比企谷八幡のあり得ない六花生活   作:生焼け肉

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世話の焼ける新入生

 

 

八幡side

 

 

さて、面倒な事この上無いが、あのサイ・マーフィンの所に行ってやらねぇとな。奴が目を覚ましているかどうかは知らんが、取り敢えずは言って奴の言葉を聞きたい。俺に負けてどうだったのか、この後どうするつもりなのかを。

 

 

シルヴィア「ねぇ八幡君、彼の所に行くつもりなの?私はあまりオススメしないよ。」

 

八幡「分かってる。俺だって出来れば行きたくはない。だがこの学院の序列1位、【万有天羅】を張っている以上は、他の奴等も気にかけないといけねぇ。例えそれが敵対する奴であったとしてもな。」

 

シルヴィア「八幡君は本当に良い人だね。私が八幡君だったらそんな風には出来ないよ。」

 

 

ーーー医務室前ーーー

 

 

八幡「………」

 

シルヴィア「………ねぇ八幡君?」

 

八幡「聞くな。俺だって今、もう中に入りたくなくなっちまったんだからよ。」

 

 

起きているのはこの際いいとしよう。けど何で中に居る誰かと言い争いをしてるんだよ………

 

 

八幡「はぁ……もういい、入るぞ?」

 

シルヴィア「失礼します。」

 

 

あぁ、怒鳴り声と罵声がもっと大きく聞こえる……

 

 

八幡「今大丈夫か?」

 

忠「っ!?そ、宗師っ!!?それに奥方様っ!!」

 

八幡「言い争いをしていたようだが?」

 

忠「あっ、これはお恥ずかしい所を……実は「俺はお前に負けたとは思ってねぇ。」っ!お前、まだ言うか!!」

 

八幡「……成る程、理由は大体察した。マーフィンが俺との決闘の結果に納得していないんだな?」

 

忠「えぇ。俺も過去に過ちを犯した身です。親身になって説得を心掛けようと思ったのですが、俺は負けたわけではないの一点張りで………」

 

サイ「はぁ!?俺がいつ誰に負けた!?そこに居る奴が不正でも働いたに違いないだろ!!そうでもなけりゃ俺が負ける筈がねぇんだよ!!」

 

忠「……この調子でして。」

 

八幡「あー……うん、お前も苦労したな。だが安心しろ、お前の場合はコイツよりも100倍以上はマシだから。コイツはもっとタチ悪いから。」

 

 

今回の事に比べたら、忠の出来事なんてオモチャみたいなものだ。

 

 

八幡「マーフィン、どうして俺が不正を働いたと分かる?俺には不正をしてまで勝利する程のメリットなんて無いんだが?」

 

サイ「お前は俺に勝ったという実績が欲しかったんだ!!だから身体能力を高める技でもかけてもらったんだろ!そうとしか考えられない!」

 

八幡「いや、俺お前に勝ちたいだなんて思ってないけど?それに、そんな技を使える奴は界龍には居ない。たとえ居たとしても当日来ていたシルヴィだが、その時俺はシルヴィとは会っていない。俺は選手控え室、シルヴィアは観戦場に居たからな。」

 

 

たとえ恋人であっても、選手の控え室に他学園の生徒を入れるわけにはいかないからな。

 

 

八幡「んで?他に言い訳はあるか?あっても無くても、言い訳はしない方が身の為だぞ?全く自分擁護出来ないから。」

 

サイ「う、うるさいっ!お前程度の奴が俺に勝てる道理なんて本当は無いんだ!逃げ腰野郎!」

 

八幡「その逃げ腰野郎にボコボコにされた気分はどうだ?さぞかし気持ち良かっただろう?自分の無力さが痛快だっただろう?それに言ったよな?次は無い、ってよ?お前まだ殴られ足りないのか?」

 

サイ「っ!!このぉ………」

 

シルヴィア「………マーフィンくん、聞いてもいい?」

 

 

ん?シルヴィ?

 

 

サイ「………はい、何でしょう?」

 

シルヴィア「何でそこまで八幡君に敵意を向けるの?八幡君が君に何かをしたの?」

 

サイ「そんなの決まってるじゃないですか!ソイツが俺に恥をかかせたからですよ!!俺の首を掴んでは締めてきたり、決闘では大勢の奴等にあんな醜態を晒された!これが敵意を向けられずにいられると思いますか!?それにだ、俺はソイツにはまだ「もういい……もう喋らないで。」……は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シルヴィア「身の程を弁えろっ!!」

 

サイ「ヒ、ヒイッ!!」

 

シルヴィア「恥をかかされた?それが何なのさ?そんなの君がただ思い込んでいるだけたよね?それにそれが本当だったとしても、それは君が八幡君よりも弱いからでしょ?それを棚に上げて八幡君の事を責めるなんて、そっちの方が醜いよ!君の実力なんて八幡君と比べたら雲泥の差だよ!それに八幡君がこれだけの強さを手に入れたのは、血の滲むような鍛錬を毎日のように欠かさずやってきたから。八幡君は負けを言い訳にした事なんて今までで1度も無い!負ける事が恥ずかしい事なのなら、私は何回も恥ずかしい思いをしてきてる!この際だからハッキリ言ってあげる。今の君じゃあ界龍についていけないし、ただ置いていかれるだけだよ。」

 

サイ「そ、そんなのやってみないと分からないでしょう!」

 

シルヴィア「分かるよ。君に聞くけど、この学院で八幡君に教えてもらっていない人ってどれくらい居ると思う?」

 

サイ「……100人ですか?」

 

シルヴィア「答えは……1人だよ。」

 

サイ「1人っ!?それって誰なんですか!?」

 

シルヴィア「分からないの?この前の決闘でボコボコにされていたのは誰?」

 

サイ「………俺だけ?」

 

シルヴィア「そうだよ。この学院で唯一八幡君に教えを受けていないのは君だけ。その他は皆受けてるよ。過去に《冒頭の十二人》に載っていた人達だって、八幡君の教えを受けていたんだから。星露だってそうだよ。だから君の器と八幡君の器がどれだけ違うのかも分かる。八幡君は優しいから君にチャンスをあげた。けど君はそのチャンスを無下にしようとしている。この意味が分かる?それが要らないんだったら捨てればいいよ。でもそうしたら、いよいよこの学院には居られないからね?」

 

サイ「………」

 

シルヴィア「………行こっ、八幡くん。」

 

八幡「……あぁ。忠、お前も来るか?」

 

忠「はい、ご一緒させて頂きます。」

 

 

こうして俺達は医務室を後にした。しかし、シルヴィが怒鳴るとはな……手の焼ける新入生だ。

 

 

 

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