プロが認める歌声
???side
その歌は私にとってとても衝撃的なものだった。他の人が聞いてどんな風に思ってるかどうかは分からないけど、私個人の意見では表現が出来ないくらい大胆であり繊細な歌声で、男性であるにも関わらず、低音と高音の使い分けがとても上手だった。初めて聴いた曲、それもただ見てみようと思ってタップして開いただけだったのに、私はこの曲に、ううん、この人に夢中になった。見たところ私と同年代の男の子、それでこの歌唱力………凄かった。この人と1回だけでもいいから歌ってみたい。初めて私は他人と一緒に歌いたいと思った。
あっ、自己紹介がまだだったね。私はシルヴィア・リューネハイム。学園の中等部2年で序列1位です。一応アイドルと歌手の活動もしていて少しだけ周りから人気が出るようになって来ました。
※もう周りレベルではありません。世界的大フィーバーです。
そんな私でもこんな風に歌の動画を見たりするんだけど、カラオケとかで見るのはあまり参考にならないとばかり思っていた。でも今見ているのは明らかに違う。本人が歌っている歌よりも明らかに輝いているように見える。普通なら、ただマイクを持って歌っているだけに見えると思うけど、私にはその1つ1つの仕草に華があるように見える。この人の歌をもっと聞きたい……この人の歌をもっと見たい……
投稿者は………
………
………………
………………………………
シルヴィア「………凄い。どれも個性的なのに、全く違う曲とは思えない。それに何で、何でこんなに重層的なのに1つの曲に纏め上げられるの?」
???「……ィア、……ルヴィア、シルヴィア!」
シルヴィア「うわっ!?」
???「何してるのよ?もうとっくに休憩時間は過ぎてるのよ?」
シルヴィア「こ、ごめんなさいペトラさん!すぐに行きますっ!」
ペトラ「それはいいけど、何を見てたの?………動画投稿者がよくやっている『カラオケで歌っていみた』シリーズね。これを見て夢中になってたの?」
シルヴィア「その……この人の歌は他の人が歌っている歌よりも表現力とか歌唱力とかが凄くて……見てる私も心が躍るような歌だったんです。」
ペトラ「ふぅん。投稿者はottantamila……イタリア語で数字の80,000を表す言葉ね。貴方が夢中になるのだから少しは良い歌声をしているんでしょうね。私も少し見てみようかしら。」
シルヴィア「是非聞いてみてください!私も間違いなくオススメ出来ますっ!」
そして私は今、次のツアーで歌う予定の曲の練習をしています。かなりの曲数があるから少し疲れるけど、大勢の人が喜んでくれるのなら、もっと歌いたい。この歌を皆に聞いて欲しい。
ーーー練習終了ーーー
シルヴィア「お疲れ様でしたーっ!!」
さて、今日のレッスンも終わったし、さっきの人が歌ってる曲をまた聞いてみよっと!
ペトラ「シルヴィア、少しいいかしら?さっき貴方がオススメしていた人の動画の事なのだけど………」
シルヴィア「?それがどうかしたんですか?」
ペトラ「彼の歌声……貴女が評価するのも分かるわ。圧倒的なセンス、抜群な表現力に歌唱力、そして何よりも歌ってる本人よりも上手いと思えてしまう程、彼の歌には輝きと華があるわ。私も聞いていて鳥肌が立ってしまったもの。正直、この動画を見て初めてこの子をスカウトしたいと思ったわ。」
ペトラさんも高評価!やっぱり間違いないよ!彼はすっごく歌が上手なんだ!でも、なんでこんな人が話題にならないんだろう?不思議。
ペトラ「ツアーから帰ったら彼の事を調べてみるわ。手がかりになりそうなのは、投稿者名くらいだからそこから逆算して色々と捜索してみるから、貴女も出来る限り情報を集めてちょうだい。」
シルヴィア「分かりました!」
学園に戻ったら、早速彼の事を調べないとねっ!でも、どこから調べようかな?投稿者名以外何も分からないからどうしようも無いんだよなぁ………
シルヴィアsideout
???side
………あぁ〜今日も歌ったなぁ〜。えっと……え?これも1位?しかも全国配信決定?マジかよ……イかれてないよね?この機械1位出し過ぎじゃない?1位しか出ないんじゃないの?
けどまた配信されんのか……まぁ顔映らないようにしてるし、ネームも分かりづらいようにしてるからそう簡単に分からないとは思うけどよ。
「凄いじゃん八幡ー!またまた1位だよー!私がやっても絶対そこまで行けないよー!」
「ですが凄いですね。八幡にこんな特技があったなんて意外です。歌が上手なんですね。」
八幡「まぁ歌ってる時はなんも考えないで済むからな。歌いまくれば上手くなるもんだ。通い詰めにしてみたらどうだ?セシリー、虎峰。」
虎峰「悪くはありませんが、あくまでもお付き合いする時にだけご一緒します。鍛錬の時間を無駄にしたくないので。」
セシリー「あたしも上手くなりたいけど、そこまで興味は無いかなー。それに八幡の聞いてる方が楽しいしねー。プロデビューすればー?」
八幡「冗談やめろよ。俺なんかが表に出たら一気に一蹴されるわ。1回出されて引退で終わりだよ。」
界龍第七学院 冒頭の十二人
序列7位 趙虎峰
序列6位 セシリー・ウォン
セシリー「いやいやー、だって序列2位がプロデビューするんだよー?絶対話題になるよー。」
序列2位 比企谷八幡
八幡「どうだろうな。まぁそれももしもの話だ。実際オファーなんて来ないだろうし、プロにもなる気は無いしな。さて、そろそろ帰るか。」
虎峰/セシリー「はい。(はーい。)」