八幡side
さて、今日の開店準備ももうすぐ終わるな。しかし、従業員の連携が良いとこうも早く掃除や準備が終わるなんてな。改めてみなさんに感謝です、どうもありがとう。
今日の面子は俺、比企谷八幡とシルヴィ、オーフェリア、冬香が昼から晩まで、晩から営業終了までは俺、オーフェリア、パーシヴァルの組み合わせだ。オーフェリアとパーシヴァルの組み合わせは最初の頃は不安だったが、特に何も起きなかった。だって母校の相性がねぇ………最悪だから想像しちゃうじゃんか。
まぁそれは置いといて、そろそろ新メニューとかも考えたいんだよな〜。ウチで提供してないものが良いよな、やっぱり。だとすると………
シルヴィア「八幡、そろそろ開店するよ。準備お願いね。」
八幡「ん、分かった。」
考えるのは休憩時間になってからにするか。さて、最初は何が来る………っていうか少し騒がしいな。何だ?
ーーーホール・入り口前ーーー
八幡「シルヴィ、どうした?」
シルヴィア「あ、八幡、それがね……」
「君がこの店の店主、比企谷八幡かね?」
八幡「え?まぁそうですけど……どちら様ですか?」
「ほう……私を知らないとは、君は些か知識不足のようだね。料理界に名を連ねるのなら私、ガルボ・モレンティーロの名前を覚えておくのは常識だというのに。」
随分と上から目線な人だな……しかも煽りに来たのなら帰ってくれよ。入り口に立たれると邪魔だ。
八幡「それで、ご用件は?」
ガルボ「まぁ待ちたまえ、あまり急かすようだと従業員にも笑われ「ご用件は?店を開店したからにはお客様にご迷惑はかけられない。ご用件があるのであればお話下さい。なければ回れ右してお引き取り下さい。」……君は礼儀もなっていないようだね。私に向かってそのような口を聞くとは……」
シルヴィア「横からすみません。私達も料理人です。開店しているのにも関わらず、お客様におもてなしも出来ないまま帰らせるわけには行きません。店主は厨房を1人で行き来しております。その店主がこの場に居るという意味、ご理解してはくださらないでしょうか?」
シルヴィに頭を下げさせちまった……少し自分が情けなく思えてくる。
ガルボ「ふむ……こちらの女性は中々教育がされているようですな。どうでしょう?我が店のホールに来る気はありませんか?今なら良い値を払いましょう。」
シルヴィア「お言葉ですが、私はこのお店で仕事をしたいのです。せっかくの申出ですが、お断りさせて頂きます。申し訳ございません。」
ガルボ「そんな事を言わずにっ!我が店は六花を基点にして既に世界に7店舗のチェーン店を構えております。貴方の将来もお約束しますので。」
中々にしつこい奴だ。しかも俺の嫁さんだって知ってて言ってんのか?だとしたらコイツ性質悪過ぎるだろ。
オーフェリア「シルヴィアは八幡だけのものよ。そして八幡も然りだわ。貴方がどれだけ勧誘しても結果は同じよ。」
ガルボ「何だね君は?」
オーフェリア「此処のスタッフでホール担当をしている者よ。」
ガルボ「成る程、君達も哀れだ。このような三流コックに雇われているなんてね、さぞかし給金は少ないのだろうね。それにどう考えても人が来るようには思えない。それに「早く要件を言ってくれませんかね?」……何?」
八幡「ウチの店を軽蔑する前に、そのよく回る舌で早く用件を言ってくれませんか?こっちも貴方の話を聞いていられる程暇じゃあないんですよ。後ろで待っているお客様が迷惑していますので。」
コイツを早く退かせてさっさと営業再開させねぇとな。
ガルボ「まぁいい、では用件を言おう。君、この店を私に売りたまえ。」
八幡「は?」
ガルボ「小さいがこの店は中々良い装飾に良い設備だ。此処なら我が店を構えるのにも苦労はしない。六花に2店舗構えるのは少しおかしな話だが、悪くはない。さぁ、こちらの権利委託書にサインを「テメェ……」な、何だねっ!?その反抗的な目は!?」
まさか決定事項みたいに言われるとはな……流石の俺もカチンと来たぞ。
八幡「ナメた事言ってくれるじゃねぇか、この店を売れだ?誰がお前みたいな奴に売るかよ。」
ガルボ「な、なんて奴だ!おい、お前ら!この男をボコボコにしろっ!」
八幡「無駄な事はしない方が身の為だぞ。一応言っておいだぞ。」
ボディーガードの2人は動くどころか、俺をボコボコにするという命令自体、遂行する気は無さそうだった。いや、無理だと悟っているようだった。
ガルボ「何故動かない!ええい、お前等に払う金は無いぞ!早くやれ!」
八幡「おい。」
ガルボ「何だ!私は今取り込み中がっ!?」
八幡「いい加減にしろ。お前に、売る、店は、ねぇ、って言ってんだよ。分かったら早く出て行ってくれねぇか?これ以上迷惑掛けんだったら営業妨害で訴えんぞ?」
ガルボ「なんだその言い草はっ!?私が直々に来て勧誘して来たというのに!」
………虎威。
ガルボ「ヒィッ!!?」
八幡「誰がそんな事頼んだ?誰も頼んでねぇだろうが。最後に言っておくぞ。これ以上恥をかきたくなかったら、今すぐ店から出て行け。」
「八幡君、お店まだかい?いつもより少し遅いようだけど……何かあったのかい?」
っ!
八幡「冬香、外でお待ちになられているお客様への対応を頼む。オーフェリアは急いでお冷やとおしぼりの準備を。シルヴィはこれが終わったら俺と一緒に厨房に来てくれ。注文が来たら大急ぎで作る。」
冬香「かしこまりました!」
オーフェリア「分かったわ。」
シルヴィア「了解。」
よし、これでいい。
八幡「というわけなので、もう出てってくれませんか?もし俺が貴方で営業中にこんな事やられたら迷惑でしょ?それともやってほしいですか?」
ガルボ「………ふ、ふん!今日はこれで帰らせてもらう。だがまた来るからな!」
そう言って帰って行った。もう来なくていい。
八幡「さて、お前等すぐに準備だ。」
その後はなんとも無く作業が進み、何事もなく(朝の一件以外は)1日を終える事が出来た。
もう2度と来るなと言えば良かった。
ちょっと中途半端な終わり方ですが、続編ありますので。まぁ次回作はまた個々のキャラでの物語を出すんですけどね。