか聞きたい。でも怖い。もし違ったら?どうしたらいいか分からない。

 

 

八幡「……何だ?用が無いなら行くぞ?」

 

オーフェリア「っ!貴方はお兄さんですか!?」

 

八幡「っ!………今、なんて?」

 

オーフェリア「あ、貴方は……お兄さん、ですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「………あぁ、そうだ。6年前に此処で会おうって約束した。比企谷八幡だ。お前からはお兄さんって呼ばれてた。」

 

 

っ!!……あぁ、会えた……お兄さんに会えた!!

 

 

オーフェリア「………お兄さん!!」ダキッ!!

 

 

周りなんてどうでもいい。とにかく私はお兄さんに抱き着きたかった。思い出した、あの時の約束………何で忘れてたんだろう?あんなに大切な思い出だったのに。お兄さんは覚えててくれた。私に会う為に此処まで来てくれた。それなのに……私は………

 

 

オーフェリア「……ごめんなさい。約束忘れてごめんなさい!!お兄さんの事も忘れてごめんなさいっ!!」ギュ-!!

 

八幡「もういい、こうして思い出してくれたんだ。俺は気にしてない。」

 

オーフェリア「で、でも……」ギュ-!!

 

八幡「もういいって言ってるだろ?それよりも今は泣け。この6年間、ずっと泣いてないんだろ?だから思いっきり泣いちまえ。花に触れなくなった事、俺の事を忘れていた事、約束を忘れていた事、俺と会えた事、約束を果たせた事、全部混ぜていいからもう泣け。」

 

オーフェリア「で、でも泣くなんて………」

 

八幡「俺の前でくらいは素直になれ。俺はお前のお兄さんなんだろ?お兄さんの前では素直になってもいいんだぞ?な?」ナデナデ

 

 

あぁ、さっきのナデナデ………気持ち良い。

 

 

そして私はそこから一気に感情が爆発して、人目も気にせずお兄さんに抱き締められながら泣き続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーフェリアsideout

 

八幡side

 

 

ーーー30分後ーーー

 

 

八幡「落ち着いたか?」ナデナデ

 

オーフェリア「………うん。」ギュ-

 

八幡「なら、そろそろ離れてくれると嬉しいんだが……離れてくれるか?」

 

オーフェリア「やー。」グリグリ

 

 

見事なまでに幼児退行してる。うん、可愛いから許す。でも考えて?此処って結構目立つよ?いや、人通りあまりないけど、通らないわけじゃないからね?さっきからチラチラ見られてるからね?そろそろ離してくれると嬉しいんだけどなーお兄さん。

 

………まぁそれは無理だからこのまま話すか。

 

 

八幡「………なぁオーフェリア、この6年間で何があったのか教えてくれ。あぁ、無理にとは言わないぞ?」ナデナデ

 

オーフェリア「………お兄さんにならお話する。お兄さんに隠し事したくないから。」

 

 

なんて素直で良い子なんだろうっ!

 

 

八幡「よし、じゃあ場所変えるか。俺の寮の部屋に来い。そこなら大丈夫だろう。」

 

オーフェリア「………いいの?」

 

八幡「あぁ、俺に任せろ。」

 

 

 





オーフェリアちゃん、お兄さんの事思い出せて良かったよ!

本当に!!

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