さて今回の番外編は
・仮面ヒーロー・エージェント
・修羅場前線、異常なし!
・ジャッジの日常
・持たざる者の逆襲
の4本です!
番外19–1:仮面ヒーロー・エージェント
西暦20XX年、北蘭島で発生した謎の奇病。感染者は化け物となって人を襲い、さらに感染者は増え続ける。軍や警察でも歯が立たず、このままでは世界中に広まってしまう。
そんな時、一人のヒーローが現れる!仮面に素顔を隠し、強固な鎧を見にまとい戦うヒーロー・・・・・それこそが、仮面ヒーロー『エージェント』である!
主人公は北蘭島の小さな町でカフェを営むごく普通の女性。彼女はある時、遠出した先で化け物に襲われる人を発見する。止めに入るも化け物のパワーに圧倒され、このままでは助からない。
そんな時、助けた男が持っていたケースからベルトのようなものを取り出し、主人公に渡す。訳も分からぬままベルトを装着し、勢いのまま叫ぶ。
「変身!」
光が主人公の体を包み、弾ける。するとそこには不思議な鎧を着込んだ仮面の戦士が・・・・・仮面ヒーロー『エージェント』の誕生である。
やがて主人公はこの奇病が意図的に引き起こされたものだと知り、大きな陰謀との戦いに身を投じていく。
頑張れエージェント! 負けるなエージェント!!
「という作品なのですが。」
「・・・・・なぜ公開してから報告にくるのですか?」
「ご安心を。 売り上げの七割をこちらに寄付しますので。」
「いえ、そういう問題ではなく・・・・・」
「ちなみに制作にはニッポンの大手企業が協力してくださりました。 会心の出来ですよ。」
「あの、話を・・・・・・」
「すでにグッズも販売しており、なかなかの売り上げだそうです。」
「話を聞いてください!」
結局、最終回まで放送しました。
end
番外19–2:修羅場前線、異常なし!
「というわけで45お姉ちゃん、しばらくここでお世話になるね!」
「いや、何が『というわけ』なの?」
「・・・・・・・・。」
拝啓、遠くに旅立ったノイン。
ノインが元気でやってるか、お姉ちゃんは気になって仕方ありません。できることなら今すぐついていきたい気分ですというか一緒の旅していいですかこのままではみがもちそうにありませんbyUMP45
というかさらっと言ったけど別地区所属のF45がなぜうちに!?
え、指揮官に頼んだら許可くれた?甘すぎんでしょあの指揮官!しかも部屋までちゃっかり用意してもらって・・・・・えっ!?なんで私と相部屋!?え、ここの指揮官に頼んだら融通してくれた?なんでどいつもこいつもF45には甘いのよ!?可愛いから?そうよっ!
「45姉、落ち着いて・・・・」
「困ったことになったら呼びなさい。」
「今絶賛困ってるんだけどね。」
「骨は拾うよ45。」
「あなたには仲間意識とかないのG11!?」
クッソいい笑顔で言いやがってこのロリ人形。というか決まっちゃったものは仕方ないから40も納得して・・・・・納得いかないのもわかるけど。
「・・・・・どうやって相部屋なんかに。」
「ふふっ、久しぶりに姉妹水入らずで話したいって言っただけだよ?」
「OK、十分よ!」
そう言って走り去る40・・・・おい待て嫌な予感しかしないわよ!
そんな私の予感は、40が持って帰ってきた部屋割り表(私とF45、そして40になっていた)を見て見事に当たったのだと理解した・・・チクショー。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「そ、そろそろ寝よっか45!」
「お、お姉ちゃん一緒に寝よ!」
「わかった、わかったから腕を引っ張らないでベッドは一つなんだから別々の方向に引っ張る必要なんて痛だだだだだだだ!!!!!」
今日の昼間からこの二人と同部屋になって、わかったことがいくつかある。
まず二人とも独占欲がかなり強い。腕にひっついてるとかならまだしもただ座ってるだけでもその距離をミリ単位で相手の上を行きたがる。そんなところで人形の距離測定機能を使わなくても・・・。
次に、二人は別に仲が悪いわけではないということ。むしろ普通に仲がいい・・・私が絡まなければ。なので私が風呂に入っている間も、結構盛り上がってたみたいだ。
そして最後に・・・・・この二人はヘタレだ。大き目のベッドで隣同士で寝ることはできても、その先に進む度胸とかはない。いや、進まれても困るけど。
「えへへ〜、お姉ちゃん暖か〜い。」
「うふふ、45の匂いがする〜〜。」
はぁ〜、普段からここまで大人しかったらいいんだけど。日中なんか顔を合わせるたびに唸り声を上げるもんだから犬かお前はと言いたなる。でもあのおどおどしたF45が面と向かって立ち向かう姿は成長を感じる、お姉ちゃん嬉しいよ。
「まったく・・・・こうしてれば可愛い妹たちなのに・・・。」
「うっ・・・迷惑だった?」
「ごめんなさい45お姉ちゃん。」
「ふふふっ、でも気持ちは嬉しいわよ、二人とも。」
そう言って頭を撫でてやるとくすぐったそうに身をよじる。可愛いなぁ。
じゃ、あんまり夜更かししてもダメだから寝よっか。
おやすみ、二人とも。
翌朝、両サイドからがっつりホールドされてトイレにも行けなかったので部屋を戻してもらうように頼みにいった。
end
番外19–3:ジャッジの日常
今更ではあるが、軍もそれなりの数の戦術人形を持っている。鉄血ハイエンドたちのクーデター以前はIoPよりもメンテナンスや運用面で軍配が上がりお得意様だったのだが、それ以降は一体も取引はなかった。
まぁクーデターといってもシステム乗っ取りとかじゃないので軍の戦術人形に影響はないが、やはり心象はよろしくないだろう。
そんな中で久しぶりに採用された鉄血人形のジャッジは、その責任感に心躍らせていた。
『ジャッジ、聞こえるか?』
「はい、大佐殿。」
『よし、今回の任務はこの男だ。 軍に属しておきながら政府に圧力をかけて国を動かす、実質独裁者だな。 コイツの確保だ。お前にはその間、コイツの私兵を相手してもらいたい。』
「了解です。」
『用意した部下は手練れだが油断するな、連中の武器は正規軍のそれと同じだからな。』
ヘリが大きく揺れる。通信で作戦を確認している間にもすでに作戦区域に到着したらしい。対空砲火が火を噴くが、最新鋭の輸送ヘリにはあまりにも時代遅れだ。
『よし、では頼んだぞ。 幸運を祈る。』
「了解。 ジャッジ、出るぞ!」
地表までまだ高度がある中、ジャッジは勢いよくヘリを飛び出す。敵の体制が整う前に両脇のマシンガンをばら撒き、その隙にヘリから仲間が続々と降り立つ。正規軍並みの装備のようだがどうやら練度自体は低いらしく、割と順調に制圧していく。
「くそっ! なんだあの人形は!?」
「新型なんて聞いてねぇぞ!」
「怯むな! 人形だろうと当たりゃ一緒だ!」
そう言って明らかに対人の火力を超えた重火器を持ち出すもハイエンド、しかも機動力に長けたジャッジ相手に当たるはずもない。建物の屋根から屋根、時には壁を走るというトンデモ機動で肉薄し、一人一人確実に始末する。
そんな感じで順調に進んでいたのだが・・・・・・ここは戦場、予想外の出来事は付き物である。
『ジャッジ、目標は確保した。 残存勢力に投降を呼びかけろ。』
「了解。 ・・・・・おい、聞け! 貴様らのリーダーは確保した。これ以上の戦闘は無意味だ、投降しろ!」
「無駄だ! そんな戯言など誰が信じるか!」
「ええい分からず屋どもめ・・・・ここで死んでなんになる!? さっさと投降しろ!」
「黙れ! この・・・・・・
まな板人形がっ!!!」
「・・・・・あ゛?」
自分の中で何かが切れる音を、確かに聞いた。というか後ろの部下たちもはっきりと聞こえていた。彼女が入隊してきてから禁句とされてきた、身体的特徴に触れるとは・・・・・・。
部下たちはとりあえず十字を切った。
「ガキはガキらしく返ってママのおっぱいでも吸ってろ!」
「俺たちを説得したけりゃナイスバディなねーちゃんを連れてくるんだな!」
「お前じゃ何年たっても無理だろうがな!!!」
「・・・・・・軍曹。」
「は、はっ!」
「ありったけのRPGを持ってこい。」
「え? し、しかし・・・・」
「持ってこい。」
「Yes,ma'am!」
ドカドカと運ばれてくる
「誰が・・・誰が万年まな板ぺったん娘だぁああああああ!!!!!」
チュドォォォォォォオオオオオン!!!!
涙目で振りかぶっては投げ、振りかぶっては投げる。盛大な爆発となんとも間抜けな悲鳴とともに宙を舞う私兵たち。
結局手持ちの弾頭全てを使い切るまで続き、哀れな私兵たちはボロ切れのようになりながらも一命をとりとめた。
「・・・・・・ジャッジ。」
「な、なんでしょうか大佐殿。」
「・・・・やりすぎだ。」
「りょ、了解・・・・・。」
end
番外19–4:持たざる者の逆襲
S09地区には各部屋に一つシャワーとバスタブがあり、一応そこでも体を流せる。しかし共用のシャワー室があるのと同様に、人間人形共用の大風呂もあるのだ。
その湯船に浸かり、ぐったりといまにも溶けそうな顔でくつろいでいるのはこの地区のマスコットにして愉悦部のG11である。ただし、その顔つきはいつもの幼さを残したものではなく、成熟した女性のそれであった。ついでにその下では二つの実りが湯船から顔をのぞかせている。
「あ゛あ゛〜〜〜生き返る〜〜〜・・・・」
「おっさんみたいな声だよG11。」
「ていうか未だに戻ってないのねソレ・・・やっぱりペルシカに診てもらったら?」
「そうする〜〜〜・・・・あれ?45、どうしたの?」
「な、なんでもないわよ、なんでも・・・・・・」
割と広めな湯船のはずだが、45だけは何故か他の人形から離れたところで浸かっている。湯気でよく見えないが、その視線は何故か水面のいたるところを行ったり来たりしており・・・・・
(・・・・・あぁ・・・なるほど。)
何か思いついたG11はニヤリと悪い笑みを浮かべると、先ほどまでの脱力状態からは考えられないくらいの機敏さで45に近づく。ギョッとする45に構わずそのまま進み・・・・・・その豊満な脂肪の塊を押し付けた。
「ぎゃあ!? な、何するのよG11!?」
「いやぁ〜、疎外感を感じてる45に寄り添ってあげようとね〜。」
「そ、疎外感なんて・・・・」
「本当に? さっきからみんなの胸ばっかり見てたけど?」
「っ!?!?!?」
やってることもそうだがそこで顔を赤らめる姿は思春期の男子そのものだ。もっとも別に劣情を抱いているわけではなく、単純な劣等感と妬みである。
416はもちろんだが、妹である9もそこそこデカイ。割と細身なゲパードだってある方だし、40も普通くらいにはある。G11という同志(と思ってるだけ)が失われたいま、この空間ではただ一人の
そんな絶賛メンタルダメージ中な45に、G11は情け容赦なく煽りたてる。
「そんなに羨ましいの? あっても邪魔なだけなのに?」
「お、押し当てないでよ・・・・」
「なになに? 何やってるの45姉?」
「お、私も混ぜてよ45!」
「お姉様! 私も入れてください!」
「ぎゃー!! なんでみんな来るのよ!」
「・・・・・・なにこれ?」
ただでさえ湯船の隅でG11の胸に溺れかけている45の元に9が、そして40とゲパードも加わる。四面楚歌・・・・というより四面巨乳?である。
溺れかけながらも必死に顔を上げると、目の前にいるG11止めが合う。ニヤリと笑い、この状況を生み出したことの達成感と45への優越感に浸りきった顔。
プツリッと45の中で何かが切れた。
「こんの・・・・・・おっぱいお化けが!!!」グワシッ!
「ひにゃああああああ!?!?!?!?!?」
「このっ! 脂肪の塊が!! なんだって言うのよ!!!」
「ちょっ!? 45、ストップ! ぎゃああああ!!!」
G11の制止の声など完全に無視して揉みしだく。周りが呆然とする中、ぐったりとしたG11を沈めてゆらりと立ち上がる45。その目は完全に据わっていた。
「乳でかはどこだぁああああああ!!!!!」
「きゃあああ!?45姉やめてええええ!」
「お、おちついて45ふにゃあああああああ!?」
「えぇ!? なんで私もおおおおお!?」
「・・・・え? 待ってなんでこっち来てるの私関係ないでしょうがああああああああ!!!???」
「・・・・・ふぅ〜スッキリした。 みんなのぼせないうちに上がりなさいよ。」
いつになくツヤッツヤな笑顔で風呂場を後にする45。その後ろに残ったのは、満身創痍でマネキンのように浮かぶ人形たち。
「じ、G11・・・・流石にやり過ぎよ・・・・・・」
「ご、ごめん・・・・・」
「45・・・・激しすぎるよぉ・・・・・・」
「だ、大丈夫ゲパード?」
「・・・・・・・・・」ブクブク
この日以降、45に対する胸の話題はしばらく禁句になったという。
end
これはヒドイ(いつもの)
さていよいよ夏休みですが、皆さんはいかがお過ごしですか?私はバイトとプラモとドルフロに明け暮れようかと思います(そこ!ダメ人間とか言わない!)
というわけで各話の解説
番外19–1
七十六話の後日談。
例のファンクラブが気合を入れてやってくれました。あとささやかながら原作要素を追加・・・・申し訳程度だけどね。
番外19–2
七十七話のその後。
どうやら私にはヤンデレを書くことができないようだ・・・・・ヤンデレ好きのみんなごめんね!
これでF45にお酒が入ったらどうなるんだろう?
番外19–3
七十八話の後、軍に配属されたジャッジのお話。
地雷を踏み抜くことに定評のあるやられ役の皆さんが今日も頑張ってくれてます。
全力投球RPGは人形だからできるんだよ!真似しちゃダメだよ!
番外19–4
七十九話で描けなかった部分。
ちなみにこれに似た話は結構前に考えており、その時は45姉の周りに春田さん、WAちゃん、FAL、57、カリーナを置く予定だった。
・・・・・ここまでしているが45姉が嫌いなわけじゃない、むしろ好き。