喫茶鉄血   作:いろいろ

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これ書いてる時にふと思ったんだけど・・・・・番外編書いてなくね?
で、確認したら本当に書いてなくて焦ったけどもう開き直ってしまえばいいかと思いこのまま書くことにしよう。
まぁ優先順位がコラボ > リクエスト > 通常回なので。

というわけで今回もリクエストだよ!
この二人を忘れた人は第十五話と第十七話を見よう!


第九十五話:自由遊撃部隊

『・・・・・昨日未明、A国にて行われた大規模なテロ掃討作戦。 グリフィンは遊撃部隊を派遣し、これを制圧したと発表しました』

 

「へぇ、遊撃部隊なんているんだね」

 

「正しくは自由遊撃部隊ですが・・・・そう言えばDは知っらなかったんですねあの二人を」

 

「私たちは絶対忘れませんけどね・・・・・」

 

 

ここは喫茶 鉄血。店内のテレビに映るニュースを見ながら不思議そうに声を漏らすDと、それに答える代理人。そしてその話題にいい思い出がないので苦い表情のイェーガーたち。

Dが不思議そうに首をかしげるが、その疑問は店の奥で鳴り響く電話でかき消される。予約席や個室の貸切などの問い合わせ用に喫茶 鉄血でも電話が置いてあるが、だいたいここに着てから個室を借りたいという客が多いので、あんまり使われることはない。さてその電話は誰からかというと、噂をすればというやつである。

 

 

「はい、喫茶 鉄血でございます」

 

『ん? その声は代理人か? あたしだよあたし』

 

「新手の詐欺か何かでしょうか?」

 

『ノリがいいじゃねぇか・・・まぁいいや、バルカンだ。 今からそっちに行くけど大丈夫だよな? じゃあすぐ行くからな!』ブツッ

 

「ちょ、バルカンさん? ・・・・・まったく」

 

 

これから慌ただしくなるだろうなぁ、と思いつつも代理人は受話器を置いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

「よぉ代理人、来たぜ!」

 

「世話になる」

 

「お待ちしてましたよ二人とも、二階の個室でいいですか?」

 

「あぁ、構わない」

 

 

数分後、店の前にあられたいかにもなトラックから出てきたのは例の自由遊撃部隊の二人、『M61A2 バルカン』と『クリエイター』である。過去に一度だけしか来店しなかったこともあり、客や従業員からは物珍しい感じの視線を受けているが、本人らは慣れているのか全く気にしない。まぁ何せ一部では超がつくほどの有名人だ、いちいち気にしていては身がもたないのだろう。

 

 

「二人ともお久しぶりです。 元気なようで何よりですね」

 

「そっちこそ、相変わらずだな」

 

「まぁ、あんたのおかげでこうして戦っているられるんだ、今更が礼を言う」

 

 

そう、代理人はこの二人にとって恩人のようなものだった。開発されたラボを脱走したクリエイターを匿い、なんか乱入してきたバルカンと組ませることで有用性を示してみせた。クリエイターは『ファクトリー』という特殊装備があるにも関わらず使いどころがなく、バルカンはその威力の代償に大量の資材を消費するハイリスクハイリターン、その二人を組ませることで互いの欠点を補い合い、強みを最大限に活かせるようになったのだ。

 

 

「へー、そんなことが」

 

「そ、代理人がいなけりゃあたしらはここにいないってことさ」

 

「そう思うのでしたらあの時のドアの修繕費、払っていただいても?」

 

「ぴゅ〜、ぴゅ〜・・・・・」

 

「すまない代理人、いくら払えばいい?」

 

「ふふっ、冗談ですよ」

 

 

バルカンが目をそらして下手な口笛を吹いてはいるが、実際のところ弾薬費ゼロで報酬たんまり貰っている彼らの懐は大変潤っている。よってドアの一枚二枚くらい余裕なのだが、かつての消費資材の関係から貧乏性が抜けないバルカンだった。

 

 

「それにしても本当に久しぶりですね。 お仕事がひと段落ついたところと?」

 

「ああ、そんなところだ。 要請があれば片っ端から潰してはいるんだが、それもだんだん減ってきてな」

 

「規模が小さいのはどうしてもほかの連中に取られちまうし、仕事がなくなるのはなぁ・・・」

 

「平和になるのが一番ですよバルカンさん、たとえそれで仕事がなくなるとしても」

 

 

代理人の言葉になんともいえない顔で笑うバルカン。

戦術人形の本分は戦うことにある。それでもここ最近ではグリフィンに所属しない人形もおり、鉄血工造に至っては非武装の人形がそれなりにいるほどだ。特に一部のハイエンド(デストロイヤーやイントゥルーダーなど)は完全に武装を放棄しており、そういう意味では戦術人形=戦う者というイメージは薄れつつある。だが一方でバルカンのように戦闘特化の人形もおり、彼女らにとって平和とは存在意義の消失と同義とも言えるかもしれない。

要するに、素直に喜べないのだ。

 

 

「ま、そん時が来たら考えるさ。 今はとりあえずこのままでいいよ」

 

「そうですか・・・・・何かあれば遠慮なく言ってくださいね、いつでも力になりますので」

 

「安心してくれ代理人、こいつが道を踏み外すようなことは俺がさせん」

 

「お、嬉しいこと言ってくれるね相棒!」

 

 

バシバシと背中を叩くバルカンを若干鬱陶しそうにジト目で見るクリエイターだが、どうやらそこまで嫌ではない様子。むしろ相棒と呼ばれたことに若干の嬉しさが読み取れる。

あれからうまくやれているようだと感動しつつ、代理人はコーヒーを淹れにいくのだった。

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

「だろ? やっぱり大口径弾には憧れるんだよ!」

 

「ここはやはり砲身から何まで全面改修が妥当か・・・・」

 

「『アヴェンジャー』が30mmだからとりあえずそこを狙うのがいいんじゃない?」

 

「・・・・・・・・」

 

 

コーヒーを淹れに言ってその他諸々の用事を済ませて数分、帰ってきた頃にはさっきの感動が完全に薄れるほどの事態にまで進んでいた。

『たまたま』代理人がいないときに来店し、『たまたま』バルカンの隣に座ったアーキテクト。彼女がこの火力至上主義な銃に興味を持たないはずがなく、しかも隣には『歩く工場』であるクリエイター・・・・・よからぬ方向に話が進んでしまったようだ。

 

 

「じゃあ早速やろうぜ!」

 

「お願いですからやめてください、過剰火力もいいところです」

 

「えー代理人のケチー!」

 

「む、やはり問題が出るか?」

 

「問題しか起こりませんし、そもそも銃種が変わるのに烙印システムはどうするおつもりですか?」

 

「え? なくても撃てるだろ?」

 

「そうそう、バラまくだけならなんでもいいよ!」

 

「ほぉ、仕事を抜け出してどこをほっつき歩いているかと思えば随分楽しそうなことを話しているなアーキテクト?」

 

 

ビクッと背を縮こませて固まるアーキテクトの背後、それはそれは恐ろしい形相のゲーガーが仁王立ちし、そのまま首根っこを掴んで有無を言わさず引きずっていく。が、一度立ち止まって二人の方を・・・というよりバルカンを見ると、

 

 

「・・・一応だが、あまり代理人を困らせないことだ。 何が出てきても知らんぞ」

 

 

という脅迫だけ置いて帰っていった。その時の顔がよほど怖かったのかバルカンは若干青い顔をしながら「やっぱり今のままが一番だな!」と言って震える手でコーヒーを飲む。

・・・・・あ、むせた。

 

 

「ふぅ・・・まぁやりすぎなければ大丈夫ですよ。 その点はしっかりと保護者の方もいるようですしね」

 

「あぁ、やりすぎないようには見張っておこう」

 

「え? お前が保護者か?」

 

「お前じゃ契約も取引もできんだろ・・・・」

 

 

結局この日の残りは全て、どちらが立場的に上かを言い争うことになった二人。

その光景に軽く微笑むと、代理人はお代わりのコーヒーを入れるのだった。

 

 

 

end




宣言通り、遅々として筆が進まなくなりました。まぁモチベーションの問題ではないのでただ遅れるだけですが。
一応書けるときに書いて溜めているのもあるので、投稿できるときに投稿していきたいと思います。


というわけでキャラ紹介

M61A1 バルカン
いつぞやのコラボで出して以来。圧倒的な火力はそのままに極悪燃費をクリエイターと組むことでチャラにしたため絶賛活躍中。
大鑑巨砲主義ではないが、かなり火力重視の思考。

クリエイター
同時期のコラボで出た、作中唯一の男性人形。
ファクトリーによる無尽蔵の弾薬供給でバルカンと組んでいる。
話が進みづらいバルカンに変わって依頼を受けたりしているが、自身のスペックをフルに発揮してくれているということもあってバルカンにはやや甘い。


喫茶 鉄血のリクエスト・・・・・ですが、しばらくは今あるリクエストを書く&コラボも書くことにしますので少しお休みします。
その間にリクエストを温めておくんじゃぞ?

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