というわけで今回は依頼がありましたので『葉桜さん』様の『鉄血もグリフィンも争わない平和な世界を死に損ないが満喫するだけ』とのコラボ!
あっちではすでにDちゃんがお世話になっていますが、これはそれとはまた違う分岐・・・ですのでDはちゃんとうちにいます。
「う〜〜〜〜〜〜ん・・・・・不思議なこともあるんだねぇ」
「この短期間に二度もとは・・・・・」
「二度あることは三度あるって言うし、また来るんじゃないの?」
「まぁ来ていただいている以上はお客様ですが、何かしらの対策はしておいた方がいいのかもしれませんね」
複雑そうな顔でテーブルを囲む四人の人形。アーキテクト、ゲーガー、D、そして代理人の目の前には、つい先日ここを訪れたある少女が置いていった大きいサファイアと端末が置かれている。
喫茶 鉄血が始まって以来、大勢の客が訪れるようになってきたのだが、時たまどこからともなくフラッと現れる客がいる。彼らに共通するのは、皆
「例の転送装置は?」
「ん〜、サクヤさんが動かしたっきり動いてないよ」
「それにあの機械ができる前からこのようなことが起きています。 無関係と言っていいでしょう」
「それにしても、なんでこの店なんだろうね?」
そう、そんな客が来るのは決まってこの店なのだ。もちろんサクヤやノインのようにどこか違う場所で見つかることもあるが、それはその場所で命を落とすようなことがあったから。だが迷い込んできた者はなんの因果かここにしか現れず、グリフィンやIoP、鉄血で調査しているもののここ以外ではそんな事例はないらしい。
むむむと唸る四人だったが、そんな時従業員であるイェーガーが代理人を呼びにきた。
「あ、すみません代理人。 少しいいですか?」
「? ええ、なんでしょう」
「えっと、先程男性の方が一人来られたのですが・・・どうにも話が通じなくて」
「話が通じない?」
「はい。 なんでも、『鉄血工造はいつのまにカフェまで始めたんだろう』って・・・・・」
「「「・・・・・・・・あ〜」」」
「・・・・・噂をすれば、というやつですか」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
さて表に戻って出迎えてみれば、なるほど挙動不審な男性が一人。見た目は二十代前半といったところで、まぁ悪くない外見だと思う。整備士と思しき道具をぶら下げた服にはグリフィンのマークが入り、ついでにこのご時世のグリフィン非戦闘社員には珍しいハンドガンが腰にぶら下がっている。
・・・・・うん、十中八九
「いらっしゃいませ。 本日は一名様でお越しですか?」
「え? あ、はい・・・・・失礼ですがここは・・・?」
「当店は初めてですね? ここは『喫茶 鉄血』、私はここでマスターをしております、代理人と申します。 以後、お見知り置きを」
この辺りはまぁマニュアルというか、一応こういう店ですという紹介だけ行う代理人。これに男性はポカンとした表情で、だが代理人やDにはその表情に見覚えがある。
これは人形が店主であるというよりも、『なぜ代理人が?』という表情だ。
「なにやら事情がおありの様子、よろしければこちらでお話を伺いましょう」
そう言って困惑する男性をカウンター席に案内する。とりあえずサービスでコーヒーを出し、少し落ち着いてから再び話を始める。
「さて、ではお名前を伺っても?」
「ああ、俺は『リオン』、リオン・アッシュフィールド。 グリフィンの整備士だ」
そこから彼が所属する司令部のこと、そこの指揮官のこと、そして・・・・・鉄血のハイエンドたちが部屋でくつろいでいることなどなど。もちろんそんな事実は存在しないし、代理人含めどこかの司令部の一室を占拠するようなことはしていない。またこの話と同時にアーキテクトがグリフィンに問い合わせてくれたようだが、やはりリオン・アッシュフィールドという人物は存在しなかった。
「・・・・・なるほど、それで気がついたらここに」
「司令部とも連絡がつかず、困っていたところなんだ。 助けてくれてありがとう」
「それはどうも。 ですが・・・・・これはあなたにとってショックなことかもしれませんが・・・・・・」
ん?という顔で代理人を見るリオンに、代理人は真剣な表情で答える。
「ここは、あなたが住む世界とは違う世界です」
ガタッ
思わず椅子を倒しながら立ち上がるリオン。その顔は驚愕のの色に染まっており、信じられないとでもうようなものだった。
無理もない、だがこのままでは不安なままなので先に無事帰ることができることだけでも伝えておこう。そう口を開こうとしたその時、
「ま、また・・・なのか・・・・?」
「? また?」
リオンの言葉に、今度は代理人が固まった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
さてそこからさらに数十分。今一度互いの情報を共有し始めてみれば、出てきたのは驚くべき内容のものだった。
リオン・アッシュフィールド。彼はもともとグリフィンと鉄血が敵対する世界に住んでおり、そこで死んだ。しかし眼が覚めるとそこはグリフィンも鉄血も敵対しない世界、こちらでいうサクヤのような現象が起きたのだ。その世界では彼は存在せず、新たに用意してもらった身分で今に至る、というわけだ。
だからこそ、彼はこう思ったのだろう。『自分は死んだ、もう仲間たちに会うことはない』と。
その様子があまりにも不憫なので、もう色々とすっ飛ばして先に伝えることにした。
「あの、リオンさん。 心配せずとも帰ることはできると思いますよ?」
「・・・・・・は?」
「その・・・・どう説明しましょうか。 ともかくこう言った事例は何度かありまして、皆さん無事に帰っていったようですので」
「何度かって・・・・そんなにあることなのか?」
「えぇ、この店に限れば」
「嘘だろ・・・・・」
それについては代理人も同感だ。そんなファンタジーな現象が何度もあっては困る。だが現実として何度もあり、代理人ももうそういうものだと諦めている節がある。
帰ることができる、というのを聞いて安心したのか、リオンはヘナヘナと椅子に座り込んで机に突っ伏す。
「ご心配をおかけしました」
「いや、代理人が悪いわけではないので」
「・・・・・よろしければ、そちらの私たちの話を聞かせていただいてもよろしいでしょうか?」
このなんとも言えない気まずさをなんとかすべく、ついでに気になった別の世界の自分たちの様子を聞いてみる。リオンの方もちょっと驚きつつ、だがなにかしら話していないと落ち着かないと思ったのかちゃんと話してくれた。
ほぼ毎日のように人形たちが部屋に上がり込んでくること。男勝りでまっすぐな処刑人や面倒見のいいハンター、情報屋としてなんか軽い騒ぎを起こしたイントゥルーダーにアルケミストのことが大好きなデストロイヤー、そんな彼女を溺愛しているアルケミストや、煽ることに関しては抜群のドリーマー。アーキテクトとゲーガーに関しては似たようなものらしく、ウロボロスは黒光りするGに鉛玉を使うというポンコツっぷり。スケアクロウは・・・・・きっと彼にとって特別なのかもしれない。
「・・・・・ふふっ。 そちらも随分と楽しそうですね」
「え? 話聞いてた?」
「ええ、もちろん。 みなさんがリオンさんのことを好いているということがよく分かりました」
納得いかねぇという顔のリオンを無視し、せっかくなのでと袋にコーヒー豆や茶葉を入れていく。次に会うことはないかもしれない客だけの、特別なお土産だ。それを差し出すと流石にリオンも一度は断るが、強引に押しつけるようにして手渡す。
「・・・・ここらへんの強引さも変わんないのかな」
「あら? その割には顔が笑っていますよ?」
「うるせえ」
軽口を叩きながら、リオンは席を立つ。代理人もそれに合わせて入り口まで見送りに行き、最後の挨拶を交わす。
「このまま帰れば、きっと帰れるはずです」
「そうか・・・・・世話になった、ご馳走さま」
「えぇ、ではまた」
「あぁ、またな」
紙袋を抱え、まっすぐ帰っていくリオンを見守る代理人。その横からヒョコッと顔を出すDと目をわせると、互いにクスッと笑い会う。
「・・・・・今度は、そういう方用のメニューも作りましょうか?」
「いいね! でも料金とかはどうするの?」
「それもこれから考えましょう」
そう言って、二人は並んで店に戻る。
その翌日以降、喫茶 鉄血には少し変わったメニューが追加されたそうだ。
end
三つの世界を渡った男がいるらしい・・・・・
そんな冗談はともかく、今回は『葉桜さん』の作品から、主人公の『リオン・アッシュフィールド』が登場。
『もしもリオンがこの世界で目覚めていたら』という要望もいただきましたが、到底一話では終わらない分量になった+途中でデータ全消えになったのでいつものパターンになりました。
ごめんよ!
では早速キャラ紹介とか!
リオン・アッシュフィールド
今回の客。死んで世界を超えて、今度は死んでもないのに世界を超えて、なかなか忙しいな君は。
コラボ用メニュー
一応作ったけど多分出番のないメニュー。
過去の来客たちから聞いた話を元に金額を設定しており、支払いはあっちのコインが使える。
が、大抵話が代金になると思う。
喫茶 鉄血のリクエスト、募集中!
あとエルダーブレインどうしよっか迷ってるんだけどどうすればいい!?
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