比企谷八幡のあり得ない六花生活   作:生焼け肉

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2人の日常?

 

 

八幡side

 

 

今日の仕事も終えて、俺とパーシヴァルは宿舎に戻っている。今聞いたから分かると思うが、屋敷と宿舎は分かれている。俺たち下っ端の執事やメイドはこの宿舎で寝泊りをしている。一方で俺の父さんや母さんは旦那様とその奥様の付き人をしているから屋敷暮らしなのだ。簡単に言えば近衛みたいなものだ。だから基本、俺はパーシヴァルと寝泊りをしている。

 

おかしいとは思うが理由もある。この屋敷に10代で働いているのは俺とパーシヴァルただ2人だけだからだ。その中に30〜60辺りのお兄さんからおじさん、若しくはお姉さんからおばさんの間で暮らすとなると緊張してしまう。慣れたらどうって事ないんだろうが、そこは旦那様が気を利かせてくれた。まぁ、その時はあまり気にしていなかったが、今は思春期とかそういうのもあるから同室が女の子というのは意識してしまうものだ。

 

 

八幡「ふぅ……今日も疲れたな。」

 

パーシヴァル「そうですね。」

 

八幡「……そういや気になってたんだけど、パーシヴァルって将来なりたい事とかってあるのか?」

 

パーシヴァル「どうしたんですか、急に?」

 

八幡「いや、お前ずっとこの屋敷暮らしだろ?まぁ俺もなんだけどよ、なんかこれやってみたいっていうのはあるのか?」

 

パーシヴァル「将来、ですか………今まで考えた事もありませんでした。この屋敷で育ち、この屋敷で人生を終えるものだとばかり思っていましたので。」

 

八幡「いやいや、それは流石に無いだろ。」

 

パーシヴァル「ですが、そうですね………少しニュアンスは違うと思いますが、学校へ行ってみたいと思います。」

 

八幡「学校?」

 

パーシヴァル「はい。私が知る限りではこの近辺にも学校というものはありますが、あまり生徒の数は多くない様子です。なので、一度でも良いので六花の学校に行ってみたいと思っています。」

 

八幡「六花かぁ……俺達の年ならまだ行けるだろうけど、学費とか払わないといけないからな〜。」

 

 

行けたとしても、観光くらいだろうな。まぁそんな暇なんてあるわけが無いんだけどな。

 

 

パーシヴァル「はい、なのでそれは諦めています。私達は旦那様の身の回りのお世話をする事が業務ですから。」

 

八幡「そうだな……よし、じゃあ着替えて飯でも食いに行くか。」

 

パーシヴァル「そうですね。」

 

 

そしてパーシヴァルは執事服を脱ごうと服に手をかけている……俺も早く……って違う!!

 

待て待て待て待てっ!!

 

 

八幡「おいおい!俺が居るんだからまだ着替えるな!外に出させてくれ!」

 

パーシヴァル「………私は比企谷様なら構わないのですが?」

 

八幡「俺が構うんだよ!お前も少しは羞恥心を持てっ!!」

 

 

そして俺は自室から出た。アイツ、偶にこういうとんでもない事をするんだよな。しかも俺だから問題無いとかって言い出すし。俺ってもしかして、異性として見られてないとか?それはそれで何かくるな………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パーシヴァル「……新しい下着の感想を聞きたかったのですが、残念です。彼にならと思ったのですが……」

 

 

ーーー食事室ーーー

 

 

はぁ〜………参った参った。まさか俺が居るのにも関わらずに着替えるとはな。まだ全て着ている状態だから良かった、これが上とか脱いでいたら……いや、やめておこう。

 

 

パーシヴァル「比企谷様、今日も美味しそうですね。」

 

八幡「あぁ、此処の料理人も良い人だ。俺達の為にも食事を作ってくれるんだからな。」

 

パーシヴァル「感謝しなければなりませんね。」

 

???「良い心掛けですね、感心しますよ。」

 

 

俺たちに話しかけてきてくれたのは、この宿舎の代表をしている人で、名前はセバスチャン。本人はもう年だと言っているが、60歳を過ぎてあの身体はヤバ過ぎる。だって執事服から筋肉が隆起してるんだもん。

 

 

八幡「セバスチャン様、お疲れ様です。」

 

セバス「お疲れ様です。先程の会話を聞かせて頂きました。パーシヴァルの言う事は最もな事です。我々が無意識の内に食しているこの料理も全て旦那様の料理を作っている料理人が作った物です。我々はこの料理をもっとありがたく食べなくてはいけませんね。」

 

パーシヴァル「はい、仰る通りです。」

 

セバス「時に八幡、貴方のご両親は旦那様と奥様の付き人をしているんでしたね?」

 

八幡「はい、その通りです。それが何か?」

 

セバス「いえ、前は仕事が休みの前日によくお酒を交わしていましたからね。今ではお互いに随分忙しくなった身、あまり今までのような事が出来なくなってきましたからね。少し伝言を頼みたいのです。『今度また3人で飲んだくれましょう。』と。」

 

八幡「……分かりました、伝えておきます。」

 

セバス「よろしくお願いします。では、私は先に失礼します。」

 

 

俺に伝言を託してセバスチャン様は食事室を退室した。

 

 

八幡「……じゃ、俺達も食うか。」

 

パーシヴァル「そうですね、比企谷様。」

 

八幡「……なぁ、本当にその苗字に様ってやめてくれないか?本当にむず痒くて仕方ないんだ。」

 

パーシヴァル「では、なんとお呼びすればいいですか?」

 

八幡「いや、普通に比企谷とか名前呼びとかでいいだろ。」

 

パーシヴァル「……では、八幡……さん。」

 

八幡「……うん、まぁそれが無難か。」

 

パーシヴァル「しかし、まだ慣れませんね。」

 

八幡「その内したら慣れんだろ。」

 

 

やっと変えてくれたか……これでむず痒い思いをせずに済むな。

 

 

 

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