比企谷八幡のあり得ない六花生活   作:生焼け肉

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参観日 ③

 

 

八幡side

 

 

星露「はぁ……はぁ……まさかお主に一撃も与えられんとはのう………妾も老いたというわけか。」

 

八幡「バカ言うんじゃねぇよ。オメェまだピッチピチの20代じゃねぇかよ。まだ成長期だろうが。俺なんてもう30半ばのおっさんだぞ?」

 

星露「じゃがお主、鍛えておるな?」

 

八幡「あぁ。界龍を卒業した後も筋肉増強や脂肪をつけない為にな。お前の攻撃に関しては厨房で養われた目のおかげで一撃も食らわなかった。」

 

星露「……どういう事じゃ?妾がお主に負けた理由が厨房で料理していたから、とでも言うつもりかえ?」

 

八幡「店の厨房はある意味戦場だ。客に出す品をどれだけ早く出すか、どれだけ丁寧に仕上げる事が出来るか、全ては俺達料理人の腕にかかってる。何人もの客のオーダーを1人で捌いてりゃ嫌でも相手の動きが見えてくるってもんだ。」

 

 

星露の攻撃、実際ゆっくりに見えたしな。

 

 

星露「……なんじゃい、それなら妾は最初から負け試合を望んでいたみたいではないか。小っ恥ずかしいのう。」

 

八幡「いやいや、自ら負けを知っていて勝負を挑むという姿勢を後輩達に見せられたじゃねぇか。良い後学になったんじゃないか?生徒もお前も。」

 

星露「そんな後学要らんわいっ!!」

 

 

星露(しかし、流石は妾達が認めたほどの男じゃ。学生時代よりも遥かに強くなっておる。衰えるどころか進化しとるわい。小苑や麗蘭が見たらどう思うかのう?)

 

 

八幡「んじゃあ俺は家族ん所に行くわ。指示出しよろしく。」

 

星露「……まぁよいわい。皆の者、これがこの学園最強にして六花最強の男の実力じゃ!!妾が相手をしても一撃すら与えられんかった!!皆はこの男を指標にするが良い!自身の目標は大きければ大きい程、燃えるものじゃろ?これにて試合を終了する!各自行動に移るがよい、解散じゃ!」

 

 

………ちゃんと生徒を導けているようだな。

 

 

シルヴィア「八幡、お疲れ様。流石だったよ。」

 

八幡「あぁ、ありがとう。」

 

シルヴィア「それと、奏斗に喋っちゃった。八幡が最強だって事。ゴメンね、流石に隠しきれなくて。」

 

八幡「あー……まぁ仕方ねぇよ、星露が俺と戦いたいって言った時点でもうバレる確率なんて100%越えたようなもんだしな。それで奏斗、どうだった?俺の戦いぶりは?」

 

奏斗「……俺、父さんに色んな技術を教わった。勿論武術や星仙術だけじゃない。相手への思いやりや言葉遣いも教わった。けど、俺って父さんの優しい部分しか知らなかったんだなって思った。俺、自分でもう強いって思ってた。中学に入ったら《冒頭の十二人》に入って高等部にはもう【万有天羅】になれてるって思ってた。けど、父さんの試合を見て俺ってまだこの程度なんだなって思い知らされた。」

 

八幡「………そうか。確かに俺はお前に様々な事を教えて来た。だがそれは表面的なものだけだ。何故俺がそうしたか分かるか?」

 

奏斗「………ううん。」

 

八幡「全て教えちまったら、それは俺の技全てを教えたものになって、そこからの技術を伸ばそうとする努力をしなくなるかもしれないからだ。まぁそんな理由だ。中途半端な技術の方が、自分で研究してアレンジもしやすいだろ?さっきやった発空勁だって俺がアレンジして作った技なんだぜ?」

 

奏斗「じ、じゃあこの学院の生徒殆どが使っている武術や星仙術、陰陽術の元になってるのって………」

 

八幡「いや、それは俺じゃないと思うぞ。まぁ陰陽術はそうかもしれないけどな。」

 

 

いや〜でも、今でも木派の奴等は陰陽術を使えているんだな。うん、良かったわ。あの場凌ぎにならなくて。そんなつもり無かったが、今後使えなくなったらどうしようかと思ってたりしたからな。

 

 

八幡「さて、俺は少し飲み物買ってくる。」

 

 

八幡sideout

 

奏斗side

 

 

奏斗「………」

 

???「ど~したの?難しい顔しちゃってさ!」

 

奏斗「うわっ!?って京華先輩!いつも言ってるじゃないですか!驚かさないでくださいって!」

 

京華「えぇ〜いいでしょ別に?シルヴィアさん、お久しぶりです!」

 

 

後ろから俺に抱きついて来たのは川崎京華先輩。高等部の大先輩だ。

 

 

シルヴィア「久しぶりだね、京華ちゃん。元気にしてたかな?」

 

京華「はい、おかげさまでっ!それよりもどうしたの?はーちゃんの事?」

 

奏斗「はい……なんか父さんの事を知った途端、遥か遠い世界の人みたいな感じになっちゃって。俺、こんな人に追いつけるのかなって。」

 

京華「多分それ気のせいだよ。」

 

 

………………え?

 

 

京華「はーちゃんって強過ぎるからそう言われる事が多いんだけど、誰よりも皆に近い位置に居るんだから。だって遠過ぎる存在だったら、あんな風に話しかけられると思う?」

 

 

京華先輩の指をさした方向には父さんが親の人達と楽しそうに話しをしている姿があった。

 

 

京華「私もね、はーちゃんから手解きを受けた事あるけど、やりにくいなんて事は1度も無かったよ。寧ろ私に合わせたやり方をしてくれてやり易かったくらいだから。だから奏斗くんが思っている心配はしなくてもいいと思うよ。界龍の現序列2位の【青天霹靂(せいてんへきれき)】が言うんだから間違いありませんっ!」

 

 

奏斗「………」

 

 

ーーー帰り道ーーー

 

 

シルヴィア「久しぶりの界龍、楽しかったよ。また参観日の日が決まったら教えてね、奏斗。」

 

奏斗「うん。」

 

八幡「さて、帰ったら何作るかな〜。今日は良い気分だからステーキにでもすっかな〜。いや、ハンバーグも良いな。もしかすると丼って手もあるな。」

 

シルヴィア「もう、お肉ばっかりじゃん。」

 

八幡「そういう気分なんだよ。」

 

シルヴィア「しょうがないお父さんだね。」

 

奏斗「父さん偶に食いしん坊だから。」

 

シルヴィア「そうだよね〜偶に食い意地はってるもんね。大人気ないくらい。」

 

八幡「匂いだけじゃお腹いっぱいにならない時もあるんだよ。いや、匂いで空腹満たされるわけじゃないんだけどさ。」

 

 

そうだ。俺の父さんはこんな人だ。俺達家族の1番すぐ近くに居る。遠い存在なんかじゃない。

 

 

奏斗「父さん!」

 

八幡「ん?何だ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奏斗「今日は丼にしてよ!どっちが早く食べられるか競争だよ!」

 

八幡「おっ?俺に挑むってのか?俺に挑戦なんてまだ10年早いぞ?まぁ、やってやらなくもないけどな。」

 

奏斗「勝負してあげるって言ってるんだから受けてよ!それとも逃げる?」

 

八幡「あっ、コイツ!生意気な口聞きやがって!よっしゃ、いっちょ勝負だ!」

 

奏斗「うんっ!!」

 

シルヴィア「ふふふっ、じゃあ食後のデザートは私が作るね。」

 

2人「お願いします!なるべく胃に優しいものを!」

 

シルヴィア「はいはい。注文承りました。」

 

 

こんな父さんを持てて、俺は幸せだよ。でも、そしたら母さんはどうなんだろう?やっぱり凄い人だったのかな?今度聞いてみよっと。

 

 

 




参観日はこれにて終了です!!

奏斗くんの成長も見られましたね!
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