比企谷八幡のあり得ない六花生活   作:生焼け肉

46 / 130
決意の時

 

 

八幡side

 

 

あのパーティから1週間、俺達の日常が漸く戻って来た。今となっては苦では無くなった雑務処理に見回り、屋敷付近の偵察に騎士達との鍛錬。皆からすれば、1週間もすれば当たり前のように戻るとは思うが、俺にとってはパーシヴァルを見る度にあのドレス姿が頭の中に過る為、1週間くらい直視出来なかった。アイツは普通だろうが、俺にはかなり堪えた。

 

まぁ今となってはそれも平気になったから問題無い。パーシヴァルを見ても普通に接せられるようになった。そして今、俺は騎士団を集めて鍛錬中だ。勿論全員ではない。全員集めたらこの屋敷の守りどうするって話になっちまうからな。鍛錬って言っだが、やり方は実戦形式だ。直接相手と戦っている形で鍛錬をしている。

 

 

そして俺は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パーシヴァル「……参りました。」

 

八幡「………手はいるか?」

 

パーシヴァル「すみません、お借りします。」

 

 

パーシヴァルと鍛錬中だった。俺と互角に剣で戦えるのはこの屋敷の中ではパーシヴァルくらいだからな。

 

セバスチャン様?あの人は組手だから剣は使わない。剣には剣、拳には拳が常識だろう。

 

 

パーシヴァル「はぁ、やはり私程度ではまだ隊長には及びませんか……少し自信があったのですが。」

 

八幡「いや、少し危ない局面もあった。もしかしたら隊長交代もあり得るかもな。」

 

パーシヴァル「ご冗談はやめてください。今の守護統括の隊長は八幡さん以外に務まりません。この○○伯爵家の中で剣の腕が1番優れているのは八幡さんなのですから。」

 

 

実際にはパーシヴァルも俺に引けを取らないくらいの実力を持っているとは思うんだがなぁ……俺が降りると言ったらコイツもやめるって言って付いて来そうなんだよな……そこが怖い。

 

 

「失礼致します!守護統括隊長、比企谷八幡様!そしてその副官、パーシヴァル様!旦那様がお呼びです!至急、旦那様のお部屋に来るようにとの事です!」

 

八幡「?旦那様が?」

 

パーシヴァル「一体何の御用なのでしょうか?」

 

八幡「さぁ……とりあえず着替えて行くか。お前達は鍛錬を続けろ。」

 

騎士達「はっ!!」

 

 

一体何の用なんだ?まだ1日の作業も終えていない段階で呼び出しなんて………また何かのパーティの参加とかか?それならちょっと遠慮したいんだが……まぁ、行ってみたら分かるか。

 

 

ーーー伯爵の部屋ーーー

 

 

コンコンッ

 

 

八幡「旦那様、守護統括隊長の比企谷八幡、ならびに副官のパーシヴァル、只今到着いたしました。」

 

伯爵『入っていいよ。』

 

八幡「はっ、失礼致します。」

 

パーシヴァル「失礼致します。」

 

 

旦那様のお部屋は何度か入った事はあるが、やはり煌びやかなお部屋だ。流石は貴族五代階級の3番目に位置するだけはある。

 

 

伯爵「よく来てくれたね。そして仕事中に済まなかった。」

 

八幡「いえ、旦那様のお呼びとあらば即座に。それで旦那様、私共にどのようなご用件でお呼びを?」

 

伯爵「うん、実はこの前のパーティでこんな話を持ちかけられてね、『比企谷八幡君とミス・パーシヴァルをあのまま屋敷内の守備兵として留まらせておくのは非常に勿体無いです。それで提案なのですが、あの2人を聖ガラードワース学園に特待生として入学させたいと思っています。お2人にもこの話はさせて頂きましたので、○○伯爵様からもご検討とお2人へのご相談して頂くようお願い申し上げます。』という事なんだ。流石はフェアクロフ公爵様のご子息はよく人を見ておられる。君達をここまで高く評価して下さっている。」

 

 

……まさか本当に相談していたなんてな。いや、あの人が嘘をつくような人ではないから当然か。

 

 

伯爵「そこでどうだろう?君達は六花にある聖ガラードワース学園に入りたいという意思はあるかい?その意思があるのであれば、僕は君達をあの学園に送り出したいと考えている。公爵ご子息殿の言う通り、君達をこの屋敷内に置いておくのは勿体無いと私も思い知らされてね。2人の率直な意見を聞きたい。六花に行くか、ここに留まるか。」

 

 

………正直に言えば、俺は六花に行きたい。だが、俺には騎士としての務めもある。そう簡単にホイッと投げ捨てて六花に行くわけにもいかない。

 

 

パーシヴァル「私は………八幡さんが行くのであれば行こうと思っています。」

 

 

え、俺っ!?なんか知らない内に俺に決定権が委ねられてる!?パーシヴァル!お前学校行きたいって言ってただろ!なんで俺に全部任せちゃうわけ!?

 

 

伯爵(どうやらパーシヴァルは八幡が行かないと意味が無いと思っているみたいだね。でもパーシヴァルの事を考えれば当然だね。彼女は八幡の事が……おっと、これ以上は言わないでおこう。読まれたら大変だからね。)

 

パーシヴァル(学園に入ってみたいと思っていましたが、八幡さんと一緒でなければ学園生活を楽しめる気がしません。それに………い、いえ、やめておきましょう///)

 

 

伯爵「じゃあ八幡、君に決定権が委ねられたから女性の意見を無駄にしない決定を頼むよ。」

 

 

旦那様、パーシヴァルはどっちか答えてませんけど?答えてない上に俺に委ねましたけど!?そこについてはスルーですか!?それとパーシヴァル、お前はそんな目で俺を見るな!

 

 

まぁ、お前が俺に決定権を委ねた時点でもう答えなんて決まってるけどよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「旦那様、聖ガラードワース学園入学のお話、この比企谷八幡並びにパーシヴァル、入学を希望したいと思っております。」

 

 

すると旦那様は嬉しそうな表情を浮かべた。答えに満足しているような笑顔だった。パーシヴァルもその言葉を待ってましたと言わんばかりの笑みだった。

 

 

伯爵「そうかいっ!それは嬉しく思うよ。君たちの見聞を広める良い機会だと私も思っていたからね。よし、じゃあ早速手続きをしてフェアクロフ殿に連絡をしよう。2人共ご苦労だったね、もう行ってもいいよ。」

 

 

俺たちは退室の挨拶をした後に部屋から出た。その後は鍛錬をしてから1日の業務を終えて部屋へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パーシヴァル「あの、八幡さん。」

 

八幡「ん?」

 

パーシヴァル「学園に行くと言って下さり、ありがとうございました。」

 

八幡「気にすんな。お前だって学校に行ってみたいって言ってただろ?なら、その気持ちを汲んでやろうと思っただけだ。けど、何でお前あの場で行きたいって言わなかったんだよ?」

 

パーシヴァル「それは……やはり八幡さんの意見から先にと思いましたので。結果的には八幡さんに決めてもらう事になってしまいましたが。」

 

八幡「その事は気にしてないからもういい。明日も仕事あるから飯食って風呂入って寝よう。学園の事は暫くしたら旦那様からまた連絡が来るだろ。」

 

パーシヴァル「……そうですね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パーシヴァル「私の為にありがとうございます、八幡さん。」ボソッ

 

八幡「ん?なんか言ったか?」

 

パーシヴァル「いえ、何でもありません。早く着替えていきましょう。」

 

八幡「?あぁ。」

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。