喫茶鉄血   作:いろいろ

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ついにやっちゃったぜクロスオーバーだ!
初のクロスオーバー回はとほくれす様のアイデアから拝借しました。

ドルフロ原作なら無双モノでやれたけどここじゃどう頑張っても無理っす!
まぁ敵がいないわけじゃないから別にいっかなと。


CO(クロスオーバー)-1:見敵必殺(サーチ・アンド・デストロイ)

「続いてのニュースです。 先月起きた〇〇地区の民家爆発事件で、警察の調査でこの家が国際的なテロ組織『人形師』のアジトであったことが判明しました。 また、この家とその周辺の監視カメラには銃を持った二人の女性が写っており、警察はこの二人がなんらかの関係があるとして調査を進めています。・・・・・次はお天気です。・・・」

 

 

「物騒ですね。」

 

「戦争がなくなっても、争いは無くなりませんから。」

 

 

昼過ぎの喫茶 鉄血。

店内のテレビで流れるニュースを見ながらボヤくグリズリーと代理人。

もっとも自分たちの存在自体がすでにそういうこと(争いのため)であるのでなんともいえないが。

 

 

「あ、犯人の顔が出てますよ。」

 

「監視カメラの映像からここまで割り出しますか・・・。 一応店内に張り紙でも貼りましょうか。」

 

 

違うニュース番組で映し出されたのは犯人と思しき二人の女性。

一人はややトゲトゲした黒髪に赤のロングコート、もう一人はさらりとした黒髪ロングに白い服と帽子。二人の共通点として赤く鋭い目である。

また監視カメラの映像から二人の得物も再現されているが、かなり銃身の長いハンドガンで色は黒と白銀が一丁ずつ、その形状からオートマチックであることが伺える。

 

 

「ハンドガンに関してはあなたに聞いたほうがいいですね、グリズリーさん?」

 

「・・・装弾数はおよそ6発前後でしょう。 見た目からは普通の銃と変わらない構造のように思えますが、30センチ以上ある全長にあの口径・・・おおよそ人が扱える銃とは思えません。」

 

「規格外、という点ではS&W M500というものもありますが実用的とは言えませんね。 そんな銃をあの年の女性が使う・・・」

 

「・・・・・戦術人形、ですか?」

 

「その可能性が高いでしょう。」

 

 

問題はどこで作られ、なぜあそこにいたのか。と考えを巡らせる代理人とグリズリー。

入店を知らせるベルが鳴り、代理人はひとまず考えたことを頭の隅に追いやり、

 

 

「ほぉ、この店にはまだ張り紙がないようだな。」

 

「それは良かった。 そろそろ店を探すのも飽きてきたところだ。」

 

「ブフゥッッ!!!」

 

 

件の二人が入ってきた。

盛大に吹き出すグリズリーと間一髪で避ける代理人。

二人は即座に武器を取り出し構える。

 

 

「私たちと殺り合うつもりか? 面白い!」

 

「まあ待て『ジャッカル』。 私たちはあくまで手頃な店を探していたんだぞ? 余計な騒ぎを起こすんじゃない。」

 

「随分と落ち着いていますね、指名手配犯のくせに。」

 

 

まさに一触即発。ちなみに他の客は店の奥に避難している。

直接対峙しているグリズリーだからわかるが、この二人は恐ろしく強い。ふざけているようで隙がなく、過信しているというよりも自分を分かっているような感じである。

 

 

(これは、刺し違えても一人かな・・・。)

 

 

はっきり言えば勝てるビジョンが浮かばないがそれでもグリフィンの一人形。最悪の事態に対する覚悟を決め、いつでも仕掛けられるようにする。

とその時、

 

 

「・・・グリズリーさん、銃を下ろしてください。」

 

「なっ!?」

 

 

と言いながら展開していたサブアームを全て格納する代理人。

テロリストを前にして正気を疑うような行動だが、代理人に迷いはない。

 

 

「そちらに敵意がなく、ただ店を探していたということでよろしいですね?」

 

「ああ。 そうだ。」

 

「でしたら結構。 あなた方を客としてもてなします。」

 

 

えぇ・・・という顔のグリズリーをよそに話は進み、他の客への配慮から店の奥の空き部屋に通されることになった。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「初めて食べたが、食事というものはいいものだな。」

 

「まったくだ。 こっちにきてから訳の分からんことばかりだが、こういうことがあるなら悪くない。」

 

「・・・さて、こちらもいろいろと聞きたいことがあるのですが、よろしいですか?」

 

「ああ、構わん。 というよりも私たちから話した方が良さそうだな。」

 

 

そうして情報の共有が行われた。

まず彼女たちの名前だが、赤いコートの方が『.454カスール カスタムオートマチック』、白い服の方が『対化物戦闘用13mm拳銃 ジャッカル』。

以前いた場所は二十世紀末のロンドンで、その時は正真正銘の『銃』だったらしい。彼女らには共通の持ち主がおり(こんな化物銃を二丁も扱うという点がすでに信じがたいが)、主に吸血鬼をはじめとした対化物用の武器だったらしい。

その後も、やれ持ち主も吸血鬼だっただのナチスドイツの残党の吸血鬼部隊がロンドンを襲撃しただのヴァチカンもどさくさに紛れて攻めてきただの最後は敵味方ロンドン市民全てが揉み込まれただのと、突拍子も無い話が続いた。

 

 

「・・・で、気がついたらあの街にいて、変な人たちに連れていかれて乱暴にされそうになったから全員半殺しにしてやっただけだ。」

 

「いやさっぱりわかりませんって。 第一、その話を信じるに値するものがないというか・・・」

 

「それは私が証明するでウィリス。」

 

「「うわっ!!」」

 

 

突然現れた男に驚くグリズリーと代理人。というか代理人の「うわっ!!」なんて初めて聞いたぞとか思いながらグリズリーはその男を見る。そして思う。コイツは何なんだと。

見た目はタンクトップ姿の中年オヤジ、黒いサングラスをかけ、地面からわずかに浮いている。あとなんだその語尾は。

 

 

「私はジャッカルの精でウィリス。 今からその証拠を見せるでウィリス。」

 

「証拠を?・・・・・っ!?!?!?」

 

 

気がつけばそこはさっきまでの店内ではなくどこかの街の上空。そこに四人(と一人)は()()()()()

 

 

「ほぉ・・・。」

 

「・・・・・」

 

「これは・・・というかここは・・・!?」

 

「あれは・・・ビッグ・ベン? ということはここはロンドンですか。」

 

 

各々がそれぞれの反応を見せる(ジャッカルだけジャッカルの精を心底鬱陶しそうに睨んでいる)中で、その下はまさに地獄絵図ともいうべき有様だった。

街中から火の手が上がり、悲鳴と銃声、爆発音が途切れることなく響き渡る。その上を飛んでいる巨大な飛行船にはハーケンクロイツが描かれていた。

 

 

「ナチスドイツ・・・ということは、あそこから出てきているのが吸血鬼部隊でしょうか。」

 

「なんだ・・・何なんだこれは!? こんなの、私は知らない!」

 

「ん? 知らんのか? 到底隠し通せるようなものではないはずだが・・・お、あれはマスターだな。」

 

見れば自分たちのちょうど真下、真っ赤なコートを着た長身の男が二丁の拳銃を振り回しながら進んでいた。さっきの発言から察するにあれが彼女たちの持ち主で、その手に握られているのが彼女たちなのだろう。

その人物は圧倒的なまでの強さを見せ、あの化物銃を乱射していた(どう考えてもマガジン以上の弾数をばら撒いているが)。

 

 

「これは私が見た光景を再現しているのですウィリス。 信じていただけたでウィリス?」

 

 

そういうとすでにジャッカルの精は姿を消し、代理人たちはいつのまにかいつもの店内に戻っていた。

 

 

「・・・まぁ、そういうことだ。」

 

 

そう言って椅子に座り込むジャッカル。

代理人は静かに目を瞑り、グリズリーは相変わらず混乱している。

彼女らは()()()()()()なのである。ただ自らの名前となり、一心同体となる銃の『知識』でしかない戦術人形とはまるで違う。その存在そのものが危険すぎる。

 

 

(・・・やむを得ませんね。)

 

「あなた方に提案があります。」

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

一ヶ月後:中東

 

 

「今回の依頼は中東国家群、ターゲットは中規模テロ組織『バイヨネット』、国境付近を主に活動していることで国も容易に手が出せないらしい。 民間人に被害を出さない以外は任せるとのことだ。」

 

「くくっ、了解した。」

 

 

作戦領域を目前にして確認される依頼。

あの後、代理人のつてで旧鉄血工造が運営する軍事会社に所属することになって以降、対テロ部隊として名を馳せているカスールとジャッカル。

基本的に好きなだけ暴れられるこの職場を、彼女たちは気に入っていた。

 

 

「しかし、戦術人形というものは便利だな。」

 

「銃は私が構え、照準も私が定める。 (アモ)弾倉(マガジン)に入れ遊底(スライド)を引き安全装置(セーフティー)も私が外す。 だが・・・。」

 

「殺すのも私の殺意になるとはな。 くく、マスターが知ったらなんと言うか。」

 

「さあな。 ・・・なぁエージェントくん。 確認だがターゲットは殲滅していいんだな?」

 

「あぁ構わない。 ターゲットの生死に関しては特に指定されておらんからな。」

 

「なら話は早い。」

 

「私たちの専売特許、と言うやつだな。」

 

「ん?・・・おい! なんだお前r

ドゥッ

 

 

出会い頭にぶっ放すジャッカル。

銃声を聞いてわらわらと現れるテロリストたち。

ご武運を、とだけ言い残して退散するエージェント。

ニヤリと口角を上げるカスール。

 

 

「テロリスト諸君、お仕事御苦労、さようなら。」

 

 

銃声を響かせ、あたり一帯を血の海にする二人。

しかしテロリストはなおも数を増やし、さらには戦闘車両まで引っ張り出してきた。

 

 

「ほぉ、面白い、実に面白いぞ人間(ヒューマン)!」

 

「最後まで抗ってみせろ。 狗ではなく人間だと言うなら。」

 

「「では教育してやろう、本当の(化物)の闘争というものを。」」

 

 

 

CO-1 完




二人の描きわけが難しい・・・。

というわけでやっちゃいましたクロスオーバーです!
早速キャラ紹介です!


カスール
HELLSINGの主人公アーカードの初期武装。
なぜか装弾数以上に連射し、思い出したかのように弾切れになる。
とにかく闘争だ主義のジャッカルを唯一制御できることや、まだ一応話が通じるため、依頼の際はこっちに話がいく。
胸はない。


ジャッカル
HELLSINGの主人公アーカードの専用武装。
対化物というだけあって凄まじい威力だが、人間や人形には過剰。
闘争を求める闘争バカで、元持ち主の正確に引っ張られたせいか立ち向かってくる人間に好感を持つ。
こちらも装弾数無視で連発する。
胸はない。


ジャッカルの精
ジャッカルに取り憑いている?精霊?
精というにはあまりにもおっさん臭く、また原作でアーカードをイラッとさせた数少ない人物。
基本的に夢に出てくるが、ジャッカルの周囲に限れば夢でなくとも出てこれる。この場合は白昼夢のような不思議な体験をすることになる。
ジャッカルにとってコイツが役に立ったことなど一度もない。


グリズリー
このカオスなクロスオーバー回が初出演となったある意味不幸な人形。
元々はジャッカルらと対峙してボコボコにされるという役割だったが、実際ぶつかると確実に死ぬのでこんな感じに。
天使や妖精といったものにそこらの少女並みには幻想を抱いていたため、ジャッカルの精の姿はあまりにもショッキングだったらしい。
グリフィンではなく警察組織に所属する。


元鉄血工造の軍事会社
会社名はS.F.ミリタリー。(S.F.はSANGVIS FERRIの略)
代理人含めハイエンドたちが抜けた後の鉄血工造。
保有する人形の数は常に一定であり、また人間の職員もそれなりにいる。
幹部から平社員まで人形は全て量産モデルではあるが、人形たちは個々を識別できる(人間にはわからないらしい)。
企業利益はそこまで高いわけではないが、社員のうち人形は給料がほぼ必要ない(何か欲しいものがある場合に一定額出る)ため、人間の給料がとてもいい。
週休二日、フレックス制。


テロリストの皆さん
ほのぼの路線の本作において重要なやられ役。
平和な世界観ではあるが全てが平和ではなく、相変わらず宗教や歴史やその他諸々での争いは絶えない。
まぁ戦術人形やグリフィンの需要があるくらいには揉め事がある世界。
なお『人形師』は人間>人形という世界を作ることが目的であり、冒頭の事件での死者は0である。
一方『バイヨネット』は国にちょっかいかけるメンドくさい部類。もちろん全滅した。名前の由来は申し訳程度のHELLSING要素として、アレクサンドロ・アンデルセンの二つ名のうちの一つ。
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