今回は
・ポンコツ姉さんの日常
・似合う?
・無いなら作ればいい!
の三本です。
番外2-1:ポンコツ姉さんの日常
「よーし、演習終了!」
S09地区郊外にある訓練場。
そこではMG5を隊長とした新設部隊が訓練をしていた。先日導入された新型人形の
「テロ相手には過剰戦力だろうがな。」
「どうかしら? 殲滅するならこれくらい必要よ。」
MG5のぼやきにそう返すのはRMB-93。今回加わったSG人形である。ぼんやりとした喋り方のわりに思考がやや危なっかしいとMG5は思う。ちなみに彼女はまだMG5がポンコツであることを知らない。
「皆さん、お疲れ様でした。」
「想像以上の結果だ。 これなら部隊として十分に運用できるだろう。」
と言いながら近づいてくるのはMGの長のMG34と指揮官。今回の演習の監督官でもある二人から賞賛の言葉をもらい、喜びをあらわにする人形たち。ちなみにMG5は
「特にMG5。 新造された人形たちの部隊であるにもかかわらず、よくやってくれた。」
「
「ほほぅ、それはそれは。」
突然の言葉にビクッとするMG5。見れば何やら
「正直ここまでできるとは思っていませんでしたが、まだまだ伸びしろがありそうですね。 ・・・指揮官様、彼女たちの実戦投入はまだ先になりそうですか?」
「ん? あぁ、とりあえずはな。」
「わかりました。 では少しの間私に預けて頂いてもよろしいでしょうか? 」
あのMG隊の教官に教えてもらえるの!?とテンションを上げる隊員たち。それを静かに見るMG5の目からはすでに光が失われていた。
(頼む指揮官。 何とか断ってくれ!)
「わかった。 任せよう。」
(あぁ、終わった・・・)
こうして演習は終わり、彼女たちはさらなる
番外2-2:似合う?
『○月△日の16時頃に16labの第二宿舎に来てください。 待ってます。』
ある日、ハンターの職場に届いたなんとも可愛らしい手紙に書かれた妙に丸っこい字。差出人は確認したが字だけでもわかるこの手紙を送ってきたのは、普段は勝気なくせにすぐに落ち込む可愛らしい人形(ハンター談)のAR-15である。
カレンダーを見ればその日は一応空いている。上司に一応相談したところ、まるで来るのがわかっていたかのように有給を言い渡された。
で、当日
ペルシカに話しをすると渡されたのはある服とロングコートの入った紙袋。
「それに着替えてから行きなさい。 あと、部屋に入るまでコートは脱がないように。」
と言って送り出される。何か知っていそうだったが、行けばわかるとだけ言って研究室に消えていった。
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同施設 第二宿舎 15:56
とりあえず着替えて来たはいいものの、さっぱり意図が見えないハンター。最悪ペルシカの悪ふざけだった場合を考えさてその時はどうしてやろうかと考えを巡らせながら扉を開ける。
まず目につくのはいかにも学校にありそうな机と教壇、黒板にコルクボード。実際の教室ほどではないがそこそこ広いその部屋の窓際に、
扉の音で気づいた彼女がゆっくりと振り返る。
「・・・・・」
その姿に言葉を失うハンター。
そこにいたのはブレザーに身を包み、マフラーを巻いた女神であった。私服はよく見るがこれは予想外だ。ただ、彼女も彼女で割と恥ずかしいらしく頬を赤く染めながら、
「・・・その・・・似合う?」
と困ったような表情で聞いてくる。
しばらく見とれていたハンターだが、クスクスと笑うと
「あぁ、似合ってるよ。 なるほどそれならこの格好にも納得だな。」
「?・・・!?」
コートを脱ぐと今度はAR-15が言葉を失う。
ハンターが来ていたのもなんとブレザー(ただし男物)だったのである。
「渡されたから着てみたんだが・・・どうだ?」
「・・・・・かっこいい・・・・。」
「それは良かった。 似合ってなかったらどうしようかと思っていたよ。」
そう言いながらAR-15の元へ歩み寄るハンター。
そのまま背中に手を回し口づけをする二人。
西日が差し込む教室で、二人は再会の喜びを分かち合った。
「悪いわね、家具の手配をさせてしまって。」
「構わんさ。 あの二人は貴重なネタの提供者だ、権限の一つや二つ使ってやるさ。」
「・・・ほどほどにね。 バレたら私もやばいんだから。」
「分かってるさ。・・・む! どうやらキスだけでは済まなかったらしいぞ(じゅるり)」
「ヨダレ出てるよヘリアン。」
番外2-3:無いなら作ればいい!
「聞きましたわよデストロイヤーさん! あなたには胸の大きくなるスペアがあるそうですね!」
「はぁ? 『ガイア』のこと? あるにはあるけど、どうするのよ。」
デストロイヤーの貴重な休日に突撃をかましたのは破天荒チビお嬢様のKar98k。
あの日以来、貧乳の希少価値というものに理解を示していたものの、最近になってまた巨乳への願望が首をもたげてきたのである。
「言っておくけど、あれは私にしか使えないから意味ないわよ。」
「もちろん存じておりますわ。 ですからペルシカさんにお願いして私用のものを作って頂こうかと。」
要するにサンプルとして貸してくれという話らしい。まぁ実際使うこともない上に目の前で悩んでいる人の役に立つならと、とりあえず了承したデストロイヤー。
後日16labに送ると約束してその日は別れた。
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そらからしばらく立った日のこと。
ガイアは送ったその日に解析が終了、その二日後にはすでに試作一号機が完成したらしい。
今頃ご満悦だろうなとデストロイヤーは考えながら行きつけの店に入ると、
「デスちゃんさん〜〜〜〜!!!」
「デスちゃんさん!?」
何やら聞き捨てならないあだ名を叫びながら走ってくる98k。
デストロイヤーに抱きつくや否や、
「なんなんですかあれは!? 足元は見えませんし肩は凝りますし指揮官には抱きつこうとしたら逃げられますし何もいいことがありませんわっ!!!」
(あ〜指揮官さんの理性も限界だったのかな〜)
と、巨乳への不満を爆発させる98kと遠い目で呆れるデストロイヤー。 まぁ確かにロリ体型だったからこそのスキンシップだったのが色々と当たるようになると、精神衛生上よろしくなさそうではある。
「決めましたわデスちゃんさん。 私は私のままで指揮官にアタックしますわ!」
「あーうん、頑張ってね。」
それではまた、と言って去っていく98kの背中を見ながら思う。
あの人形とは長い付き合いになりそうだなぁ、と。
ペルシカさんが便利すぎる。まぁ研究者でお偉いさんでってなると使い勝手がとてもいいんだけどね。
番外編はなるべく短くを意識しているんですが、どうなんでしょうかね?
というわけで各話の解説です。
2-1
第四話の後日談。
小隊長としての実力を身につけた代償としてMG34に対するトラウマが芽生えてしまったMG5さん。泣き虫ポンコツなところは変わっていませんが自分の行動に自信を持つことができました。
この話を執筆中にRMB-93が来てくれたので急遽出演が決まりました。
2-2
第五話で可決された制服スキンの話。
ちなみにハンターのものはスキンではなくただのコスプレ。どうにかしてムードを盛り上げたいAR-15に新しいスキンを勧め、場所と時間を設定し、ヘリアンに頼んで春の教室セットを配置したペルシカは相当の親バカ(?)だと思う。ヘリアンは新刊のネタにすることを条件に承諾。
この二人の話が書いていて一番楽しい。
2-3
第七話の騒動の後。
本編では出番がなさそうなガイアの唯一の出番。ちなみにデストロイヤーは一度これを体験しており、必要ないと切り捨てた。巨乳に抱きつからたら慌てるくらいには普通の男性な指揮官。背が高くて巨乳の98kはそれはそれでアリだと思います。
2-2 ボツ案
〜二人の『お楽しみ』を、たまたま16lab に来ていたM4がのぞいてしまった〜
AR-15「そこでナニをしているのかしらM4?」
M4「あ・・・その・・・これは・・・」
ハンター「覗きとは、悪い子猫ちゃんだな。」
危うくR-18展開になりそうでした。