その日、UMP45はなにが起こっているのか理解できなかった。いや、45だけではない、9も40も416もそして彼女をお姉様と呼び慕うゲパードもだ。
そんな彼女たちの前にいるのは、見慣れた格好をしたしかし決定的に違う人形。眠そうな目にボサボサに伸びた髪、帽子やら服やらは大きめでダボつき、両腕をだらんと下げている見た目も合わさってなんとも言えない無気力感を醸し出すそいつは、隊の中で
たっぷり数分使って呆然としている仲間たちを見下ろしながらその人形、G11は口を開いた。
「・・・・・・どおしたの?」
『いやいやいやいやこっちが聞きたいわよ!』
ちなみに今日はいつも通り暇なわけで、せっかくだから久しぶりにみんなで喫茶 鉄血にでも行こうかとG11を起こしにきたところである。すでに起きていたこともだがそれ以上にその見た目にびっくりである。
本人曰く、なんか寝苦しかったから起きたらしいが、釈然としないままとりあえず出かけるのだった。
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「・・・・・・・・・。」
「あー、言いたいことは分かるわよ代理人。 私たちも同じだから。」
到着早々、店内の空気が固まる。それもそうだろう、常連にしていつのまにかこの店のマスコット的存在になりつつあったG11が長身で出るとこは出る素敵な女性になったのだから。
「・・・・・と、とりあえず席にどうぞ。」
「ありがと〜。 あ、私アイスコーヒーで。」
「あ、あんたほんと気にしないのね・・・。」
ここら辺は高くなっても彼女のままらしい、むしろ体の大きさに伴って重くなった体にうんざりしているようだ。
さて、大きくなったG11だが単純にスケールアップしただけではない。全体的な雰囲気こそそのままだが縦に伸びたことで丸っこい感じからすらっとしたフォルムになり、短パンから伸びる足も実に健康的なものになっている。
そして、これが一番大きな違いなのだが、404小隊では45と並んでぺったん娘だった彼女には今、二つの大きな実りがあるのである。
「それが一番邪魔なんだよねぇ。」
「そ、そう、なのね・・・」
言葉だけは同情の念を表している45だが、その目線は机の上にデンと乗っかっている双球にガッツリ食いついている。が、それ以上に食い気味に見ているのがもう一人、ゲパードだ。
「お、お姉様・・・」
「ん?」
「その・・・・・揉んでも、いいですか?」
『!?!?!?』
「え? 別にいいけど。」
『いいの!?』
ゲパードのトンデモな要求もそうだがさらっと了承したG11に店内いたるところから喜び混じりの声が上がる。客とて男は男だ、気にならないはずがない。
「で、では失礼します。」モニュッ
「・・・・・・んっ。」
「ひゃあっ!? ご、ごめんなさい!」
「いや、なんか変な感じがしただけだから。」
そんな光景を無言でガン見する45と、鼻の下を伸ばしながら眺める男性客。流石にこのままでは店の風紀に関わるので代理人は一つ咳払いしつつ、とりあえず彼女がこうなった原因を究明する。
「それで、いつからこんな姿に?」
「朝迎えに行ったらコレだったわ。 おそらく寝てる間ね。」
「昨日はなんともなかったよね?」
「・・・・なんか変なものでも食べた?」
「食べてないし、もし何か混ざってたらみんなも大きくなってるはずでしょ?」
ごもっともである。となると犯行は全員と分かれていた数分か、もしくは眠っている間。犯人は身内のもので間違いないだろう。そこまで考えるとこの案件、実はそんなに重要性はないのかもしれないと思う一同。まぁ身内の仕業ならおそらく愉快犯程度で、時間が経てば元に戻るはずだし、加えて・・・・・
「
「えぇ〜やだよゆっくり寝れないじゃんか〜。」
「その格好でぐっすりだったのは誰なのよ。」
ともかく現状では特に問題なし、ということで解散となる。G11は相変わらず不服そうだったが、今日一日元に戻らなかったらペルシカに相談するということで手を打った。
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解散してから数刻後、なんやかんやで喫茶 鉄血に残り一人優雅にコーヒーを啜っていたG11だが、そこにあるのは先ほどまでのうんざりした表情ではなく、なにやら良からぬことを企てているような顔だった。もちろん相変わらず重たいこの脂肪の塊やら無駄に高くなった身長は邪魔だが、それも使いようによっては・・・・・
「あ〜〜〜ほんと重たいなぁコレ。」ユサッ
『・・・・・・。』ゴクッ
「肩が凝っちゃいそうだよ・・・・・あ、そうだ。」
『・・・・・・?』
「重たいならテーブルに置けばいいんだ。」ノシッ
『・・・・・・!!!』
決して大きくはなく、しかし店内で聞こえる程度の音量の独り言をぼやきながらその脂肪の塊を揺らすG11。客はその光景に目を奪われており、それにG11はフッと鼻を鳴らす。
別に自分に女性としての魅力があるとは思っていなかったし、むしろ自分に発情するような連中はいわゆるロリコンだろうとも思っていた。だが自分でも驚くぐらいのナイスボディになってみれば、今までできなかったあんなことやこんなことができるのである。
具体的には、男の視線を手玉に取るくらいは。
「楽しそうですねG11さん。」
「まぁね、Dもやってみる?」
「あはは・・・・遠慮しておきます。」
苦笑いを浮かべるDの後ろでウンウンと頷く代理人。純粋無垢なDがわざとでもわざとじゃないにしてもそんなことをすれば、あっという間に群がられるのがオチだろう。
さてそんな話をしている間もG11の攻勢は終わらない。これ見よがしに背伸びしてみたり大きく足を組み替えてみたりと、普段のG11であれば可愛いで済んでいた動作が抜群の破壊力を持つようになっているのだ。
「大きいのも悪くないね、代理人。」
「ほどほどにしないと痛い目にあいますよ。」
「ははは、私が遅れをとることなんてないよ。」
余裕たっぷりに言い放つG11。結局この後、閉店ギリギリまで居座っては男性客を悶々とさせるのであった。
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「・・・・・ということがあったんだけど。」
「ふむふむ、実験は成功っと。」
「「「お前の仕業か。」」」
翌日、全く変化が見られないのでペルシカに見てもらおうとしたが、そのペルシカが犯人だったようだ。本人も一切悪びれる様子がなく、また被害者も被害意識が全くないので何も問題ないが。
「で、その体になった感想は?」
「いや、まずは謝るとか元に戻すとか・・・・」
「いやぁ結構楽しめたよ。」
「って何まんざらでもない風に言ってんのよ!?」
416のツッコミも虚しく、独特の感性というか価値観というか性格な二人に頭を抱える。一応放っておいても三日程度で元に戻り、今すぐに戻すことも可能なそうだが。
そこまで聞くと疑問が二つ。どうやって仕組んだかと、なぜこんなことを、というやつである。
「あぁそれ・・・・・以前に代理人が小さくなった事件を覚えてる?」
「えぇ・・・待って、まさかと思うけど。」
「うん、あれをチョチョっと改良して、遠くからビビッと。」
「なんで私に撃たなかったのよ!?」
「45姉!?」
泣きながら食ってかかる45を必死になだめる9。まぁ無害とわかってしかもナイスボディになれるチャンスとあれば、そりゃ食いつく。というか遠距離スナイピング可能で人形のサイズを変えられる銃とかなんだそれ。
「・・・・まぁいいわ。 で?なんでコイツに使ったのよ。」
「・・・・・・・。」
「・・・ペルシカ?」
急に黙り込んだ上、よくよく見えば耳まで真っ赤になるペルシカに、これは何かあるなと感づく404一同。がっちりペルシカの周りを取り囲み、尋問体制に入る。ちなみに一番ノリノリなのは、やはりG11だ。
「私、いきなりこんな格好にされてびっくりしたんだよ?」
「えっと、それはごめn」
「でもね、思ったんだ。 ペルシカにもきっと事情があるんだなって。」
「うっ・・・・」
「教えて欲しいなぁ。」
『欲しいなぁ。』
「う、ううううぅぅぅぅぅ〜〜〜〜〜〜」
こういう時は抜群のコンビネーションを見せつける404小隊に、ペルシカはなんとも言えないうめき声をあげて蹲った。コレはもう間違いなく何かある、というわけでさらに詰め寄ろうとしたその時。
「コラァーーーー! ペルシカを虐めるな!!!」
馬鹿でかい声とともに腕をブンブン振り回しながら現れたのは、AR小隊の猛犬にしてペルシカの恋人であるSOP・・・・・のでかくなった奴。それだけでペルシカの魂胆がバッチリ見えてしまった。
「あぁ、なるほど。」
「コレはアレね、いつも可愛がる側だけどたまには逆がいいと。」
「で、体格差も逆転させたかったと。」
『ペルシカは可愛いなぁ〜。』
「うぅ〜、私が悪かったからもうゆるしてぇ〜・・・」
その後G11は無事に戻してもらったがここぞとばかりにペルシカと、ついでにSOPにもアレコレ質問攻めし、G11を筆頭にホクホク顔で帰っていったそうな。
ちなみにその日、SOPは16labに泊まりだったらしい。
end
大きくなったG11に冷たく見下ろされたい。
あと描いてて思ったのが、G11が大きくなるとペルシカっぽくなるんじゃないかなということ。ペルシカがSOPとくっついてなければペルシカ×G11もありだったかも。
というわけでキャラ紹介
G11
416よりも背が高くなり、胸も大きくなった。服装はそのまま(こちらもなぜか大きくなった)なので微妙にダボついた上と短パンというスタイル・・・・なのだが子供っぽさが消えて色気が増えた。
性格面で変化はない。
ペルシカ
SOPとのイチャイチャにさらなる変化を加えるためにこの案を決行。ちなみにSOPも大きくなった際に出るとこは出たため大満足だった模様。
人形の大きさを変える銃
第二十三話で登場した銃を回収、改良したもの。射程が大幅に伸び、スコープ装備で狙撃もできる。改良前はロリ化一択だったが、大きくも小さくもできるようになった。
17lab→人権団体過激派→16labという順に流れた。