シルヴィアside
漸く撮影(写真撮影の方)が終わった。後はプロモーション動画を撮るだけになったんだけど………監督さんの気合と熱が物凄過ぎて、私と八幡君は若干引いちゃってるんだ。さっき向こうのスタッフさんに聞いたんだけど、
『あぁ〜アレですか?よくあるんですよ、自分の想像してた以上の絵が出来たら凄いテンション上がるんです。』
『「最高の1枚を撮るまでは続ける。」っていうのがポリシーみたいでして……でも、こんなに早く終わったのは初めてかもしれません。写真とプロモーションを兼ねてやってるんですけど、最長で6時間もフルにやってた時もあったんです。あの時は本当に疲れました………本当に。』
『撮影が終わっても不充分な点があったら、すぐに撮り直しなんです。熱心なのは伝わりますが、こちらとしてはそれに見合った金銭を要求したいくらいです。』
………少しだけスタッフさんもやつれてた感じがあったかな。でも文句を言いつつもそれに着いていくって事は、慕われてるって証拠だから、全然悪い人じゃないって事だよね。見てても分かるしね。
監督「いや〜撮影の途中なのに倒れてしまって申し訳ない。あまりの光景につい………」
八幡「いえ、それはいいんですが……途中からは副監督の指導でやっていましたので、監督の思うような写真が撮れていないかもしれません。」
シルヴィア「もしあれば言ってください。私達も出来る限り、監督の理想像に近付けたポージングや表情をしていきますので。」
監督「ありがとうねぇ〜。」
シルヴィア「あっ、スタッフの皆さ〜ん!昨日、私と八幡君とでクッキーとパンを焼いて持って来たんです!よければ食べて下さい!」
八幡「因みにパンはクロワッサンとハムチーズ、ツナマヨに照り焼きがあります。」
その瞬間、スタッフの皆は獲物を得た猛獣のように詰め寄ってきた。取り敢えずは各種20個くらい作ってあるから問題は無いと思う。えっ?持参方法が知りたい?
………八幡君の影って便利だよね♪
スタッフ1「う、う、う……美味いっ!!!なんだコレッ!!今まで食べたどのパンよりも美味い!!」
スタッフ2「毎日食べても飽きないくらい美味しいわ!どうやって作ってるのかしらっ!?」
スタッフ3「クッキーなんて色んな味があってどれも個性的だわ!」
スタッフ4「あぁ……お持ち帰りしてぇよ、このパンとクッキー。」
おぉ………流石は八幡君特製のパンとクッキーだね。たった一口で皆を虜にさせちゃったよ。皆さんほっぺたがリスみたいになってるよ。
八幡「気に入って頂けたようで何よりです。さて、俺達も食べるか。」
シルヴィア「うん、そうだね。」
私達も持参してきたパンがあるから、それを食べます。あっ、スタッフさんにあげたのと同じものだから大丈夫!皆平等は大事っ!
ーーー休憩終了ーーー
監督「それじゃあ今度はプロモーションビデオの撮影に移るよ。」
シルヴィア「写真は大丈夫でしたか?」
監督「あぁ、全く問題無かったよ。それどころかどこに不満があるのか教えて欲しいくらいの出来栄えだったよ。」
シルヴィア「それは良かったです。じゃあビデオ撮影はどんな事をすれば良いんでしょうか?」
監督「あぁ、それなんだけどね。2人のやりたいようにやってみてくれるかな?」
2人「え?」
どういう事?
監督「君達がもし、これが本当の結婚式だったらどうするか……この場を本番だと思ってやってみて欲しいんだよ。出来るかな?」
………ならまずは雰囲気作りから始めたいかなぁ。後は私達がどんな風に動くか。
やっぱり一緒が良いよね、後は………ちょっとだけ本番に近い形にしたいから、プロモーションの人達にはちょっと苦労をかけるかもだけど……
八幡「シルヴィ、何か良い案が浮かんだようだな。」
シルヴィア「もしかして八幡君も?」
八幡「いや、俺は何も。この手に関してはお前の方が良いのが浮かびそうだと思ったから、顔を眺めていた。間違ってないだろ?」
シルヴィア「うん♪監督さん、撮り方とか映像作成に関してなんですけど………」
ーーー説明中ーーー
シルヴィア「っていう風にしてみたいって思ってるんですけど、あの……どうでしょうか?」
監督「………さいだ。」
シルヴィア「え?」
監督「天才だ。まさかそんな演出の仕方があったなんて………何で今まで思い付かなかったんだ!その案、すぐに実行しようっ!!作成についても君の言う通りにしようと思っている!」
シルヴィア「ど、どうも……」
監督「よし、じゃあ皆!!撮影の準備だ!!」
ーーー準備中&完了ーーー
スタッフ「それでは行きます……アクション!」
シルヴィア「いやぁ〜1発撮りでOKもらって良かったよ〜!」
八幡「あれで貰えなかったらお前どうなってたんだ?また1から練り直してたんじゃねぇのか?」
シルヴィア「そうかもっ♪」
行きは車で送ってもらったけど、帰りは私達の希望で歩きにして貰った。その方が落ち着けるから。
八幡「にしても、パン大好評だったな。まさか余りも無いとは………クッキーもだけど。」
シルヴィア「ここだから言うけどさ、あのパンもクッキーも八幡君の暇潰しで作ったものでしょ?八幡君的にはどうなの?」
八幡「あぁー………ちょっと微妙だな。あっ、勿論今朝焼いたのは本気で焼いたヤツだからな!俺とシルヴィの昼食用に食べるパンだし、そこは絶対に手を抜かねぇ!」
シルヴィア「それはどうもありがとう♪」
八幡、暇潰しでスタッフさんの頬を落とす程とは………