喫茶鉄血   作:いろいろ

101 / 279
アーキテクト劇場開幕

ニチアサヒーローの最強談義は色々ありますが、みんな違ってみんな強いと思います。
ちなみに好きなライダーは龍騎・王蛇・ファイズ・ブレイド・カリス・キックホッパー・てつを。


第七十六話:ヒーロー

アーキテクトが研究室から出てこない、という事態が数日続く鉄血工造。その事態を、最高幹部であるサクヤとゲーガーは重く受け止めていた。べつに悲観すべきことではない。アーキテクトが鬱になるなど、地球が真っ二つに分かれるくらいありえないのだから。

二人が危惧する点・・・・・それは、絶対よからぬことを考えているに他ならないからだった。

 

そんな二人の心配などまったく知りもしない当のアーキテクトは、薄暗い部屋で目の下にクマを浮かべながら妖しい笑みを浮かべてこう言った。

 

 

「これで・・・これで世の子供たちの夢が叶う・・・・・うへへへへ・・・・・」

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

刻は進み数日後のS09地区。平和で知られる(どこの街も平和だが)この街に、突然悲鳴が巻き起こる。その悲鳴を駆けつけたのは司令部所属の人形部隊、その中でも機動力に優れたSMG部隊だった。

だが彼女らは、そこで信じられないものを見る。

 

 

「な、なによこいつら!?」

 

 

そこにいたのは二足歩行の虫・・・・・という見た目がしっくりくる怪物だった。まぁべつにリアリティに溢れる見た目ではないのだが、よりによってそいつはあの『G』によく似ていた。先ほどの悲鳴も、その見た目の悪さゆえだ。

 

 

「まぁいいわ、止まりなさい! 大人しくしないと撃つわよ!」

 

 

SMG部隊の一人、MicroUziが警告する。しかしそれはのそのそとこちらに歩いてくるだけで、まったく止まる気配がない。仕方なく照準を足に向け、一発だけ撃ち込んだ・・・・・のだが。

 

 

カキンッ

「っ!? 嘘でしょ!?」

 

 

あっさり弾かれる。生物的な見た目に反してめちゃくちゃ硬いのだ。もう警告する意味もなさそうなのでフルオートで叩き込むも、その全てが弾き返される。同僚のスコーピオンもMP5も、絶望的な表情になる。

 

ガサッ

そんな音が聞こえ、振り向いた三人は一斉に悲鳴をあげた。そこには開け放たれたマンホールと、そこからまるでGのごとく這い出てくる同種の化け物・・・・・ぶっちゃけキモい。

だが退路を断たれた今、彼女らに成す術などない。そんな時・・・・

 

 

「待てぃ!!!」

 

「「「!?」」」

 

 

地位書くの建物の屋上に見える一つの影、フード付きのローブをまとっていて顔は見えないそいつはそのまま飛び降り、怪物の前に飛び降りる。そしてローブを一気に脱ぎ捨てた。

 

 

「アーキテクト、参上!!」

 

「「「ってお前かい!!!」」」

 

 

一気に溢れる残念感。そんな外野の評価など気にすることもなく、アーキテクトは腰にベルトのようなのを巻きつけ、化け物と対峙する。

 

 

「人に仇成す化け物を、私は絶対に許さんっ! <ppp…standing by> 変身っ! <complete>」

 

 

そんな掛け声とともに数世代前の通信端末風なアイテムをベルトに差し込む。するとどうだろう、なんか光のラインが現れて次の瞬間にはアーマーを纏ったアーキテクトがそこにいた。

 

 

「「「えええええええっ!?」」」

 

「いくぞ化け物め!」

 

 

そう言って化け物の群れに突っ込み、次々と殴り飛ばしていく。銃ではかすり傷一つ負わせられなかった化け物が次々に倒れ、起き上がってはまた倒れる。やがて動きが鈍くなったところで、アーキテクトは腰のアイテムを足につけてボタンを押す。

 

 

「<exceed charge>・・・覚悟ぉ!!!」

 

 

飛び上がって、その場で一回転したから前に進むという意味不明な動きで蹴りを放つ。そして直撃した化け物たちは爆発四散し、アーキテクトは変身を解いた。

 

 

「「「・・・・・・・。」」」

 

「ふぅ・・・・君たち、無事だったkグハァ!?」

 

 

キメ顔で三人の元に歩み寄るアーキテクトだったが、突然後ろから殴り飛ばされる。まだ残っていた一体だ。その拍子にベルトを落とし、しかも運の悪いことに化け物のに踏み潰される。

 

 

「ああああああ!? ちょっ、そんなプログラム入れてないのに!?」

 

 

慌てまくるアーキテクトは今度はバックルのようなものを取り出して腰に当て・・・・・る前に化け物に殴り飛ばされる。

 

 

「うぎゃっ!? へ、変身中の攻撃とか反則じゃん!」

 

 

どこぞの蛇な男が聞いたら鼻で笑いそうだが、アーキテクトにとっては死活問題、しかもバックルは化け物の後ろだ。

万事休す、という時に助けは現れるものである。具体的には、たまたま買い物帰りに通りがかった代理人だ。

 

 

「・・・・アーキテクト?」

 

「うげっ! 代理人・・・・」

 

「うげっ、とはなんですか・・・・というよりもこの状況は?」

 

「・・・チャンス! 今のうちにゲファ!?」

 

 

化け物の意識が一瞬代理人の方に向いた隙にバックルの元へと走り、しかしあえなく迎撃されるアーキテクト。そのバックルは蹴り飛ばされて放物線を描き・・・・・・・・代理人の腰にくっついた。

 

 

「・・・・・あら?」

 

「っ!!」

 

「やば・・・・代理人すぐに逃げて!」

 

「え? あの・・・え?」

 

「ああもう! とにかく逃げるかそのレバーを引くかして!!」

 

 

バックルが引っ付いた・・・というより勝手にベルトが現れて外れなくなった代理人の元に、化け物が走り寄る。未だに事態を飲み込めない代理人だが、言われるがままにベルトのレバーを引き、

 

 

『turn up』

 

「は? え、なんですかこれ?」

 

 

突然現れた壁が化け物を吹き飛ばし、困惑の表情をうかべる代理人。恐る恐るその壁に触ると、いきなり体が引き込まれる。

そして壁を通り過ぎると、近くの窓ガラスに映る自分の姿に驚いた。

 

 

「な!? え、えええ!?」

 

「お、ガチでびっくりしてる代理人とかレアじゃね?」

 

「アーキテクト、なんですかこれは!?」

 

 

なんか赤と銀色の配色のそれに狼狽える代理人。しかもやたら物々しい銃が腰にぶら下がっており、お世辞にも新しい衣装とは言い難い。

そんな時、マスクの内側(代理人には空間投影に見える)に説明書きが表示され、使い方やら敵情報やらが映し出される。

 

 

「代理人、とにかく頑張って!」

 

「え? 何を・・・というよりも敵って・・・・アレですか?」

 

 

見た目の気持ち悪さが目立つそいつがようやく起き上がり、代理人めがけて走り出す。よくわからないが敵というらしいので、腰の銃を手に取り応戦した。

その威力はなかなかのもので、数発撃ち込んだだけで膝をつく。

 

 

「今だよ代理人! 必殺技だ!」

 

「えっと・・・・これですか?」

 

 

表示の通りにカードを選び、一枚ずつ通す。すると突然右手が燃え上がり、若干パニックになる代理人。そしてそのタイミングで起き上がった化け物が、再び走り寄ってくる。

 

 

「代理人! 前、前!」

 

「え!? あ、こ、この、えいっ!」

 

 

わけがわからないまま思いっきり拳を振り上げると、絶妙なタイミングでぶち当たり吹き飛ばされる化け物。叩く打ち上がったソレは地面に落ちると同時に無駄に派手な爆発を起こした。

未だ混乱状態でありながら指示されるままに操作し、変身を解く代理人。するとあちこちで拍手が巻き起こり、いつのまにかギャラリーがいたことに気がつく。

 

 

「す、すごいよ代理人! 初めてなのにあそこまで戦えるなんて!」

 

「・・・・・・。」

 

「あれ? 代理人?」

 

「・・・・・・アーキテクト?」

 

「ん? 何かnひぃ!?」

 

 

代理人の方に向くや否や、小さく悲鳴をあげるアーキテクト。代理人の顔は非常にいい笑顔であったが、思いっきり青筋が浮かんでいた。そのままアーキテクトのサイドテールを無造作に掴むと、有無を言わせずに引っ張っていく。

 

 

「ちょっ! 痛っ、ま、やめっ!!」

 

「お話なら、この後たっっっっっぷりしましょうね。」

 

「ああああああああああ!!!!!」

 

 

 

 

「・・・・・帰ろっか。」

 

「「賛成。」」

 

 

残されたSMGの三人は、なんとも言えない顔のまま帰っていった。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

「うちのバカがほんっっっっとうにごめんなさい!!!」

 

「すまなかった代理人、アーキテクトを抑えられなかった私の責任だ。」

 

 

数時間後、連絡を受けて飛んできたサクヤとゲーガーは開口一番謝罪した。その二人に挟まれるように正座するアーキテクトの頭には、五重の塔のように重なったたんこぶがくっついている。

 

 

「・・・・・まぁ、終わったことですからもういいですが。」

 

「そもそもなんでそんなものを作ったんだお前は!?」

 

「だ、だってヒーローだよ!? 憧れるじゃん!」

 

「一人で! 訓練室で!! やればいいだろ!!!」

 

「痛ぁ!? ま、また殴った!!」

 

「うるさいっ!!!」

 

「フゴッ!?」

 

 

サクヤ渾身の拳骨でようやく沈んだアーキテクトを、襟首をひっつかんで引きずって帰る二人。

結局のところ、アーキテクトの暴走が原因だったというので一件落着・・・・・したかに見えたが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「代理人、動画サイトに載ってたぞ。」

 

「お母さん、カッコいい。」

 

「意外とアグレッシブなのね代理人。」

 

「・・・・・・うぅ。」

 

 

しばらくの間、代理人は文字通りヒーローとして扱われてしまうのだった。

 

 

end




棚に眠っていたパラダイス・ロストを見て勢いで書いた。
ちなみに厳密にはヒーローではなくヒロインですが、まぁそこはイメージ的な感じです(ヒロインっていうと助けられるイメージが)


さてではキャラ紹介+α

アーキテクト
今回もやらかしたヤツ。ふと見たニチアサヒーローにはまり自分で作るという暴挙に出る。
なんなら敵も作って、戦うなら街中がいいという理由でここに至った。
成功した暁にはヒーロー体験型アトラクションを作るつもりだったらしい。

ゲーガー&サクヤ
最近おとなしかったアーキテクトだったため、今回の暴走に対応が遅れた。実は拳骨の威力はサクヤの方が上。

代理人
たまたま通りがかって、たまたま戦わされた。
なお、代理人ファンクラブは今回の事件をモチーフにした自主制作アニメ『仮面ヒーロー・エージェント』なるものを制作中らしい。

SMG三人組
特に意味もなく出した・・・・とうわけではなく、これ書いてる時にレベリング中だったから。

ベルトとかバックルとか
わかる人にはわかるあのアイテム。

化け物
モチーフは生態系をリセットするために大量に出てくるあれ。
ただの安価なロボットで、頑丈さが取り柄。全く似ていないが、以前マヌスクリプトと合同で作ったザ・ネスト(番外編11参照)の発展型。




今回ほど内容の薄い話は無いと思う。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。