比企谷八幡のあり得ない六花生活   作:生焼け肉

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前作の料理は【食戟のソーマ】に出てくる美作昴が作ったビーフシチューと、司瑛士が作った2つの表情を見せる鹿のローストを丸パクリしたものです。自分、料理にはそこまで詳しくないので。



料理対決後

 

 

八幡side

 

 

さて、今日の営業を始める前に少しだけあの料理対決の後日談を話すとしよう。

 

 

あの後、あのオーナー、ガルボだったか?その男の店で働いていて、辞めたいという希望のある奴が居たらすぐに解雇するというメールを一斉送信した。当然だが有給消化等もあるから。その結果、7支店ある従業員90名に対し、退職希望者は30名も居た。およそ3割もの従業員が不満を持っていたという事になる。

 

あの時のシェフもその中に含まれていて、理由を聞いてみると、主な理由が『前オーナーと変わってから店での仕事が窮屈になった。』『新作を出せとか、上から態度の物言いが気に食わない。』が主な理由だった。当然の事ながらこの30名はその会社から退職した。しかもその殆どが前オーナー時代から働いていた古参のメンバーだった。残っているのは中堅メンバーや新人同然のスタッフだけだった。

 

これにガルボは俺に抗議をして来た。幾ら何でも古参メンバーを殆ど失うのはこちらの戦力が大幅に減るから、踏み留まってもらえないかと。いや、そんなの俺に言われても知らねぇし。お前だって承諾したろ、何勝手な事言ってんだって思ったよ。ウチの従業員たちの事も掻っ攫おうとした奴が何言ってんだよ。

 

 

そして六花にある支店の1つを貰ったわけだが、実際もらったところでどうするかなんて決めてなかったからどうするか分からん。そしたらとある人が、その場所の所有権を譲って欲しいと言われて、数字の単位が億まで出されて交渉された。俺が持っててもしょうがねぇって思ったからその店の所有権はその人に渡した。どんな職業をしている人が分からないから人柄で見るしかなかったが、悪い人じゃなさそうだった。

 

 

そして元働いていた従業員達だが、まだ有給消化があるから会社に勤めている形だが、全員制服を返して自由にしている。店にも出ていないようだった。そんな彼等に俺は新しい職場を用意する事にした。一応世界に7支店もの店で10〜20年近く働いていたんだ、即戦力になるに違いないと思った。

 

その職場は六花のホテル・エルナトのレストラン給仕とシェフだ。彼等ならきっとやっていけるだろうと思って推薦を促して、やってくれる人にはそこへ行ってもいいと言っておいた。料理関係はもういいという人には別の道があるだろうし、これ以上は何も言わないでおこうと思った。

 

ガルボの店の6店舗だが、主戦力となりうるシェフと給仕が居なくなった事により、作業スピードや連携もうまく取れず、お客様に出す品を大幅に遅れて出す結果となり、遅過ぎてもう我慢出来ないと言って店から出て行ってしまうという最悪なケースまで叩き出してしまった。

 

新人の育成やシェフの料理育成にも力を入れていればこんな事にはならなかった筈だ。おそらく主戦力の人には定休日にしか休みを入れていなかったのだろう。だからこんな結果になる。こうやって不満は募り、1人また1人と退職していって最後には何も残らなくなる。

 

ガルボもこれで学習しただろ。オーナーがする事は何も経営だけでは無い。従業員とのコミュニケーションは勿論、会社の利益に繋がる事も試行錯誤していかなければ、いつかは落ちる。今はまだ従業員がいるからいいが、だがそれが誰も居ない状態になったら頼れるのは自分ただ1人だ。まぁ、1人で店を経営が出来るのならの話だがな。

 

その点ウチのコミュニケーションは高い方だと思ってる。だって元ガラードワースと元レヴォルフの奴が一緒に仕事出来るんだからそうだろ。休憩時間には会話だってしてるしな、まぁ聞いてたらほぼ俺の話題なんだけどよ。それでもコミュニケーションは取れてるって捉えてもいいだろう。

 

 

ガルボという料理人がどういう男でどんな料理人だったのかは知らないが、ライバル関係が居ない環境で料理を振るって来たのだろう。だからああいう窮地に陥った時に何も出来ないし、駆け引きも出来ない。従業員を駒として見ている内は成長は無いだろうな。

 

もしもの話だが、奴がこの料理対決に勝ったとしても、この店の厨房は扱えないだろうな。だって普通の厨房じゃねぇし。まぁそこは改装するんだろうけどな。

 

 

でもこれで一安心だ。ウチのスタッフも誰1人欠けてないし、不満を持ってる奴は……居るかどうかは分からんから今度聞いてみよう。全員が全員のフォローを出来るようにしているし、元々の能力が高いから大抵の事はなんとかなっている。

 

 

八幡「さて、開店準備はもう終わったか?」

 

シルヴィア「いつでも大丈夫だよ、八幡。」

 

オーフォリア「私も済んでいるわ。」

 

柚陽「私の方も済んでいます。いつでも大丈夫です!」

 

八幡「よし、じゃあ時間になるまでは此処で話でもしているとするか。」

 

 

うん、ちゃんと信頼関係も築けている。これもシルヴィのおかげだな。ホールリーダーが居るだけでかなり違う。会話が弾む。ガルボさん、これがウチとアンタの店の差だ。これを埋めなければ、アンタの会社はお先真っ暗だぞ?

 

 

 

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