喫茶鉄血   作:いろいろ

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まさかの三話連続コラボ回。

今回は『通りすがる傭兵』様のところから元指揮官の戦術アドバイザーと指揮官の後輩ちゃん・・・・・どうするか悩んだ結果いつも通りのガバガバ世界線にすることにしました。
まぁ一回ガンスミスがこっちにきたしね!(サムライエッジ回参照)


第九十二話:(自称)恋人の先輩と後輩

恋愛、と一口に言ってもその形は様々だ。人間同士や人形同士、あるいは人間と人形。純愛から同性愛に独占欲丸出しのだいぶん歪んだ愛情にそもそも一方的なものまで。もちろん代理人自身は恋愛経験などなく、別に彼氏募集中でもないが、彼女の周りは意外と多くのカップルがいたりする。

だが、彼女は思う。目の前の二人ほど先に進まなさそうなカップル?はいないだろう、と。

 

 

「先輩、あ〜〜〜〜ん!」

 

「何? この何も刺さってないフォークをあんたに突き立てればいいの?」

 

「辛辣ッ!? でも先輩のそういうところがいいんです!」

 

「はぁ・・・・・ただでさえよくわかんない所に来たってのに、なんであんたはそんなに元気なんだか」

 

 

いかにも憂鬱ですという表情で隣にいる男性をあしらう女性。二人とも小柄なので一瞬子供か?とも思ったが、男性の方はグリフィンの制服を身に纏い女性の方はラフな格好だがグリフィンの部隊章をつけていることから、それなりの立場であることがわかる。

が、そんな彼女らは店に入って早々に挙動不審となり、メニューの値段表記を見てさらに困惑していた。この手のリアクションを何度か経験した代理人でなければ、最悪通報されそうなほど怪しかった。

 

 

「悪いわね、ご馳走になっちゃったのに騒がしくて」

 

「いえ、構いませんよ。 こういうことは慣れていますから」

 

「・・・・・その感じだと、私の持つ違和感の正体も知ってそうね」

 

 

ジロッと値踏みするように見つめる女性。この反応もある意味正常なもので、むしろユノちゃんのような方が稀だ。

・・・・・あの無警戒さで大丈夫だろうかと思うことも多々ある。

 

 

「ふむ、そうですね・・・・・ユノちゃんやタカマチ指揮官をご存知ですか?」

 

「え、ええ」

 

「彼女たちもここを訪れたことがあります。 ちゃんと元の世界に戻ったようですので、心配せずとも戻れますよ」

 

「「・・・・・・は?」」

 

 

となりの男性もろとも、ポカンと口を開ける。まぁいきなり知り合いの名前を出されたり元の世界とか言われても、ということだろう。もちろんこういう反応も想定内なので、順を追って説明する。

まず彼女たちは街へ買い物に出かけた。やはりというべきか別世界の指揮官らであったようで、女性の方は前任の、男性の方は現在の指揮官だそうだ。そしてたまには寄り道をということでフラッと路地に入り、そこを抜けるとまるで違う場所に出てしまったという。元の道を戻っても変えることができず、さまよい歩いた結果ここにたどり着いたとか。

そんなわけで代理人はここの世界の情報を話しつつ、必要があれば新聞などの物的証拠も持ち出す。ここまですればさすがに信じざるを得ないようで、唸りながらもなんとか飲み込めたようだ。

その間に後輩ちゃんはケーキを二つ平らげてしまった。

 

 

「・・・・・まぁ、一応は納得するわ。 けど本当に帰れるのよね?」

 

「私の知る限りでは、ですが」

 

「先輩、心配しすぎてもどうしようもないですよ、はいあーーん!」

 

「あんたねぇ、指揮官ならもうちょっと危機感をってそれ何個目よ!?」

 

 

先輩後輩という関係だけあってやはり仲はいいようだ。微笑ましく眺める間も二人の言い合いというかイチャつきは続く。やれ指揮官としては優秀だけどそれ以外はポンコツだの、やれ女性としてもう少し慎みを持って欲しいだの、やれガンスミスにもうちょっと構ってやれだの・・・・・うん?

 

 

「すみません、今ガンスミスと言いましたか?」

 

「全くあんたは・・・・・え? えぇ、言ったけど」

 

「ガンスミスさんって、有名人なんですね」

 

「一応ですが、その方は銃を見れば語らずにはいられない方でしょうか?」

 

「「ソイツ(その人)です」」

 

 

よもやこんなところで以前訪れた客の知り合いに出会うとは・・・・・世の中、というか世界は意外と狭いのかもしれない。別世界だけど。

さて共通の友人という話のタネが見つかってからは話が弾みに弾み、その間に後輩ちゃんがケーキを全種類制覇して先輩が頭を抱え、お代は結構ですよと代理人が言うとパァッと顔を輝かせ・・・・・そんなこんなで結構な時間が経った時。

 

 

・・・・チリーン・・・・

「ん?」

 

「え?」

 

「・・・・おや、鈴の音が聞こえたようですね。 名残惜しいですが、そろそろ帰るお時間ですよ」

 

 

指揮官と後輩ちゃんは顔を見合わせ、首をかしげる。だが周りの客に聞こえた様子が見られず、それはつまりあの音が本当にその合図だと言うことなのだろう。

席を立ち、代理人に礼を言う二人。すると代理人は空き瓶を一つ手に取ると、ブレンドしたコーヒーを瓶いっぱいに詰めて手渡す。

 

 

「そちらでは、天然のコーヒーはなかなか手に入らないそうで・・・・・こちらはお土産としてお持ち帰りください」

 

「え? いや、悪いですよ」

 

「貴重なお話を聞かせていただいたお礼ですよ。 ぜひ、ガンスミスさんにも開けてあげてくださいね」

 

「・・・・そうね、じゃあありがたく貰っておくわ。」

 

「はい。 きっともと来た道を戻れば帰ることができるはずです、お元気で」

 

「えぇ、ありがとう」

 

「ケーキ美味しかったですよ!」

 

 

瓶を抱え、二人は店を後にする。その背中が見えなくなるまで、代理人はにこやかに見送り続けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

もちろん二人はこの後あまりにも帰りが遅いので副官にがっつり怒られるのだが、それはまた別のお話。

 

 

 

end




後輩ちゃんを出して、って言われたけど後輩ちゃんだけじゃ難しかったので指揮官ちゃんも出させていただきました。
・・・・・正直特徴を捉えている自信が全くないんですが、間違ってたらごめんなさい傭兵さん!


そんなわけでキャラ紹介

指揮官
ガンスミスんとこの『元』指揮官。詳しくはそっちで。
後輩ちゃんといる時の苦労人感がなんとも言えない。

後輩ちゃん
ガンスミスんところの『現』指揮官
中性的な顔立ちの男性で、指揮官ちゃんに想いを寄せている。がそのアプローチがだいぶアレなので失敗続き。



リクエストとか色々受付中!
頑張って応えていくぞ☆
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