喫茶鉄血   作:いろいろ

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「狩人」って書くとブラボ感が増し、「ハンター」って書くとモンハン感が増しますね。
でもドルフロでハンターってなるともう彼女しかないという・・・ややこしいね!

そんなわけで久しぶりのクロスオーバー回!
登場するのはもちろんコイツら!
注)あとがき含めて長いけど許して!


CO-3:狩人(ハンター)たちの銃

どこかの施設の薄暗い通路。ところどころに汚れが目立ちそこがすでに真っ当な施設ではないことがわかる。照明もほとんどが消えており、残りわずかな明かりだけが細々と照らしている。

そんな中、通路の奥から銃声が鳴り響く。それも一発ではなく何度も何度も。それは通路の突き当たりにある部屋・・・ドーム状になった大部屋から聞こえてくる。

 

 

「ちっ・・・ちょこまかと鬱陶しい・・・!」

 

 

そう言って舌打ちしながら二丁のハンドガンを連射するハンター。その眼前には、四つ足の蠍のようなロボットが赤いモノアイを光らせている。

今回ハンターが請け負った任務は二つ。うち一つが違法な研究を続ける研究者の男の確保、そしてもう一つがこの実験兵器の破壊である。もともと未完成で動いてすらいなかったのだが、男の最後の悪あがきか強制起動装置を作動、眼前のものすべてを敵と認識する怪物が五体も解き放たれた。

ようやくの思いで二体破壊したものの、それによって学習したのか残りの三体は連携しながら襲いかかり、今現在はハンターの方が押されている。

 

 

「何とか外に・・・・・だがコイツらを出すわけには・・・」

 

 

幸いなことに出入り口は一つで、そこさえ通さなければ無人機は外に出ることはない。だがそれはハンター自身も救援を呼べないことでもあり、時間の問題でもあった。

そして、出口に意識を向けた一瞬の隙が命取りだった。突然突っ込んできた一体に驚き回避するものの、その直後に払われた尾が思いっきり叩きつけられる。

 

 

「かはっ!?」

 

 

もとより機動型で防御面では優れないハンターは容易く壁まで吹き飛ばされ、その拍子に武器を手放してしまう。顔を上げると先ほどの一体がとどめを刺すべくこちらに近づき、残りの二体はすでに出口へと向かっている。それを止めようにも武器は離れたところにあり、どうあがいても間に合いそうになかった。

 

 

(・・・・ここまで・・・なのか・・・)

 

 

脳裏によぎるのは最愛の二人の人形。二人を悲しませないと約束したはずなのだが、それはどうやら叶わないようだ。

恐怖と怒りの瞳で睨みつける中、無人機は先端の尖った尾を振り上げ・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしそれが振り下ろされることはなかった。

突如、部屋の中心から淡い光が溢れ出し、無人機たちが動きを止めたのだ。やがて光が治ると、そこには一本のランタンのような明かりと、黒っぽいコートにつば付きの帽子を被った人物が立っていた。帽子を目深にかぶり口元には防塵布のようなものをしているため顔はわからない。そしてその手には、無骨ながらどこか洗礼された一丁の銃が握られていた。

 

 

「?・・・・・・ここは、新たな『悪夢』か・・・それにこの姿は?」

 

 

静かにつぶやくその声からどうやら女性であることがわかる。セミロングの銀髪をゆらす彼女はまるで違う感触を確かめるかのように手を握っては開き、銃を撫でながら周りを見渡す。妙に落ち着いているが、しかし周囲の警戒を怠っている様子もない。

だが先ほどの光と突然現れた彼女を、無人機たちは敵とみなしたようだ。最も近くにいた一体が、一直線に襲いかかる。

 

 

「っ! 危ない!」

 

「・・・・・・・・。」

 

 

ハンターが警告するも首を向けるだけで動こうとしない。そして目前までやってきた無人機が足を振り上げ・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パァン!

 

「なっ!?」

 

「・・・・当たり。」

 

 

振り下ろし直前の足に銃弾を当て、無人機の体勢を大きく崩す。何かに納得したようなつぶやきを発すると、今度は無人機に歩み寄りモノアイの前で大きく腕を後ろに引いた。

 

 

「ふっ!!」

バキィッ!・・・・ベキッ・・ブチブチ・・・・・ピーガガガガ・・・・・・

 

「」

 

 

ハンターは開いた口が塞がらなかった。突然モノアイに腕を突き立てる(この時点で既に信じがたい)と、中の配線やら基盤やらを一掴みして一気に引きずり出した。構造上、確かにモノアイ部分は一番脆い。だがそれがイコール腕でぶち抜けられるわけではない。

そんな見るも無残な始末を受けた無人機は、ピクリとも動かなくなる。

 

 

「・・・・からくり? まぁいいか。」

 

 

まるで返り血のようにオイルを浴びまくった女性は、まるでそれがいつものことであるかのように腕を一振りし、軽くオイルを払う。そんな光景に、ハンターは確かに恐怖を覚えた。

もちろん無人機たちもだ。得体の知れないことに加えて味方をあっという間にやられたことから優先排除すべきと考えたのだろう。一度距離をとって連携するそぶりを見せる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

が、今日はもしかしたら厄日なのかも知れない。

ドーム状になった、天井がふさがっていて何も落ちてこないはずの上から叫び声が聞こえる。

 

 

「うわぁぁあああぁああぁああああああ!?」

 

「こ、今度はなんだ!?」

 

「・・・・・・ほぉ。」

 

 

まるで天井から降って湧いたかのように現れたのはまたしても珍妙な格好の(今度は女性とはっきりわかる格好だった)女性だった。

やや露出の多い革製の服装に、自身の丈近くありそうなサイズのこれまた奇妙な形の銃。ボウガンと銃を足して二で割ったような見た目だった。

 

そんな女性は叫び声を上げたまま落下し・・・・・・・

 

 

 

ちょうど真下にいた無人機の背中に乗っかった。

当然無人機は背中の異物を振り払おうと暴れ出し、女性は必死にしがみついたまま振り回される。

 

 

「うわっ!? よりによってモンスターの背中とかついてないな私ってそんなこと言ってる場合じゃないわね!?」

 

「な、なんなんだ・・・・・。」

 

「・・・・愉快な女。」

 

 

意外と余裕がありそうなのでそのまま見ていることにした二人。

乗っかられた無人機はその場で飛び跳ねたり壁に体をぶつけたりしながらなんとか振り落とそうともがくが、女性は落ちないどころかむしろそんな動作の合間にナイフのようなもので背中を滅多刺しにしていた。

 

 

「そんな程度で振り落とせると思うな! こちとら飛竜だろうが魚竜だろうが古龍だろうが乗り続けてんのよっ!」

 

 

などと訳の分からないことを叫びながらナイフを突き立て続け、やがて背中の装甲の一部が剥がれ落ちる。女性はそのタイミングで背負った武器を構え、銃口を突き立てる。

 

 

「くたばれっ!!!」

 

 

トリガーを引き、ありったけの弾を叩き込む。これには流石に耐えきれなかったのか、無人機は大きくよろめき倒れこむ。そのまま飛び降り綺麗に着地した女性は、すぐさま武器を構えて発砲する。もう一機が駆けつけようとするが、そこは復帰したハンターが応戦する。

 

 

「・・・・・面白い悪夢。」

 

「そこのお前、すまないが手伝ってはもらえないか。」

 

「構わない、が・・・・もう終わりそう。」

 

 

見ればボウガンの女性が相手をしている方はすでに満身創痍といった感じで、それも女性が最後に放った爆発する弾『徹甲榴弾』で沈黙する。すると今度は地面に何かを打ち込み、二人に手招きで合図を出す。

 

 

「『こっちに来い』・・・・と言いたいのか?」

 

「そうらしい。」

 

 

二人が走り、その後ろから怒涛の勢いで追いかける無人機。やがて二人が()()()()()()()()を通り過ぎ、無人機が差し掛かったところでボウガンの女性がトリガーを引く。寸分たがわず地面の球を撃ち抜くと途端に爆発を起こし、足を破壊された無人機が倒れ臥す。

 

 

「・・・・好機。」

 

 

それをチャンスと見た短銃の女性は再び走り、無人機に肉薄する。先ほど仲間が葬られた一撃を危惧してか無人機はわずかな力で胴体を持ち上げ、モノアイ部分を死守する。

・・・・・だが、その程度では気休めにもならないのがこの『狩人』である。

 

 

「・・・・・終わりだ。」

バキャア!

 

「う、嘘ぉおおおおおお!!!?」

 

「そ、装甲を素手で・・・・・」

 

 

何度も銃撃を受けて脆くなっていたとはいえ、未だしっかり役目を果たす装甲を素手でぶち抜く。よくよく見ればわずかな隙間と周りに無数の亀裂があるのだが、だからといって素手で破られるとは思はなかっただろう。

結果、先ほどのやつと同様にまるで内臓を引きずり出されるかのように配線やら何やらを引き抜かれ、あえなく沈黙する。

 

さてそんな残虐劇を繰り広げた彼女だが、身に浴びたオイルを気にすることもなくこちららに振り向き、未だに戦慄と驚愕の表情を浮かべる二人に一言。

 

 

「・・・・・誰だ?」

 

「え? 今更?」

 

「いや、それはむしろこっちのセリフだ・・・・・というかどこから湧いてきたお前たち?」

 

 

結局この後、救援兼調査隊が到着するまでの間二人の支離滅裂な自己紹介に、ハンターは頭を抱えることになるのだった。

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

数日後。

任務の成功と負傷の休養、そして保護された二人のことなど諸々を押し付けられる形で休暇をもらったハンターは、こういう非常識な事態に慣れているらしい代理人の元を訪れる。

 

ちなみにこの二人にはもともと名前がない・・・というよりも人ですらなかった。

皮の装束のような女性が名乗ったのは『獣狩りの短銃』。獣とはなんだとか悪夢とはなんだとか説明されたがさっぱりなので、彼女の話にあった街の名前から『ヤーナム』と呼ぶことにした。

もう片方の女性は『チェーンブリッツ』。こちらもこちらで竜だとか新大陸だとかちんぷんかんぷんなので、名前を縮めて『チェーン』とした。

 

・・・・・というところを含めて代理人に説明すると、意外なことにアッサリと信じてもらえた。やっぱり慣れているし、どうやら前例もいるらしい。

 

 

「お二人によく似た境遇の方を知っています。 その上で言えば、あなた方が元の世界に帰ることはほぼ不可能でしょう。 それを踏まえて話を聞いていただきたいです。」

 

「あ〜・・・まぁ仕方ないかぁ。」

 

「・・・・・未練はない。」

 

「そう言っていただけて助かります。」

 

 

驚くくらい元の世界やら持ち主に未練のない二人。これも聞けば片やいろんな武器を使っているうちに忘れられ、片や武器なんてものがいらない存在になったらしい。

・・・・・前者はともかく後者は首を突っ込んではいけない気がする。

さてそんなわけで二人とも代理人のつてで鉄血工造運営のPMCに・・・ではなく普通に鉄血工造の社員兼戦力として渡ることになった。理由は二人とも同じで、人殺しのための銃ではないとのこと。その点をしっかり考慮し、こういう時に頼れるゲーガーとサクヤに話を通してOKをもらった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これで終わればめでたしめでたしだったのだが、そうはいかないのがここ喫茶 鉄血・・・・・具体的には、ハンターに災難が降りかかる。

突如として店の扉が力強く開け放たれ、ぱっと見全く同じ姿の二人が大股でハンターに詰め寄り、同時に声をあげた。

 

 

「「ハンター! 浮気したって本当なのっ!?」」

 

「なっ!? そんなわけあるか!」

 

「でも聞いたのよ、ハンターが・・・・」

 

「美女二人を連れてきたって!」

 

 

目に涙を浮かべながら私怒ってますという態度を隠そうともしないAR-15とD-15。誰だ一体そんなバカなことを吹き込んだアホは・・・・・と店を見渡すと、一体の人形と目が合う。一見人畜無害そうなゆるい顔を思いっきりにやけさせ、その顔に『私がやりました』という文字が見えるくらいしてやった表情を浮かべる人形、ここの常連のG11だった。

 

 

(き、貴様かぁあああああああああ!!!!!!)

 

 

思わず殴りにいってやろうかとも思ったが、残念ながら行動に移す前に封じられた。AR-15とD-15の二人が両腕に強く抱きつき、なんとも黒い笑みを浮かべている。

 

 

「ハンター、誰があなたの彼女なのか・・・・もう一度教えてあげる。」

 

「今日は寝かさないから。」

 

「待て、誤解だ、だから落ち着k「「言い訳無用!!!」」ああああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」

 

 

ズルズルと引きずられ、無情にも閉まる店のドア。

それを呆然と眺めるヤーナムとチェーンだったが、代理人の『よくあること』という説明に納得した。

 

 

 

 

後日、二人の探索能力や観察眼の高さを評価されて遭難者等を探すレスキュー隊に送り込まれることになるのだが、それはまた別の話。

 

 

 

end




やっちまった(いろんな意味で)
というわけで『ハンター』に由来のある銃を集めてみました。こう見ると狩人たちの生き様というか矜恃というか、そういうものって結構大事なんだなと思います。


さてでは早速キャラ紹介

獣狩りの短銃・ヤーナム
『Bloodborne』より、狩人の初期装備の一つ。初期武装=弱いというある種法則を無視したフロム系作品の例に漏れず、こいつも普通に使い勝手がいい。
銃種はハンドガン、服装は狩人装束、銀のセミロングでなんとなくマリアっぽいが全く関係ない。無口ではないが言葉数が少なく、しかも多くの場合が独り言。
スキルは『内臓致命』。スキル発動後、『敵のカットイン攻撃』に合わせて攻撃し、カットインを強制停止後に火力の5倍のダメージを与える。一戦闘につき一度しか発動しないが、敵の無敵時間を止められるうえにダメージを与えられる。

チェーンブリッツ・チェーン
モンハンではおなじみの武器。よくはないが悪くもない性能の、初心者に優しいライトボウガン。
銃種は強制スラッグ弾のショットガン、服装はレザー装備、青みがかった黒髪のショートで、割と快活なイメージ。ムードメーカー的な感じで、口数に少ないヤーナムとも会話ができる。
スキルは『起爆榴弾』。敵側の中央に設置して起爆、火力の3.5倍のダメージを与える。初期チャージはないが次までのチャージが異様に長く、連戦ではチャージ時間が引き継がれる。1ターン経過でチャージ完了。

ハンター
ハンター(狩人)繋がり。
今回の被害担当。

無人機
モデルは『ホライゾン』に登場するコラプター。
ランチャーは積んでいないので近接攻撃のみ。




話は変わりますが、さきほど福袋を買って抽選したら95式の『グレース』が当たりました!あと建造でIWS2000も来てくれました!!
あとはガチャで416スキンを狙うだけですが・・・・・皆さんはコインに課金してますか?
私の場合は確実に得られるものがある時にしか課金しないので、今ある分のコインだけにしようと思っています。
あとは一周年記念の星5交換ですね。一回のリスクが大きいショットガンか、今一番欲しいVectorか・・・・・。

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